※前作
『変わるもの、変わらないもの』の続編。高校生なさくひまです。
※R-18指定注意。閲覧の際は自己責任でお願いします。追記からどうぞ。
来年大学受験を控える高校三年生――なんて肩書きを持つ以上、勉強しなくちゃ受かるものも受からない。
それが自分のレベルより格段に上となれば、それこそ寝る間も惜しんで死に物狂いで机に向かわなきゃ合格なんて夢のまた夢。
中には最後の手段――神頼みに命運を賭ける人もいるかもしれないけど、はっきり言って気休め程度にしかならないだろう。それで学力がアップすれば苦労はないし、そもそも何の解決にもなってないのだ。結局は現実逃避や甘えでしかない。
……とは言え、同じ受験生としては現実逃避したいというその気持ち、わからなくもない。むしろわかりすぎて涙が出そうだ。
「向日葵ぃー、ここの問題わかんない。おせーて」
わかっていてもどうしようもないのが現実ってヤツ。なので自分の学力の遥か彼方にそびえ立つバベルの塔を破壊しようなんて土台無理な話なのだ。
「あのねぇ櫻子? あなたもいい加減、自分で考えるってことを覚えなさいな。そんなんじゃ一緒の大学はおろか、滑り止めだってかすりもしませんわよ?」
「ぶぅー、んなこと言ったってわからないものはわからないんだよー」
「やれやれ…」
肩を竦めて首を振る向日葵。そんな呆れたように溜息つかなくてもいいのに…。
「ふんだ! 向日葵はホント向日葵だな」
「まったく意味がわかりませんわ」
「ったく、こんなのが私の《彼女》だなんて、人生何が起こるかわかんないよなー」
「なっ…こ、こんなのって何よ!……ま、まさか…後悔してる、なんて言うんじゃないでしょうね…?」
皮肉めいた冗談に向日葵は瞳を揺らしながら不安そうに私を見つめた。そんな泣きそうな目で私を見るなよ。襲いたくなっちゃうじゃないか。
「バーカ、後悔なんてしてるわけないでしょ。向日葵は私だけのモノだし」
「…ば、ばかっ…なにをふざけたことを…」
「…とか言ってどこか嬉しそうなひまちゃんでしたとさ」
照れ隠しの右ストレートが間髪入れずに飛んできたが、私はこれを華麗にスルー。さすが私、褒めて褒めて。
「って、そんなことはいいんだよ。それよりさぁ、ねーいいでしょ? この問題だけでいいから教えてよ」
「…そのセリフを聞くの、これで何回目だったかしらね…まったく」
「…三回ぐらいじゃなかったっけ?」
「五回目ですわよ」
「そうだっけ?」
「はぁ、仕方ありませんわね…で、どこがわからないんですの?」
「ここ」
数学の教科書を限界までおっぴろげて、シャーペンの先で件の問題を指す。向日葵はしばらく思案するように考え込むと「なるほど」と納得の表情で頷いた。
「確かに、この問題は今の櫻子の頭じゃ逆立ちしたって解けそうもありませんわね。納得ですわ」
「くっ…バカバカって一言余計なんだよ! おっぱい揉むぞ!」
「何よ、バカなんて一言も言ってないじゃない」
「言ってるようなもんだし! ふん、これだからおっぱい優等生は…ぶつぶつ」
「まったく…ほら、教えてあげますからノートに集中なさい。この問題は、この公式にこの数値を代入して――」
「ふむふむなるほど……ぜんぜん分からん」
分かりやすく説明してくれてるところ悪いんだけど、さっぱり分からなかった。まるで難解な暗号を前にしている気分だ。
「……!」
――ごっちんっ☆
「いったぁー!? な、何も殴ることないじゃん!?」
容赦のない拳骨が脳天直撃して星が散った。向日葵のそれはマジで痛いから始末に追えない。少しは手加減しろっての。私の頭蓋が陥没したらどう責任取るつもりだよまったく…。
