とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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唯梓SS 『えんじぇる・ふーる』

※エイプリルフールネタ
※追記からどうぞ!




4月1日が何の日かと聞かれて答えられない人間はそう多くない。
老若男女問わず誰もが知っている恒例行事であるし、昨今の現代社会においては小学生どころか幼稚園児だって知っていても大袈裟じゃない。どんなに無知な人間であっても、それくらいは把握していても何らおかしくはなかった。
 
もうお気づきかとは思うが、4月1日の恒例行事とはエイプリルフールのことである。
日本では“四月馬鹿”と言ったりもするが、意味はどちらも同じ“嘘をついてもいい日”とされている。
毎年その日になると猫も杓子も嘘をつき、騙され、そしてすべてが嘘の一言で許される。
 
何故このような風習が広まったのか、実際はその起源はまったくの不明で、いつどこで始まったのかは定かではない。起源説は多々存在しているが、どれもこれも確証はなく、仮説の域を出ていないのだ。
 
しかしそんなものは現代を生きる人々にはあまり関係ない。
その日がエイプリルフールであること。
そして嘘をついてもいい日だということ。
 
 
その事実さえ分かっていれば
それだけでいいのだから
 
 
 

 *
 

 
 
「今日はエイプリルフールです!」
 

春眠、暁をなんとやら。
春休み真っ只中の時期に性懲りもなく学校の音楽室を占領して私物化していた軽音部は、練習するという名目で集まり、いつも通りティータイムにお喋りにのほほんとだらけていた。
ムギ先輩の用意してくれたお茶やらお菓子に手を付けながら他愛ない話題で盛り上がる。
その中で珍しくお喋りに参加していなかった唯先輩が、会話の途切れるころを見計らって割り込みをかけた。
 

「…またえらい唐突ですね、唯先輩」
「確かに今日はエイプリルフールだけど…」
 

澪先輩はあははっと苦笑い。
私は少し呆れ気味に唯先輩を見つめる。
 

「まさか今からウソつきます~って言うんじゃないだろうな? でも嘘つこうとしてんなら、それは言わない方が良かったんじゃないか?」
 

くくっと笑いながら律先輩が尤なことを言う。確かに唯先輩の考えている事が理解できなかった。
もし今ここで嘘をついて私達を騙したいのであれば、ここはエイプリルフールだということを伏せて、騙したあとにそれを教えた方がよかったはずだ。最初にエイプリルフールだとばらしてしまっては、みんな嘘に対して敏感になり身構えてしまうだろうに。
 

「唯ちゃん、何か嘘つくの?」
 

ほら、ムギ先輩も気付いてしまった。きっとムギ先輩は今日この日がエイプリルフールだと忘れていたに違いない。唯先輩に言われてポンっと手を叩いたところを見るとそれも頷ける。
唯先輩の思惑がなんであれ、嘘をつきますとバカ正直に言って、はいそうですかと騙される人間などいやしないのだ。
 

「ふんすっ!」
 

しかし唯先輩は意に介した様子はなく得意げな表情で鼻息を荒くしてる。
私も含め、みんな唯先輩の考えていることが分からず首を傾げている。
 

「今日はエイプリルフールです!」
「…それはもう分かりましたから。大事なことだから2回言ったんですね?」
「さすがあずにゃん、私の事なら何でも分かるんだね♪」
「べ、別に…なんでも分かるわけじゃ…!」
 

にっこりと微笑む唯先輩。あんまりにも可愛らしい笑顔なので直視できない。
い、言っとくけど、別に唯先輩のことなんて何とも思ってないんだからねっ!
勘違いしないでよねっ!
 
 
そして唯先輩はふんすっとドヤ顔全開でえっへんと胸を張って。
気持ちふっくらとした胸をふよんと揺らしながら私の目を釘付けにした。
どこ見てる私。唯先輩の顔を見るんだ私。
 

「私今から嘘つきます!」
 

唯先輩が告げたそれはとても単純な話。
 

「みんなは私の嘘を見破ってね!」
 

つまりそういう簡単なゲーム。それならば最初にエイプリルフールと言っておいたのには頷ける。言っておかないとそもそも成り立たないゲームだから。
 

「へ~面白そうだな。ていうか唯に嘘なんてつけんのか?」
「つけます!」
「ずいぶん自信満々なんだな?」
「えっへん!」
 

律先輩も澪先輩もあまり唯先輩の嘘には期待していないのか苦笑い気味。きっとすぐばれるような嘘をつくんだろうと、たかを括っているに違いない。
実際私も似たようなことを思っていた。もともと嘘をつくことが下手な唯先輩だ。それをゲーム形式にしたところでそれも変わらないと思う。
 
