とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆいあず!!シリーズSS EP04 『軽音旅情浪漫譚 #3 ~女四人寄ればなんとやら~』

※追記からどうぞ!



突然の叫び声。
過剰とも言える反応を示したのは、言わずもがな唯と律の二人だった。


「な、なんだっ!何事だいったい!」


驚いた私は、ビクッと体を震わせて、危うくきのこを落としそうになる。
二人は眉を吊り上げながらビシッとお菓子を指差すと、


「澪ばっかりずるいぞ!私にもよこせやい!」
「そうだそうだー!澪ちゃんばっかりずるいぞー!」


プンプンと頬を膨らませて、自分達にもお菓子を恵んでくれと捲くし立てる。
修学旅行で気分が高揚しているせいだっていうのは分かるけど、いちいち反応が大袈裟すぎだ。
私も人の事を言えた義理じゃないけど、二人に比べればまだかわいい方だろう。


「おやつは自分で持ってきたものがあるだろ?自分のを食べればいいじゃないか」


なのに人からたかろうとするとは、なんて図々しい奴らだ。


「えーだって人から貰ったお菓子って自分で買ってきたのより美味しく感じるだろ?」
「そうだよね~、自分のだと普通の味しかしないんだもん」
「本当に図々しいなぁぁおいぃ!!」


ていうか唯、普通の味じゃないお菓子ってどんなお菓子だよ!?
チョコレートからスイカの味でもするっていうのか!?


「まったく…少しは遠慮ってものをだなぁ。これムギのお菓子なんだぞ?」
「えー澪だって食べてるくせにー!」
「そうだそうだー!」


うぐっと、思わず言葉に詰まる。
確かに、この場合私もムギのお菓子を食べてるから同じことになるのか?
いやいや、私はムギが一緒に食べようというから食べるのであって、二人のようにたかろうとしているわけじゃない。
ましてや二人のように食い意地が張ってるわけじゃ断じてない…はず。


「まぁまぁ、3人とも落ち着いて。唯ちゃんとりっちゃんにもあげるからね?」
「おおっ、さすがムギ!太っ腹だな!」
「わ~い、ありがとームギちゃん!」
「まったく、ムギは二人に甘いんだから…」
「澪は相変わらずケチんぼだけどな!」
「ふ、ふん!太ってもしらないからな!」


了承を得た二人は、子供みたいにはしゃぎながらお菓子の箱目掛けて手を伸ばした。
伸ばした先は二人とも“たけのこの里”だった。
何故たけのこを選ぶのだろうかと、少し疑問に思いながら二人の様子を伺う。


(どう考えたってきのこの方がチョコたくさん付いてるのに…)


実は前に調べたことがあるんだけど、きのこの山とたけのこの里はチョコの量に開きがあり、きのこの山の方が、微妙にチョコが多かったりする。
実はそこら辺の理由が、私が“きのこの山”派である理由なのだが、まぁ実際量的には大して変わらないし、カロリーだってほとんど一緒だ、気にすることでもないかもしれない。
しかしチョコが少しでも多く付いている分、気分的にはきのこの方が断然得したように感じる。
女の子はどこまで行っても甘いものに目が無いのだ。


(あれ?でもこれってひょっとして、食い意地が張ってるってことに――)


なんとなく自分の浅ましさをひけらかしてしまったような気になって、途端に恥ずかしくなる。
出来るだけ量の多い方を取ろうとするのは人として当然の欲望とはいえ、お菓子にまでそんな欲望を発揮しなくてもいいのにと、自分の胃袋事情に文句を言いたくなったが、“きのこの山”を好きな気持ちにウソはつけないのでここは大目に見ようと思った。

それはつまり、私が食い意地の張った女だと安易に認めたことになるのだが、今の私にはそこまで考える余裕は無くて、口に広がるチョコの甘さを堪能するので精一杯だった。





その後、お菓子を食べながら雑談に花を咲かせ、トランプなどの娯楽で遊び始めた私達。
そろそろ話題も尽き、ババ抜きも飽きてきたなと思い始めていたころ。
ふと、留守番組である梓達のことが脳裏を過ぎり、何気なく話題として振ってみた。


