とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆるゆりSS 櫻子×向日葵 『風邪×看病=?』

※タイトル通りの展開。

追記からどうぞ。



 寝て起きて目覚めれば、変わらぬ朝が目の前に――と思っていたのはつい数分前の話。目が覚めると、昨日までとは違う確かな違和感と、明らかな異変が、否応なくその身を襲った。

「けほんっ…けほんっ…うぅ…」

 もともと寝起きはいい方じゃないし、二度寝が基本の私が快適な目覚めを体験したことがないのは言うまでもないけれど。
 しかし今日のそれは、いつもとは明らかに種類の違う気だるさだった。
 布団を被っても、体の芯から身震いするほどの肌寒さにぶるぶるして、頭を打ち付ける除夜の鐘と思わしきガーンガーンと言う擬音に頭を抱えて、おまけに鼻声で私の美声もかすれ、喉も痛くって――。
 つまり何が言いたいかって言うと。身体がダルくて体調がよろしくないってこと。
 さらに分かりやすく言えば――、

「ずび…風邪引いだ…」

 一般的な病気。その名の通り『病は気から』なんて言うらしいけど、こうダルくちゃ気が病まなくたって関係ないよね、これ。

「はぁ…やれやれですわね…。櫻子が風邪なんて、明日は槍でも降るんじゃないかしら…」

 ベッドに磔状態の私を横で見下ろす呆れ顔は、幼馴染兼永遠のライバルの向日葵。
 今日はまた一段と溜息を付く回数が多くてやんなる。突然人の部屋にあがり込んで来たかと思えば、私の顔見るなり鳩が豆鉄砲食らったような顔してポカンとした挙句、「バカも風邪引くんですのね…」なんて失礼極まりない暴言を吐き捨てやがった。
 私はこれでも病人なんだぞ。病人にはもっと優しくしろ。このおっぱいマグナムめ。

「あれ…? そう言えば…どうして向日葵ここにいるんだっけ…?」
「はあ? あなた頭大丈夫ですの? さっきも話したじゃないの」
「ああ…そう言えば不法侵入ってヤツだっけ…? 警察呼ぶ…?」
「今にも死にそうな顔して、体を張った冗談はやめなさいな…」
「いや、別に冗談言ってるわけじゃ…けほんっ!」

 どうやら頭が痛くて記憶が曖昧になってるらしい。向日葵がここに来た理由も、聞いたような聞かなかったような。頭がぼんやりしててやっぱり思い出せなかった。

「ほら、あまり騒ぐと体に障りますわよ。まったく、いつまで経っても外に出てこないから、もしやと思って見に来て見れば、案の定でしたわね…」

 向日葵はそう軽く溜息を付いて、乱れた布団を掛けなおしてくれた。ぽんぽんと優しく布団を叩くその行為が、何だかとっても気恥ずかしい。そんな優しくされると調子狂うんだよな。
 だけどまぁ褒めて遣わそう。さすが我が下僕。たまには役に立つな。うむ苦しゅうない。これからも存分に私を敬うがいいぞ。

「ところで櫻子、今日はおば様や撫子さんはいらっしゃらないの? 鍵はいつもの所にありましたから勝手に上がらせてもらいましたけど」
「うー…お父さんは昨日の夜出張でどっか行った…けほんっ…お母さんはその付き添いだって…、ねーちゃんと花子は…えーとなんだっけ…? 学校のレクリエーション…だっけ? それで昨日からどっかの娯楽施設にお泊り中…ずるい…今日の夕方まで帰ってこないって…げほっ」

 誰もいない時に風邪引くなんて運が悪いなんてものじゃない。もしかして何かに憑かれてる? おっぱいのデカい化け物とか? うわやばいそれは早めにお祓いしてもらわないと!

「それは…またずいぶんとタイミングの悪い時に風邪なんて引きましたわね。どうせ誰もいないのをいいことに、はしゃいでお腹でも出して寝たんでしょう? やれやれですわね」
「向日葵の中で私はどんだけ子供だよっ…! げほげほっ…」
「ほら、大きな声ださないの」
「ぬー!」

 ださせたのはどこのどいつだよ!いっつも一言多いんだよこのおっぱい魔人!おっぱい禁止令発令するぞ!そしたらその贅肉袋は削ぎ落とすしか道はないんだからね!