「あなたが真面目にやらないからでしょう!」
「なんだよ! 向日葵の鬼! 悪魔! おっぱい魔人!」
「ふん! そのおっぱい魔人にご執心のおバカさんはどこのどちら様でしたかしら?」
「う、うっさい! だ、黙れバカ!」
向日葵の思わぬ反撃に顔が熱くなる。
「ふ、ふんっ…べ、別に向日葵のおっぱいなんて好きじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!」
「はいはい…胸の話はもういいから、いい加減問題に集中しなさい」
「くっ、自分からフッたくせに!」
一文の得にもならないような茶番を挟みつつ毎日飽きもせず受験勉強は続くのだった。
一体いつになったらこの呪縛から解放されるんだろうか。早く解放されたいけど受験が終わるまではどうしようもないな、なんて少し諦めモード。
でもこう毎日勉強漬けだと、全てを投げ出して自由になりたいと思うことも間々ある。ていうか無いわけがない。
それもすべて目の前のおっぱいが悪い――そう言う事にしておく。
自慢じゃないが私は褒められると伸びると自負している。けど目の前の幼馴染兼恋人にはそもそも私を褒めるっていう概念が存在していないのか怒ることしかしないのだ。
これじゃあモチベーションが保てないのも仕方ないじゃんね。
「あーもう! 勉強ばっかりでストレス溜まっちゃうよ! もうやめやめ!」
私はテーブルをバンバンと叩きながらお手上げのポーズでシャーペンを放り捨てた。
「そんなこと言ったって、しないわけにはいかないでしょう? 受験生なんだから。落ちたらどうするのよ?」
「……それはわかってるんだけどさぁ。せめて何かご褒美でもあったら勉強頑張れるんだけどなぁ、なんて」
何が悲しいって、見返りがあった方がさらに力を発揮できるのが人間って生き物だ。
「……ご褒美、ですの?」
向日葵は首を傾げながら聞き返す。
「そうそう」
「じゃあ勉強頑張れたら、このあとお菓子でも作ってあげますわよ。それでいいですわよね?」
「んー…それもいいんだけど…」
「何よ? 不満でもありますの?」
心外ですわね、とばかりにジト目で睨みつけられた。もちろん向日葵のお菓子は三度の飯より好きなので文句なんてないんだけど、私が言ってるのはそういう事じゃなくて、もっとこう、ね? 分かるでしょ?
「そうじゃなくてさ、できれば今すぐご褒美欲しいかなぁーなんて。前借りでさ。そしたら勉強頑張るし」
「はぁ? そんなこと言われましても…今は食べられるものなんてどこにも…」
「あるじゃん、目の前に美味しそうなのが」
「…え?」
疑問符を浮かべながら怪訝そうな顔をする向日葵に分からせてやる意味も込め、私はそっと手を伸ばした。
その手が向かう先は向日葵の頬。触れるか触れないかの優しい手付きで優しく撫でてやると、その意図を察したように向日葵の顔が赤く染まった。
「さ、櫻子っ…な、何を…!」
「……言わなきゃわかんない?」
「わ…わかりませんわ…」
うそつき。ホントはわかってるくせに。
「ふぅ~ん、じゃあはっきり言ってあげる。向日葵が欲しい。向日葵が食べたい。向日葵を犯――」
「そっ、そそそれ以上言ったらブン殴りますわよ!」
私の言葉に顔から火を噴きながら慌てふためく向日葵。
「だってわからないって言うし…。ならわからせてやろうかなって」
「だ、だからって…お、犯したい…だなんて…、ひ、卑猥すぎますわ…」
「あれ? 私、そこまで言ってないよ?」
「っ…い、言いましたわよ!」
確かに言おうとは思ったけど、言う前に止めたじゃん――なんてね。
