とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆるゆりSS 櫻子×向日葵 『お菓子よりも甘いもの』

※追記からどうぞ。


夕暮れの帰り道。
歩幅を合わせて歩く二つの影。
私と向日葵はいつものように二人で帰路に着く。
互いに会話はない。
だが、それで居心地が悪くなるとか、そういう事はなかった。
昔からそれが当たり前であり、自然なことだったから。


「あの、櫻子」


ふいに、私の名を呼びピタリと立ち止まる向日葵。
なにやらカバンの中をガサゴソと漁り始めた。


「なに?」


私も一歩遅れて立ち止まり、返事を返す。


「これ…、あげますわ」
「え?」


その手から差し出された小奇麗にラッピングされた包装袋に目をぱちくり。不思議そうに、袋と向日葵の顔を交互に見やると、なぜか向日葵は照れたようにプイっとそっぽを向いて2、3歩前に出る。


「あ、余ったから…! べ、別に深い意味はありませんわ!」


言っている意味が分からなくて、首を傾げて疑問符を浮かべる。
向日葵は私に背を向けて表情を隠すように俯いてしまったが、そもそも背を向けているのだから顔なんて見えるはずもない。
それでも。
髪の隙間から覗く耳は、確かな赤で染まっていた。


(な、なんでそんな、照れてんの…? へ、変なの…向日葵らしくないじゃん…)


どきどき…、胸の奥が変にざわつく。
変と言えば、私自身もどこかおかしかったのかもしれない。


(って! な、なにドキドキしてんの私!? 向日葵相手に!?)


どうして向日葵がそんな態度を取るのか理解できなかったが、それより普段見ない櫻子の姿に少し胸がキュンとしたのは確かだった。
認めたくはないけど…、ようは向日葵に不覚にも萌えてしまったということ。
もちろんそんな事は本人の前では口が裂けても言えないが。

手渡された例のブツが腕の動きに合わせて手の中でカサっと音を立てる。
私はラッピングされたそれに注目した。顔を近づけてジ~ッと見つめると、


(これって…もしかして…)


そこにはほどよくキツネ色に焼けた小麦粉の塊が。


(…向日葵のクッキーだ…)


一目見てすぐに分かった。それが向日葵の作ったものだって。
向日葵お手製クッキー…。私の大好きな向日葵の――。


(あ、いや。す、好きなのは向日葵じゃなくて、向日葵の作ったクッキーだからね!そこんとこ勘違いしないでよね!)


そうやって誰にでもない言い訳を重ねながら、それから改めて向日葵の背中に視線を送る。
すると向日葵は私が見ているとも知らずにチラリと横目でこちらに視線を送ってきた。
思いがけず交差する私と向日葵のそれ。
向日葵はカッと目を見開き、そしてすぐに正面を向いてしまった。
でも、ちょっとだけ見えた向日葵の頬は、この茜色に染まる空の下でも嫌にはっきりと赤い。

ドクンっ!と、胸が不自然に高鳴る。

私だってそこまで鈍感じゃないから、少しは期待してしまう。
相手が向日葵だって言うのが複雑なんだけど…。


(これって…もしかしなくても…最初から私のために用意してくれてたってことだよね…?)


先刻学校で、あかりちゃんやちなつちゃんに振舞ったクッキーとはまた違う。
あれは缶に纏めて入れられていたがこれは明らかに違うものだった。
こういったものに疎く、縁のない私にでも分かる。
誰がどう見てもプレゼント仕様。

それに。

向日葵は余ったからと言っていたが、きっとそれは嘘なのだろう。
余ったクッキーをわざわざ綺麗にラッピングまでしてくれるなんておかしいし、そもそもこう言ったものは作ったそのときに別々に分けるものじゃないだろうか。つまりこれは朝学校に来る時から、缶入りのとは別に鞄の中にしのばせていたということになる。