「……また何か失礼なこと考えてますわね…まぁいいですわ。ところで櫻子、食事は? 起きてから何か食べました?」
「え…? う、ううん…朝起きてからずっとこの状態…熱も測ってないし…」
「そう…さすがに少しでも食べないと、良くなりませんわね。ちょっと軽く何か作ってきますから、大人しく寝てなさいね」
「え、そんな…別にそこまでしてくれなくても…悪いし」

 いくら相手が向日葵だからって、私にだってそれなりに遠慮ってものは持ち合わせてる。親しき仲にも礼儀あり。いや、別に向日葵となんか親しき仲じゃないけど、とにかく向日葵にそこまでしてもらうわけにはいかないと思った。

「それに向日葵、学校あるでしょ…? 早く行かないと遅刻しちゃうよ…?」
「病人がいっちょ前に遠慮なんてするんじゃありませんわよ。弱ったあなたをそのままにして学校になんて行けるわけないでしょう? それこそ、授業どころじゃありませんわ」
「……それって…もしかして…心配、してくれてるってこと?」
「っ…い、いいから黙って看病されてなさい! 今氷嚢と体温計持ってきますから!」

 何気ないツッコミに言葉を詰まらせた向日葵は、照れたように顔を赤らめると、「ふんっ」と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
 そんな向日葵のあからさまな態度に、何故か私の頬も自然と緩んだ。もしかして嬉しいと思ってるのかな? はは、まさかね。

「…向日葵は相変わらず素直じゃないなー…」
「ふぅ…あなたほどじゃありませんわよ」

 どの口がそれを言うんだろう。素直に『心配』の一言も言えないのにね。
 あ、でもそれは私も一緒か、はは。

「ありがとね…向日葵」

 ぼうっとする頭で血迷った事をボソリと呟いてみたけど、

「…何かいいまして?」

 当の向日葵の耳には届いてなかったみたい。別に残念でもなんでもない。聞こえてたらそれはそれで厄介だし、面倒極まりない。むしろ悪いのは弱ってるのをいい事に調子が狂うような事を言っちゃう自分の口の方だ。

「ううん、なんも…」
「そう…じゃあ少し出ますけど、起き上がったりしないように。いいわね?」
「うい…りょーかい」

 向日葵にお礼なんて、私の病気も相当進行してるらしい。病は気からって言うのも強ち間違いじゃないかもしれない。
向日葵の気遣いを嬉しいなんて思った日には、大室櫻子一生の不覚だ。



 *



 瞼に映る深い闇――普段は何とも思わないような音や気配が、いつにも増して五感を刺激した。
 敏感に感じ取ってしまう。今はここにいないはずの向日葵を。足音や、キッチンでカチャカチャやってる音とか、離れていても向日葵の姿が手に取るように分かった。
 なぜ向日葵が傍にいるだけで、こんなにも心が安らぐんだろう。風邪を引いて、心細い思いをしていた矢先に、それすらを感じさせる間もなく向日葵は私の所に来てくれた。
 嬉しかった。たとえ頭がそれを否定しても、心は正直だった。
 向日葵が心配そうに私を見る目は印象的だったな。久しく見ていなかった気がする。
 心配に揺れるその瞳が、私に若干の動揺を与えたけど、でもそれ以上に、嬉々とした感情が溢れ出した。それこそ自分の本当の気持ちと向き合わなければいけないほどに。今まで隠してきたものがいとも容易く表に――。

「はぁ…やめやめ…バカみたい…、なに向日葵のことばっか考えてんの…らしくないっての…、こんなのいつもの私じゃないよね…、病気のせい病気のせい…」

 そっと目を開けると見慣れた天井が広がった。見慣れているはずなのに、今日はどこか遠くに感じるのはやはり私が本調子じゃないから。
 向日葵が部屋を出て行ってあれからさほど時間は経っていない。時計を見れば15分かそこらで、たぶんそろそろ戻ってくるんじゃないかって思った矢先、トッ…トッ…と言う階段を上ってくる足音が鼓膜を突いた。
 それが部屋の前で停止すると、控えめなノックの後に向日葵が戸を開けて入ってくる。

