とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆいあず!!シリーズSS EP04 『軽音旅情浪漫譚 #9 ~闇夜に煌めく星の唄 Ⅲ~』

※追記からどうぞ!



それは本当に間一髪の出来事――。


「ふたりともいい加減にしなさいよッ! 私がいるってこと忘れてんのッ!!」
「「っ!?」」


先ほどまで野次馬根性丸出しで鼻息を荒くしていた人間のセリフではないのだが。
それでもなんとか止めに入ることには成功。唇が触れる寸前、だいたい1cmと言ったとこだろうか。
私の怒声に驚き、ビクンと体を震わせて動きを止め、その行為は未遂に終わる。

二人はカっと目を見開いた。
自分達の置かれている状況を今更のように気づいたのかボっと顔から火を噴く。


(これで止まらなかったらどうしようかと思ったよ…)


まるで魔法が解けたシンデレラのようにすべてが元通り、とまでは言いすぎか。
バっと憂から離れた純は、あははっと冷や汗をたらしながら誤魔化すように笑い声を上げた。


「あ、あれ~、梓いたんだ~。気付かなかったなァ~。ひゅ~ふひゅ~♪」


へたくそな口笛は空気が掠れるような音にしか聞こえない。


「うそつけ。たんに我忘れてただけでしょ」
「うぐっ…そ、それはだって…ねぇ?」
「ねぇ? じゃないよまったく。…それに憂まで」
「ち、ちちっ違うのっ…! わ、私…そのっ…純ちゃんのこと、好きとかそんなんじゃ…っ!」


真っ赤な顔で弁解しても今更遅いと思うけど、そこのところどう思う?
とりあえず憂の好きな人って言うのはなんとなく分かったよ。
つまりは…そういうことでしょ?


「はぁ…まぁいいけどね。ていうか、ここが唯先輩の部屋だってこと忘れてない? 唯先輩の部屋であんなことやこんなことしようなんて神が許しても私が許さないよ?」


ここは私と唯先輩の愛の巣だもの。まかり間違っても他の人が愛の巣にしていい場所じゃない。
ここはいわば聖地。サンクチュアリといっても過言ではないのだから。
ま、まぁ…ちょっとだけ私もやばかったけど。ムラムラ的な意味で。


「あーあーうん、そうだったねー。ここ唯先輩の部屋だったようん! いやぁーそれにしても唯先輩も太っ腹だよね、梓や憂ならまだしも私まで使わせてもらえるなんてさぁ」


あからさまに話を変えてくる純をジト目で射抜く。


「唯先輩に感謝しなきゃだめだよ? 唯先輩が『せっかくお泊りしてるんだしみんなで楽しみなよ♪』って言ってくれたんだから」
「わ、分かってますとも! お、おかげで楽しませてもらってます!」


よく言うよ、まったく…。
いったいナニをナニして楽しむつもりだったのさ。
まさかのK点越えに突入だったじゃないのさ。


「……えっちなのはいけないと思います」


ボソッと純の耳にも届くようにそう呟く。
私としては純に言ったつもりだったのだが、何故か憂まで「うっ」と息を詰まらせ、真っ赤になった顔を両手で覆い隠してしまった。なるほど、憂にも自覚はあったわけか。意外とエッチなんだね憂って。
まぁあのエロエロ魔人の妹なのだから納得といえば納得だけど。


「と、ところで梓! 唯先輩のベッドの寝心地はどんな感じ? 気持ちいいの?」


純はまたもあからさまに話を変えてきた。
まぁこれ以上苛めるのもかわいそうだからいいけどね。


「もちろん最高の寝心地だよ。なにせ私の唯先輩だし。当然でしょ?」


純の言うとおり、私は唯先輩のベッドを使わせてもらっていた。
もちろん唯先輩のベッドで寝るのは初めてじゃないし、新鮮味があるかと言われればそれほどでもないけど。
あとちなみに憂と純は床に布団を敷いて寝ている。


