とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆるゆりSS あかり×ちなつ 『本番は貴女から』

※性懲りもなく高校生な二人。ちょっと大人な二人のお話。
※追記からどうぞ。




高校2年生の春。

京子先輩達の卒業に合わせて、私、吉川ちなつは、中学時代から想いを寄せていた結衣先輩にその想いを伝える事にした。
来月から大学生となる結衣先輩とは当然会える機会も減るだろうし、このまま何もせずに終わるのだけは絶対に嫌だった。
たとえ、その結果が伴わなかったとしても。

そして卒業式当日、運命の日はやってくる。
どんよりとした曇り空の中で執り行われた卒業式は無事に終わったが、体育館を後にした卒業生達の中には涙しているものもちらほらいて、その中には意外な事に京子先輩も含まれていた。

そして、京子先輩の隣には結衣先輩が。

寄り添うように、京子先輩の肩を抱いて、頭を優しく撫でる姿が目に留まる。
出会った頃から変わらない二人の関係。幼馴染ということを抜いても、二人の関係が特別なものであることは誰の目から見ても明らかだった。
たとえ、そうだったとしても、私のやる事には変わりはない。

でも、私はここで気付くべきだったのかもしれない。
二人の関係の深さを目前にして、それでもまったくと言っていいほど心が痛まなかったことを不思議に思うべきだったのだ。


「結衣先輩」
「ん…、ああ、ちなつちゃん」
「卒業おめでとうございます」
「ああ、ありがとう」


結衣先輩は優しく微笑んで、私の頭をそっと撫でてくれた。
それがちょっとくすぐったくて、でも胸がぽかぽかと温かくなった。
私は撫でられたまま、今度は京子先輩の方に視線を移す。


「…京子先輩も、おめでとうございます」
「あはは…、なんかかっこ悪いところ見せちゃってごめんね」


涙を隠すように、手でゴシゴシと目元を拭いながら、パッと顔を上げる京子先輩。
涙は止まっていたが、目元は赤く腫れていた。
別に隠す必要ないと思うけどなぁ。


「かっこ悪くなんてないですよ。卒業式なんですから、泣いたっていいと思います。泣きたい時に泣けるって幸せなことだと思いますよ」
「うん…ありがと、ちなつちゃん。あ…、そういえばあかりは?」
「あかりちゃんなら、先生の手伝いで先に教室に戻ってますよ」
「そっか…」


それから一言二言ずつ二人と会話をした後、逸る気持ちを抑えながら本題に入ることにした。


「あ、あの…結衣先輩、今からちょっと時間空いてますか?」
「ん? 別に構わないけど…何かあるの?」
「そ、その…ちょ、ちょっと大事なお話が、あるんです!」


これからの私が決まる、そんな一大決心。
胸はドキドキして、多少きょどりはしたものの、はっきりとそう言い切った。


「…あぁ…うん…そっか…。京子…」
「うん…大丈夫、私は先に戻ってるから。結衣は、ちゃんとちなつちゃんの話を聞いてあげて」
「ああ…」


京子先輩はその場を離れる瞬間、一瞬だけ私を見つめた気がした。
その瞳は確かに何かを語っていたが、心に余裕のない今の私には、それを察するだけの洞察力は皆無だった。

でもこれだけは分かる。

たぶん、二人とも私の意図を察したのだろう。これから何が起こるのか。その訳を。
京子先輩の背中を二人で見送りつつ、見えなくなったところで、結衣先輩は表情を無くしたまま顔を伏せた。
それから何かを決意したように顔を上げた。


「ここじゃなんだから、体育館の裏に行こうか」
「はい…」


なぜだろう。
結衣先輩のその瞳を見た瞬間、
これから訪れるであろう結果を悟ってしまっている自分がいた。



 *



「…ごめん」
「そう…ですか…」


あっけない。本当にあっけない幕引きだった。
出会いから5年――。
こういう結末を迎えると薄々気付いていたが、私の一世一代の愛の告白は、そのたった一言で終わりを告げる。


(あれ…おかしいな…)


なのに、不思議に思うのは自分がそれほどショックを受けていないことだった。
涙すら流していない自分自身の心情が理解できない。確かに多少心は痛んだ。でもただそれだけ。
あとは、何も感じない。自分は、こんなにも淡白な人間だったのだろうか?
その事実に、少し、悲しくなった。


