とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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唯梓SS 『love your life ~AZUSA~ 後編』

中野梓誕生日記念SS

※追記からどうぞ!


寂しくないわけじゃなかった。
寂しいと思っていた時期が確かにあった。
それがいつの頃だったのか。
いつまでそう感じていたのか。
残念ながらそれはもう思い出せない。

最初は私だって一人でいることに慣れなくて。
寂しいと思ってたはずなんだ。
誰かに傍にいて欲しいって…。

でも、それが何度も続けば話は別だった。
どうしても慣れてしまう。慣れたくなくても。
いやがおうにも、私から「寂しい」を奪っていく。

それが当たり前になる頃には感じなくなっていた。
薄れて、霞んで、心の中から消えていく。

私は思った。

もうダメなんだろうって。
もう手遅れなんだろうって。
いつか私は、無くしてしまうのだ。

無くしてはいけない大切なものを――。



でも

忘れたわけじゃなかった。無くしたわけじゃなかった。
ただ心の奥に、そっと仕舞い込んでいただけ。

自分でも気付いていなかったそれを見つけてくれた人がいた。

薄暗い闇の中、膝を抱えてくすぶる私。
その手を強引に引っ張りあげてくれた人が――。
明るくて暖かい日の当たる場所に連れ出してくれた人が――。


私のすぐ傍にいてくれた。
ずっと、私の傍に――。




   ◇




11月10日――夜。

ソファに腰掛け、ギターを掻き鳴らす。
アンプに繋がれていない素の音が私の部屋と耳に響く。

お風呂上りから今まで、ただ黙ってギターの練習に勤しんでいたが
徐々に瞼が重くなってきていることに気付き、眠気が襲い始めたことを自覚した。
私は譜面の最後のフレーズを弾き終え、ギターのストラップを肩から外した。


「はぁ…」


溜息を一つ付く。

ギターを弾き続けること数時間――。
気付けば時計の針は午後11時45分を回っていた。
明日も学校なので夜更かしもほどほどにしなくちゃいけない。
そうしないと朝が辛くなるだけだから。


「さてと…そろそろ寝よっかな」


そう言いながらソファから腰を上げ、スタンドにギターを置いた。
それからベッドへ直行。布団を捲り上げ、中に潜り込む。


「冷たっ…」


布団の中はまだ冷たい。まぁ当然と言えば当然だった。
しかしいくら当然とは言え、今から寝ようとしている人間にこれは辛い。
しばらくすれば私の体温で暖かくなるとは言っても、すこし冷たすぎた。

これは眠りにつくまで時間が掛かるなと思いながら電気を消し、
ベッドに乱雑に放り捨てられた携帯電話を開いた。

あれから5分経過。11時50分を回ってた。
あと10分もせずに日が変わり、11月11日がやってくる。
つまりは私の誕生日だ。
15歳に別れを告げ、私も16歳になる。


「16歳か…」


16歳になれば気分は大人になるのかと思えばそうでもなかった。
特に何も感じることもない。
ただ1年、歳をとったくらいしか思うこともなかった。
我ながら寂しい性格してるなって思う。


「……」


寝返りをうち、枕に顔を埋めながら、そっと目を閉じる。
ふと、唯先輩の言っていた誕生日パーティーの事を思い出した。
私は主賓ということであまり詳しい話は聞いていないが、
明日の放課後から私の家で準備をするということを今朝憂から聞かされた。
料理関係は自分が用意するんだって、憂がはしゃいでいたのを思い出す。
彼女らしからぬ得意げな表情に、私は思わず笑ってしまっていた。

誕生日パーティーをしようと言ってくれた唯先輩には素直に感謝したい。
誕生日といえば両親に祝ってもらうくらいが精々だったから本当に嬉しかった。
正直、してもらえるなんて思ってなかったから。


(ありがとうございます…唯先輩…)


