とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆるゆりSS あかり×ちなつ 『もう貴女しか見えない』

※前作『本番は貴女から』の後日談
※もはや恒例の高校生な二人。

追記からどうぞ。



ずっと自分の気持ちと向き合うのが怖かった。
あの子が私の中で日に日に大きな存在になっていくのを知っていながら。

私は、行き場を失ったその想いに蓋をした。

これで大丈夫。これで私は私でいられるから。そう信じて。
私は私のままであの子と一緒に――。

そう思ってた。
でも――。

あの雨の日の卒業式。
私の世界はガラリと音を立てて崩壊した。
一つの恋が終わりを告げ、そして始まりの鐘を鳴らす。

否応なく突きつけられる現実。
それは私が目を背けてきた偽りなき想いだった。
本当の想いと向き合った瞬間。
遂に心の鎖は解かれる。解かれるべくして。
そしてそれは、もはや誤魔化しようのない感情となって溢れ出す。
長い年月をかけて育まれ、確かな愛情となって。

赤座あかり。
私の一番大切な人。

本当の自分を始めるために、嘘偽りのない素の自分で、私はあの子と想いを一つにする。
あの子の声が、手の感触が、優しい肌のぬくもりが、今も私の心に消える事のない熱となって息衝いてる。
それはあの日から数日経った今も胸を焦がしてやまなくて――。



『もう貴女しか見えない』



「…はぁ」


無意識の下つかれた溜息は、あの日の名残だったのかどうだったのか、今の私には知る由もない。
ここはとある公園の並木道。その昼下がり。木漏れ日の差し込むベンチに一人腰掛け、物憂げな溜息をついて空を見上げるその様は、傍から見たら薄幸の美少女とでも言いましょうか。
しかしながら今の自分にそれは当て嵌まらないのであしからず。
むしろ幸せの真っ只中、なので。
それに昔の自分ならいざ知らず、この年で自分が美少女などと自負するほど自惚れてもいないのだ。


「…遅いな…って私が早く来すぎただけなんだけどさ…」


人通りの少ない公園内。一人ぼやいたところで返事は返ってはこない。
かと言って待ち人以外からの返事が返ってきてもそれはそれで困るのだが。


「あかりちゃん…まだかな」


逸る気持ちを抑えられず約束の時間の一時間前からこんな場所にいる私にこんな事を言う資格が果たしてあっただろうか。
自己紹介が遅れたが、私こと吉川ちなつは今年高校三年生になるごくごく普通の女の子だ。
先日の卒業式で見るも無惨に結衣先輩に振られたのはいい思い出だが、その後なんやかんやの末に晴れてあかりちゃんと恋人同士になったのは、もはや思い出というより波乱万丈の人生と言っていいだろう。
で、今日と言う日曜日。そんなあかりちゃんと待ちに待った初デート。


「で、デートって…あかりちゃん相手に何考えてんだろ私…」


初デートなる単語にカァっと熱く火照りだす頬。思わず首を横に振って雑念を払う。
そりゃそうだ。別にあかりちゃんと出掛けるのが初めてってわけじゃないし、今更感はバリバリ感じてる。


(…でも…)


例えそうだとしても、あの子と恋人同士になったという事実が私の中に忘れかけていたものを呼び覚ます。
それは初々しさだったり、あかりちゃんとのあれこれだったり、とにかく頭の中は色々とごちゃごちゃなのだ。
整理をつけれるほど余裕もないし、せっかく早出してきたのに、これじゃあかりちゃんが来る前に自分が自分じゃなくなってしまうかもしれない。私はこんなにも余裕のない女だっただろうか?


「はぁ…」


あかりちゃんと恋人同士になって以降、理解に苦しむ事ばかりが脳裏を過ぎり軽く欝になりそうだ。
いや、そこまで大袈裟なことじゃないけれど、一人だとどうしてもあかりちゃんの事ばかり考えてしまう。
今か今かと待ち焦がれる大切なあの子の事を――。


「…んっ」


あかりちゃんの笑顔が脳裏を過ぎったその時だった。
ふいに優しく頬を撫でていた風がザァァーっと一際強く私を揺らした。
木々のざわめきが耳に心地よく響く最中、セットして整えてきた髪が崩れないように片手で押さえてやり過ごす。
しばらくして強い風が収まり、私は鞄から手鏡を取り出して身だしなみをチェックする。


「あ、あかりちゃん相手に何女の子しちゃってんの私。別にちょっとくらい髪が乱れてたって――」


なんて独り言ほざきつつも、言葉とは裏腹に全力全開でチェックしてる私はもはや完全に恋する乙女だった。
昨晩だってそうだ。今日のデートのために何を着ていこうかと一人ファッションショーを3時間も続けていた私には、そんな事を言う資格なんてもはやありはしない。
私はどこまであかりちゃんが好きなんだと、正直自分でも諮り損ねている。
それと言うのも、あの日の保健室での出来事は――、