私にプレゼントするために…。


(やれやれ…、向日葵ってほんっと素直じゃないよなー。たまには『櫻子に喜んでほしくて…』くらい言えないのかよ…)


まぁ、そんな台詞が出てきたらさすがに正気を疑ってしまうが。
向日葵が素直じゃないのは今に始まったことじゃないし、逆に私だって同じような場面に立たされた時、向日葵相手に素直になる自信なんてほとんどなかった。

くるりと、向日葵に背を向けて軽く微笑む。

向日葵相手に「ありがとう」なんて言葉は素直に言えない。
そう言う性分だと言ってしまえばそれまでだが、それはきっと向日葵も同じはず。
それくらい、私達は一緒に歩んで、お互いを見てきたから。

なら、私は私、いつもの調子で行こう。
そう決めてニヤリと笑みを浮かべ、くるっと正面を向きそれから一言。


「あー分かった!誰か好きな子にあげようとしてフラれたんだー!」
「っ!?」


その後は語るべくもないが、おかげで特大の拳骨をお見舞いされた。
頭上には大きなたんこぶ。果てしなく痛い。

ちょっとぐらい手加減しろよなぁ…まったく。

それでも向日葵クッキーだけはなんとか死守に成功した。




「あー、いたた…」
「ふんっ…櫻子がふざけたこと言うからですわ」
「むー、私の頭が変形したら向日葵のせいだからね! 責任とってよね!」
「その時は形を整えるために、もう一発お見舞いしてあげますわ」
「それって何の解決にもなってないじゃん!?」


あれから向日葵は少し機嫌が悪かったが、怒らせたのは私なのであまり大きな事は言えない。
もしもあの時、素直に感謝の気持ちを口にしていたら、なにか変わっていただろうか。
いや、やめよう。ありもしない“もし”なんて考えるだけ時間の無駄だ。
もう未来は決定してしまった。それ以上でもそれ以下でもない。


「……ふんっ」
「あんまり怒ると、小じわが増えるぞ?」
「まだそんな歳じゃありませんわ!バカ櫻子!」


ぷりぷり怒りを露にしながらプイッと明後日の方に目を向ける向日葵だった。


「へへっ♪」
「何がおかしいんですの?」
「いやぁ、美味しそうなクッキーだなーって思って」


手に持った袋を軽く振って、その存在を確かめる。


「そ、そう?」


向日葵の声が上擦った。


「うん、私向日葵の作ったクッキー好きだし。まぁ向日葵の作った料理なら何でも好きなんだけどさ」
「っ……」
「それに…」


意味ありげに言葉を止め、向日葵の反応を伺うと、半ば予想通りの反応を見せる。
向日葵は、こちらに顔を向け、チラチラと横目を送ってきた。
頬が赤らんでいるのは気のせいじゃない。
ほんのりと色付く朱色は、夕日のせいなんかじゃ決してない。

そして。

そんな向日葵を可愛いと思ってしまったのもまた、気のせいなんかじゃなかった。


「……そ、それに?」


恐る恐る聞き返してくる向日葵に私はニッと笑顔を浮かべて。


「向日葵が“私のため”に作ってきてくれたクッキーだもん。嬉しいに決まってんじゃん!」
「っ…あ、あなたっ…さ、最初から気付いて…!!」
「はてさて? 何のこと? 何を言ってるのかぜんぜん分かんないんだけど? ちゃんとはっきり素直に言ってくれないとさぁ」
「べっ、別にっ…す、素直になるも何も、さっきも言った通りですわ!」
「んん?つまり?」
「だ、だから…それは赤座さん達にあげたものが余ったから、捨てるのも勿体ないと思って、しぶしぶ櫻子にあげたものですわ! へ、変な勘違いしないでちょうだい!」
「…はぁ…ホント向日葵って素直じゃないよね」
「ふんっ…あなたにだけは死んでも言われたくありませんわよ」


