とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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けいおん!SS 高校編 『なまえをよんで』

※原作高校編(第六回)ネタバレあり注意
※カプ→直菫ときどき憂純のち梓
※追記からどうぞ



今日も今日とて私たち『わかばガールズ』はまったりのんびり放課後を満喫している。
お茶にお菓子にお喋りに、練習の“れ”の字も感じさせないこの状況を本当に部活動と定義していいものか悩む事もしばしば。
だが、放課後と言えば部活、部活と言えば軽音部、軽音部と言えばティータイムをもっとうに活動している私たちにとっては、むしろおかしな点を探し出す方が難しい。
だからこそ、ここ最近の軽音部の内部事情には目を見張るものがある。
それは代わり映えのしない日常に突如として舞い降りた些細な出来事。
本当に小さな変化だった。
だけど私の目には異様なほど奇怪に映って仕方のないそれは――。


「なお、今日は紅茶でいい?」
「……」カタカタカタカタ。
「お砂糖はいくつ入れる?」
「……」カタカタタ。
「はぁい、2つだね。了解」


今まさに私の眼前で展開されているそれがそう。
ターゲットは斎藤菫と奥田直。


「ふんふふんふふ~ん♪」


片や金髪碧眼西洋風美人。
さわ子先生の言いつけ通り、律儀にもメイド服に身を包みながら。
鼻歌混じりで給仕仕事に精を出していて。


「……」カタカタカタ。


片や黒髪ショートの眼鏡っ娘。
一見無言の文学少女と見間違う彼女は本ではなくパソコンに向ってDTMで曲作り。
どこか対照的な二人は今年の春に軽音部に入部した新一年生に相違ない。
どちらも期待の新人に違いはないのだが…。


「なお。紅茶淹れたよ。はいどうぞ」
「………」カタカタカタタン。
「ふふ♪ どういたしまして」


自然なように見えて実はかなり不自然な会話が先ほどから繰り広げられている。
無論それは彼女らの関係を知らない者から見れば、単に普通に仲良さげな友人同士に見えるだろうし、特に不自然な点など感じないかもしれない。
だがしかしだ。
2人の事を少なからず知る私から見れば、それは不自然極まりないやり取り。
数日前の彼女らとの相違点は確かにあった。
数日前――つまり私たちが修学旅行へ旅立つ前の話。
そう、あの時は確か…。


『奥田さんは今日のお茶何にする?』
『うーん…そうだね、紅茶かな…』
『そっか。お砂糖はいくつ入れればいいかな?』
『2つでお願い。ありがとう斎藤さん』
『いえいえ』


お分かり頂けただろうか? 前と後で明らかに違う二人の態度に。
まさに劇的ビフォーアフター。
あろうことか、あの菫が奥田さんの事を「なお」と下の名前で呼び捨てにしているのだ。
確か前は「奥田さん」と他人行儀にも畏まった呼び方で接していたはずなのに。
さらに驚いたのは奥田さんの方で、彼女は一見、菫の言葉に無視を決め込んでいるように見えるが実際はとんでもない事を素で実行していた。なんとキーボードを打つ音をモールス信号代わりに電波を送っていたのだ。
しかも菫にはちゃんと伝わってるしで、もう何が何やら、頭がこんがらがってきました。
つまり要約すると、二人の仲が数日前よりも鯉の滝登りの如く急上昇している件。


「……」カタカタカタ。
「へぇ~そうなんだぁ。出来上がったら私にも聴かせてね?」
「……」カタカタカタカタ。
「私もドラム頑張らないとなぁ…まだまだへたくそだし…」
「……」カタカタタタン!
「え…そ、そうかな? そんな風に言われると嬉しいよ。でももっと頑張らないとね」


二人だけの特別な意思疎通、もちろん私には意味不明。
あの、そろそろ私にも分かる言語で話していただけるとありがたいのですが…。
って、完全に二人の世界に入って聞こえてませんね。
ええ、わかっていますとも。


(…私たちが旅行に行っている間に二人に何が…)


見た感じ、ただの友人関係から特別な親友関係を築いたように見えなくもない。
だが果たしてどうだろうか。
あるいはそれ以上の関係に……なんて可能性もなくもない。


『なお』
『すみれ』


最初こそあまりにも自然で気付かなかった私も、ある時「あれ?」と思ったわけで、一度気になり出すと自然と頭に残ってしまい、最近では二人の関係について悶々と考える日々が続いていた。
どうしてこうなったのか、その経緯について小一時間ほど問い詰めたいに一票。
もちろんそんな風に勘ぐりたくなるのは私だけではない。


「ねぇねぇ憂、なんかスミーレと奥田さん最近仲いいよね」
「ふふ、そうだね~。でも仲がいいのは良いことだと思うよ」
「まぁそうなんだけどさ。でも、何があったのかちょっと気にならない?」
「うーん…まぁ確かにちょっと気になるね」


憂も純も、そうだった。
菫と奥田さんの様子を伺っては顔を寄せ合ってひそひそ話。あーでもないこーでもないと憶測に憶測を重ね、二人の様子を見持っている。


「……」カカタ。
「え? 日曜日何か予定あるかって? え~と、特にこれと言って予定はないけど」
「……」カタカタン。
「ならお家に遊びに来ないかって? ど、土曜の夜からお泊りも可? え、え、いいの?」
「……」タンッ!
「じゃ、じゃあ…お邪魔しちゃおっかな。あ、お泊りの準備して行くね。えへへ…」


