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人気者の憂鬱の続き
R-18注意追記からどうぞ
恋焦がれて幾年月――。
どうしようもないくらいに育ってしまったそれを隠す術はもうなくて、優しく重ねた唇に、精一杯の想いを乗せて、貴女に届きますようにと願いを込める。
溢れ出した気持ちの行き場を探して辿り着いた貴女の唇は、甘くて、どこか切なくて、でも気持ちよくて、私の大好きな味がした。
『人気者がいない今日~人気者の今日AfterⅡ~』
「私が、ミミちゃんのこと大好きで大好きで堪らないってこと……知ってた?」
もう、後戻りはできない。
口付けを交わし、言葉にしてしまった以上、誤魔化しはもう効かないのだから。
こんな形でしか愛を伝えられない私をどうか許してねミミちゃん。ちょっと卑怯かもしれないけれど、照れ屋で不器用で意地っ張りな貴女に想いを伝えるには、多少強引な方がいいかなって思ったから。
まぁ、ヤキモチ妬かされた分、ちょっぴり困らせたいって気持ちがなかったと言えば嘘になるけど。
「…………」
「……ミミちゃん?」
返事がないただの屍のようだ。というのはもちろん冗談。
ミミちゃんは事態を飲み込めずに呆けたような表情で、視点の合わさらない瞳で虚空を見つめていた。その瞳には私は映っていないように見えるが、その顔はしっかりと赤に染められている。
思考とは裏腹に、心の方はすでに答えに行き着いているのかも。今は心の準備期間と言ったところか、現状把握に尽力しているのかもしれない。
ほどなくしてそれも終わりを告げ――、
「……~~っ!」
「…きゃっ…!」
瞬く間の出来事は私の悲鳴にも似た声すら掻き消した。
気付いた時にはぽすりっという乾いた音がして。頭には柔らかな感触。それがミミちゃんの腕の中で、私が彼女の胸に顔を埋めていたと気付いたのは、それから十数秒経った後だった。
それは本当に一瞬の出来事。
素早さに定評のあるミミちゃんは、その俊敏さを生かして私をそこに導いた。無防備を晒していた私はただただ彼女のされるがまま。
だけど私には拒絶する理由なんて何もない。彼女のすることならなおさら。だって彼女になら、何をされたって構わないのだから。たとえそれが痛みを伴うことだったとしても。
「ミミちゃん…どうかしたの?」
「い、今…私…きっとひどい顔してるから…、お願いだから…見ないでっ…」
「……う、うん」
強く抱きしめて、胸に押さえ込んで、必死に表情を隠そうとするミミちゃん。
今どんな顔をしているのか少し気になった。
喜んでるのかな? それとも戸惑ってる? あるいはその両方、だろうか。できれば喜んでくれたら嬉しいな、なんて淡い期待を抱きながら。私はミミちゃんの柔らかな胸に顔を擦り付けるようにして身を投じ、すうっと、大きく息を吸い込んだ。
瞬間、脳が痺れそうなほどの甘い香りが肺一杯に広がった。それはさながら媚薬とでも言おうか。思わず熱い吐息を漏らしてしまう。
「ミミちゃんいい匂い…、私…ミミちゃんの匂い大好き…」
「っ…あ、あまり嗅がないでよ。恥ずかしいから」
「無理だよ。だってミミちゃんが腕解いてくれないと動けないもん。言ったら解いてくれるの?」
「ま、まだ無理ね。も、もう少し待って頂戴」
「はぁーい」
お許しも出たのでしっかりとミミちゃんの匂いや感触を堪能する。
元々若干の身長差があるせいか、ミミちゃんよりも小柄な私は、まるで母親に抱かれる幼子のようにすっぽりとその腕の中に納まってしまっている。
それはまだ私が幼い頃、お姉ちゃんにギュッとされた時もこんな感じだったかもしれない。
昔の事を思い出して少し懐かしく思う。温かくて、いい匂いがして、ひどく安心したのを覚えてる。
ただ今と昔で違うのは、そこにいるのが姉ではなく私の愛する人だってことだ。
「ミミちゃん…好き…大好きだよ…」
「っ…だ、だからそういう事を何度もっ…うう…」
「ミミちゃん、もしかして照れてる? それとも恥ずかしいのかな?」
「ど、どっちもよ! だ、だって…こんな風にストレートに好意をぶつけられたの、は、初めてだし…それがトトリなら、なおさら…」