そして唯先輩による嘘発見ゲーム(私命名)は始まりのゴングを鳴らす。
まずは軽いジャブでくるかと思われたが、開始早々デンプシーロールをお見舞いされることになる。
 

「私、あずにゃんの事が好きなの。もちろんLOVEの意味で」
「はぇっ!?」
「あら!?×4」
 

初っ端から過剰な反応を示す私。と何故かムギ先輩。律先輩と澪先輩は意外にも落ち着いていて、う~んと顎に手を当てながら考え込んでいる。きっと嘘かどうかを見極めているのだろう。
いや唯先輩の場合“好き”という気持ち自体に嘘はないと思うが、後の“LOVEの意味で”というところに危険を孕んでいる。
ムギ先輩もかなり真剣な顔で目を細めている。ふんすっと鼻を膨らませて、「どっちなの…唯ちゃん…うそ? ほんと?」とブツブツと呟きながら、顔を赤くしたり青くしたり大忙しだ。
 
そして標的にされた私はと言えば、嘘かホントかを見破る以前にまともな思考が働かない。

 
「あ、あのあの…ゆ、ゆいせっ…」
「返事はまた今度でいいからね? 考えてくれると嬉しいな♪」
「はぅっ!」
 

嘘なんて微塵も感じさせないその心のこもった愛の告白に私の心臓は張り裂けんばかりの鼓動を刻む。
律先輩と澪先輩の方に顔を向けて見ると、「さすがに嘘だろ?」みたいな表情で顔を見合わせ、肩を竦めていた。
た、確かにいきなり愛の告白なんてやりすぎな気もするし、だいいち私達は女の子同士。女の子同士で恋愛なんて、そんな百合ン百合ンな展開、漫画やアニメの中だけに許された悪魔の所業に違いない。
 

(…そ、そっか…嘘かぁ…はぁ…)
 

嘘だと分かればなんてことないと思ったけど予想外のダメージを受けた。
ちょっとだけ。本当にちょっとだけだが胸がちくっと痛んだ。
もしかしたら寂しかったのかもしれない。
唯先輩のその気持ちが嘘であることに。真実でなかったことに。
 
軽い溜息をついて気持ちを切替えようと首を横に振ると、ふと視界に入ったムギ先輩の表情はトロトロに蕩けていることに気付く。
いったい何を妄想しているのかと、少し背筋が凍る。
 
その後も一息つく間も無く唯先輩の嘘発見ゲームは続いた。

 
「実は今日憂が寝坊しちゃってね? 私が憂を起こしてあげたんだ~♪」
 

嘘だ。絶対に嘘だ。ありえない。そんなことはまかり間違っても。
憂が寝坊ってところからしてまずありえないし、唯先輩を起こすことがあったとしても唯先輩が憂を起こす側に回るなんて、そんなの酢豚にパイナップルくらいありえない。
つまりこれは嘘だ。他のメンバーもやれやれと首を振りながら苦笑い。きっと同じように嘘だと思っているのだろう。
こんな簡単な嘘なら見破ることは容易い。
 

「ふんすっ! 実は私、今日はTバックを穿いているのですっ! せくしーでしょ!」
「「てぃっ!?」」
 

くるっとターンをして、ひらりと舞う唯先輩のスカートに目が釘付け。
魅惑のデルタゾーンがギリギリ映らない程度のふわっと感が絶妙なエロスを醸し出している。

さて、その明らかに嘘と分かる狂言に私と澪先輩の声が重なった。澪先輩はあわわっと顔を真っ赤に染めて、何故かもぞもぞと股を擦り合わせる。もしかしたら自分がTバックを穿いてるところでも想像しているのかも。
澪先輩といえば縞パン、縞パンといえば澪先輩と言うくらいだし、自分には縁もゆかりもないそのアイテムは刺激が強すぎるのかもしれない。
 

「せくしーな平沢唯をどうぞよろしく!」
「まぁ×6」


うっふんとセクシーっぽいポーズを取る唯先輩はバチンとウインクを一つ。
ムギ先輩の反応も「あら」から「まぁ」に変わっている。意味はないが。
 

(ゆ、唯先輩が…Tバックだと…嘘だと思うけど…でも)
 

あのスカートに下に見える見慣れた黒ストッキング。その向こう側にまさかの桃源郷が広がっているかと思うと、思わずゴクリと生唾を飲み込まざるを得ない。
唯先輩のTバック姿…、あの細いようでしっかりと肉付いた綺麗なお尻を包み込んでいるようで包んでいないTバック…、桃尻の中心に一本の紐を食い込ませ…、私を誘うように…etcetc