「理由、聞いてもいいですか?」
「それは…」
「やっぱり、京子先輩がいるからですか?」


核心を突く質問に、しかし予想に反して結衣先輩は首を横に振った。


「確かに、それもあるけど……、本質はそこじゃないよ」
「……え?」


何か、よく分からない物言いに少しばかり疑問符を浮かべたが、しかし次の瞬間に結衣先輩から語られた言葉は、私を驚愕させるのに十分な威力を誇っていた。


「ねぇちなつちゃん…、君は本当に私の事が好きなのか?」


ギシリと胸が軋んだような感覚がした。


「な、にを…言って、るんですか? 好きだから、今こうして告白して…」


胸の奥が、無性にざわついてならない。
結衣先輩にフラれた瞬間にすら感じなかった、締め付けられるような痛みが胸を襲う。
動揺を隠し切れない私を他所に、結衣先輩はそっと私の頭に手を乗せる。


「確かに私に対する気持ちに嘘はないのかもしれないけど…」
「……」
「でも、君の『一番』は私じゃない」
「っ…!そ、そんな事…!」


ない――と、どうして言えなかったのだろうか。
口から出掛かったその時、まるで金縛りにあったように、唇がそれ以上動かなかった。
黙り込む私に、結衣先輩は追い討ちをかけるように話を続ける。


「本当は、気付いてるんでしょ?」
「ち、ちがっ…!わ、私は本当に…!」


結衣先輩は寂しそうに首を横に振った。


「私への好きは憧れに近いものだってこと。そして、本当の意味での『1番』が現れた時、自分自身の感情に戸惑い、そして無理やり蓋をしたこと。私を好きだと思っていれば、本当の気持ちを見なくてすむからね」
「や、やめて…ください!」
「ちなつちゃんはただ恐かっただけ。自分の本当の気持ちと向き合うことが」
「やめて!!」


私は思わず頭を振り乱し、叫び声を上げた。
叫んだせいか、途端に体からふっと力が抜け、膝がカクンと折れ曲がった。私はそのまま地面へとへたり込み、まるで物言わぬ人形のように、だらんとうな垂れる。


「私達が出会って、もう5年になるんだよ。ちなつちゃんだってもう幼馴染って言ってもいい関係だし。それだけ長い間見ていれば、嫌でも気付いちゃう。ちなつちゃんが本当は誰を見ているのか」


表情は見えなかったが、結衣先輩の声はどこまでも優しかった。


「ねぇ、もういいんじゃないかな? 自分の心に素直になってみても。きっとあの子も、ちなつちゃんの事、待ってると思うよ」


脳裏を過ぎる一人の少女。
楽しい時は共に笑い、辛い時はいつも離れず傍にいてくれて、励まし支えてくれた。
私の、私だけの人。ずっと隣にいてくれたはずなのに。その事実から、目を背けた弱い私。


「もう一度、よく考えてみて。ちなつちゃんの心の中に住んでいる『一番』が誰かってことを…」


私の、心の在りか。心の支え。
共に歩んでいきたい私の『一番』は――。


「私、は…」


結衣先輩がその場を去った後もしばらくそのまま地面にへたり込んでいた。
そして、空からはポツリポツリと雨が降り注ぐ。まるで涙すら流せない私の代わりに泣いてくれているような、そんな気がしてならなかった。

今の私には、その雨が恵みの雨に思えてならない。
私の心をまっさらに洗い流してくれる恵みの雨。
その雨に打たれながら、私はそっと目を閉じた。
次に目を開けた時、新しい自分を始められるように。

そんな願いを込めながら。



 *



「ぅ…うぅん…?」
「あ、目が覚めた、ちなつちゃん?」


目を開けると、知らない天井が広がっていた。
それとよく知った顔が私を心配そうに覗き込んでいる。


「あかり、ちゃん?」
「もう、心配したんだよ? なかなか帰ってこないから探しにいったんだけど、雨の中傘も差さずに修行僧みたいに雨に打たれてるんだもん。駆け寄って見たらちなつちゃん意識ないし、慌てて保健室に運んだんだから」


赤毛の少女、あかりちゃんはそう言って、ベッドで横たわる私の頬にそっと振れる。
頬に温かさが戻って満足したのか、あかりちゃんはホッとしたように胸を撫で下ろしたが、私は私でその行為に無性にドキドキして、思わず顔を逸らしてしまった。
あかりちゃんは不思議そうな顔で私を見ていた。あまり気にしないで欲しいというのが正直なところ。