心の中でお礼の言ったその時、2日前の帰り道、唯先輩との出来事が脳裏を過ぎる。

何気なく話してしまった私の身の上話――。
まさか唯先輩があそこまで反応するなんて思わなかった。


『そ、その! お、親御さんがいない間は私のうちに泊まるっていうのはどうかな!』


そう言われた時は心底驚いた。


「びっくりしちゃったな…」


私が一人になることに不安でも感じたんだろうか?
まぁ十中八九そうだよね。それしか考えられないし。


私はあの日、唯先輩の提案を断った。その気持ちだけを受け取って。
唯先輩は悲しそうな顔してたけど、でも仕方がない。
だって――。


(私にとっては当たり前のことだもん)


両親が出張やバンドの公演などで家にいない事なんて今に始まったことじゃない。
小学生の頃はさすがに一人にはされなかったし、いない間は近所の親戚の家に預けられていた。
中学生の頃はもう一人でも大丈夫だと思われたのか、家を任されていたけど。
そして私もそれに順応していった。当たり前のように。
いつの間にか慣れてしまっていた。慣れるべくして。

だから一々、そんなつまらない事で唯先輩に迷惑をかけるわけにはいかない。
そう思ったからこそ、唯先輩の提案を聞き入れなかったのだ。


「……」


今日だって何の問題もなかった。
朝早くに両親を送り出し、実質今夜から私は一人きり。
家に帰っても誰もいないのは当たり前。
一人で食事をとって、お風呂に入って、洗濯して、戸締りして。
その他諸々、やれる事は全部やったはずだ。

これをあと2週間弱繰り返せばいいだけ。
ほら、何の問題もない。


「唯先輩が気にしすぎなんですよ…」


そう呟いて、私はそっと目を開け、また閉じる。
だいぶ布団の中も温まってきた。
もう寝てしまおう。


そう思った時だった。


ピリリリ!

闇が支配する部屋の中で一際大きく鳴り響く携帯の音。
メールの着信音だった。


「誰?こんな時間に…」


一瞬、明日の朝に確認しようかと思ったが、そうもいかないか…と思い直し、結局は携帯を取った。
ディスプレイを確認すると、時刻は0時を過ぎて間もなかった。
たぶんこのメールの主は、0時丁度にメールをよこしてきたのだろう。
なんてピンポイントな。もしかして狙ってやったのだろうか?

そういえば0時になって私も16歳になったんだなと、そんな事を思いながらメールを開く。


「…唯先輩だ…」


メールの相手は唯先輩だった。
驚きはない。何となくあの人なんじゃないかと思ってたから。
本当になんとなく。確信と言うほどじゃなかった。

唯先輩まだ起きてたんだな…と思いながらメール本文に目を通す。


From:唯センパイ
件名:おめでとう♪
―――――――――――――――
お誕生日おめでとうあずにゃん!
ついにあずにゃんも16歳かぁ~
大人の女の仲間入りだね♪


「いや、16歳も十分子供ですよ…」


そんな突っ込みは置いといて、どうやら唯先輩からのメールは誕生日のお祝いメールだったらしい。
嬉しいって言えば嬉しいけど、明日学校で伝えればいいんじゃないかと、そう思わずにはいられない。
まぁ誕生日になった瞬間にお祝いメールだなんて、唯先輩らしいって言えばらしい気もするけど。

とりあえずまだ文章は続いているので読み進める。


というわけであずにゃんや!
16歳になったお祝いにさっそく誕生日プレゼントを進呈します!
心して受け取るように!
受け取ってくれないと泣いちゃうよー


「は? プレゼント?」


何が何だか意味が分からなくて、思考は半ば混乱していた。
唯先輩の言うことは相変わらず理解に苦しむことが多い。
プレゼント進呈とか謳ってはいるが、ここにいない唯先輩にそれは無理だろうと、内心溜息をつく。


(もしかして物じゃないプレゼントなのかな?)


ふとそう思ったが、よく見ればまだメールには続きがあった。
きっと続きに答えがあるのだ。断言は出来ないけど何となくそう思った。
私は急いでメールを読み進める。


窓の外を見て~
プレゼントがお待ちかねだよー


「窓の外?」


よく分からないが、窓の外を見ればプレゼントとやらが分かるのだろうか?