向日葵も失言だったとばかりに恥ずかしそうに顔を逸らした。その潤んだ瞳がいちいち劣情を誘うものだから理性を繋ぎとめるのも一苦労だった。
――やばい、本気でムラムラしてきた。
日々の勉強で溜まった疲れやストレスに比例するように性欲の方も溜まっていくのは至極当然のこと。いったんガス抜きしないと勉強にだって身が入らないのは向日葵だって理解しているだろうに。
「ねぇ向日葵…ダメ?」
「だっ、ダメ…じゃないけど、そういう事は勉強が終わってからでも…」
「終わってからってことは、したくないわけじゃないんだね…実は向日葵も溜まってるんじゃない…?」
なんて耳元で囁いてやると、
「っ、違っ!」
否定の言葉とは裏腹にビクンっと過剰な反応を示す向日葵の身体。図星だったと言わんばかりに耳まで真っ赤っかだ。
「くすっ…向日葵ってホント強情だなぁ。いい加減素直になればいいのに。ま、向日葵のそんなところが可愛いんだけどさ」
「~~!!」
手始めに言葉で責めてみる。まずは軽いジャブで脳を揺さぶる作戦だ。ちなみに向日葵は「可愛い」と言う言葉にもろ弱い。もちろん私限定でね。
「…可愛いよ、向日葵…」
「…やっ…やめ、て…!」
「可愛い」と言われるのが何故そこまで効果があるのか知らないけれど、これはこれで好都合なので余計な詮索はしないでおく。
向日葵は顔を真っ赤にしながら小動物のようにぷるぷると震えて、頬や耳に与えられる微弱な愛撫に堪える。でもそれは時間の問題というもので、耳にフッと息を吹きかけるだけでビクビクっと身体を跳ねさせ、途端に脱力した。
まるで萎れていく草花のように、そのまま私の胸にしな垂れかかってくる。
「…ン…ハァ…ハァ…」
「ふふ、もう我慢できなくなっちゃったんじゃない? 鼻息荒くなってるよ?」
「そ、そんなわけ…ないじゃない…! そ、それより勉強を――」
いい加減素直になっちゃえば楽になれるのに――ね。
向日葵は頑なに首を縦に振ろうとしなかった。しかしこいつの意識がどこにあろうと、艶かしく開かれた口からは断続的に熱い吐息が漏れ出ていた。
まるで何かを期待するように、熱く、切ないまでに――。
(…そろそろ頃合かな…)
向日葵と付き合い始めてから、エッチだってそれなりの回数をこなしてきた。なので向日葵にその気があれば態度や仕草ですぐに分かってしまう。
向日葵は案外押しに弱い。恋人同士の付き合いを始めてからは、勉強中であろうとなかろうと、私が求めれば決して嫌とは言わない。むしろ向日葵の方から求めてくれる。
言葉じゃ反発したって身体はバカ正直なのだ。普段から優等生ぶって一直線なヤツに限って、実は一度その快楽に嵌ると抜け出せなくなっちゃうんだ。向日葵がそのいい例だと思った。
「さ、さくらこぉ…」
「ん…なぁに? やっぱり勉強する? それなら仕方な――」
向日葵の声が甘さを含んだものに変わったのを頃合に、イジワルな事を言って突き放してみる。すると向日葵は反射的に首を横に振った。どうやら絶えず続けていた愛撫が功を奏したのか完全にスイッチが入ってしまったらしい。
「っ…そ、そうじゃなくて…あの…だから…その…」
「んー? はっきり言わないとわかんないよ?」
「う…」
向日葵の顔がカァーッと真紅に染まった。言いたい事があるのに恥ずかしくて言えないって顔がまたそそる。背筋がゾクゾクして、今すぐにでも犯してしまいたい衝動に駆られた。
――が、そこは理性を総動員してなんとか抑えた。まだまだ楽しまないと、そういう気持ちがあったからね。
(普段は言いたいことはズバッと言うのに…)