「そういえば、梓達は今頃学校で勉強中なんだよな」
「そうね、10時すぎだから2時間目の最中かしら?そういえば唯ちゃんは梓ちゃんがいなくて平気?」
「え?」


ムギのその発言に、目をぱちくりさせる唯。キョトンとした顔で、心持ち首をかしげている。
その様子を見るに、特に梓と離れたからってどうということはないらしい。


「大丈夫だけど、何で?」
「うふふ、梓ちゃんが傍にいないと寂しいんじゃないかな~って」


確かに、と私は軽く頷いた。
梓と離れ離れになって落ち込んでしまうんじゃないかって、少し思っていたのだ。
恋人と離される気持ちなんて、恋人のいない私には到底理解できないものだとしても。
少しは何らかの反応を示すと思っていたのに、なんだか拍子抜けだった。
当の唯はいつもと変わらなくて、それどころかいつもより元気のように見えた。
顔なんて今までにないくらいつやつやテカテカしているくらいだし。


「大丈夫だよ!あずにゃん分なら昨日たっぷり補給してきたから!ちょっとやそっとじゃなくなったりしないよ!」


唯はそう言うと、ふんすっ!と鼻から息を付いて、どや顔でビシッとVサインを決めた。


(ああ、なるほど…)


分からない人のためにも説明しておくが、“あずにゃん分”というのは梓がその身に内包しているらしい不思議成分の事だ。
主に唯が抱きついたときにだけ、というより唯限定で発散されるフェロモンのようなもので。
唯はそれを元気の源にしているらしく、しょっちゅう梓に抱きついてはその成分を補給している。
唯曰く、あずにゃん分とやらは生命維持に深く直結していて、残量が0になると死んでしまうらしい。
ちょっと大袈裟かなって思うけど、そう思えない何かがあるのも事実なのだ。


「ふしゅー!!」


さて、そんな唯のあずにゃん分補給宣言に過剰な反応を示したものがいた。
それが誰なのか、今更説明の必要なんてないだろう。
こんなことで反応するのは琴吹紬以外いるはずがないのだから。


「ね、ねぇ唯ちゃん?ちなみに昨日はどうやってあずにゃん分を補給したのかしら?」


目を爛々と輝かせ、期待に鼻息を荒くして、唯に質問を投げかける。


「白々しい!白々しすぎるぞムギ!分かってるくせに!」


私だってそこまで鈍感じゃない。
どうやって補給したかなんて、恋人同士という関係を思えば火を見るより明らかだ。
答え合わせの必要なんてあるはずがない。
きっと昨日の夜は、あずにゃん分を補給するために、あんなことやこんなことが朝まで行われていたに違いない。


「私~馬鹿だからぜんぜん分かんないの~♪教えて唯ちゃ~ん♪」
「ウソつけ!」


常に学年TOP10に居座っている秀才が何を言うか。保健体育だって常に満点じゃないか。
このおしゃべりすけべめ!多弁なる性職者(オシャベリーニ)の称号を与えてやる!

分かっていてもあえて言わせようとするえげつない思考回路を遺憾なく発揮するムギに、少し泣きたくなった。
どうしてこうなった。
さっきまでの優しくて温かい女神のようなムギはどこに行ってしまったのだろうか。
コインの裏表のように、女神なんて最初から居なかったかのようにその姿を潜め、己の欲望に忠実に生きる悪魔がついにその姿を表してしまった。
できれば修学旅行の間だけは出てきて欲しくないと願っていたそれは、修学旅行開始数時間であえなく破綻した。


「はーい、それじゃあそろそろ始めましょうか。まずは唯ちゃんの初体験から教えてくれる?」
「ちょっ、む、ムギ!?」


え?何?これなんていかがわしいビデオ撮影?


「あーあ…こうなったらムギは手に負えないぞ?」


やれやれと首を振り、どこか諦めムードの律。


「人事みたいに言ってないで律も止めろよ!」


ムギの手にはすでにハンディカムが装備されていて。
どこからともなく取り出されたそれは、すでに唯をロックオン。
昨日の夜のことを質問していたはずが、何故か唯の初体験話からスタートしていた。
きっとこれから唯に恥ずかしいことを延々と言わせ続け、しかもそれだけじゃあきたらず、唯の照れた表情をカメラに収めつつ、悦に浸るつもりなんだろう。
ふしゅーっ!ふしゅしゅーっ!!という鼻息を聞いていれば、彼女が如何にヤル気満々なのかが伺えた。


「いい加減にしろムギ!そんな事聞くな!プライベートだぞ!」


とりあえずムギをこのまま思い通りにさせてはおけない、そう思った私。
ムギを思い止まらせるために、少しキツめに言って聞かせ、止めに入る。
しかし――。


「うふ腐…」


そう、ムギがこんなことで止まるくらいなら最初から苦労はしない。
背筋も凍りそうな妖しげな笑みを浮かべながらくつくつと笑う彼女を見て、ゾクリと悪寒が走った。
時既に遅し。軽音部の黄色い悪魔は、手の届く範囲を軽く超えてしまったと思い知る。
こうなってはムギの独壇場だった。もはや止める術などありはしない。
せめて無事に京都についてくれることを祈るばかりだった。