私は完全に眠気が覚めてしまっていた。せっかく寝ようと思ってたのに。
仕方ないので唯先輩の言うとおりにしようと布団から起き上がる。
電気は付けず、カーテンから差し込む月明かりを頼りに窓の方へと近づいた。

カーテンを開ける。
目が闇に慣れてしまったせいか、月明かりがやけに眩しく感じた。
今夜は三日月。これで満月ならさらに明るく眩しいのだろうか。
目を細めながら、そんな事を思った。


それから下を見た。


そして驚愕した。


「なっ!?」


驚きのあまり窓ガラスに張り付く位に。


「な、なんで――!?」


家の前に、私の良く知る人物がいた。
その人は表札の所でピョンピョン飛び跳ねながら笑顔で手を振っていた。
私に気付いたその人は、さらに眩しい笑顔を見せる。
月よりもよっぽど眩しいと思えるほどの。
まるで太陽だ。

家の前で無邪気な笑顔を向ける非常識な人は、


「唯先輩!? あの人何やってるの!!」


――唯先輩だった。

見間違うはずもない。軽音部の先輩にして、怠惰の代名詞ともいえる人。
練習はしないしお菓子食べてばっかりだし、おまけに人には抱きついてくるし。
挙句の果てには猫耳でにゃーだ。
正直鬱陶しいと思ってた。

思ってたはずなのに…。

それがいつの間にか薄れて、消えていった。無くなっていた。しかもそれだけじゃない。
気付いた頃には、私の心の中に理解しがたいモヤモヤした感情が植えつけられていた。


「っ…」


私は踵を返し、駆け出していた。我も忘れて、全力疾走していた。
部屋を飛び出し、階段を駆け下り、玄関までの道をただがむしゃらに突き進む。


ガチャ!!!


玄関の扉を勢いよく開け放ち、靴を履くことすら忘れて、裸足のまま外に出た。
月の光が道を照らし、私と唯先輩を繋ぐ。

見間違いじゃなかった。やっぱり唯先輩だった。
変わらない笑顔で、その人はそこにいた。


「な、何…はぁ…やって、るんですか…どうして、唯先輩が…はぁ…ここに…?」


息を整えながら、当然の質問をする。
唯先輩はゆっくりと私に近づいて、そっと口を開いた。


「誕生日プレゼント、届けに来たよ」
「ぷれ、ぜんと?」


メールでも言っていたが、いったいプレゼントって何?