「……心配かけちゃってごめんね、あかりちゃん」
「ううん、いいよそんなの気にしないで。ちなつちゃんが無事ならそれでいいから」
「う、うん…ありがと」


あかりちゃんの優しさが身に染みて、涙が出そうになる。
あかりちゃんはベッドに腰掛け、私を見つめる。その瞳が語るのは、ただ純粋に心配の色。
私はベッドから身を起こして壁に背中を預けると、それを見計らったようにあかりちゃんが口を開く。


「何があったか、聞いてもいい?」
「……」


端から回りくどい事は聞く気がないのか、核心に触れる質問を投げかける。
私は、しばらく考えた末に、コクンと静かに頷いた。
顔は伏せて、あかりちゃんの顔を見ないようにして。


「私ね…、結衣先輩に告白したの、好きですって…」
「……そう」


その一言ですべてを悟ってしまったのだろう。
これでもあかりちゃんとの付き合いは長い。彼女の他人への心配りは人一倍だと知っている。
まぁ、それだけあかりちゃんの事を見てきたから分かるという理由もあったが。

あかりちゃんは悲しそうに顔を伏せ、でもすぐにふわっとした優しい笑みを浮かべた。
それからそっと腕を伸ばして、私を慰めるように、優しく髪を撫で始めた。
まるで手の平から、あかりちゃんの優しさが、想いが伝わってくるようだった。


「それでね…やっぱりフラれちゃった…。私とは付き合えないって…」
「うん…」
「そりゃそうだよね、結衣先輩には京子先輩がいるんだし、ポっと出の私なんて、最初から見込みがないことくらい分かってたんだ」
「………」


ポタリ、ポタリと、いつの間にか涙を流していることに気付く。


「あ、あれ…おかしいなっ…ほ、ホントに、分かってたんだよっ…だからぜんぜん悲しくなんてなっ――」
「っ…!」


そんな時、ふわりと温かい何かに包み込まれた。温かくて優しい、そんなぬくもりに。
そしてそれが、あかりちゃんの腕の中である事に気付くのはそう時間はかからない。
その温かさが、優しさが、私の中のダムを崩壊させる。塞き止められていた感情の放流はやがて、目から洪水となって溢れかえる。
止まることを知らない涙が、あかりちゃんの肩を濡らしていた。


「うぅっ…ぐす、うぁ…」
「泣きたい時は、泣いたっていいんだよ? 前にも言ったよね? 泣きたい時に泣けるから、人は優しくなれるんだって。だからこそ、前に進んでいけるんだって。私の胸でよかったらいくらでも貸してあげるから、ね?」
「ぐっ…うぅっ…うわああぁぁぁぁ!!」


それは、私が京子先輩に言った言葉と同じ台詞。でも、実はあかりちゃんの受け売りだった。
あかりちゃんの腕の中で泣きじゃくりながら、ふと思い出す中学校の卒業式の時。
卒業してしまう結衣先輩や京子先輩達の前でみっともなく泣いてしまった私に言ってくれた言葉がまさにそれで、今みたいに私が泣き止むまでの間、ずっと私の事を抱きしめ、頭を撫でてくれていたんだ。


 *


「……あかりちゃん、髪伸びたよね」


あかりちゃんに抱きしめられたままそう言って、腰まで届く赤い髪を梳くように撫でる。
あの後、泣き疲れた私はすでに流す涙も枯れ果てていて――言い方を変えればすっきりしたってことで――おかげでだいぶ気も楽になり、落ち着いて話が出来そうだった。
しかしそれでも、あかりちゃんの腕に抱かれる心地よさから、しばらくの間じっとしていた。手持ち部沙汰だったが、ふと目に留まった長くて綺麗な髪に思わず感想を述べていた。