なのに、こう言った駆け引きはてんでダメダメ。しかしそんな向日葵だからこそ愛おしく感じる。言い換えればもっと困らせたい。
よく言うじゃん?――好きな子ほどいじめたくなるってさ。
向日葵の出方を窺いながら頬や耳に優しい愛撫を繰り返していると、向日葵は遂に辛抱堪らなくなったのか、唇を震わせながらボソリと、蚊の泣くような声で。
「…お、お願い、ですわ…も、我慢できないから…」
決定的な一言ではなくとも何を言いたいのかはわかってる。でも出来ればちゃんとはっきり聞きたいんだよね。ホント、私っていい性格してるよ。
「…できないから?」
「…だ、だからっ…シ、シテ…ください…」
遂に自分の口から恥ずかしいセリフを口にしてしまった向日葵は、逃げるように俯いてしまった。しかし羞恥で限界まで赤く染まった顔は隠しきれていない。
何を?――とはさすがに聞き返さなかった。むしろ向日葵にしては頑張ったほうだと褒めてあげたい。
「向日葵」
「あ…」
優しく名前を呼びながら向日葵のあごに手を添えて顔をあげさせた。抵抗はない。むしろ待ってましたとばかりに自然と私に顔を向けて来る。
「さ、さくらこ」
向日葵は弱弱しい声で私の名を呼びながら、そっと瞳を閉じた。そして唇を差し出して、私を誘うように軽く開く。
(うっ…かわい…)
冷静に事を運んでいたように見えたかもしれないけれど、私も私で結構いっぱいいっぱい。これで興奮するなという方が無理。理性の糸が一瞬で千切れ飛んでしまいそうだ。
「…ん…」
「ちゅ…」
私は誘われるままに向日葵の唇にキスを落とした。もう何度もしてきたはずなのに、何度触れても胸のドキドキは収まらない。病み付きになってしまう。
「さくらこ、もっと…んんっ…ちゅ…」
向日葵にしては珍しく自分から事を起こす。触れ合わすだけの切ないキスにもどかしさを覚えたのか、私の首に腕を回して、さらに深く口付けてくる。何度も何度もリップ音を響かせながら、やがて向日葵の舌が口内に侵入してくる。
一度舌が触れ合ったが最後、理性を無くした獣のように互いの舌を吸い合い、絡ませ、唾液を啜る。重なった唇からぴちゃぴちゃと卑猥な水音を響いて止まらない。
「…はぁ…んっ…ちゅるっ…ふぅ…ン…」
(…向日葵…激し…)
向日葵がここまで貪欲に私を求めてくれるのは初めてだった。いつもはおずおずと言った感じで今ひとつ積極性に欠ける。けど今日の向日葵はこちらが圧倒されてしまいそうだ。
そして激しければ激しいほど終わりは早い。長く激しいキスで酸素が奪われ呼吸が困難になる。鼻で息をしようにも追いつかないほど息苦しくなって思わず向日葵の肩を掴んで離していた。
「はぁあ…ハァ…ハァ…」
「っ…!」
向日葵は唾液で繋がったままの舌を差し出したまま荒い息を付く。その蕩け切った表情が異常なほど扇情的に映る。
「…さくらこ…?」
その瞳が私に「なぜ?」と訴えかけた。「もっと触れていたかったに」と不満が見え隠れしていた。そんな風に欲情を駆り立てるような目を向けられたら私も我慢の限界だった。
「…向日葵っ…!」
「きゃ…!」
私は荒々しく向日葵を押し倒した。制服がしわになるとかそんなの知った事じゃない。早く向日葵が欲しくて堪らなくて貪るように顔を寄せた。
「ちゅ…ちゅっ…ん」
「あぁっ…や、ぁんっ…」
その陶器のように美しく真っ白な首筋に吸い付いて容赦なく私の跡を残す。何度も何度も吸っては跡を残すの繰り返し。行為を続けながらそのまま今度は制服の上から大きな胸を揉みしだく。
「あん、だめっ…そこ、ああぁ!」
向日葵の口から甘い声が漏れる。
「何がダメなの? そんなに気持ちよそうな声だしてるくせに」