「…ッ!」


ふと手鏡を見ていて無意識に目が行った自身の唇にそっと指を走らせたその時。
思い出されるのはあの日の全て。私は、あかりちゃんと、その…しちゃったんだよね。


「き、キス…とか」


カァーーッと顔どころか全身が煮えたぎるマグマのように熱く火照る。
あかりちゃんの唇。柔らかくて、温かくて、ちょっぴり湿った唇の感触。
思い出しただけで体が熱くなる。鼓動が早くなる。
そうなって来ると、もはや止めようがない。
とんとん拍子に思考はピンク色に染まる。
いくら髪の色がピンクだからって脳内までピンクなんて洒落にもなってない。


「~~~ッッ!」


あの日の出来事はたとえ何が起ころうと一生忘れる事の出来ない一種の束縛だから。
あかりちゃんの残した跡が私の全身に刻み込まれているなんて、たとえ事実であっても夢だと錯覚してしまう。
私の体を優しく走る指先だとか、あかりちゃんに翻弄され熱い吐息と共に喘ぐ自分とか、そんな私を視姦して満足そうに微笑むあかりちゃんだとか、今思い出しただけでも顔から火を噴いてしまう。
いや、すでに噴いていた。火山は噴火し大爆発だ。


「うぅ…あかりちゃんのバカっ…」


昔なら「あかりちゃんの癖に生意気!」とか言ってるところだけど、最近あかりちゃん相手に主導権を握れなくなって来てる自分がいて、それはひとえに『惚れた方の負け』という暗黙の了解的な何かが働いているとしか思えないわけで。
悶々と考え込んでいたのが災いしたのか不測の事態に見舞われたのが次の瞬間だ。


「誰がバカなの?」
「っ!?」


いつの間にか私の目の前に立っていた少女は見間違うはずもない私の最愛の人。


「あ、あかりちゃんっ!? い、いつの間に!」
「ん、今来たところだよ」


風でなびく長くて赤い髪が木漏れ日の光でキラキラと輝き、それはまるで神話の中にでも登場するような女神様のように一瞬錯覚したけれど、そこにいたのはやはり私の恋人で間違いなかった。
一見、あかねさんと見間違うほどの容姿をした彼女だけど、声の質は間違いなくあかりちゃんのものだった。
無論、長い付き合いである私があかりちゃんを見間違うはずもないので、たとえ昔のあかねさんと並んだってどっちがあかりちゃんかなんて一発で分かるのが私の自慢と言えよう。


「ところで今、私の名前呼ばなかった?」
「へっ!? あー、いやその、呼んでないよ、うん、全然呼んでないから! だから気にしないで!」
「そ、そうなの? まぁいいけど。それよりお待たせちなつちゃん。もしかして結構待ったかな?」
「あ…う、ううん。全然待ってないよ。私も今来たとこだし」


約束の時間までは残り15分。実際は45分前からなんだけど、実は1時間も前から待ってますなんて言えるはずもない。
それじゃまるで今日のデートを楽しみにしてたみたいじゃん。
いやもちろん楽しみではあるんだけど、なんとなくあかりちゃんにそんな自分を見せるのは負けたような気がして嫌だった。
これ以上あかりちゃんに主導権を握られたら、私ってばあかりちゃんの愛の奴隷になっちゃうよ。
で、でもそれはそれで…って違うし!


「ふぅ~ん、でもそれって、実はちなつちゃんお得意のウソなんでしょ?」
「っ…な、なんで…?」
「ふふ♪ そんなのちなつちゃんの目を見ればすぐ分かるよ。もう長い付き合いだし、ちなつちゃんの言ってることがウソかホントかくらいはすぐに分かっちゃうんだ、私」
「そ、そうなんだ…」


そんな風に言われると嬉しくもあり悲しくもあり。
喜びたいのは山々だけど複雑な心境は捨て切れなかった。


「で、本当はいつから待ってたの?」
「う…えーと、そろそろ1時間くらいになるかも」
「そ、そんなに前から待ってたの? いくらなんでも早すぎじゃ…」
「だ、だって…その、家で時間潰してても仕方なかったし、それにちょっとはその、楽しみだったし…」
「……そっか」


あかりちゃんはまるで私の心情を察したかのように優しく微笑んで見せた。


「あ…」
「どうしたの?」
「う、ううん!何でも」
「……?」


慌てて顔を逸らしたが、果たしてあかりちゃんは変に思わなかっただろうか?
ううん、さすがに思われちゃったよね。だからってあかりちゃんの笑顔に見惚れてしまっていたなんてとてもじゃないけど言えないし、しかも視線がある一点、唇に集約されてしまったなんて。


