平沢唯誕生日記念! ※追記からどうぞ!
午後11時50分――。
あと10分もすれば日付が変わり、11月27日。
つまり、私の誕生日がやってくる。
しかしそんな状況にもかかわらず、
「よいしょ…と」
私は、ここ2週間の生活を思い返しながら、タオルや下着などの荷物を纏め、バックへ詰め込んでいた。
その理由なんていまさら言うまでもないだろう。何故なら――。
今日でこの中野家とお別れしなくちゃいけないのだから。
もともとあずにゃんを独りにさせるのがいやで、色んな覚悟のもとにあずにゃんと生活することに決めた私。
お父さんにお母さんに憂。みんなと離れるのは寂しかったけど、それでも私はあずにゃんを選んだ。
そのことに後悔はしてない。これから先もするつもりはない。
むしろ今では、あずにゃんを選んでよかったと思っているくらいだった。
そう思えるくらいに、私はあの子の事を――。
しかしだからと言って、この生活がずっと続くと言えばそうじゃない。
あずにゃんの両親が帰ってくれば、当然私の役目も終わる。
平沢家へと戻らなければいけない。
「短かったなぁ…」
長いようで短い。本当に、あっという間の2週間だった。
思えば、この二人暮しは本当に楽しくて、いつも笑っていたような気がする。笑顔が絶えなかった。
今まで生きてきた人生の中で、もっとも楽しかったと言えるほどに。
それくらい、二人でいるのが当たり前になっていた。
それこそ、初めから二人暮ししていたんじゃないかってくらいに。
たった2週間なのに、思い出だけは一生分。
私の心の中に仕舞われている大事な大事な宝物。
「ぅ…」
ふいに目尻が熱くなった。
「…ぅ、ぁ…ぐすっ…んくっ…」
何かが胸の奥から込み上げてきた。
「…わ、たし…もっとあずにゃんと、いっしょに…」
思わず漏れ出た素直な気持ち。心の奥底から、涙と一緒に溢れ出した。
ポタポタと床に零れ落ちる涙を見て、始めて涙を流していることに気付く。
「あ、れ?…すんっ…うっ…な、なんでっ…ぅぅ…泣いて、るの…?」
自分自身、何故涙が溢れるのか分からなかった。
ゴシゴシと目元を擦るが、一向に涙が止まる気配がない。
両親や憂にも会える。あずにゃんとだってこれからいつだって会える。それなのに。
あの子、あずにゃんの笑った顔を、怒った顔を、泣きそうな顔を、照れてる顔を。
この短い生活の中で育まれた二人の絆を。 頭に思い浮かべ、心で感じる。
それだけで、胸が熱く切なくなる。
「…あ、ずにゃん…」
もっとあの子と一緒にいたい。
ずっと、片時も離れずに、ずっと一緒に。
一番近いところで、あの子の笑顔を、見ていたい。
これから先の未来。
永遠に――。
◇
同日同刻――。
明かりをつけたリビングで、ソファに腰掛けじっと天井を見上げる。
視界に入る時計の針は、ようやく11時50分を過ぎた。
あと10分をせずに、運命の日はやってくる。
これからの私と唯先輩の人生を左右する、そんな日が――。
1人心を落ち着けるために部屋を抜け出してきてから、すでに30分が経過していた。
いまさら怖気づいたわけじゃない。たんに心の準備をしたかっただけ。逃げ出すつもりなんて毛頭ない。
少しでも心を落ち着けようと瞑想じみたことをしてみようと思ったのだが、いかんせんやり方が分からない。
とりあえずボーっとしながら、息の流れを一定に保つ。
「…なんて言おうかな…」
そういえば告白の言葉を決めていなかったな、とボーっとする頭で考える。
直球で「好きです」だろうか?
それとも「付き合ってください」とか?
