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とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

唯梓SS 『夢と希望と変態と愉快な仲間たちと』

※追記からどうぞ!



最近、唯先輩の様子がどこか変だ。
どこが変かと問われれば、すべてと答えられるくらいに。
ティータイムも、演奏中も、どこか心ここにあらずと言った感じだし。
表情にはいつもの柔らかくて温かいほわほわした笑顔はないし。
ここ最近では、しかめっ面しか見ていないような気がする。


「うぅ~…」


そしてそれは今日も変わらずだった。
ティータイムには似つかわしくない苦悶の声が唯先輩の口から漏れる。


「あの…大丈夫ですか唯先輩?」
「んー…」


唯先輩の返事にはまるで覇気が感じられない。


(やっぱり変だよね…)


最近の唯先輩は絶対におかしい。
おかしいと思わない方がおかしいと思う。
唯先輩の事を知る人が見れば明らかに分かる変化なのだから。

澪先輩も心配から唯先輩に声をかけた。


「何か心配事でもあるのか? 最近元気ないし…。悩み事なら相談にのるぞ?」


澪先輩に同意するように律先輩とムギ先輩もうんうんと頷いている。
もちろん私だって唯先輩の事が心配で仕方がない。
この人の顔から笑顔が消えるのは放課後ティータイムから笑顔が消えると言っても過言じゃないから。
私たちに出来ることがあるなら何でもしてあげたいと、きっと他の先輩達も思っているはずだ。

唯先輩は一瞬悩むような素振りを見せた。
が、すぐにうんと頷いて私たちに向き直る。


「えと…悩み事ってわけじゃないんだけど…。最近何だか胸が苦しいの…」


唯先輩はそう言うと自分の胸に手を添えてハァっと溜息を付いた。


「胸が苦しい?」
「病気かなんかか?」
「……」


それを聞いた澪先輩と律先輩が怪訝そうな顔を浮かべる。
ムギ先輩もまれに見る真剣な顔で唯先輩の様子を伺っていた。


「だ、大丈夫なんですか…? ゆ、唯先輩…」


その話を聞いた瞬間、全身からサーッと血の気が引いていくような感覚がした。
思考は嫌な考えで埋め尽くされる。
重い病気にでもかかってしまったんじゃないかと気が気じゃない。


(胸が苦しいってことは…もしかして心臓に何か異常があるんじゃ…)


一瞬嫌な予感がしてぶんぶんと首を横に振った。
出来れば、ううん絶対に外れて欲しい予感だった。

それぞれ心配の色を見せる私達に対し、唯先輩は何が何だか分からないといった様子でキョトンとしていた。
目をパチクリさせたかと思ったら、腕を組んで「う~ん…」と考え込む。


「えーとたぶん病気とかじゃないと思うよ。夜は何ともないし」
「夜はなんともない?」


ムギ先輩が疑問符を浮かべながら聞き返す。


「うん。何だかね、日中は胸がギューって締付けられてるような感じがするの。圧迫してるって感じかな」
「ふむふむ」


まるで探偵のように顎に手を当ててうんうんと頷くムギ先輩。
本当に探偵気取りが好きな人だ。


「でも夜お風呂入るときからすっきりするんだよね。今までのがウソみたいに治っちゃうの」


でもね?…と唯先輩は言葉を続けた。


「朝学校行くときからまたギューってなるんだよねぇ、どうしてだろ? おかしいよね?」


私も含め、みんなが唯先輩の説明に首をかしげていた。
いったいどういうことなのかさっぱりだ。
とりあえず大きな病気じゃないようなのでホッと一安心だったけど、肝心の原因が分からずじまい。
そんな疑問に答えてくれたのは唯先輩――ではなく。
私や律先輩、澪先輩でもなかった。


――ムギ先輩だ。


相変わらずの探偵モードで考え込んでいたムギ先輩。
ふいに頭上に現れた電球をピコーンと光らせた。
どうやら何か閃いたらしい。


「なるほど…そう言うことね」
「え!? なんでだか分かったのムギちゃん!」
「ええ♪ もちろん病気でも何でもないから安心してね」


唯先輩もそうだが私達も相当驚いた。
探偵気取りも伊達じゃないということだろうか。
本人でも気づかなかった原因をこうもあっさりと突き止めるなんてさすがムギ先輩と言うほかない。
とりあえず重い病気とかじゃないなら私としてはそれだけで十分だった。
安心した私は、景気づけに紅茶をグイッと一気に飲み干していく。

そんな私を余所に、ムギ先輩は一度コホンと咳払いをして、それからゆっくりと話し始めた。


「ねぇ唯ちゃん。唯ちゃんはお風呂入るときは裸よね?」
「はぇ?」

「ごぶぅ!?」


開口一番からとんでもないことをのたまう沢庵先輩。
突然の意味不明な質問に、運悪く飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
それくらい驚いた。ていうか驚かない方がどうかしている。
律先輩も澪先輩も訳が分からなくてポカーンとしてるし。
それは質問された唯先輩だって例外じゃない。

ゆ、唯先輩のは、はだっはだだだはだかっ…!
や、やばっ…鼻が熱く…!