「ふふ…ねぇミミちゃん。そう言えばまださっきの質問の答え、聞いてなかったね」
「な、何を?」
「私が、ミミちゃんのことを好きで好きで堪らないってこと。知ってたかな?」
「っ…し、知らなかったわよ。悪かったわね」
「あー、ひどいなあ」
クスっと笑みを一つ漏らす。意外と薄情なんだねミミちゃんってば。
私はそっと顔を上げて、ミミちゃんの首に腕を回した。息すら掛かる近い距離にミミちゃんの顔がある。私の大好きなミミちゃんの顔が、戸惑いと嬉しさと、色んな感情が入り乱れたような表情をしたミミちゃんが、そこにいた。
「トトリ」
「…ぁ…」
ミミちゃんがそっと私の腰に腕を回して強く抱き寄せる。あるいはそれは無意識からの行動だったのかもしれない。私にとっては嬉しい行為そのものだったけど。私も負けじと首に回した腕に力を込める。離さぬように、離れえぬように。
「ミミちゃん…」
その瞳を見つめると、彼女も同じように見つめ返してくれる。
静かな時が、ただただ流れていた。
濡れた瞳。赤らんだ頬。私だけを見つめてくれる瞳がそこにある。
私が欲しかったもの。今この腕の中に確かに感じてる。
大好きって気持ちが溢れ出して止まらない。
「ねぇミミちゃん…、私はね、ミミちゃんが思ってるよりずっとずっとミミちゃんの事が好きなんだよ?」
「ト、トリ……私、私も…」
「ずっと…好きだった…愛してた…、出会った頃から、冒険者だった頃から、私を護ってくれるその背中に、恋してた…」
まるで唄を謳うようにミミちゃんの心に訴えかける。私の想い。その全てを。言の葉に乗せて。
ミミちゃんはそっと目を伏せた。
一瞬の後、まるで何かを決意したように目を開けた。その瞳に宿るのは確かな決意と覚悟。
「トトリ…、私もトトリの事、好きよ。ずっと、好きだった…友達としてじゃなく、ね」
「ミミ、ちゃん…」
「最初はね、私に初めて出来た友達だから特別なんだと思ってた。親友ってこんな感じなのかなって、漠然とだけどわかった気になってた。でも――」
「ううん、もういいよミミちゃん。ミミちゃんのその気持ちが聞けただけで私は…」
「トトリ…」
想いを伝え合った私たちに、もはやしがらみなんてないにも等しい。揺れる瞳はそっと閉じられ、誘われるままにその唇へと導かれる。
重なった唇同士が熱く火照り出し、やがて触れるだけでは物足りなくなっていく。
「…んっ……ふっ……と、とり…っ…」
「んんっ……ミミ、ちゃ……んふっ…ちゅっ…」
ただ重ねるだけの行為は啄ばむようなものに変わり、熱い吐息の漏れる唇の隙間を縫って、断続的に互いの名前が漏れ出た。
やがて唇を甘噛みするように動き出し、開かれた歯の隙間から伸びた舌がちょこんと触れ合った瞬間、抱き合う力にも熱が篭り、さらに唇を深く押し付けあう。
「んっ!……ふっ……ちゅっ…はぁっ…ミミちゃんっ…好きっ…!」
「私も好きよ、トトリっ…んっ、んふぅ……!」
脳が蕩けていく感覚。ボーっと霞む視界。痺れるほど舌を絡めあう私たちの唇からは、絶えず唾液が零れ落ち、つーっと顎を伝ってポタリポタリと二人の胸元を汚す。不思議と不快とは感じない。むしろ私たちが混ざり合ったそれを愛おしく感じる。
「んっ…んふっ!……ぷは」
ずいぶんと長めのキスだった。さすがに息苦しくなってどちらともなく離れると、繋がったままだった銀色の糸が重力に耐え切れずにプツリと切れる。
はぁはぁと熱い吐息を漏らし、とろんと蕩けたミミちゃんの瞳はとっても扇情的で、私のなけなしの理性は焼切れる寸前だった。お互い肩で息をしながら、私たちはさらに身を寄せ合う。
「…ミミちゃん…」
誘うような、艶を含んだ甘ったるい声が自分の口から漏れたことに少々の驚きを隠せないが、この状況ではむしろ、生物としてある意味自然といわざるをえない。
「ちゅっ…んっ…」
ミミちゃんの首筋に顔を埋めながら啄ばむようなキスを何度か落とす。
軽く吸ってみると、そこには小さな赤い痣が出来る。キスマーク。私がミミちゃんに触れたという証が残される。
「っ…ん……ああ…!」