「ぷ、プレゼントっていったい…?」


そんなの明日でいいじゃないですか。
どうしてわざわざ深夜に届けにくるんですか。
私、今から寝るところだったんですよ。

言いたい事はたくさんあった。
でも、頭の中がぐちゃぐちゃで何を言ったらいいかわからなかった。


「おほんっ!じゃあプレゼントフォーユーだよ。あずにゃん!」
「え、?」


唯先輩はバっと両手を広げると、突然私を抱き寄せた。
驚く間も無く、包み込むように抱きしめる。
唯先輩のぬくもりをその身に感じて、胸がドキドキと高鳴り始める。


「な、なにを!?」
「…たしが…ぜんと、だよ」
「え?」


耳元で何かを囁かれた。でも良く聞こえない。

唯先輩は抱きしめる腕を緩め、私の顔を真正面から見据える。
顔の距離は近い。10cmもないだろうという距離だった。


「い、今、なんて言ったんですか?」
「あれ?聞こえなかった?」
「えと、はい…」


唯先輩に抱きしめられて、頭が沸騰して、胸がドキドキして。
そのせいで聞きそびれたとはさすがに言えない。恥ずかしいもん。

唯先輩は「しかたないなぁ、じゃあもう一回だけだよ?」と口にして、コホンと咳払い。


「私、“平沢唯”があずにゃんへの誕生日プレゼントだよ!」


唯先輩は、核弾頭を空の彼方から放り捨てた。


「は?」


時が停止した。
思考も停止した。全然働かない。
唯先輩はいったい何を言っている?
意味が分からない。
分かる人がいるなら誰か教えて。
ねぇってば。


「2週間ちょっとだけどお世話になります!」


唯先輩はただ一人、勝手に話を進めていく。
私から離れると、ペコリとお辞儀をして、
肩に掛かった大きめのボストンバックを掛けなおした。


「ちょ、え、な?」


私の時間はまだ動き出さない。
しかし確実に、ゆっくりと思考がめぐり始める。
私は何度か深呼吸をした。そしてやっと理解する。

唯先輩の言葉の意味を――。

理解した瞬間、私の胸の奥底で何かが弾けた。


「…どうして、来たんですか…」
「え?」


違う――。


「あずにゃん?」
「言ったじゃないですか、一人でも大丈夫だって」
「……」
「なのに何で来るんですか!」


私はこんな事を言いたいんじゃない――。


「あ、あずにゃん…」
「慣れてるって言ったでしょ!」
「っ…」
「放っておいてくださいよ!!」


近所迷惑になることなんて考えてなかった。
ただ大声張り上げて、言いたくもないことを、心無い言葉を唯先輩に浴びせた。
徐々に曇っていく唯先輩の顔を見るのが辛くて、私は顔を伏せた。
伏せても、悪態付いた言葉だけは、一人前に吐き出される。


「バカですっ! 唯先輩は大バカです! 何が“私がプレゼント”ですか! 頭おかしいんじゃないですか!!」
「……」


何で、素直に「嬉しい」って言えないんだろう。
バカはどっち? どう考えたって私じゃないか。
どうして私は、こんな捻くれたことしか言えないの?
いい加減にしてよ、私。


「バカ…バカ…唯先輩の、バカ…」

「あずにゃん」


名前を呼ばれた。いつもの優しくてほわほわした声色で。
でも顔を上げるのが恐かった。怒ってるんじゃないかって。

その時だった。

ふわっと、温かな感触が私の体を包み込んだ。
何をされたかなんて今更言うまでもない。私はちゃんと理解してる。
今まで何度も感じたそれは、目で見なくても分かってしまうくらい当たり前の事になってた。


「ゆ、ゆい…せんぱい」


唯先輩は私を抱きしめた。
さっき抱きしめたときよりも、強く、深く、慈しむように。


「大丈夫だよ、あずにゃん」


耳元に限界まで寄せられた唇が震え、言葉が紡がれる。
温かい吐息が耳に掛かるたび、ゾクゾクと体が震えたが、嫌ではなかった。
お菓子みたいに甘くて、優しい、私の大好きな声。
私はいつの間にか、無意識に、唯先輩の背中に腕を回していた。
ギュッと強く、ただ唯先輩のぬくもりを感じたくて。


「ずっと、そばにいるから。私が、そばにいてあげるから、ずっと、ずっと」


たった、その一言で。
私の胸に渦巻いていた黒いモヤのようなものが消えていく。
代わりに湧き上がるのは、泣き出してしまいそうなほどの安堵。


「ゆ、…うぁ…ぐす…ぁぁ…」


事実、私は泣いていた。安堵は涙となって頬を伝う。
流すことすら忘れたはずの涙が、塞き止められていたダムのように溢れて止まらない。
私は必死に唯先輩にしがみついた。離れえぬように、しっかりと。


「貰ってくれる? 私のプレゼント」
「はぃっ…最高の誕生日プレゼント、ありがと、ございます…!」


甘く、切なく、とても熱い感情の放流を感じた。
その気持ちが何なのか、理解するのにそう時間はかからない。
私の心が教えてくれた。






私は、唯先輩に恋をした――。




   ◇




散々泣き腫らし、疲れきった私は、唯先輩を家に招き入れて部屋へと戻った。
唯先輩曰く、2週間分の着替えやら何やらは持ってきたそうで、準備は万端だそうだ。
まぁ準備をしたのは憂らしいけど…。