「ふかふかで気持ちいいし。そしてなんと言ってもこの匂いだよ」


すんすんと鼻を鳴らしながら、布団に染み付いた唯先輩の甘く蕩けるような匂いを堪能する。
媚薬染みたその匂いは、それだけで私の中の唯先輩分タンクにエネルギーを蓄えていくのだ。
力がみなぎってくる。今なら何でも出来るような気がした。
それくらい今の私はフルパワーだった。


「この香り、このまろみ、私どうにかなっちゃいそうだよ」


あまりこのフローラルな香りを嗅ぎすぎると股間が疼きやがるので早々にやめておく。エネルギーの過剰摂取はかえって体に毒なのだ。まかり間違ってタンクが破裂なんてしようものなら暴走の一途を辿るのは火を見るより明らかだ。さすがに親友の前で醜態を晒すのだけは勘弁願いたい。


「……すでに大変なことになってると思うんだけど。主に頭が」
「なんか言った?」
「い、いえいえなぁーんも!」
「あ、あのっ…ふたりともそろそろ寝ない? もう遅いし、ね?」


憂が私達の会話に割り込むように就寝を促してくる。
そういえば会話に夢中で気付かなかったがそろそろ唯先輩との約束の時間ではないだろうか。軽く見積もっても、あれからだいたい10分くらいは話し込んだから、たぶんあと15分程度。


(確かに、そろそろふたりには寝てもらわないと…)


あとあと面倒になるのは避けたいので憂の提案に快く賛成する。純の方も反対する気はないようで、返事とばかりにガバっと自分の布団を豪快に被って、顔を隠してしまった。


「じゃあおやすみ、憂」
「おやすみなさい梓ちゃん。…純ちゃんもおやすみ」
「んー…おやすみぃー…」


純の声はすでに眠そうだった。きっと布団に入ったらあっという間に寝てしまうタイプなのだろう。そういえば唯先輩も同じタイプだなって思いながら、私も布団を被って目を瞑る。
もちろんまだ寝る気はないけど、唯先輩から電話がかかってこないことにはどうしようもないので静かに待つ。一瞬「私からかけようか…」とも思った。しかしせっかく唯先輩からかけてきてくれるのだし、待つことの楽しさを味わうのも悪くない。




 *




それから何もできないまま時は過ぎる。
刻一刻と差し迫る約束の時間。
すでに憂と純からは安らかな寝息が聞こえていた。


「…すぅ…んっ…」
「…すかー…へへっ…ういっぱい…いただきまーす…ふへっ…」
「……」


寝付きがいいなと思いながらも、あれだけはしゃげば当然かとも思う。
ふたりの安らかな寝息を聞きながら約束の時間を待つ。待っている時間は一分にも一時間にも感じた。短いのか長いのかすら分からない。胸は何故かドキドキとうるさくて、眠気が襲うどころか逆に目が冴えて、変に緊張してしまう。


「………まだかな」


よく考えたら唯先輩とお話するの朝以来。
実際にはまだ24時間経っていないけど、それでももう数日話していないような気になってる。
たぶんそれが緊張の理由なんだろう。
唯先輩がいる生活が本当に当たり前になっていたから…。


「ん…?」


しばらくすると、突然耳元でブブブっと携帯の振動音がした。


「きたっ…!」


たぶん0時になったのだろう。もしくは0時ちょっと前か、少し過ぎたあたりか。
とにかく約束の時間付近であることには変わりはない。
枕元に手を伸ばし、振動している携帯を手にとって画面を確かめる。
見間違うはずがない唯先輩の名前が表示されていた。
この先に唯先輩がいるんだと思うと、胸の高鳴りが増し、興奮を抑えることができない。


「ごくっ…」


生唾を飲み込み、震える手で通話ボタンを押す。
恐る恐る携帯を耳に当て、第一声を発した。


「…もしもし…?」


色気も何もないオーソドックスな応対だが、これ以外言葉が思いつかない。


『…あ、あずにゃん?』
「ゆ、唯先輩ですか?」
『う、うんそうだよ』


聞けば分かるはずの恋人の声なのに、どうしても聞き返せずにはいられなかった。
鼓膜を振るわせるお菓子みたいに甘いふわふわした声。
どこか眠たげで、でもその人にとっては当たり前な、子守唄にも聞こえるのその声は。
私の、誰よりも愛しい、世界でたったひとりの、私だけの人。