ミミちゃんは擽ったそうに身を捩りながら喘ぎにも似た吐息を漏らし、抵抗とばかりに手を伸ばした。腰回りに触れていた手は徐々に下方へと移動して、ひらひらと透けたスカートの中に手を差し入れたかと思ったら、レオタードの布越しにお尻を撫で回し始める。
それが何を意味するのか、分からない私じゃない。
「ふあっ…ん…っ…あっ…」
触れるか触れないかの手付きに擽ったさを覚え、微弱な快感に思わず喘ぎを漏らす。
「み、ミミちゃん…?」
「あっ…い、嫌だった?」
「う、ううん。い、嫌じゃないけど…その、ミミちゃんそういうことしたいのかなって思って」
「う……」
「……したいの?」
「……っ」
ミミちゃんは赤面しながらも小さくコクンと頷いて肯定の意思を示した。
そっか。したいんだ。ちょっと意外かも。
無論、これから何をしようとしてるのか知らない私たちじゃないし、もともとお互いの体は既に、先ほどの熱いキスで焼け爛れるような熱に支配されていた。もはやキスだけでは我慢できない。そんな熱に浮かされていた。
「もう、ミミちゃんの…えっち」
「ぐっ…」
「なんてね。嘘だよ。私も…ミミちゃんとしたいな」
「ト、トトリ…」
「しよ…ミミちゃん」
「ん…」
軽く唇を触れ合わせたのを合図にして。
私たちは縺れ合うようにしてソファに倒れ込んだ。
*
トトリの唇を吸いながらそっとソファに押し倒すと、勢いで離れた唇から熱い息が漏れた。
不安と期待とか入り混じった瞳が私を見つめて離さない。その誘うような瞳が私の理性を壊そうとしている。
「トトリ」
「あ…」
トトリの華奢な体を胸元から腰、お尻にかけて、ゆっくりとなぞる様に触れていく。見た目華奢なように見えるがしっかりと弾力があって柔らかいその体。
胸の方は…まぁ仕方ないにしても(それは私にも言えることだが)私にとってはこれ以上ないくらい魅力的に映って見えた。
「ん……あぁ…く…っ、はぁ…」
スカートから伸びるふっくらと肉付いたふとももを重点的に攻めると、トトリはその微弱な快感に甘い声を発しながら喘いだ。
「んっ……もう。ミミちゃんさっきから太ももばっかり弄って…そんなに私の太もも好きなの?」
「えっ…や…べ、別に好きとかそういうんじゃ…」
「ふ~ん。でもミミちゃん、普段からいっつも私の太ももとか見てるでしょ?」
「なっ…な…そっ…」
「あれ、図星だったの?」
「ぅ…」
どうやらかまをかけられただけらしいが、確かに図星を突かれていた。
別に太ももだけに限った話ではない。特にトトリの場合、普段からその露出度の高い服装が私の中枢神経を刺激して止まない。
大きく開いた胸元とか、透けたスカートから覗くレオタードとか太ももとかがちらつく度にドキドキして堪らなかった。
意識しないようにすればするほど気になるのだから、もうどうしようもない。
「ね、ねぇトトリ…前々から思ってたんだけど…、その服装…少し大胆すぎじゃないかしら?」
「そうかな? ロロナ先生に勧められてからずっとこんな感じの着てるけど、そんなに変?」
「へ、変じゃないわ。変じゃないけど……少し刺激が強すぎるというか……屈んだりするとお尻とか丸見えだし…」
「あー、ミミちゃんのえっち。ちゃっかり見てたんだ」
「し、仕方ないじゃない! む、むしろそんな格好してるトトリの方がえっちよ!」
「んー…でもこれレオタードだし…別に恥ずかしくはないよ?」
「で、でもやっぱり気になるのよ。下着じゃないから余計に無防備に見えるし…。そ、それにトトリを変な目で見る輩がいないとも限らないし。ううん、むしろいない訳ないわ!」
まぁいたらいたで、そんな不届き者は私の愛槍で真っ二つに切り裂いてるだろうけど。なぜならトトリをそんな目で見ていいのは私だけなのだから。
「ミミちゃんが言うと変に説得力があるね。それって自分がそうだから?」
「そ、それは…」
「ふふ、大丈夫だよ。ミミちゃん以外の人の前では結構気をつけてるし…それに」
それに?と聞き返すや否や、トトリは私の首に腕を回して引き寄せて、耳元で囁くようにボソリと言った。
「ミミちゃんになら見られても平気だもん。むしろ見て欲しいな」
トトリは「私だけを見て」と言わんばかりにそう言って誘う。お許しがでた以上、これからは堂々とトトリの絶対領域を堪能できると…ゲフンゲフン!