 
「お、おい梓、鼻血出てるぞ! 大丈夫か!? まったくどうしたってんだよ…ほらティッシュ!」
「それには及ばないです」

 
パシッと、律先輩が差し出したポケットティッシュを払いのける。

 
「いや、及ぼう?ね?」
「…ほむぅ…」
「いや、『…ほむぅ…』じゃなくてまずは鼻血をね? ちょ、ちょっと中野くん? 人の話を――」
 
目を閉じ、感覚を研ぎ澄ませ、視界と音を遮断して。
妄想に命を燃やせッッ!!!
 

閑話休題。
 

唯先輩の嘘発見ゲームは始まりも唐突だったが終わりもまた唐突だった。
「ここまでだよ~」という唯先輩の一言であっけなく終了し、そのあとはおのおのシンキングタイムに入る。

あの後も何度かに渡って嘘と真実を織り交ぜた唯先輩の狂言に付き合わされた。
やれ「テストで100点を取った」だの、やれ「道端で1000円拾った」だの、他色々。
はっきりと嘘なんじゃないかと思うものから、真実っぽいものまで。どれが嘘でどれがホントか。結構考えさせられる。唯先輩にしては中々頑張ったほうなんじゃないかと思う。
 
そしておのおの答えが出揃ったところで唯先輩から結果発表。
ダララララっとドラムロールが頭の中で響き渡る中、ゴクリと唾を飲み込む一同。
 
律先輩の予想は「道端で1000円拾った」以外は全部嘘。
澪先輩は「テストで100点を取った」以外は全部嘘。
ムギ先輩は「中野梓の事をLOVEの意味で好き」以外は全部嘘。
そして残る私は…、
 

「実は全部嘘ですね唯先輩。みんなは騙せても私は騙せませんよ」
「自信満々なんだねあずにゃん、ふふ♪」
 

自信満々な私に対して、何故か唯先輩も自信満々の態度で返す。その表情には笑みさえ溢れ、大笑いしたいのを我慢しているようにも取れる。いったいその自信はどこから出てくるのか。私には知る由もなかった。
 

「じゃあ発表します!」
「「「「ゴクリっ!」」」」
 

今一度生唾を飲み込んで唯先輩の言葉に耳を澄ます。
全員の視線が唯先輩の顔を射抜いていた。
静かに開かれる唯先輩の唇。
まるでスローモーションのようにゆっくりと開かれるそれを。
私達はドキドキしながら見守った。
 
そして唯先輩は答えをーー。
 

「答えは『私今から嘘つきます』が嘘だよ」
 

ーー予想外の答えを述べた。
 

「「「「は?」」」」

 
重なる声。誰一人として喜びだすものがいないのは当然正解者が誰もいないから。
というか、正解者云々よりも私達は唯先輩の回答に驚きを隠せなかった。
正直、驚くなと言う方が無理がある。
 
『私今から嘘つきます!』
 
これが嘘だとするならば、それはつまり“嘘”が“真実”に変換されて。
そのあと唯先輩は嘘などついてなくて。今まで言ったことは全部本当の――。
 

「なっ、なにぃいいい!! つまりあれとかあれとか全部本当って事かッッ!?」

 
律先輩は吼え。してやったりの唯先輩。
 

「じゃ、じゃあ憂ちゃんが寝坊したとか、唯が起こしたとか、1000円拾ったとか、全部本当の…」
 

澪先輩は驚愕に目を見開き。コクンと満面の笑みで頷く唯先輩。
 

「そ、そんなっ…じゃ、じゃあ、もしかして唯ちゃんは…梓ちゃんを本気で…」
 

ムギ先輩に至っては何故かハァハァと荒い息をつきながらウットリである。
 
先輩方も相当驚いていただろうが、私も私で大変なことになっていた。
思考が停止し、何も考えられない。動き出すまでにはしばらく時間がかかった。
動き出した思考は徐々にその現実を受け止め、受け止められた現実は、私の体に異変を起こす。
はっはっと、まるで呼吸困難に陥ったように上手く呼吸ができなくて。
頭は沸騰したように熱を帯び、その熱は徐々に下にさがり顔をも火照らせて。
息苦しくて思わず掴んだ胸は、私のものとは思えないほど鼓動がうるさくて。
 