「お、おひさしぶりです。唯先輩」
『う、うん。お、おひさしぶり。あずにゃん』
「な、なんでそんなにかしこまった話し方なんですか?」
『あ、あずにゃんこそ…なんか変だよ?』


そんなこと言われたって、仕方ないじゃないですか。
貴女の声を聞くだけで心臓は自分のものとは思えないほどバクバクして。
その声をもっともっと聞きたいあまり呼吸することすら忘れて。息苦しくて。
今の私では、いつものように話をするなんて到底無理な話だった。


「ご、ごめんなさい。久しぶりに唯先輩の声聞いたら、なんかドキドキしちゃって…」
『そ、そうなんだ。実は私もちょっと緊張してたんだ。おかしいよね? まだ1日も経ってないのに、なんだかずっと会ってなかったみたいに感じるんだ』
「あ、私も同じです。唯先輩がいないってだけで、1時間が1日にも1週間にも長く感じました。へ、変ですよね?」
『そんなことないよ。えへへ…なんだか嬉しいな。あずにゃんにそんなに想ってもらえて。私世界一の幸せ者かも♪ 私もずっとあずにゃんのこと想ってたよ。早く会って声が聞きたいなぁ~って。修学旅行中断して今から飛んで行っちゃおうかなぁ』


そんな事を恥ずかしげもなく言ってのける唯先輩。
だけど、きっと電話の向こう側では照れて真っ赤になっているに違いない。


「もうっ…言い過ぎですよ…ばか」
『えへへ…』


だって、私だって恥ずかしかったもの。顔が熱くて、胸は張り裂けそうなくらいキュンキュンして。
唯先輩の嬉しい一言で天にも昇りたくなるような気持ちだった。


「それでどうですか? 修学旅行、楽しいですか?」
『うん! とっても楽しいよ! 軽音部のみんなも一緒だしね』
「澪先輩とかムギ先輩にあんまり迷惑かけちゃダメですよ?」
『…あ、あれ? あずにゃんってもしかしてエスパー?』
「…やっぱり迷惑かけてるんですね」
『ていうかその中にりっちゃんがいないのはなんでなのかな?』
「律先輩はどうせ唯先輩と一緒になってふざけてるでしょ?」
『おおっ、やっぱりエスパーだ!』
「…考えなくても分かりますよ、もう」


何度も何度も言葉を交わすたびにいつの間にか会話に遠慮はなくなって。
笑ったり、呆れたり、時には怒ったりして。修学旅行であんな事があったとか、学校の授業は退屈だったとか、そんな恋人同士の逢引とは無縁な他愛ない話で盛り上がった。


『それでその時ムギちゃんがね…』
「うふふっ、なんですかそれ…♪」


ただ貴女と話が出来ることが嬉しくて、楽しくて。胸が躍った。貴女と共有できる時間がこれほど尊いものだったなんて。
貴女と離れ離れになって、それにようやく気付いた。思い出した。


「実は純が幻のゴールデンチョコパンをゲットしたんですよ」
『へぇ~! あの幻のパンをゲットできるなんて純ちゃん凄いね! 実はまだ一回も食べたことないんだよね私』


貴女との時間を永遠のものにしたくて、ずっとこのまま時間が止まってしまえばいいとすら思った。
それが無理だってことは分かっているはずなのに。永遠なんてこの世にはないって分かってるはずなのに。
それでも私は、そう願わずにはいられない。

そして、その願いは叶えられることなく時は静かに刻みゆく。
終わってほしくない時間ほど刹那の瞬間――。


『…それじゃあずにゃん、そろそろ…』
「はい…そうですね。もう2時間近くも話してますもんね…。ごめんなさい夢中になっちゃって…」
『もう! 謝っちゃいやだよあずにゃん。私だってとっても夢中だったんだから』
「ほ、ホントですか?」
『もちろんだよ! でもホントにあっという間だったなぁ…』


うん、本当に。


「唯先輩、明日も早いんですからこれ以上夜更かししたらダメですよ?」
『分かってるよぉ。あずにゃんもすぐ寝るんだよ?』
「はい」
『…それじゃ切るね?』
「…うん」