「はぁ…」
なんか考えるのがアホくさくなってきたのですぐに考えるのを止めた。
正直、相手に伝われたば告白の言葉なんて何でもいいような気がしたから。
相手の目を見て、その時に想う全てを、心のままに相手にぶつければいいだけだと思うから。
唯先輩の事を好きだという事実は変わらないのだし、嫌いなんて言葉が出てくるはずも無い。
その時になってみれば、体が勝手に動いてくれるはずだと、勝手にそう思い込んだ。
「よし!」
そろそろ時間だと思って、パンっと両手で頬を叩き、気合を入れる。
ひりひりする頬がボーっとする頭を覚醒させていく。
少し痛いけど、まぁ気にするほどじゃない。
後戻りなんかしない。私は逃げない。そう決めたんだから。
あの人との全てはまだ終わってない。いや、始まってすらいない。
この2週間の生活は、これからの私達の未来へと続いていくと信じてる。
「いくよ中野梓!」
迷いはない。心にあるのは固い決意と唯先輩への溢れんばかりの愛情。
私は前へと進む。唯先輩との明日を始めるために――。
部屋の前まで来て、私はそっと深呼吸をして呼吸を整える。
それからじっとドアを見据えた。
いつも見ているはずの自室のドアなのに、今日に限っては別物に見える。
まるで私と唯先輩を隔てているような。そんな壁のように思えてならない。
だがそんな壁だって、私は乗り越えて見せよう。
私はそっとドアノブを回し、ドアを開けた。
キィーッと言う静かな音を立てながらドアが開かれていく。
隙間から漏れ出る部屋の明かりが、一瞬眩しく映り、思わず目を細めた。
それでも手は止めず、ドアを完全に開け放って中へと入った。
最初に目に飛び込んできたのは、見慣れた部屋の家具類と唯先輩の背中。
唯先輩は相変わらず荷物纏めに精を出していた。
「あ…あずにゃんおかえり。遅かったね?」
「ええ、ちょっと…。あの唯先輩、少しだけ時間いいですか?大事なお話が……っ!」
振り返った唯先輩の顔を見て思わず息を飲んだ。
「どうしたの、あずにゃん?」
「っ…」
目が赤くて。頬には涙の跡があって。そしてどこか元気のない力ない笑顔。
部屋を出て行く前には無かったものが確かに存在した。
(泣いて、たんですか…?)
どうしたんだろうと思うより先に、体が勝手に動いていた。
弾かれるように飛び出した私は、唯先輩の前にしゃがみ込み、ぐいっと腕を引っ張って思い切り抱きしめた。
ギュッと。そうせずにはいられなかったのだ。
今にも壊れそうなこの人の心を繋ぎとめるように、そっと優しく、そして強く。
「え?え?」
何が起こったのか理解できず、強張ったままの体。
頭を優しく撫でると、徐々に体から力が抜けていく。
「あ、あずにゃん…?どうしたの…?」
相変わらず疑問符だらけ。
「唯先輩」
「は、はい」
抱きしめたまま、顔を離し、唯先輩の顔をじっと見つめる。
戸惑いを隠せない表情だった。瞳は揺れ動き、私の真意を確かめているような、そんな表情。
そんな唯先輩の頬を優しく撫でると、くすぐったそうに目を細めた。
「唯先輩」
また、名前を呼ぶ。
「なあに?」
さぁ、まずは心を込めて贈ろう、この言葉を――。
「誕生日おめでとうございます」
「あ…」
時計に目をやる。
ありがたいことに丁度0時を回ったあたりだった。
「私の誕生日のとき0時きっかりに祝ってもらったので、私も同じようにしてみました」
「え、えと…ありがと、あずにゃん」
「いえ、私の方こそ」
恋を運んできてくれてありがとうございました。
「……」
「……」
それからじっと、ただ見つめあったまま時は過ぎていく。
10秒か、30秒か、1分か。もしかしたら5分は経過していたかもしれない。
時間させ忘れるような静寂が私達の周りを支配する。
まるで静寂の結界の中にでもいるような。
二人だけの世界だった。
「……っ」
唯先輩の瞳が徐々に揺れ始め、頬に赤みが差していった。
見つめれば見つめるほど、目の前の彼女は女の表情へと変化していく。