もう、我慢の限界だった。
聞かなくちゃいけないあの事。
聞かざるを得ないあの事。
 
ゴクリっと一度唾を飲み込んで。
震える唇に鞭打って私は魂の咆哮を解き放った。
 
 
 
「唯先輩、Tバック穿いてるんですかッッ!?!?」
 
 
 
「「真っ先に聞くのがそこかよッ!?」」
「あら×12」
 

律澪先輩が同時に叫んだが私の耳には入っていなかった。
私には今この瞬間、唯先輩しか見えていなかったのだ。
 

「えっとぉ、えへへ、実はお母さんのパンツと間違って穿いてきちゃって♪」

 
テヘヘっと天使の笑顔ではにかむ唯先輩。
しかしその天使の股間には今、天使とは無縁の悪魔の遺物が食い込むように装着されてっ。
されて…されてっ…されされされれれれっ…アァァァァアァァァア!!!
 

「い、いや、普通穿く前に気付くだろ?」
「うん、普通そうなんだけどね~。たぶん寝ぼけてたんじゃないかなぁ」
 

律先輩は呆れて首を振る。
 

「…ていうか唯のママはてぃ、てぃーばっくなんて穿いてるのか…お、大人だ…」
「えへへ、お母さんって見かけによらず脱いだら凄いんだよ!」
 

ゴクリと唾を飲み込んだ澪先輩。
その話からかんがみるに、唯先輩も将来“脱いだら凄い”レディーになるということか。


「あ、あの梓ちゃん? 大丈夫? はい、ティッシュ」
「それには及ばないです」
 

パシンっとムギ先輩が差し出したティッシュを払いのける私。
ムギ先輩にまで心配をかけてしまっては中野梓の名折れですので。
 

「え? で、でも…鼻の下が大変なことに…」
「こんなのかすり傷です」
「ううん。どう見ても致命傷よ」
 

かくして嘘発見ゲームは唯先輩の完全勝利で終幕を迎えたわけだが…。
何か、とてつもなく大切なことを忘れているような、いないような…。
 

「…ほ、むぅ…?」

 
それは唯先輩が最初についた“真実”
その真実を思い出す日はそう遠くない。
 
 

 
おしまい
 
 
 
【あとがき】
「ゆるゆり」のエイプリルフール話読んでたら書きたくなったネタです。(アニメ化楽しみ!)
エイプリルフールなんてもう何週間も前の話ですが、修学旅行編も初日終わってひと段落しましたし、
生き抜きタイムってことでササっと書いてみました。
たまには短いのも読みやすいと思いまして。
とにもかくにも楽しんでいただければ幸いです。
 
最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。
 
[ 2011/04/19 21:49 ] 未分類 | TB(0) | CM(7)
短くないと感じてしまったw
誕生日にはおくれますが余裕ができたら…
楽しみにしてください
[ 2011/04/19 22:13 ] [ 編集 ]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2011/04/19 23:17 ] [ 編集 ]
脱いだら凄いと聞いて『Happy!?Sorry!!』の1フレーズが脳裏を過ぎりましたよ、制服脱いだらちょっと凄いよ?着てても勿論凄いけど!

てぃーばっく、すごく……せくしーです…///
[ 2011/04/20 17:53 ] [ 編集 ]
あれ?なんか俺の鼻の下に赤い洪水が流れてる…?
口から謎の液体も流れてる…。
…この話読み終わったときには既に出ていたようです…。
まったく…どれもSS最高だぜ…。
この話は特にすごい!口から血が出るかと思った。
[ 2011/04/20 23:26 ] [ 編集 ]
あずにゃんはきっと家に帰って改めて思い出して悶絶するに違いない。

ホンと唯さんは罪作りな女だよ…

しかしTバックよりもTフロントや前開きバタフライショーツの方gおや?こんな時間に誰か来たようだ…
[ 2011/04/20 23:47 ] [ 編集 ]
もうね・・・以外の連発ですたww
俺もすっかり騙されてしまいましたよ・・・唯先輩恐るべし(^_^;)
あと、梓の反応がTバックに対してってのも凄く以外ですたっすね・・・きっと、帰りに唯は梓にれい(ry


とりま、おもろかったです^^
[ 2011/04/21 03:21 ] [ 編集 ]
そこから嘘だったんかい!って感じですね。是非あずにゃんの前でスカートめくって下さいましー(笑)

憂ちゃんの寝坊の原因…純ちゃん絡みだったりして とかなんとか勝手に妄想しちゃいました。ふふふ

ゆいあず分補給完了です。ごちそうさまでした。
[ 2011/04/21 15:10 ] [ 編集 ]
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