「ちゃんと、大人しくしてたかしら?」
「…あたりまえだのくらっかー…」
「そう、それならいいですわ」

 向日葵はふっと微笑み、食器を机に置いた。それからまずは氷嚢を取って私の頭の下にそっと差し入れて、とりあえずは最初の任務は完了。向日葵の表情もどこか和らぐ。

「とりあえず在り合わせのもので雑炊作ってきましたわ。食べられますわよね?」
「うん…ちょうどお腹空いてたところ」
「さすが櫻子、風邪を引いても食欲だけは旺盛なのね。これなら今日しっかり休めば明日には直りそうね」
「……なんか引っ掛かる言い方だけど、まぁいいや…考えるのも疲れるし。ところで向日葵、学校いいの? もう完全に遅刻じゃん…」
「心配には及びませんわ。私、今日は学校休みましたから」
「えっ…?」
「……誰もいない家に櫻子一人置いていくわけにもいきませんし。さきほど学校には連絡しましたから、だから大丈夫ですわ」

 全然大丈夫じゃなかった。私のために向日葵がそこまでしてくれる事は(口に出しては言えないけど)素直に嬉しいし、ありがたいんだけど、それでもやっぱり申し訳ない気持ちが先に立つ。

「ご、ごめんね…なんか私のせいで…」

 私は素直に謝って見せたが、しかし向日葵は私の話を話半分に聞きながら、体温計の準備をして私に手渡した。
「これで熱測りなさいな」って、いつものお嬢様口調で。
 私は受け取ったそれを肌蹴たパジャマの隙間から差し入れ、脇に指した。外気に晒されていた体温計はちょっと冷たい。
 私がそういている間に、向日葵はテキパキと仕事を続ける。土鍋の蓋を開け、湯気立ち上るそれを食器ごと私の近くまで持ってきた。つまり次は食事ということだ。

「ほら、食べさせてあげますから、口開けなさい」
「え、ええ? い、いいよそんな、恥ずかしい…じ、自分で食べられるし」

 いくら幼馴染だからって出来ること出来ないことがあって然り。特に私の感情を揺さぶるような行為はご法度なのだ。自分でも理解の及ばない、おかしな気持ちに苛まれてしまうから。
 しかしそんな心情を知ってか知らずか、向日葵は幼い子供を諭すように微笑むと、

「病人のくせに生意気言うんじゃありませんわよ。いいからほら」
「うー…わ、わかったよ。なんか向日葵、お母さんみたい…」
「やれやれ…こんな大きくて小生意気な子供を持った覚えはありませんわ」

 溜息交じりにそう言いながら、レンゲでよそった雑炊を口元に差し出してくる向日葵。

「ちょっと熱いですから気をつけて。ああ、せっかくですからふーふーして差し上げますわ」
「ちょっ…だ、だからそういうの恥ずかしいって…!」

 だけど一度言い出したら聞かない向日葵は、熱そうな湯気が立ち込めるレンゲに、ふーふーと息を吹きかける。いつもなら何でも無いようなその行為にドキッと胸が高鳴る。弱った私の心には大打撃だった。

「はい、あーん」
「…あ、あーん…あちちっ」
「大丈夫?」
「う、うん…」

 やけどしそうってほどじゃないけれど、思いのほか熱くてハフハフする。少しの間それを続けて、だいぶ熱も落ち着いてきたところでゆっくりと雑炊を口内で味わい、ごくんと飲み込んだ。

「……おいしい」
「まだ沢山あるから、ゆっくり食べなさいな」
「うん…」

 次のを食べようと口を開こうとした時、ピピピっと脇の下の体温計が鳴った。
 突然の事にビクっとしたけど、すぐに体温計を取り出して数値を確認すると…、

「…38度ぴったり…」
「完全に風邪ね」
「そうみたい…。いつ以来かなぁ、風邪引くの」
「ナントカは風邪引かないって言いますのにね」
「え? どう言う意味?」

 向日葵はクスっと、雑炊をよそったレンゲを差し出してきた。

「わからないならいいですわ。それよりほら、あーん」
「うん。あー…んっ、むぐむぐ…やっぱ向日葵の料理ってうまいなー。でももうちょっと濃い味でもよかったけど」
「病人なんだから我慢なさい。わざわざ塩分控えめにして作ってきたんですから」
「ん…でもなんかさぁ、今日の向日葵って妙に優しいよね…」

