とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆいあず!!シリーズSS EP04 『軽音旅情浪漫譚 #9 ~闇夜に煌めく星の唄 Ⅱ~』

※追記からどうぞ!



それは唯先輩から電話がかかってくるほんの少し前の事――。
時刻はそろそろ午後11時半を回ろうかといったあたりで。
しばらくすれば日も変わる、そんな時間帯である。

つい先刻まで盛り上がっていた狩りはやめてからすでに30分は経過していて。そのあとは何をするでもなく、まるで修学旅行気分の学生のように、それぞれ顔を寄せ合って何気ない雑談に花を咲かせていた。

話す内容なんてそう多くはなかった。
テレビの話だったり、音楽の話だったり、恋のお話だったり。
年頃の女の子なら誰でも当たり前にするような話題で盛り上がった。


「ねぇねぇ、憂って誰か好きな人いるのぉ? 教えなさいよぉ~!」
「え、えぇっ!? …そ、それは…っ」
「純はなんでそんなにニヤニヤしてんの? 実は知ってて聞いてるとか?」
「さぁ~ね~。それは憂に聞いた方が手っ取り早いんじゃないかな? かな?」
「どうなの憂?」
「し、知らないもんっ!」


そして夜はひっそりと静まり返り、刻々と時を刻み、更けていく。
心地のいい疲労感が眠気を誘い始め、一人があくびをすれば、まるで伝染したように他の人にもあくびがうつってしまう。
時計を見ればそろそろいい時間だった。


「そろそろ寝よっか?」


夜更かしは美容の大敵って言葉があるくらいだし、本日はこれでお開きにしようと憂と純に就寝を促す。
それぞれ寝床につき、心地いい疲労感に包まれながら布団に潜り込む。
ん~っと伸びをすると、自然に大きなあくびが出てしまった。


「それじゃ電気消すよー」
「うん」
「お~」


扉の傍まで寄った憂はこちらに目を向けて電気のスイッチに手をかける。
私と純がそれぞれ返事を返すと、憂は一瞬微笑んでから蛍光灯のスイッチを押した。
その瞬間、部屋の電気がパッと消える。
あんなに明るかった部屋が一瞬にして暗闇に包まれる。


(…くらい…)


ただひとつの光すら存在しない真っ暗闇だった。
もちろんそれは目が闇に慣れていないせいもある。目を細めて辺りを見回してみたが、やはり何も見えない。
どこになにがあるかぜんぜんはっきりしなかった。
なので当然、憂と純の顔もまったく見えやしない。


「…んしょ…」


暗闇のなかただ一つ分かること。
それは憂の声が一瞬聞こえたってこと、その憂がごそごそと布団を被る音だけ。
シーンと静まり返る真っ暗な部屋のなか、私は何気なく壁時計が掛かっていた方向に目を向けた。
しかし真っ暗なので何時何分かは読み取れない。
仕方ないと思って枕元に手を伸ばしモゾモゾと手を這わせた。
携帯を取るためだった。


(…えーと、あれ…どこだっけ?)


枕元に置いたはずの携帯がなかなか取れない。もちろんどこに置いたか忘れたわけじゃない。ただこう真っ暗だと一度や二度の空振りは仕方がないというもの。誰にだってそういう経験はあるはずだろう。
こうなったらもう一回電気を付けようかとも考えたけど、すぐに却下する。
一度消した電気をまたつけるなんて、せっかく電気を消してくれた憂に悪いだろう。


(…ん)


空を切ること数回。もぞもぞと動き回る手が何度か空振りを続けていると、ふいに手の甲に何かコツンと触れる。


(これかな…?)


触れたそれを無造作に手にとって形を確かめた。
と言っても枕元に置いていたのは携帯だけなのでそれ以外はありえないって分かってはいるけど。
手に収まる長方形をした冷たい物体は、形からしてまず間違いなく私の携帯だった。


(…えっと、時間時間…)


私がしきりに時間を気にするのには理由がある。
その訳は、あと30分としない内に私の携帯に大事な電話が掛かってくるからだ。
こんな時間に大事な電話って言えば、その相手が誰か察してくれるだろう。
もちろん相手は唯先輩だ。


(っていうか、唯先輩もわざわざこんな寝る時間にしなくてもいいのに…)


まぁ唯先輩らしいって言えばらしいかなって思う。
あれは数時間前に遡るが、唯先輩とメールで何度かやり取りをしているうちに何気なく決まった約束だった。別に約束の時間を0時に設定する必要はなかったけど、なんとなくこういうのはお約束なのかなって。
まぁ実際、メールしてたときに電話に切り替えてもよかったのだ、本当は。でも、久しぶりに唯先輩とメールをやり取りして、気分が高揚して、そうすることを意図的に避けていたのかもしれない。私も唯先輩も。
何度も何度もメールを送付しては返信を貰って。書かれてある内容なんて本当に些細なことなのに、そんな何気ないやり取りが本当に楽しくて仕方なかった。


(まぁいいや。それより時間時間…)


電気を消す前は11時半になろうかという頃合だったから、まだそこまで時間は経っていないだろうとは思う。
たぶん、どんなに進んでいても5分弱。あくまで予想だけど。
とにかく正確な時間を確かめるために携帯を操作しようとした瞬間――。

パチンっ!