よく見れば唯先輩は制服を着ていた。
コートとマフラーを着ていたから分からなかった。

本当に2週間、おはようからおやすみまで唯先輩と一緒なのか…。
そう思うと、胸がドキドキして、顔が火照りだす。


とにもかくにも、さすがに今日はもう遅いので、特に何もせず、すぐに寝ることにした。
寝巻きに着替えた唯先輩は、半ば強引に私のベッドに潜り込んでくる。
シングルベッドなのでさすがに二人はきつい。いやでも体と体が密着してしまう。
触れ合う場所が熱を持ち、それを意識するだけで、私の心音が加速する。


「う~ん、あずにゃんのベッドの中、冷たいねぇ」
「ゆ、唯先輩が来るまではだいぶあったまってたんですけどね…」
「あれ?もしかして寝るところだった?」
「え、ええまぁ…」


そういえば、もし私が寝ていたらこの人はどうするつもりだったんだろうかとふと思ったが、
今更なので気にしないでおいた。事実、私はこうして起きていたし、唯先輩だって私の家の中にいる。
だからそれでいい。


「……」
「……」


何故か黙り込む私達。唯先輩のくりっとした瞳が私を捉える。
顔が近い。10cmもない。唇が触れ合ってしまいそうな距離だ。
ぷっくりとしたプリンのような唇に嫌でも目が行ってしまう。


(や、柔らかそう…)


ハッした。何を考えてるんだ私は。慌てて邪まな考えを振り払う。
このままじゃいけないと感じた私は、誤魔化すように話題を振った。


「あ、あの、そういえば唯先輩どうやってここまで来たんですか? まさか歩いて、なわけないですよね?」
「ん? えーとね、ムギちゃんの執事さんに車で送ってもらったの。夜道は危ないから~って、ムギちゃんが手配してくれたんだよ」
「ムギ先輩が?」
「うん。実はね、このプレゼントはムギちゃんの提案なんだ」


どうやらムギ先輩に『唯ちゃん自身を誕生日プレゼントとして進呈すればいいのよ♪』と言われたから、こんな事を躊躇なくしでかしたらしい。
全てのきっかけはムギ先輩によるものだと理解し、ハァっと溜息を付いた。


(ま、まぁ…私も感謝しないといけないんですけどね…ムギ先輩に)


おかげで大切な事に気付かせてくれたのだから、感謝こそすれ文句なんてあるはずもない。


ふいに唯先輩が何か思い出したように「あ!」と声を上げた。


「どうしたんですか?」
「そうそう! 実はもう一個、あずにゃんにプレゼントあるんだよ」
「な、なんですか?」


一体なんだろう…と思ったのも束の間、唯先輩はベッド備付のライトをつけて、布団に入ったままボストンバックに手を伸ばした。
チャックを開けて中をゴソゴソと漁りだす。
取り出したのはモコモコした大き目の毛玉だった。
いや、毛玉のように見えるだけで何か別のものだ。


「わんわん!」
「はい?」


突然何を言い出すんだと疑問に思ったが、
それも唯先輩の持っている物が分かった時点でなるほどに変わった。
持っていたのは犬のぬいぐるみだった。
意外と大きめで、色は唯先輩の髪の色と一緒の茶色。


「これが、プレゼントですか?」
「うん!私ともどもよろしくお願いします!わふぅ~!」
「え、えと…ありがとうございます」


今度は素直にお礼を言って、それから犬のぬいぐるみを貰った。
垂れた耳、つぶらな瞳、ハッハッと聞こえてきそうな鼻と口が付いている。
それにモコモコしていてとても柔らかかった。