恋人の夜はこれでお開き。残念だけどこれが現実。
せめて唯先輩が電話を切るまで待っていようとじっと待つ。


「……」
『……』


しかしいつまで経ってもプツっとも言わなくて、電話は繋がったまま。
唯先輩が切ってくれないと私が切れないのに。


「…どうして切らないんですか?」
『…あずにゃんこそ』
「私は唯先輩が切ったら切りますよ」
『私だってあずにゃんが切ったら切るよ』


ああ、なんだ。私達、同じこと考えてたんだ。
以心伝心もここまでくると一心同体に思えてくる。


「…ぷっ…」
『…くふっ…あははっ』


なんだかおかしくなって、どちらからともなく笑う。そして。


『……あずにゃん』
「え?」


終わりは何の前触れもなく訪れて。


『……大好き!』
「っ…!」


その愛の言葉を最後に唯先輩は電話を切ってしまった。
プツっと言う電子音が聞こえ、ツーツーと無機質な音が断続的に耳に響く。


「…もう…」


最後の最後になんて不意打ち。おまけに私には何も言わせないで、自分だけ言いたいこと言ってあっさり電話を切ってしまうなんて。ズルイ意外の言葉が思い浮かばない。
文句の一つでも言ってやりたいが電話はすでに切られた後だから私にはもうどうしようもなかった。
今更かけなおすなんてできないし。


「ずるいなぁ…唯先輩」


やり切れない気持ちを胸にそんな言葉が漏れでる。
しかし胸に添えられた手は確かに感じていた。
胸の鼓動がトクントクンと優しいビートを刻んでいるのを。
唯先輩の言葉に言いようのない幸福を感じていることを。


「……私にも言わせてくれたっていいのに」


大好き。愛してる。言わせてもらえなかったけど、でも。
唯先輩が帰ってきたとき、真っ先に言ってやるんだ。
貴女のその胸に飛びついて、ありったけの愛と共に。
貴女だけの私を届けにいこう。

そう心に誓って
静かな闇の中、私はそっと瞳を閉じた。



つづく
[ 2011/04/17 14:59 ] 未分類 | TB(0) | CM(6)
PCからのコメ
ああ…もうこれだからゆいあずは困る…
見てるこっちまで緊張するわww

…この話、更新されるのをずっと待ってたぜ…!!
また続きヨロシ。
[ 2011/04/17 19:10 ] [ 編集 ]
管理人のみ閲覧できます
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[ 2011/04/17 22:43 ] [ 編集 ]
この分だと帰郷した後は18禁展開が待っていそうですね…きっとお互い我慢できそうもないし
[ 2011/04/18 02:33 ] [ 編集 ]
電話でドギマギするゆいあずにハスハスし、
若さゆえの過ちを犯そうとする憂純…もとい、純憂にドキドキし、
阿修羅すら凌駕する存在になった澪にハラハラしましたw

唯先輩……ズルい女!
[ 2011/04/18 10:05 ] [ 編集 ]
やっぱ、金太郎さまのSSは毎回笑わせてくれますねw
梓が神にとても無礼な事したけど、あれは正解ですねwうん。俺ならもっと酷い事してたよww
あと、妄想が酷くてすいません><梓が唯の胸に飛びつくと言った瞬間、一番に頭をよぎったのが、梓が唯の胸に手を伸ばして性欲のままに・・・・・と言うシチュエーションですたw
とりま、お疲れ様です〜
[ 2011/04/19 09:11 ] [ 編集 ]
やっぱ、金太郎さまのSSは毎回笑わせてくれますねw
梓が神にとても無礼な事したけど、あれは正解ですねwうん。俺ならもっと酷い事してたよww
あと、妄想が酷くてすいません><梓が唯の胸に飛びつくと言った瞬間、一番に頭をよぎったのが、梓が唯の胸に手を伸ばして本能の赴くままに・・・・・と言うシチュエーションですたw
とりま、お疲れ様です〜
[ 2011/04/19 09:16 ] [ 編集 ]
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