「ねぇミミちゃん…太もももいいけど、もっと他にも…ね?」
「うん…そ、そうね…」
こう言った情事に慣れていない――というより初めてな私は、慣れないながらもトトリの服を肌蹴ていく。そして露になったトトリの乳房にドキンっと心臓の鼓動が跳ねあがった。
初めて見るトトリのそれは、小ぶりながらも私を興奮させるには十分の威力を誇っていた。
「はあ……いいよ、ミミちゃんの好きなようにして?」
「っ…」
トトリの目が誘う。私はゴクリと生唾を飲み込んでトトリの胸にそっと触れた。やんわりと揉みしだきながら感触を堪能する。なかなかどうして、小ぶりだが確かに柔らかく、それでいて張りがあってきめ細い。
「あっ…んっ……ふあぁ…、っ…み、ミミちゃん…も、もっと強くしても…いいよ?」
「と、トトリっ…」
艶のある喘ぎを漏らしながらおねだりするトトリに興奮して、胸の中央でツンと上を向いた乳首を指で転がした。途端にトトリの体がピクンっと可愛らしく跳ねる。
「んぁっ……あっ…ああ…やっ…それ……い…」
「トトリ…気持ちいい?」
「んっ…」
「そう、じゃあもっと気持ちよくしてあげる」
いやらしく喘ぐトトリに私の我慢は限界に達した。勢いに任せてトトリの胸に顔を埋め、限界まで引き伸ばした舌で、先っぽに実ったピンクのさくらんぼを吸った。
「んっ…っ、ふあっ…ああっ…ぁ……んっ…くぅっ…!」
舌先で転がして、ねぶって、甘噛みして。断続的に与えられるその甘い刺激にトトリはビクンビクンと体を震わせながら感じていた。
トトリの味が口の中一杯に広がる。甘くて美味しい。でも滲んだ汗で少ししょっぱい。けどそれが興奮剤として作用する。
私は夢中になってトトリの胸に吸い付きながら、空いた方の手を下半身へと伸ばし、下腹部をまさぐりながらスカートの中へと侵入を試みた。
そして辿り着いた秘部に指を這わせると――、
くちっ…
「あっ…」
「トトリのここ…もうびしょびしょね。まだ何もしてないのに…」
「~~っ!」
すでにレオタード越しでも分かるくらい染みが広がり、指に絡みつく蜜がぬちぬちといやらしい音を立てる。トトリは自分の股間から発せられる恥ずかしい音に羞恥に頬を赤らめた。
そんな可愛らしい反応に気をよくした私は、股間から指を離して指先に付着した蜜を見せ付ける。指先で擦ればくちゅくちゅと音がして、指を離すと糸を引いた。
「ほら見て? トトリのいやらしい蜜がこんなにいっぱい…」
「やっ…そ、そんなっ…見せないで…恥ずかし…!」
そんな辱めを受けたトトリはキュッと目を閉じながら顔を逸らす。私はクスっと微笑を浮かべながら、指先についたトトリの恥ずかしい蜜を舐め取った。少ししょっぱい。でもそれがトトリのものだと思うだけで体が熱くなってしまう。
「トトリ…足、開いて…?」
「っ…やっ」
力は入れずにそっと足に手を添えると、やはり若干の抵抗があるのか、ぴっちりと膝を閉じて開こうとしない。無理やりなんて私の望むところではないので、トトリが自分から足を開きたくなるように促してみる。
「トトリ、もっと気持ちよくしてあげるから、ね?」
優しい手付きで染みの出来た部分をなぞりながら快感を与えつつトトリの反応を窺う。
「あっ…くぁ……ああっ…っ、あんっ…!」
もはや羞恥の欠片もない表情で喘ぐトトリはひどく扇情的で、一瞬むちゃくちゃに犯してしまいたい衝動にかられたが、そこはなんとか我慢。
私はトトリの顔に自分の顔を近づけて、そっとキスを落とす。すぐに舌は絡み出し唾液を交換する。
もちろんトトリの股間への愛撫は忘れない。キスと愛撫に翻弄されるトトリの理性の糸は限界に達していた。それならばと私は最後の止めとばかりに耳元で囁いた。
「ね、トトリ…足、開いて? 私にトトリの恥ずかしいところ全部見せて…?」
「ぁんっ…はあっ…んっ……つ…」