「ねぇねぇあずにゃん、折角だから名前付けてよ!」
「え? 名前ですか?」
「うん! やっぱり名前があった方が愛着もわくと思うんだよね」


なるほど唯先輩らしいなと思って、
早速この子の名前を考えることにしたのだが、考えるまでもなく、すぐに一つ思い浮かんだ。


「…じゃあ、“ゆい”で…」
「へ?」


その犬のぬいぐるみの雰囲気が何となくだけど唯先輩に似てたから、だからその名前にした。
ふわふわで、あったかくて、癒される、そんな雰囲気がこの子にはある。
私の大好きな雰囲気が――。


「だ、ダメですか?」
「だ、ダメじゃないよ…! その…ちょっと恥ずかしいけど」


さすがに自分の名前をつけられるとは思ってなかったのか、顔を赤く染めて照れだす。


(可愛いな…)


ぬいぐるみも可愛いけど、唯先輩もすごく可愛いと思った。


「じゃ、じゃあ決定」
「う、うん…」


新たに私の宝物に加わった“ゆい”を胸の中に抱きしめてみる。
ふわふわモコモコしてて、まるで唯先輩に抱きしめられているみたい。


「ゆい、今日からよろしくね」
「は、はい」
「え? どうして唯先輩が返事するんですか? 私はゆいに言ったんですよ?」


ちょっと意地悪な事を言ってみる。


「ぶー、あずにゃんのばかー…いけずー…」


あらら、ふてくされてそっぽ向いちゃった。


「ふふ、ごめんなさい♪ 唯先輩も、今日からよろしくです!」
「ぁ…うん!」


私はゆいを抱いたまま、唯先輩の胸の中にダイブした。柔らかな胸がふにゃりと潰れる。
突然の事に「きゃっ」と驚いた唯先輩だったけど、すぐに私の背中に腕を回し抱き寄せてくれた。
ゆいとは違った柔らかさが頬を撫でる。甘くていい香りがして、ひどく安心した。

そしたら、覚めたはずの眠気が一気に押し寄せてきた。
瞼がうつらうつらと開いたり閉じたり、意識も朦朧としてくる。

唯先輩はそっと頭を撫でて、それから耳元で


「おやすみ、あずにゃん…」


と、優しく言葉を紡いだ。
それはまるで子守唄みたいで、耳にとても心地よかった。



おやすみなさい…唯先輩…。



意識が落ちる間際、頬に柔らかくて温かい感触が触れた気がした。
でもそれが何かまでは分からなかったし、朝起きたときには覚えてもいなかった。
もしかしたら夢だったのかもしれない。

ただ心だけは感じていた。

幸せを――愛情を――。

確かに感じたんだ。






「はっぴーばーすでーだよ…あずにゃん」


生まれてきてくれてありがとう――。

ちゅっ♪




おしまい



【あとがき】
頑張った…俺頑張ったよ…だからもうゴールしていいよね?
というわけで宣言どおり、0時にあげることができました。
これから私はグースカと泥の様に寝ますので起こさないでね?

微妙にシリアスっぽい感じになっちゃいましたが楽しんでいただければ嬉しいです!
最後まで読んでいただきまして本当にありがとうございます!

タイトルのlove your lifeは豊崎愛生ちゃんのファーストシングルの曲名なのは言うまでもなく
「生きていることへの感謝」という意味以外にも色んな気持ちが込められています。

さて、次はもちろん、唯の誕生日SSです。
唯が梓の家に滞在するのは再来週の土曜日まで。
再来週の土曜日は11月27日。つまりそういうことですw
何がつまりなのかは聞かないでくださいww


それでは最後に

誕生日おめでとう!あずにゃーーーん!!

[ 2010/11/11 00:00 ] 未分類 | TB(0) | CM(13)
誕生日おめでとう!あずにゃーーーん!!
さすが金たろうさん!天才だね!よっ、天才ゆいあず信者!

love your lifeいい曲ですよね
携帯の着うたこれにしてます あっきょかわいいー。
というわけであっきょは貰っていきますね〜。
[ 2010/11/11 00:09 ] [ 編集 ]
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[ 2010/11/11 00:12 ] [ 編集 ]
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[ 2010/11/11 00:16 ] [ 編集 ]
誕生日おめでとー!
2chで祝ってきました!
今日はおかしくなるよ
[ 2010/11/11 00:18 ] [ 編集 ]
あずにゃん誕生日おめでとう!!!!!