「んぁっ…はぁ…あぅ…そ、そんなことっ…ぁあ!」
気持ちよさげな喘ぎ声は止まらず、断続的に訪れる快感に身を震わせる。
昔は敵対関係であったそれも今ではすっかり『昨日の敵は今日の友』。やっぱり向日葵の胸は揉み応えがあって最高だ。とんでもなく柔らかいのに、張りも十分で、とにかく気持ちがいい。
「向日葵、脱がすよ」
「えっ…? あ…」
もちろんそんな極上の乳を揉み続けていれば、すぐに制服越しじゃ我慢できなくなってくる。私の手に合わせてぐにゅぐにゅと形を変えるそれをじかに触りたい、そんな気持ちが溢れてくる。
私は向日葵の反応を待つまでもなく制服とブラウスを肌蹴させる。するとブラの上からでもその存在を主張する圧倒的な物量がぶるんと揺れ動いた。
「はぁ…はぁ…」
「さ、さくらこ?」
「ごめん向日葵、もう我慢できない」
「え?…あぁぁ!」
ブラの上からなんて生ぬるいことはしない。私はブラをずりあげて、手の平に収まりきらないそれを鷲摑み、右に左に揺さぶるように揉みほぐした。
「やっ…そ、そんな激しっ…もっと優しくぅ…」
「そのわりにもっと欲しそうな顔ですこと。ねぇ向日葵さん?」
「ち、ちがっ…そんなこと思ってなっ、やぁぁ!あっ!」
ぎゅむぎゅむと餅を捏ねるみたいに揉んでやると、その光景を目の当たりにして向日葵の瞳がいやらしく濡れた。そうまで欲しそうにされては私も頑張らないわけにはいかない。
「ちゅるるるっ、じゅるっ…」
「やぁっ!…らめ…そんなっ…ふぁあ!」
続けて大きな山脈の頂きに実ったピンク色の乳首に吸い付き、音を立てながら嘗め回す。その圧倒的な快感の大きさに向日葵は溜まらず甘い音色を響かせたが、
「くぅ…んっ…つ…!」
必死になって快感に堪えながら、声を押し殺そうと唇を噛み締める。だけどそんなものは何の意味もなさない。乳首を甘噛みしてやるだけで、硬く閉じられた唇は開き――、
「はぁぁあ! やぁっ! そ、そんなにされたらっ…気持ち、良すぎてっ…ひゃぁ…んぁ…あぁん…!」
どうやら僅かに残った理性ごと粉砕してしまったようだ。いやらしい喘ぎがさらに艶を増す。もう気持ちいいことしか考えられないって感じで快感に蕩けていた。
「ふふ、向日葵…もっと気持ちよくしてあげるからね」
ここまですればもう向日葵は私のいいなりのようなものだった。胸への愛撫を続けながら、右手で太ももを撫で回す。その手が向かう先がどこかなんて言わずもがな、そのひらひらと揺れるスカートの中しかない。
「向日葵、足、開いて?」
「だめ…だめなのにぃ…」
そんな言葉とは裏腹に抵抗なんて微塵も感じない。心の命ずるままに付き動かされる向日葵の身体。まるで私がしやすいようにいやらしく股を開いてくれた。
私はふとももを撫で回しながらゆっくりとスカートの中に手を差し入れて、下着越しに向日葵のそこに触れてみると、
「…ぁんっ…!」
くちゅくちゅと、そこはすでに向日葵の愛液でぬかるんでいた。まるでお漏らししたみたいに、その部分だけ染みを作っていた。
「もう濡れてるね…そんなにおっぱい弄られるの気持ちよかった? それとも…キスしてたときからこんなだったのかな?」
「~っ」
言うまでもなく図星だったようで、向日葵の顔が羞恥に染まった。
「切ないでしょ? 今楽にしてあげるからね…」
「あっ…ふぁ!」
これ以上待たせるのもかわいそうだし、私は本格的に向日葵を攻める。既に濡れた下着の中に手を差し入れ、びしょびしょに濡れた割目をなぞると、それだけで向日葵の身体はビクビクと仰け反り快感に身を震わせた。
「気持ちいい? 向日葵?」