そろそろ始めよう、そんな決意のもとようやく静寂を破った。
「唯先輩」
「な、なぁに?」
「今から唯先輩に誕生日プレゼントをあげます」
「え、う、うん…」
「でももしかしたら、唯先輩に気に入っていただけるようなプレゼントじゃないかもしれません」
「え?そ、そんなことはないんじゃ…」
ふるふると首を振って、それを否定した。
「だから唯先輩、嫌だったらすぐに押し返しちゃっていいですから。遠慮なくビンタの一つでもくれちゃってください」
「え、そ、それってどういう――」
唯先輩が言い終わるその前に、私は唯先輩の頭を抱えて、ぐいっと引っ張った。
あっ、と小さく声を上げた次の瞬間、その柔らかそうな唇へと自分のそれを重ね合わせた。
ちゅっ、というリップ音と、カツンと歯と歯がぶつかる音がした。
「ふむぅっ!?」
「ふ…ちゅっ…」
唯先輩は驚いた。体を硬直させ、強張らせる。それは至極当たり前の反応と言えた。
突然前触れもなくキスされて驚かない人間がいたら逆におかしいと思う。
キスよりもまず告白の方が先だろうと思う人もいるかもしれないが、正直どっちだって私には同じなのだ。
拒まれれば終わり、拒まれなければ始まり、それがすべてなのだから。
アップで映る唯先輩の顔。
目を限界まで開き、顔を真っ赤にして、必死になって私を押し返そうとしていた。
でも、必死な割に、押し返そうとする腕にまったく力が入っていなかった。
思考とは裏腹に心がそれを拒んでいないような。そんな感じ。
「ふ…ちゅ…んんっ…」
「んっ…ふ…ちゅっ…ちゅ…」
そして変化はすぐに訪れた。唯先輩の瞳がそっと閉じられたのだ。
体の力は完全に抜け、身を委ね、それから私の首に腕を回して、キスしやすいように首を横に傾ける。
つまり、それが唯先輩の答えだった――。
私は角度を変えながら唇の感触を確かめるように啄ばんでいく。
「ちゅっちゅっ…ゆ、ぃ…せんぱ…」
「あ、ず…ちゅっ!…んっ…」
お互い体を寄せ合って、抱きしめあって、お互いの唇を貪り続けた。
やがて息苦しくなってきた私達は、どちらからともなくそっと離れる。
「あぅ…はぁ…はぁ…」
名残惜しげな声が唯先輩の口からこぼれる。
目はトロンとしていて、頬は赤らんで、物欲しげに開かれた唇からは熱い吐息が漏れ出る。
「はぁ…ふぅ…唯先輩…」
「……」
返事はない。ただじっと私の目を見つめ、荒い息を付いている。
唯先輩が今、何を考えているかは分からない。でもそれでもいい。
それでも私は唯先輩に伝えよう。
自分の気持ちを――。
「私は唯先輩が好きです」
「っ!?」
息を飲んだのを無視して告白を続ける。
「私のこの気持ちを、貰ってくれますか?」
キスを拒まなかった唯先輩。
それが答えだと知りつつも、聞かずにはいられない。
「あず、にゃん…ぅ…ぐす…ぅう…」
唯先輩の瞳から大粒の涙がこぼれ始めた。驚きはしない。
その涙が何よりも綺麗な涙だって私は知っているから。
嬉し涙に濡れた顔が、微笑みが、私に教えてくれたから。
「わ、私も…好き…あずにゃんの事が好きです…」
それは嬉しい告白の返事。
しかし喜びを実感する間も無く、唯先輩は勢いよく私に抱き付いてくる。
泣きじゃくる唯先輩。それを受け止めて、そっと優しく頭を撫でる。
唯先輩のふわふわした柔らかな髪が私の指の隙間からこぼれ落ちていた。
撫で続けること数分、だいぶ落ち着いてきたのか、唯先輩はそっと顔を離した。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔、私のパジャマも大惨事だった。
まぁ唯先輩のだからぜんぜん気にならないけど。
「ご、ごめんね。いっぱい泣いちゃって…」
「いいですよ。すっきりしましたか?」
「う、うん…それで、その…私たちってこれから恋人同士でいいのかな?」
瞳をうるうるさせながら、上目遣いで聞いてくる。
ドキっと心臓が跳ねた。なんて破壊力。もしかして狙ってやってる?