私なんて紅茶と一緒に別の赤い液体まで噴出しそうになったくらいだ。
やれやれ。いつから私はムギ先輩のような人種になったのか。
まったくもってやれやれだ。

ムギ先輩の難解な質問に唯先輩は考えるまでもないといった感じで「うん」と素直に頷いた。


「何だかよくわかんないけど…そりゃあもちろん裸だよ? ていうか裸以外でお風呂に入れるの?」


そ、そっか…唯先輩はお風呂に入るとき裸なんだ…。
メモメモ…ってそうじゃないです!!


「ムギ先輩!いったい何を聞いてるんですか!お風呂とか裸とか意味分かりませんよ!」
「梓ちゃん落ち着いて。唯ちゃんの裸を想像しちゃったのは分かるから。ここは穏便に行きましょう」
「んなっ!?」


この人はエスパーか!?
お嬢様に探偵にエスパーとかこの人は本当に人間か!?
人間の皮を被った沢庵か何かじゃないのか!?


「な、ななな何言ってるんですか!? 別に唯先輩の裸を想像したとかそんな事ないです! あるわけないじゃないですか!」


私は同性の裸を想像してハァハァしちゃうような変態では決してない!
しかし必死に否定しても頬を伝う冷や汗を止めることは出来なかった。
あとからあとからダラダラと流れ、止めどなく溢れる。
どうやらまだまだムギ先輩のようなポーカーフェイスを気取ることは出来ないらしい。
修業が足りない証拠だ。ていうか何の修業?


「ゆゆ唯先輩の柔らかそうおっぱいとか先っちょのさくらんぼとか美味しそうな桃尻とかそんなのこれっぽっちも想像してないです!!」


(やっぱり想像しちゃったのね♪)
(想像したんだな…梓…)
(くくっ…想像力逞しいなー)


何故か先輩達から生暖かい目で見られた。
とりあえず無性に腹が立ったとだけ言っておく。


「あずにゃん…」


唯先輩もそんな潤んだ瞳で私を見ないでください!
勘違いも甚だしいですよ!


「ふ、ふん! 誰が唯先輩の貧相な体なんて想像しますかってんでい!」
「お前はどこの江戸っ子だ…。それじゃあどうして唯の裸って聞いたとき鼻息荒くしてたんだよ。ふんすっふんすっ言ってたぜ?」
「それでムギ先輩。結局どういうことなんですか? 私たちにも分かるように説明してください」
「無視っ!?」
「あれ律先輩? 何か言いました?」


何だか聞こえたような気がしましたが空耳ですよね?
うんそうだ。きっと耳垢が溜まってるんだよね。
家に帰ったら掃除しなきゃ。


「みおー!梓が苛めるー!」
「やれやれ…」


涙ながらに澪先輩の胸に飛びついた律先輩をよしよしとなだめる澪先輩。
泣いてる振りして澪先輩の胸にグリグリ顔を押し付けてるのを私は知ってます。
見てください。あのニヤニヤした顔を。
澪先輩のおっぱいは私だけのものだと言わんばかりです。
この変態オデコ!!


「おっと、それよりムギ先輩、説明の続きですよ」
「ああうん。えーっとその前に…唯ちゃん」
「んーなあに?」
「ちょっとこっちに」


ムギ先輩の手招きのもと、唯先輩はトテトテと可愛らしい擬音を立てながら歩み寄っていった。
唯先輩はどうしてこうもいちいち挙動が可愛いんだろうか。


(癒されちゃうじゃないですか!もう!)


ムギ先輩の前に立った唯先輩は首を傾げながら疑問符を浮かべていた。
その様子にクスっと笑ったムギ先輩は突然唯先輩の背後に回りこみ――。

むぎゅっ!


「ひあんっ!?」


両手でその柔らかそうな肉まん2つを鷲掴んだのだ。
ムギ先輩の突然の愚行に甲高い声を上げる唯先輩。
唯先輩らしからぬエッチな喘ぎ声だった。


「ふー!んふー!」


思わず鼻息が荒くなる。


「ちょ、ちょっとムギちゃっ…あんっ…だ、だめ…ひゃっ…!」
「んー…これは…なかなか…」


右へ左へ、上へ下へと、もみゅもみゅとその夢の塊ことおっぱいを揉みしだいていくムギ先輩。
唯先輩もその絶妙な愛撫に喘ぎ声を漏らすことしか出来ない。
鼻息を荒くしながらあっけに取られていた私は「はっ!」と我に返る。