 もちろん、今日は特別だってのは分かるんだけどさ。

「べ、別に、そんなこと……そう言う櫻子だって、いつになく素直じゃないの」
「ふ、ふんっ…わ、私は風邪引いて調子出ないだけだし」

 元に戻ったら全力全快で向日葵なんておっぱい禁止だし。

「なら櫻子には、これからも病気していて貰おうかしら?」
「ぶー! それってなんかひどくない?」
「ちょっとした冗談ですわよ。病気で弱ってる櫻子なんて調子が狂うだけだから、さっさと直してしまいなさい。素直な櫻子なんて、明日世界が終わるにも等しいですわ」
「なにおー!」
「ふふふ♪ それだけ元気があれば風邪なんてすぐ治りますわよ。ほら、あとは自分で食べられますわよね? 食べたら少し眠りなさい」
「え、う、うん」

 受け取ったレンゲと土鍋で残りの雑炊を食べる。さっきまで感じてた胸のドキドキは息を潜め、美味しかったはずのそれもどこか味気なく感じた。

(もう少しくらい、あーんしてくても良かったのに…向日葵のバカ)

 空気の読めないおっぱいバカに心の中で不満を漏らす。でもそれ以上に、そんな事を望んでいる自分自身に不満たらたらだったけ。やっぱり病気なんてするもんじゃないな。思ってもない事ばかり考えちゃう。

「ふぅ…食った食った…もうお腹いっぱい……食べたらなんか眠くなってきたかも…」
「寝る前に、お薬飲んでしまいなさいね?」
「うん…あんがと」

 向日葵が持ってきた薬の錠剤を飲んで、今度こそやる事が寝る事以外なくなってしまった。
 そもそも病人に出来ることなんてそう多くない。薬飲んで温かくして寝る。これが一番。

「ほら、ちゃんと布団被って」
「わ、わかってるよ。ていうか向日葵、ちょっと過保護すぎ」
「放っておけないから言ってるのよ。あなたなら目を離した隙に、起き上がらないとも限らないし」
「うー…そんなことしないし」

 まったく信用されてない事に遺憾に思いながら、それなら方法は一つしかないと提案してみる。

「じゃ、じゃあさ…わ、私が寝るまで…ここにいて?」

 断じて、寂しいからとかそう言うんじゃないからね!

「……もう、仕方ないですわね」
「そ、その…ひ、向日葵がどうしてもって言うなら、手とか、握らせてあげないこともないし…!」
「ふふっ…珍しく素直なあなたに免じて、今日だけは特別ですわよ?」

 いっそ無茶なお願いと肝を冷やしたけど、向日葵は嫌な顔一つせずに微笑むと、布団の中に差し入れた手で私のそれを強く握った。温かくて、ひどく安心する。ただ、手を握られてるだけなのに…。

「さ、そろそろ眠りなさい…」
「う、ん…」

 温かい向日葵の手。その手から伝わる体温に安堵感を覚えながら、私は全身からふっと力を抜いた。向日葵がそこにいてくれる事実に安心した途端、ひどい眠気が襲ってくる。

「おやすみなさい…櫻子」

 うん…おやすみ…向日葵―――。

 霞む視界。うつらうつらと船を漕ぐ私が最後に見たのは、夏に咲くひまわりみたいな優しい笑顔―――。


   *


 ―――翌日。

 向日葵の看病の甲斐もあり、私の風邪はすっかり元通りに回復した。むしろ風邪を引く前よりも元気が有り余っているような。その日は珍しく快適な朝の目覚めと言うヤツを体験したくらいだ。
 それもこれも全部、向日葵の看病の賜物かなーなんて、ほんのちょっとくらいなら感謝してやらなくもない。
 でも今回のことで、その……た、たまになら、風邪を引くのも悪くないかなって……。
 いや!別に甲斐甲斐しくお世話してくれる向日葵に胸キュンとか、そんな事は一切考えてないんだからね!そこんとこ勘違いしないでよね!!

「特にそこのおっぱいミサイル! 絶対勘違いしないように!」
「は?…何をいきなり意味不明なこと言ってますの? まだ風邪治ってないんじゃなくて?」
「う、うっさい…! そ、そん時はまた、向日葵に看病してもらうからいいもん!」
「……やれやれですわね。できればもう二度と御免ですわ」



おしまい!



【あとがき】
最近風邪気味の私。だから書いてみた。ただそれだけの話なんです。
百合姫5月号のさくひまユニットの衣装が堪らなく可愛いです。
早く聴きたい聴きたい聴きたい聴きたい。
[ 2012/03/24 20:35 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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