「あっ…あんっ…そこっ…」
「ここ? ここが気持ちいいんだ? じゃあもっとしてあげる」
上下に割目をなぞり、向日葵の気持ちい所を重点的に攻める。そうしてやると、もはや理性の欠片もなく悦びの声を上げ、うっすらと笑みさえ浮かべて感じる向日葵。
「あっ…あっ…や、らめっ…気持ち、いっ…」
声のトーンが徐々に高くなり、そろそろ向日葵の絶頂が近いことを悟る。
私は最後の仕上げとばかりに膣内へと指を差し入れた。そこはもう愛液でトロトロに蕩けていて、指を二本にしてもすんなりと受け入れた。
「向日葵、いつでもイっていいからね?」
「ンくっ…ひぁ! あっ! それらめっ!」
「気持ちいいでしょ? 激しくされるの」
「ああっ…気持ち、いいっ…気持ちいいからぁ! だからそんなに…激しくしないでぇえ!」
私の指先でぐちゅぐちゅと掻き混ぜられた愛液が白く濁る様がその激しさを物語る。
「くすっ…それってもっとして欲しいってことだよね?」
「っ…んっ…あっ…あっ…はぁっ…やっ…らめっ…!」
私はさらに激しく膣内を攻め立てる。快感の波に翻弄されながら向日葵はいやいやと首を振り乱す。もはや羞恥の欠片もない嬌声を漏らし感じまくる。
そろそろかな…――そう悟った私は割目の上でぷっくりと腫上がったクリトリスを爪弾いてやる。すると――、
「ッッ~~!…っ…っ…!」
向日葵は一瞬の苦悶の表情のあとに、襲い来る強烈な快感に目をギュッと瞑りながら声もあげずに果てた。
(っ…向日葵、締めつけすぎ…)
指先に感じる痛みに顔をしかめる。指をぎゅーぎゅーに締め付けて離さない膣内が断続的に痙攣していた。
「向日葵、大丈夫?」
そっと指を引き抜き、それから向日葵の様子を窺うように覗き見た。
「はぁ…ふぅ…だ、大丈夫…ですわ…」
「そか、よかった」
「…まだちょっと…空を飛んでる気分ですけど…」
「つまり気持ち良すぎたってことだよね?」
「…っるせ、ですわ」
向日葵は、図星に顔を赤らめてプイッとそっぽを向く。
私は向日葵の相変わらずの反応に苦笑しながら後始末に取り掛かった。
「さーて、私は十分満足したし、勉強の続きでもしよっか?」
「………」
「なんか今ならどんな問題だって解けちゃいそうだよ。天才櫻子様の本領発揮ってね!」
「ちょっと…何勝手に終わらせようとしてるんですの…?」
「へ?」
汗で張り付いた前髪を拭いながら、向日葵は微笑む。その笑顔に何故か、一抹の不安――と言うか嫌な予感を感じた私の六感はたぶん正常に機能してる。
「あ、あのひまちゃんさん?」
「まだ…櫻子が気持ちよくなってませんわ…、だから…次は櫻子の番ですわ」
「え…えぇ!?」
つまりそれは、私が向日葵にしたことをそっくりそのままお返しするってことで、
「い、いいよそんな! 私は向日葵が気持ちよくなってくれたらそれで十分だし! そんなことより勉強しよーよ勉強! 一緒の大学行くんでしょ!」
「ええそうね…」
「だったら――」
「でも…勉強なら今だってしてるじゃない」
「は?」
「保健体育(実技)」
「――」
向日葵の目は安易に語っていた――「観念しろ」と。どうやらどう足掻いても私を逃がすつもりはないらしい。
「やれやれ…向日葵は本当エッチだなぁ」
「あなたにだけは死んでも言われたくありませんわ」
その後、完全復活を遂げた向日葵の保健体育(実技)は私のそれを遥かに凌ぐ激しさだった。一度動き出したら止まらない暴走特急列車のように、私は成す術もなく、ただただ翻弄されるままに、美味しく頂かれてしまうのである。
勉強もほどほどにしておかないと後が怖いね。
ホント、やれやれだ。
END