「澪ちゃんだって実は気になってるんでしょ?一緒に楽しみましょうよ。ねぇ?うふふふ腐♪」
「きっ…気になってなんかないよ!ふざけるな!!」


その甘い誘惑に、一瞬心のシーソーが傾きかけたが、首を横に振って、鋼の精神で持ちこたえる。
やはり私も年頃の女の子。そう言ったことに興味がないといえば嘘になる。
今後のためにも学んでおこうかと一瞬心が揺れ動いたが負けてたまるか。


(負けちゃダメだ負けちゃダメだ負けちゃダメだ負けちゃダメだ負けちゃダメだ負けちゃダメだ負けちゃダメだ負けちゃダメだ負けちゃダメだ負けちゃダメだ…)


初めては痛いの?とか。×××を×××すると気持ちいいの?とか。
そんな事ぜんぜん興味ない。興味ない。興味ない。興味ない。
そうだ、私はそんなありきたりな事を聞きたいわけじゃない。

猿ぐつわとか噛まされて。
木馬とかに乗せられて。
ローソクとかムチとか。
痛めつけられて。
痛くて辛いはずなのに。
どんどん体が快楽を覚えて。
仕舞いには――。


「――って私は何を考えてるんだぁぁぁああ!!!」


負けちゃダメとか思った矢先に思いっきり負けてるじゃないか!
己の邪まな思考回路に意義を申し立てる!こんなの私じゃないもん!誰だお前は!
そうだ、きっとムギのやつが変な電波でも送って脳内に映像を流したに違いない!
そうかそうだったのか、そんなスキルまで持ち合わせていたとはなんて恐ろしいヤツ!

とりあえずムギをキッと睨みつけておいた。


「あらあら、理不尽にも程があるわね」


うるさい!ていうか人の心を読むな!!


「うーんとぉ…初体験はねぇー…」


唯はもじもじと股をすり合わせ、頬をポっと赤らめながら、律義にもムギの質問に答えようとしていた。


「唯も言わなくていいからっ!」
「えー!」


私は当然慌てて止めに入ったが、何故か唯はぶー垂れて、頬を膨らませながら不服そうな顔を見せる。


「えーじゃない!って、もしかして乗り気だったのかお前?」
「でへへ…」


頬を朱に染めながら体を捩っているその様子は、誰の目から見ても明らかに話す気満々である。


「この淫乱娘!純真無垢な唯はどこにいったんだよ!返せ!純粋だった頃の唯を返せ!」
「し、しどいよ澪ちゃん…」


唯“だった”少女がウルウルと瞳を潤ませながらワナワナと震えている。


「や、やめろ、そんな目で私を見るな!そんな目で見られたって騙されないんだからな!」


一瞬罪悪感に見舞われそうになったがブンブンと頭を振り乱して甘い自分を振り捨てる。
振り捨てた先に見えたのは過去の映像だった。
思い出されたのは入学して間もなかった頃の唯の姿。
あの頃はただただ純粋で、穢れを知らない、まるで天使のような少女だったのに。
何を間違ったのか、今では堕ちた天使とあいなってしまった。


(やっぱり神なんてこの世にいないんだ!ちくしょうめ!)


まるで走馬灯のように、幸せだった頃の過去に思いを馳せていた私だが、
どこからともなく聞こえたクスクスという笑い声にハッと我に返った。
笑い声のした方にぐるんと顔を向けると、そこには心底楽しそうに、目尻に涙まで溜めながら笑いを堪えているムギがいた。
おっとりぽわぽわなお嬢様という称号がなかったら、きっとお腹を抱えて高笑いしていたに違いない。


「ふふ、うふふっ、まぁまぁまぁまぁ♪」


タラリと冷や汗が頬を伝う中、私はゴクリと唾を飲み込んだ。
何故だかその不自然な笑みにはすごく嫌な予感がしてならなかった。
結果から言えば、その予感は見事的中することになる。
ムギに容赦はなかった。新幹線の一角に核ミサイルを放り捨てたのだ。