「ほ、本当に何でもないから!」


とは誤魔化してみるが、考えないようにすればするほど駄目だった。
さっきまで悶々と考え込んでいたあの日の出来事が浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返し、冷め止んだはずの体の火照りがぶり返してくる。
さて、そんな私にあかりちゃんは「うーん…」と一瞬考え込む素振りを見せて。
次の瞬間、何を思ったのか驚くべき行動に出たのだ。


「ちなつちゃん」
「え?」


あかりちゃんはベンチに座ったまま俯いた私の顎を軽く指で持ち上げて見せると、間髪入れずに屈み込んで、私の唇にそっと自分のそれを重ね合わせた。
もちろん一瞬の出来事で状況を把握するのにしばらく掛かった。
でも唇に触れた優しい感触が嫌でも教えてくれる。
あの日感じた感触そのままに。
私は今、あかりちゃんにキスされてるんだって。


「…んっ…!」
「ふ…んちゅ…」


ほのかに香るあかりちゃんの匂い。
柑橘系の甘い香りに思考力が奪われ軽い眩暈と共に何も考えられなくなる。
あかりちゃんのキスでとろとろに蕩けて、体から力が抜けていく。


「…はぁ…」
「…ぁ…」


あかりちゃんが唇を離すと、思わず口から漏れる名残惜しげな切ない声。
そんな私にクスっと楽しそうに、そして満足したように微笑むあかりちゃんは、私の額に自分のそれをコツンと重ねてこう言った。


「…キス、して欲しかったんでしょ…?」
「……」


至近距離。嫌でも絡まる視線は熱を含む。
赤面した顔で無言を貫いては肯定したようなものだった。
例えキスを望んでいたわけじゃなかったとしても、ここで何を言っても無駄以外の何物でもない。


「ど、どうして…」
「ふふ、さっきも言ったでしょ。ちなつちゃんの目を見れば大体分かっちゃうんだよ。それとも――」


あかりちゃんはそう続けると、額を離して私の耳元に唇と寄せて、それから止めの一言を放った。


「あの日の事でも思い出しちゃったかな?」
「っ…~~!」


図星を突かれて驚愕する暇さえ与えては貰えず、ふっと私の耳に息を吹きかけるあかりちゃん。
ビクビクっと震える体はやがて完全に力を失い、トロトロに蕩けて脱力してベンチに背を預ける。


「はぁ…はァ…」


艶かしい息を吐く私を他所に微笑を残しながら離れるあかりちゃん。
まるで焦らすようにそれ以上は何もしない。それこそ何事もなかったかのように私から離れた。


「ここでお喋りも何だし、そろそろ行こっか? 立てるちなつちゃん?」
「…う、うん…」


スッと差し伸べられたその手をそっと握り返し立ち上がるが、さっきのあかりちゃんのアレが相当に効いていたらしく足元が覚束無い。そんな私の千鳥足を見かねてそっと肩を抱きしめるあかりちゃんに胸がキュンと締め付けられる。


「…あ、ありがと…」
「どういたしまして♪」


お礼を言うと満面の笑みで返された。
昔から変わらないその無邪気溢れる笑顔にドキンと高鳴る胸の鼓動。
それはどこにでもある、ありふれた笑顔のはずなのに。
私の目にはいつもとどこか違って見えたのは気のせいなのかな。


「…あ、あのさ、あかりちゃん…」
「ん、なぁに? ちなつちゃん?」
「手、繋いでもいい?」
「…うん!」


そっと重なり合ったその手をキュッと握って離さない。
その手から流れ込んでくる想いは、確かな幸せを感じさせてくれる。

――大好きだよ、あかりちゃん。


「…え?」
「う、ううん!何でもないよ!」


もう、あかりちゃんしか見えないよ。



おしまい


【あとがき】
アズプラスも完結したのでお久しぶりのゆるゆりssです。
さくひまかと思った?残念!あかちなでしたー☆
とかほざいて見るけど、単にさくひまと同時進行してあかちなが最初に終わっただけに過ぎない件。
ゆるゆりで高校生verを妄想するのは結構楽しいです。
基本的に歳を取らないサザエさん方式なので。

最近ずっと唯梓ばかりだったのでやっぱり気分転換は必要デス。
同じカプを連続で書いているとね。結構な確立で筆が止まるんデス。
私、不器用ですから。
[ 2012/01/25 21:43 ] 未分類 | TB(0) | CM(4)
ふおおおお!!
あかりがイケメンすぎて何かヤバいwwもう今週頑張れるww
あっ、アズプラスの方も面白かったです^^
[ 2012/01/25 23:24 ] [ 編集 ]
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[ 2012/01/26 21:54 ] [ 編集 ]
やっぱりあかりちゃんは天使!
あかちなって最高そして幸!
なもり先生の分身がここにいた…
[ 2012/01/29 10:18 ] [ 編集 ]
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[ 2012/01/30 00:46 ] [ 編集 ]
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