そう言ってまた、向日葵は明後日の方を向いてしまった。


「ねぇ向日葵、クッキーのお返し、何がいい?」
「別に…お返しなんていりませんわ。たかが余り物ですし」
「まだ言うか……、それでも私の気がすまないんだよ。向日葵に借り作ったままなんてやだし」
「……子供ですわね」
「子供でいいもん。実際子供だし。てことで何か欲しいものある?」
「急に言われても思い浮かびませんわ」
「あ、じゃあ私もクッ――」
「それは遠慮しておきますわ」
「……せめて最後まで言わせてよ……、はぁ…じゃあ私が勝手に決めちゃうよ?」
「……もう勝手になさい」


相変わらずそっぽを向いたままの向日葵。
だけど、私が呼べばきっと振り向いてくれる。
そんな確信にも似た予感が確かにあった。


「向日葵」
「もう!だから好きにしないさいとさっきから――」


私が呼ぶと、案の定、向日葵は振り向いた。
それと同時に私は向日葵との距離を一気に詰めて、軽く背伸びをする。
だって、向日葵の方が背が大きいし、届かなかったから。


「さ、さくっ…!」


至近距離に迫った私に目を見開いて驚愕したのも束の間。
私は、有無を言わさずに、向日葵の唇に自分のそれをそっと重ね合わせた。


「ん…」
「~~っ」


軽く、触れるだけのキス。
それでもはっきりと伝わってくる柔らかな感触と、熱いくらいのぬくもりに、胸がドキドキと早鐘を打つ。
ただの一瞬の出来事だったのに、その一瞬が10秒にも1分にも感じた。


「…んっ…はぁ」


唇をそっと離して最初に目にしたのは、真っ赤を通り越して茹蛸になってしまった向日葵の変顔。
期待を裏切らないその反応に、私はおかしくなってプっと吹き出してしまった。腹を抱えながら声を上げてケラケラと笑ってしまう。


「くくっ、あはははっ! お、おまっ、な、なんて顔してんだよ! ちょーウケるし!」
「なっ…なっ…!?」


向日葵は、キッと目を吊り上げて。


「さ、櫻子! あ、あ、あなた今自分が何したかっ――!!」
「え、そりゃもちろんキスだよ? それ以外何があんの?」
「ひ、開き直らないで…! ど、どうしてキスなんてっ…!!」


私、ファーストキスでしたのに…、という呟きを聞き逃さない。
ま、私だってファーストキスだけどね。


「だからお返しだよ、クッキーの。向日葵が勝手にしろって言ったんじゃん」
「勝手にしろって言っても、物には限度と言うものがっ…!」
「だって、私今両手塞がってるし、他に思いつくものなかったし」


右手に向日葵のクッキー、左手に鞄を装備した私に他にどうしろと?


「だ、だからって…その…き、キスなんて…」
「私とキスするの、イヤ?」
「っ…」


向日葵は、それ以上何も言わずに、顔を真っ赤にしたまま黙々と前を歩き始めた。
もう絶対に立ち止まらないという意思が、その背中からは感じられて、私も慌てて後を追う。


「……キスってお菓子より甘いかも、色んな意味で」
「……同感ですわ」
「え、なに? 向日葵、今何か言った?」
「……うっせ、ですわ」


クッキーは明日食べようかな。
さすがに今日はもう、胸やけしそうだもん。



おしまい


【あとがき】
アニメ2話のアレ。
二人のその後を色々妄想してみました。
あー、早くこの二人結婚しないかなー。

[ 2011/09/14 06:14 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)
ふぅ...ふぅ...こ、この調子でR18編も書きやがれくださいいいいいいいい!!!

いつもながらGJでした!!!
[ 2011/09/14 15:37 ] [ 編集 ]
唯梓のSSやめたんですか
唯梓色薄くなってきてないですか

寂しいです
[ 2011/09/15 19:18 ] [ 編集 ]
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