私のではない携帯を開く音が聞こえた。
その音が耳に届くと同時に、真っ暗だったはずの部屋の中が心持ち明るくなる。
まだ薄暗いが、どこに何があるか分かるくらいには。


「うわ、もう11時半過ぎてたんだ。結構遊んじゃったね」


聞き覚えのあるその声は純のもの。


「どれどれ、わっホントだ。11時35分、もうこんなに経ってたんだね。まだ11時くらいだと思ってたけど。楽しい時間って過ぎるの早いよね」


おまけに憂の話し声まで。

とりあえず今の時刻は11時35分らしい。
つまり約束の時間まではあと25分近くはあるってことだ。
時間さえ分かれば今のところ携帯を使う必要はないので枕元に戻しておいた。

部屋の中で一際光を放っているところ、純と憂の寝床に顔を向ける。
その先には布団を被って仰向けで携帯を見つめる純と、その横で携帯を覗き込む憂の姿がはっきりと見えた。
携帯のライトに照らされているのだから当然といえば当然だった。
憂はともかく、純なんて首から上が残影ととも闇夜に浮かんでて。


(なんかお化けみたい…)


今の純の顔はそう見れなくもない。
お化け屋敷で働いたら一躍人気者になりそうだ。
まぁ、もちろん褒めてはいないけど。


「楽しかったもんね。みんなで狩りするの」
「そうだね~」
「……」


まぁ確かに楽しい時間ではあったなと無言で納得。
やはり狩りは一人よりも二人、二人よりも三人と、大勢でやった方が楽しいものだ。たとえその結果が残念なものになろうとも、誰かと同じ時間を共有できることは素晴らしい。楽しくて、嬉しくて、とっても素敵なことだなって。


(ありがと、二人とも)


なんとなくお礼を言いたくなって、そんな風に心の中で感謝を述べた。
楽しそうに笑い合う純と憂。二人を見ているとしみじみ思う。
唯先輩がいなくて確かに寂しい思いはしたけど、この二人がいたからそれも和らいだのだと。実際この二人がいてくれなかったら、私の心は沈み行くタイタニックみたいに暗い海の底を彷徨っていたかもしれない。
ちょっと大袈裟かもしれないけどね。

喜びも楽しさも寂しさも分かち合える関係、それが親友と呼べる存在。
そんな存在が二人もいる私は、とっても幸せ者なのかもって。


(…ま、まぁ恥ずかしいから、二人には言わないけど…)


なんだか柄にもないことを考えて顔が少し熱くなる。
火照った顔を少しでも冷やそうと頭を振って雑念を払う。
やれやれだまったく。


「ねぇ憂~。さっきの話の続きなんだけどさぁ」
「え…な、なに?」
「憂の好きな人って誰なのかなぁ~って」
「っ…だ、だからそれは…」


考え事をしている間に憂と純の会話も弾んでいた。
ニヤニヤと子悪魔っぽい笑みを浮かべる純と、ポっと頬を赤らめる憂。
先ほど他愛ない話をしていたときと何ら変わりのない二人がそこにはいた。


「だって気になるんだもーん♪ で? そこんとこどうなの憂?」
「……い、いないよ、好きな人なんて」


しきりに憂の想い人の情報を聞き出そうとする純。
ていうか純も懲りないなぁ。でもちょっと気になるかも。憂の好きな人か…。
まさか……純、ていうのはさすがにありえないか。あはは。


「うそばっかり。そんなに強情張ってると、強硬手段に出ちゃうぞ?」
「え?」


え?と思ったのは憂だけじゃなく私も同じだった。
しかしその意味を知る間も暇もなく、次の瞬間、純は疾風のように行動を起こした。
憂の被っていた布団を引ん剥き、自分は憂に覆い被さり、両腕を押さえつけて、全体重をかけて圧し掛かる。
傍から見たら、純が憂を押し倒し、キスでも迫っているようにしか見えない。
純の突然の愚行に、私も思わず身体を起き上がらせてしまった。