やっぱり金たろうさんのゆいあず愛にはかなわねえわw
[ 2010/11/11 00:20 ] [ 編集 ]
金たろうさんお疲れ様ですo(_ _*)o
時間との戦いでしたね(´・ω・`)
それでも時間通りに仕上げた金たろうさんのゆいあず愛を尊敬します(・ω・)/
本当にお疲れ様でした

師匠ばんざ〜い
わたしがプレゼント作成とは……
相変わらず師匠の考えは自分のはるかうえですよ
まあ自分は16歳ときいた瞬間に結婚式が浮かんできましたけど……
あずにゃんが悲しんでいるときに駆けつけるのはやっぱり唯先輩ですよね(`・ω・´)
あずにゃんが唯先輩にベタぼれになる気持ちがわかりますよ
唯先輩とあずにゃん同じベットで寝てるのか……
あずにゃんと唯先輩のあま〜い二週間がこれからはじまるんですね(*゜∀゜)=3ハァハァ
唯先輩の誕生日が楽しみです
今度はあずにゃんが「先輩へのプレゼントはわたしのはじめry)
すいません何でもないです……

今回の無理したことで体壊さないように気をつけて下さい(・ω・)/
最近寒くなってきたんで要注意ですよ(`・ω・´)
[ 2010/11/11 00:40 ] [ 編集 ]
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[ 2010/11/11 00:44 ] [ 編集 ]
金たろうさんすごすぎる・・・
ゆいあずが本当に好きだって気持ちが伝わりました!!

love your lifeはまだ聞いたことないので聞いてみますね^^

あと最近ブログ始めたのでブロ友になってもらえないでしょうか?
なってもらえると嬉しいです><
[ 2010/11/11 00:46 ] [ 編集 ]
Happy Birthday dear あずにゃん!                                                  初春ネタに過剰反応しつつじっっくり読ませて頂きましたっw                                        あとがき読んでなにこれすごい                                                      もう一生泊まってたいとダダこねるんですねわかります                                           お疲れ様でした!グンナイです。 あと最後に師匠グッジョブ! 
[ 2010/11/11 00:46 ] [ 編集 ]
お誕生日おめでとうあずにゃん!!

生まれて来てくれてありがとうと僕も思わざるを得ませんです。

そして金たろうさんも本当にお疲れ様でした!生まれて来てくれてありがとうございます!!

やっぱ唯梓は、こうあったかあったかでなくてはいけませんね。


梓の冷えてしまった心と身体が、唯のあったかな心と身体で暖まるのなら、それ以上の幸福はありません。
[ 2010/11/11 02:33 ] [ 編集 ]
こんなに、すごい小説書ける人俺が知っているのも君を含めて5人ですよ(現在)。うん
自信持っていいですよ・・・てか、こんなにすごいのにロープの餌食になっていたらと思うと・・・・・・
とりま、すんげーSSをありがと〜ww
[ 2010/11/11 07:15 ] [ 編集 ]
はじめまして。今まで色々読ましてもらいましたが、
今回はコメントをしてはおられず、書かしていただきました。

今回の作品には目頭が熱くなり、涙でした!!
2人の可愛さに昇天するところでしたよ♪

この作品を作ってくれた「金たろう」様に感激と感謝いたします!!
また、絶賛応援しています!!

それでは、
梓嬢に「Happy Birthday!」
[ 2010/11/11 10:06 ] [ 編集 ]
ギリギリまでの執筆お疲れ様です!

SSの感想を言いたいのですが、もう言葉にできないくらいの愛しさと切なさと心強S…(ry
なので天使にふれたよ!の歌詞から抜粋して一言。

ずっと その笑顔 ありがとう

唯の誕生日SSも期待しています!
あずにゃん誕生日おめでとー!!
[ 2010/11/11 16:47 ] [ 編集 ]
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