噂の中心にいる二人は私たちの事など畑に生えた大根かジャガイモ程度にしか思っていないのか、相変わらずモールス信号で楽しそうに談笑中だった。
少しはこっちも気にして欲しいが、桃色閉鎖空間に閉じ込められたあの二人を発掘するのは至難の業だ。下手をしたら馬に蹴られて死んでしまうかもしれない。いやその可能性の方が高いだろう。
結局のところ、見守るしか選択肢は用意されていないのだ。


(でも、なんかいいな…こう言うの)


ピアノの鍵盤のように鮮やかなタッチで打ち鳴らされるキーの音と、楽しそうにくつくつと笑う菫の笑い声が一つに融合して、それはある種の音楽となって心地よく鼓膜を震わせ、響き渡る。
時には優しく静かに、時には力強く軽快に。
私も憂も純も、互いに顔を見合わせつつ、肩をすくめて苦笑していた。


カタッ…。


そんな時だった。
ふいに奥田さんの手が突然止まった。静かな音を残して。
必然、キーを打つ音は止み、音楽室に静けさが訪れる。


「なお? どうしたの?」


菫は不思議そうな顔で尋ね、また私たちも無言のまま奥田さんの様子から目が離せない。
全ての視線が奥田さんに集中する中、彼女は無言のままにそっと顔を上げて、菫をじっと見つめる。


「……」
「あっ…え、え~と…」


交差する視線。
菫は思わずたじろいて視線を泳がせ始めたが、メガネの奥に映る綺麗な瞳から目が逸らせず、途端にそわそわと落ち着きがなくなる。
そんな菫に追い討ちをかけるように奥田さんは遂にその口をそっと開いて。
それから一言こう告げた。


「……すみれ」
「っ…な、なに?」
「ううん別に……ただ呼んでみただけ」


奥田さんはそれだけ言うとパソコンの画面に視線を戻し、何事もなかったようにキーを叩き始めた。
さて、私たちの視線は自然と菫の方へと向けられたのだが、果たして彼女の反応は如何に。
すると。


「~~!?」


はてさて、これはどうしたことか。
私たちはそこにある光景に目を疑った。


「あ、あのあの…え、えぇ~と…」


菫の顔は完全な赤だった。
それはまさにリンゴのようで茹蛸のようで。
彼女の雪のように白い肌は耳まで真っ赤に染まっていた。
私は思わずギョッとした視線を菫に向けた。


(こ、これは一体…え、どういうこと?)


とにかく私たちとしても、まったく予期していない展開に頭が追いつかない。
私も純も、あの憂ですらも、驚きの余り開いた口が塞がらない。


「えと…その…」


菫は赤面したまま、モジモジと恥じらいながら顔を俯むかせて。
チラっと上目遣いで奥田さんを見やり、その濡れた瞳に熱を込めてボソリと呟いた。


「な、なお…」
「ん…何?」
「えへ…よ、呼んでみただけ…」


そう言って菫は、満開の桜にも負けないくらいの満面の笑顔を奥田さんに贈った。


「ぐはっ…」


遂に私は口から砂糖を吐いた。
昨今の恋人同士でもやらないような甘~い二人のやりとり。
吐血しなかっただけまだマシと言える。
ああっ背中が痒い痒い!


「うーい!」
「どうしたの? 純ちゃん」
「くふっ…呼んでみただけ」
「あ…も、もぅ! だ、ダメだよ二人のマネしちゃ…!」
「あはは♪ 憂ってば顔真っ赤~! かっわい~!」
「うぅー、か、からかわないでよぉ!」


あれ…ちょっと待って。


「菫、紅茶おかわり」
「あっ、うん今淹れるね。ちょっと待ってて」


これってもしかしなくても…。


「憂って意外と打たれ弱いよね~♪ ま、そこが可愛いとこなんだけど」
「じゅ、純ちゃんが変なこと言うからでしょ!」


私だけノケ者ってことですか?


「……」


右を見ても左を見ても、どこもかしこもイチャイチャイチャイチャ…。
5人いれば1人余るのは仕方ないとしても、この仕打ちはあんまりじゃないですか神様?
中野梓17歳。部長就任後、初ぼっち。
否、人生初ぼっち。
これが笑わずにいられましょうか。


「くっ…」


ええ、この時ばかりは本気で思いましたとも。
リア充爆発しろってね。
この手のリア充なんてものは百害あって一利なし。
この世から消滅した方が世のため人のためじゃないかってね。


「あー…おほん…」


わざとらしく咳払いなんぞしてみましたが結果反応なし。
ま、まぁ別に気付いて欲しいわけじゃないけどさ。


「ふぅ…や、やることないし…ゆ、唯先輩に電話でも掛けてみようかな…」


やる事ないなら軽音部らしくギターの練習でもしないさい。
なんて言うツッコミは受け付けていないので悪しからず。



おしまい



【あとがき】
今月のキャラットけいおん!お休みだったので寂しさの余り思わず書いてました。
唯誕ssの方が滞っていたので息抜きっていうのもあるんですけどね。

内容は修学旅行回(第6回)の補完的なものです。
直菫のあつあつぶりにわたくしもゲシュタルト崩壊必至ですw

では次回、唯誕ssでお会いしましょう(たぶん)
[ 2011/12/04 23:30 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)
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[ 2011/12/05 08:31 ] [ 編集 ]
まぁ…遠恋カプだから仕方ないのかな?
見せつけられた分は週末お泊りデートの際に存分に唯先輩にぶつけるがいいでしょう。

梓「唯…みんな酷いんだよ?私の前で見せつけるようにイチャイチャ…」
唯「そっか…じゃぁその埋め合わせも含めて今夜はいっぱいシようね!梓!」

で、空けて月曜日思いっきりのろけましょう。
[ 2011/12/06 12:36 ] [ 編集 ]
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