「澪ちゃんだってとってもいかがわしいこと考えてたのに、唯ちゃんだけ攻めるのはいけないんじゃない?」
「んなぁっ!?」


起爆した核ミサイルは爆風を上げ、すべてを巻き込んでいく。


「猿ぐつわなんて、さすがの私もビックリよ…ましてや木馬やらムチだなんて…もしかして澪ちゃん、SMプレイがお好み?」
「ぶふぅっ!? な、ななっ、ななんっ…!!」


そんなバカな。あれは私の心の中のほんの一瞬の煌き。
いくらムギが悟りの境地に辿り着こうが、神掛かり的な読心術を使えようが、絶対に気取られない自信というか確信があったのに。
こうもあっさりつまびらかになるなんてあり得ない。
これじゃあプライベートも何もあったものじゃないかと、文句の一つでも言ってやろうかと思った矢先、私が言葉を発する前に、ムギが割り込む形で言葉を放った。


「なんでって、だって澪ちゃんさっきブツブツ独り言みたいに呟いてたんだよ?念仏みたいに何度も何度も。もしかして気付いてなかった?」
「ぁ、な…へ…?」


顔からサーッと血の気が引いていく。今、ムギはなんて言った?
ブツブツ、ヒトリゴトミタイニ、ツブヤイテタ?


「う、うぅ、ウソだァァああ!!!」


我を忘れながらブンブンと頭を振り、長い黒髪を振り乱す。
突きつけられた驚愕の事実は、私を奈落の底へと突き落とすには十分すぎるほどの威力を秘めていた。
まさか心の中で思っていたことをそのまま口を告いでいたなんて、お約束にもほどがある。
意識していたのか無意識だったのか、それは分からないにせよ、全く気付かなかったのも問題だ。


「大丈夫よ、私にしか聞こえてないはずだから」
「そ、そうかっ!それなら…って!それを話しちゃったら意味ないじゃないか!」
「あら?そういえばそうだね」


誰かこの沢庵を何とかしてくれぇええええ!!


「澪…」
「澪ちゃん…」


驚愕の事実を耳にしてしまった律と唯から、生暖かくも優しい視線が飛んでくる。
まるですべての罪を洗い流そうとするかのような慈愛に満ちたその瞳は、私の卑しい心をさらに深い闇の中へと誘うのだった。
いっそのこと、蔑んでくれた方が1000倍マシだった。


「ちょっ…ちっ、ちがっ…ホント違うんだっ!信じてくれ!」
「「「ジーーー」」」
「や、やめっ…やめろぉ…わ、私をそんな目で見るなァああ!!いやああああ!!!」


人生最後の修学旅行――それは私の絶叫と共に本格的に始まりを告げた。
前途多難になりそうな気がして軽く鬱になりそうだが、きっといつの日か、こんな他愛ない出来事さえも心のアルバムに刻まれ、思い出になる日がくるのだろう。

って、こんな思い出なんていらないよ!
断固NoThankyouだ!!


その後、騒ぎ過ぎの罰としてさわ子先生から拳骨を食らうことになるのだがそれはまた別のお話。
そんなこんなで、私たちの乗る新幹線は無事目的地である京都へと到着したのだった。



つづく
[ 2011/01/20 22:28 ] 未分類 | TB(0) | CM(6)
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[ 2011/01/21 00:11 ] [ 編集 ]
すごくよかったです!!
澪も深くいろいろ考えてたんですね!!

ムギの言葉で澪の悩みが少し解消されてよかったと思ったら流石師匠ですねww
あんなこと唯に聞くとは流石です!!

澪がきのこ派とは・・・僕たけのこ派なんでちょっと残念です><
[ 2011/01/21 03:14 ] [ 編集 ]
未来について色々と考えさせられる良いSSでした!
師匠の有り難いお言葉の後には師匠の有り難い?暴走がw唯の初めてもkwsk!

ここに来てのきのたけ戦争ですか〜、まぁ自分はコアラのマーチ派ですけどね!(違w
[ 2011/01/21 06:51 ] [ 編集 ]
#4は何気なくムギx澪だったような・・・・・いや、違うね!うん

澪がSMプレイに興味があったとは・・・・律は御臨終しないかなww
ふと、きずいたこと・・・・・そういえば、澪と律はまだ付き合ってなかったんですね〜
付き合ってなくても、十分なくらい要素は詰まってるけど^^

てか、キャラソンで憂は姉LOVEソングなんですか・・・・俺はてっきり純ソングかとw
でも、聞いてるときに脳内で返還はできるんですけどねww
[ 2011/01/21 19:11 ] [ 編集 ]
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[ 2011/01/22 23:35 ] [ 編集 ]
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[ 2011/01/30 15:58 ] [ 編集 ]
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