「恋人同士じゃなきゃ私が困ります」
「だ、だよね…私も困るよ」
「そ、そうですか…」
「う、うん…」
そこでまた会話が途切れた。しかし居心地が悪いというわけじゃない。
えもいわれぬ甘い空気が漂っている。ようはいいムード。
こんな優しい時間がずっと続けばいい。そう思った。
しかし――。
そんな心地のいい静寂が次の瞬間、一瞬で打ち砕かれると誰が予想しようか。
「ね、ねぇあずにゃん…」
唯先輩の顔が無駄に赤いのは何故?
「は、はい…なんですか?」
「ベッド、いこっか?」
「――ッ!?」
その言葉の意味するところはいったい何?
ううん、そんなの考える必要ないでしょ。
今この状況で、トロンとした表情で「ベッドにいこう」なんてアレ以外の何がある。
そう、つまり唯先輩は私とのエッチをご所望なのだ。
私としても唯先輩がどうしてもと言うならやぶさかではない。
でも――。
「あ、あの!ゆ、唯先輩――!」
さすがに気持ちを伝え合ってすぐにそれはマズイです!
それじゃただの獣と、お猿さんと言われても仕方ないです!
そう叫んででも止めようとした矢先――。
「…私とするの、イヤ…?」
唯先輩から止めの一撃が炸裂した。
ズキューンっと、心臓をピンポイントで打ち抜かれた私は、無言のまま首をぶんぶんと横に振った。
「い、いやじゃないです…」
どうやら私も人の子だったようです。
当たり前ですけど。
◇
『love your life ~YUI~ 裏 』
※R-18です。苦手な方や嫌悪感のある方は閲覧を控えてください ◇
幾度となく体を求めあった情事のあと、私と唯先輩はピロートークと洒落込んでいた。
お互いすっぽんぽんで、身を寄せ合ってベッドに寝転がっていた。
「もー、あずにゃんったらぁ、おっぱいふやけちゃうとこだったよー」
「なっ、そんなこと言ったってしょうがないです!」
唯先輩は先ほどまでの情事に不満たらたらのようで、おっぱいを私から守るようにして腕で隠している。
そんなにあからさまに隠されると、私も悲しくなるんですけど…。
「あずにゃんっておっぱい魔人だよね」
「んなっ!」
それはちょっとひどいんじゃないですか!?
言っていいことと悪いことっていうものがこの世には存在してですねぇ!
「ていうかそんな美味しそうな果物2個もぶら下げてる唯先輩が悪いんですよ!」
「ひどっ!私のせいにしないでよー」
ぷんぷんと頬を膨らませながら怒り心頭な唯先輩だが、正直知ったこっちゃない。
そんな魅力的なおっぱいを私の前で解放した唯先輩が一番悪いのだ。私は全然悪くない。
しかも挑発までしてきて。それでは食べてくださいと言っているようなものじゃないか。
いや、むしろ食べなきゃ失礼ってもんです!
「ていうかあずにゃんさ…」
「な、なんです?」
「結局、おっぱいしかいじらなかったよね。もっと他にもすることあったと思うんだけど?」
「い、いいじゃないですか…唯先輩だっておっぱいでイったんですから…」
「ぶー…」
唯先輩としてはもっとエロい展開を期待していたようなのだが、唯先輩の言うとおり、私の興味はおっぱいに始まりおっぱいに終わってしまった。
だって仕方ないじゃない。唯先輩のおっぱい大好きなんだもん!
以前はただ揉むことしかできなかったし。
おっぱいスポンジだって途中で終わっちゃったし。
それが今じゃ、ちゅっちゅしてぺロペロしてクリクリしてだよ?