「え?え?」
「憂…」
「じゅ、純ちゃん? あれ?」


何が起こったか分からない憂。ただただ疑問符だけが拡散する。
不思議そうな顔で純の顔を下から覗き込んでいた。
私も黙って見守り、ゴクリと唾を飲み込んだ。
いったいこれから何が起こるのかと。


「正直に白状しないとこのままチューしちゃうぞ?」
「っ!?」


そこまで言われればさすがの憂も気付かざるを得なくて。その一言ですべてを理解した憂は顔を瞬間的に真っ赤に染めると、首を横に向けて、目をギュッと瞑った。
ぷるぷると震える憂の唇からこぼれる吐息が生々しい。目尻には涙のしずくが見える。
二人の枕元に無造作に捨て置かれた純の携帯のライトできらきらと光っていた。


「だめっ…だめだよ純ちゃんっ…!」


そうだよ駄目だよ純!あんた何やってんの!?
そんな風に言ってやりたいが、何故か目が離せなくて言葉を発することができない。
二人のシークレットタイムに釘付けだった。出歯亀、野次馬とも言うが。
ていうかそもそも私が見てる時点でシークレットではないんだけど。


「やば、憂可愛すぎ。ムラムラしてきた」
「む、むらむらって…っ…ぁ!」


そりゃ可愛いでしょうよ。
憂はなんたってあの唯先輩の妹だよ?
将来は私の義妹になるんだから当然でしょ。


「やっ…じゅ、純ちゃ…っ!」


純は理性の箍が外れてしまったのか、ハァハァと荒い息をつき始める。
どう見てもただの危ない変態だ。
さらに純は覆いかぶさったままの体を上下に揺すり始めた。
きっと憂のおっぱいの感触でも確かめているのだろう。
本能のままに生きる女、鈴木純。なんてあざといヤツ!
憂は憂でそのあざとい揺さぶり攻撃に敏感な部分が擦られ感じてしまったのか、唇を半開きにして熱い吐息を漏らす。


(やばっ…私までムラムラしてきた…!)


何度も言うが憂は唯先輩の妹だ。
だが妹であるが故に、その容姿は双子と言っても過言ではないほど唯先輩に瓜二つ。
きっといつもは束ねている髪を下ろしているからいつも以上にそう思ってしまうのだろう。もちろん私にとっては唯先輩と憂は別の人間なので憂に欲情したりはしないが、しかし携帯のライトで照らされた薄暗い部屋の中、ぼんやりと映る憂は唯先輩と勘違いしてもおかしくない風貌だった。
まるでいつもの私と唯先輩を客観的に見ているようなそんな気分にさせられて、嫌でも股間が熱くなってしまう。


(ふぉおおおおお!!)


そうこうしているうちに純の唇は憂のそれに接近しつつあった。きっとこのまま唇を重ね合わせ、めくるめくふわふわタイムへと移行するつもりなのだろう。しかも憂も憂で抵抗するのを忘れているのか、いやそもそも抵抗するつもりなど初めからなかったのか、完全に受け入れ態勢ができていた。
潤んだ瞳、朱に染まった頬、突き出された唇。
このままではもれなく二人の唇は触れ合ってしまう。
二人が合体してしまう――!!


(このままにしておいていいのか私っ…!)


いいや駄目だ。よく考えたらあともう間もなくで唯先輩から電話が掛かってくるのだ。部屋から出て電話をすれば済む話とかそういう問題じゃない。二人がこのままふわふわタイムへと移行してその真っ最中に電話なんてかかってきてみなさいよ。
気まずいなんてもの遥かに通り越してるよ。どうしてくれんのさ!


(ああもうっ…!)


ていうかそもそもなんでこんな事態になってるの!?
5分前まであんなに女の子らしく楽しげにキャッキャウフフしてたのに!
何を間違ったら「フュージョン!はっ!!」みたいな事態に陥るの!?
おかしいでしょ常識的に考えて!!


『認めたくないものだな。若さゆえの過ちというものを』
(うるさいよ!!)


突然舞い降りてきた神の声にも暴言を吐き捨ててやる。


「憂…」
「純ちゃっ…!」


ふんすふんすっ!と鼻息を荒くしながら考え事をしているうちにやばいことになっていた。
すでに唇は触れるか否か。二人の熱い吐息は交じり合い、合体寸前――!!


(どうしてこうなった!?)


このままじゃ私と唯先輩のランデブーがまさかの憂純パラダイスに塗り替えられてしまう。


(それだけは死んでも阻止ィィィーーッッ!!)


もはやなりふり構っていられなかった。
決意を新たに覚悟を決めた私は――。




つづく
[ 2011/04/17 14:59 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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