するとトトリの体から抵抗する力が抜けていく。抵抗の薄れた体。それは力を入れずとも容易に事を運べた。そっと太ももに触れただけで足は左右に開かれ、私に恥ずかしい部分をさらけ出す。
「トトリのここ…すごく綺麗よ。それに…すごくいやらしい…」
「やっ…あ、あんまり見ないでミミちゃんっ…!」
羞恥の赤に染まった全身を小刻みに震わせながら、イヤイヤと顔を横に振り乱しトトリは哀願する。しかし言葉とは裏腹に見られて感じてしまっているのか、トトリの染みはどんどん大きく広がっていった。
試しにちょっと触れてみると、クチュクチュと、先ほどとは比べ物にならないくらいの音が発せられた。
「あぅっ!…っ…み、ミミちゃ…ああっ…!」
「切ないでしょ? 今、楽にしてあげるから…」
そうボソリと告げて、レオタードの隙間から指を差し入れ、じかに触れる。指を這わせ、薄い茂みを掻き分けてワレメに触れると、待ってましたとばかりに奥の蜜壺から愛液が溢れ出してくる。それを指に絡ませながら、ワレメを上下になぞり反応を確かめた。
「トトリ、気持ちいい?」
「んぁっ…はっ…んっ…ああっ…い、いいっ…気持ち、いいよぅっ…!」
どうやらトトリも我慢の限界だったようで、まるで理性を無くした獣のように、だらしなく涎を垂らしながら感じていた。そのいやらしい姿に興奮しない私じゃない。あのトトリが私の下でいやらしくよがっている。その事実が私の指の動きをさらに早めていく。
「あっ……あんっ……くっ、はぁあっ…ああっ!」
「トトリっ…トトリっ!」
ぐちゅぐちゅと音を立てるそこを激しく攻め立てる。レオタードの布地で吸いきれない愛液がだらだらと涎を垂らしソファを汚す。ツンっと鼻先を刺激するトトリの匂いが広がって私の脳を暴走させる。
そうして限界は瞬く間にやってきて――。
「んっ……あぁっ…やっ…ミミちゃんっ…わた、私っ…もうっ…!」
「いいわよっ…私の指でイッて…トトリっ!」
「んんーっ!~~っっ!」
トトリは声を押し殺しながら体を弓なりにさせると、ビクンビクンと痙攣しながら絶頂へと達した。そしてくたりとソファに身を預けながら、熱い息を漏らし絶頂の余韻に浸る。汗で張り付いた前髪を掻き分けると、とろんとした瞳が私を見つめた。
「トトリ? 大丈夫?」
「はあ…はぁ…ん、だ、大丈夫だよ…ちょっと気持ちよすぎて…意識、飛んじゃった…」
「そう…」
「はぁ…ふぅ…ミミちゃん…最後にもいっかいキスして…」
「ん…」
言われるままにトトリの唇にキスをして軽く吸った。しかしそれだけでは足りなかったのか、トトリは首に腕を回すと深く口付け、目一杯吸い付いてくる。
「ぷは…ねぇミミちゃん…もっとしよ?」
「え? で、でも…」
「ふふ、今度は私がミミちゃんの事、いっぱい気持ちよくしてあげるね?」
「っ…」
その一言に体の熱が再燃し始める。特に下腹部が、期待と不安に疼きだす。トトリは私の心情を察したかのようにクスっと笑って見せると、私に覆いかぶさるようにして上になった。
「いや?」
「い、いやじゃない…でも」
「今日はもうお仕事ないし、朝までミミちゃんと一緒にいたいな。ダメ?」
そんな嬉しい誘いを断れるほど私は人間できてない。特にトトリの言葉は絶対に等しい。彼女の願いならどんなことだって叶えてあげたいし、望むことなら何でもしてあげたい。
だって私は、トトリの事が好きで好きで堪らないのだから。
「あ、折角だから今日は一緒にお風呂入ろっか?」
「っ!?」
「今日は一緒のお布団で寝れるねー」
「っ!?!?」
どうやら思わぬところで私のささやかな夢が叶ってしまうらしい。
歓喜に胸を躍らせながら、ところでメルルとケイナはあの後どうしただろうか、なんて少し考えて、唇を塞ぐ柔らかな感触に、意味を成さない無駄な意識を手放した。
私たちの今日はまだまだ始まったばかりだ。
END