「泣き止んだ第一声がそれ? まぁいいけど、それを言ったらちなつちゃんだって髪伸びたじゃない?」
「そうだね…。ホント、そうだ…」


それだけの月日が、すでに流れてしまっている。
高校に上がって、二つに縛っていた髪を下ろし、伸ばし始めたのが懐かしく感じる。


「むぅ…」
「どうしたのあかりちゃん?」
「結構前から伸ばしてるんだけど、まさか気付いてなかったとか言わないよね?」


さすが昔、存在感云々で一喜一憂していたあかりちゃんだ。言葉の重みが違う。


「それはないよ」
「そ、そっか、さすがにそれはね…」


そう、あかりちゃんは今では誰もが羨む美貌を備えた美少女と化している。
あかりちゃんに憧れる下級生も少なくないし、愛の告白だって何度かされているが、でもその全てを断っているらしい。
理由は聞いていないが、とにかくだ。
最近のあかりちゃんはだいぶあかねお姉さんに似てきたと思う。
もちろん中身ではなく見た目が、だ。
あかねさんから変態的要素を抜き取れば、まさにあかりちゃんと言っても差し支えないかもしれない。


「たださ…、前はしっかりと意識して見てなかったから。あかりちゃんが、こんなに私の近くにいたって事も…。あかりちゃんが私にとって、どれだけ大きな存在かって事も…。」


違う。本当は気付いてた。気付かないフリを続けていただけだった。
そして結衣先輩の言うとおり、意識しないように自分に言い聞かせ、自分の気持ちを偽ってきた。
でも、そのしがらみから抜け出した今、私は本当の自分であかりちゃんに向き合えている。


「結衣先輩に言われちゃった。私の『一番』は結衣先輩じゃないって。確かに思うところもあったけど、結衣先輩への想いも間違いじゃなかったんだよ? 本当に、好きだった。でも、それでもさ、いつの間にか私、結衣先輩以上の人に出会ってたの。最初から、私の近くにいたはずなのにね」


あかりちゃんはそっと私を離して、濡れた瞳で私を見つめた。
吸い込まれそうなその瞳の深さに、心臓を射抜かれたような感覚に陥った私は、思わず呼吸をすることを忘れた。胸を押さえると心臓が不自然なまでにドクドクと高鳴っていた。全身の血液が沸騰してるみたいに体が熱い。


「ちなつちゃん…」


最初に動いたのはあかりちゃんで、私の頬に手を添えると、触れるか触れないかの力加減で撫でながら、そっと顎を持ち上げる。
それから徐々に近付いてくるあかりちゃんの顔。これから何をされるかなんて、聞くだけ野暮というもので、あかりちゃんの意図を察した私は、そっと瞳を閉じた。
抵抗なんてするはずもない。
だって、結衣先輩を想っていた時以上に今の私には自分の心が良く見えるから。

私は、あかりちゃんの事が――。


「…んっ」
「ちゅ…」


軽く、触れ合わすだけのキス。
柔らかくて、温かい、それでいてほんのりと甘い。胸が一杯になるほどの幸せに満ち溢れる。
リップ音を残しつつ唇を離すと、あかりちゃんは頬を赤らめながら囁くようにこう続ける。


「このキスは、練習じゃないからね?」
「…懐かしいね、それ」
「ふふ、本当にそうだね。……ねぇ、ちなつちゃん」
「なに?」
「好きだよ」
「っ…」


それは突然の愛の告白。


「わ、わたしも――んんっ!?」


だが、返事はさせて貰えなかった。
だって、あかりちゃんの唇で塞がれてしまったから。
意外とせっかちなんだね、あかりちゃんって。



おしまい。



【あとがき】
存在感が薄いなんてもう言わせない。
イケメンあかりの快進撃、楽しんでいただければ幸いです。
最近、ゆるゆりメンバーで高校時代を妄想するのがブームです。
何せ、ゆるゆりは基本サザエさん方式なので年取らないですからね。

妄想だけなら人一倍ですよ、わたくしは。
あかりとちなつの高校生のイメージ絵は赤座姉と吉川姉です。
[ 2011/09/24 21:20 ] 未分類 | TB(0) | CM(4)
ちなあかほいきたー!!!(高崎先生風にw)
高校生も良いですねww

さくひま、あやちと、ちなあか
と来てるんで、ここ私の大好きな
結京と来ませんかね?←おいw
[ 2011/09/24 23:44 ] [ 編集 ]
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[ 2011/09/25 00:40 ] [ 編集 ]
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[ 2011/09/25 02:41 ] [ 編集 ]
先生、アンソロに触発されましたか?

…………で、そのまま保健室での秘事編はまだですか?
[ 2011/09/25 14:18 ] [ 編集 ]
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