私の理性なんてお空の彼方に飛んでって、大気圏を突き抜けちゃったよ。
「あずにゃんのバカ…」
「そ、そんなに落ち込まないでくださいよ。唯先輩のおっぱいがそれだけ魅力的だったってことなんですから」
「ホントにそう思う?」
「はい!もちろんです!唯先輩のおっぱいはもう私のものです!誰にも渡しません!」
「やっぱりおっぱい魔人だー!」
「ちがーう!!」
と、こんなバカみたいな話で盛り上がるピロートーク。
いい加減おっぱいの話はやめようと思った私は、
すっかり忘れていたもう一つのプレゼントを渡そうとベッドから起き上がった。
もちろん、プレゼントは昨日買ってきた黒猫のぬいぐるみだ。
一応、唯先輩に見つからないようにとクローゼットの中に隠しておいたんだよね。
「あずにゃん?」
「実は、唯先輩にもう一個プレゼントあるんですよ」
「へ?なぁに?豊胸マシーンとか?」
「いい加減おっぱいから離れてください!も、もう、そんな事ばかり言ってるとプレゼントあげませんよ!?」
「わーうそうそ!うそですよあずにゃんさん!」
ベッドの上で土下座を決めてきたので、
「わ、わかりましたから顔を上げてください!」
さすがに慌てて止めに入った。土下座までされたら私の方が居た堪れなくなる。
そこまで怒ってるわけじゃないし、許すも許さないもないのだ。
そもそもおっぱいの原因は私にあるのだからあまり大きなことが言えないのも事実。
とりあえず深く考えることはやめて、ぬいぐるみの入った袋をクローゼットの中から取り出した。
「はい、唯先輩」
「ありがと~♪」
「いえいえ」
「開けてもいい?」
「どうぞ」
ごそごそと包装袋を開け始める。中から現れたのは当然あのぬいぐるみだ。
「わっ、ネコさんのぬいぐるみだぁ~♪」
「喜んでくれましたか?」
「うん!ありがとうあずにゃん!ホント嬉しいよ!」
満面の笑みを浮かべる唯先輩を見ていると私も嬉しい気分になった。
ぬいぐるみだけでここまで喜んでくれるなんて嬉しい限りだ。
「この子の名前は“あずさ”に決定だね!」
「はぇ?」
物思いにふける私を無視して、いつの間にやらその猫の名前が決定していた。
「な、なな、なんで“あずさ”なんですか!」
「えー、だって何だかこの子あずにゃんに似てるし」
「うぐ…」
まぁ確かに、私も何となくそう思って買ってきたわけですけど。
だからって何も私の名前付けなくったって…。
「それにさ、あずにゃんに渡したわんこだって“ゆい”って名前なんだからいいじゃん」
「それを言われると了承するしかないじゃないですか…」
唯先輩は枕の横で一匹寂しく座っている“ゆい”の横に“あずさ”を置いて微笑んだ。
「なんだか、今の私達みたいだね」
「ん…そうですね」
仲良く寄り添う二人と二匹。確かに、似てるかもしれない。
そう思ってふっと笑うと、ふいに唯先輩が私の手を握ってきた。
指を絡め、恋人繋ぎ。あのデートの日にしたのと同じ繋ぎ方。
今は、心も体も、正真正銘の恋人繋ぎ。
「唯先輩」
そっと名を呼ぶと、唯先輩の表情に光が灯った。
「ねぇあずにゃん」
「はい?」
「ずっといっしょにいようね」
「…ええ、もちろんです。ぜったい離れてあげませんから」
「うん!」
これから先、たとえどんな困難が待ち受けようと、この人となら絶対大丈夫。
唯先輩の笑顔を見ていると、そんな絶対の自信が胸に溢れた。
「唯先輩」
「ん?」
「誕生日おめでとう」
「ありがと♪」
生まれてきてくれてありがとうございます――。
おしまい!
【あとがき】
間に合ったぁああああああ!!!
真っ白に燃え尽きました…。もう、本当に、今度こそゴールしてもいいよね?
17日間連続投下。やり遂げた漢の名を金たろうと言います。
どうかその名を刻みつけておいてくれると嬉しいかも…ごめん調子に乗った。
とにもかくにもこれで本当に完結です!…いや、もしかしたら番外編的なの書くかもしれないけど。
とりあえず私は当分賢者タイムから抜け出せそうにありません…。
みなさま、この2週間弱、ここまでお付き合いくださりありがとうごいざいました!
それでは恒例の
唯先輩誕生日おめでとおおおおおおーーーーー!!!!