「ちょ、ちょっとムギ先輩!何やってるんですか!なんて羨っ…じゃなくて、なんてけしからん事を!いくらムギ先輩でもそれは見過ごせませんよっ!」
「あらあらまぁまぁ♪ 梓ちゃんも揉みたいの? じゃあ揉んでみる? 柔らかいわよ~♪」
「是非!!ってそうじゃなくて、いい加減離してください!!」
「あら? 揉みたくないの?」
「揉みたっ……くないです!!」


(揉みたいのね♪)
(揉みたいんだ…是非って言ってたし…)
(揉みたくて仕方ないんだな…是非っていってたぞ…)


何だかみんなしてまた私の事ジーッと見てる。
その「やっぱり…」みたいな顔がかなり腹立たしかった。


「あずにゃん…」


だ、だから唯先輩もポッと頬を赤らめながら私を見つめるのはやめてください!






それから数秒と経たずムギ先輩はその柔らかな双丘から手を離した。


「はふぅ…」


頬を上気させてハァハァと荒い息を付く唯先輩が妙に色っぽい。
それはさすがの私でも目を逸らさずにはいられない光景だった。
ずっと見ていたら変な気分になりそうだったので、それを誤魔化すようにムギ先輩に話を振った。


「で、結局ムギ先輩は何がしたかったんですか? まさかただ胸を揉みたかっただけとか言いませんよね? そんなことぬかしたらさすがの私も怒りにまかせて頭蓋を噛み砕かずにはいられませんよ?」


そう言ってジト目で睨んでやると、ムギ先輩は意に介した様子もなく肩をすくめてふふっと笑った。
一度でいいからこの人にギャフンと言わせて見たいと思ったが、何故か成功例が思い浮かばなかった。
逆にこちらがギャフンと言わされる場面しか思い浮かばない。
末恐ろしい人だ。


「うふふ、大丈夫よ。ちゃんと理由はあるから。唯ちゃんのおっぱいを揉んだのは確かめたいことがあったからなの」


唯先輩のおっぱいを揉んだことで確信がとれたのか。
ムギ先輩はどこか誇らしげに胸を張っていた。


「確かめる? 何を確かめるの?」


息を整え終えた唯先輩が質問する。


「それを今から説明するわ。だから梓ちゃんも爪を研がないで落ち着いて聞いてね?」
「……」
「これは梓ちゃんにとっても朗報なのよ?」


その聞き捨てならない一言に、頭の上に鎮座する見えない猫耳がピンと反応した。


「むっ…どういう意味ですかそれは?」


爪を研ぐのを中断し耳を傾けると、ムギ先輩はクスっと笑って一呼吸置いてから説明を始める。


「簡単に言うと、唯ちゃんの胸が大きくなったのよ」


本当に簡単に言ってのけるムギ先輩。
ていうか唯先輩の胸が大きくなったから何?
どうしてそれが私にとって朗報なのか全然理解できなかった。
ムギ先輩の言うことはいつも意味不明。
解読できない暗号を前にしている気分だ。


「な、なんとっ!私のおっぱいが大きくとな!」


ムギ先輩の発言に驚きのあまり目をカっと見開く唯先輩。


「あーなるほどな。だからブラがきつくなって苦しくなったんだ。唯って寝るときはブラしないタイプか?」


澪先輩がそう質問すると唯先輩はコクンと頷いた。


「なんだか窮屈だしね。あーなるほど!だから朝着替えたときからまた苦しくなったんだ」


澪先輩は同じような経験があるのか「わかるわかる!」とうんうん頷いている。
大きな胸だからこその悩みというわけか。
しかし律先輩はまるで理解できないと言った感じで置いてけぼりを食らっている。

私はフっと鼻で笑ってあげた。


「まぁ、律先輩には一生縁が無さそうな悩みですよね」
「それ言ったら梓だってそうだろ!」
「うぐっ…!」


当然と言えば当然の反撃。痛いところを突かれてぐうの音も出ない。
私だって一度でいいから胸が育ってブラがきついとか言ってみたい。
だって女の子だもん!
でも私の胸なんてブラが必要かどうかすら危ういほどの洗濯板。
ぺったんこでつるぺたでひんにゅーで、そんなトリプルコンボを可能とするのが私の胸だ。
まかり間違ってもそんなセリフは言えそうにない。


「いいよな…大きくなれて…」
「そうですね…」


律先輩と私は目を細めながら唯先輩の喜びに打ちひしがれる様子を黙って見つめていた。
唯先輩は胸が大きくなっていたと知ると目を爛々と輝かせて全身で喜びを表している。
曲がりなりにも女の子なので胸が育つのは嬉しいらしい。


「良かったわね梓ちゃん。唯ちゃんのおっぱいが大きくなって」
「な、何で私に言うんですか! べ、別に唯先輩のおっぱいが大きくなろうが知ったことじゃないです!」
「それじゃあ唯ちゃん。サイズ測ってみるからブレザー脱いで。あとブラも」
「聞きなさいよ人の話!?」


ムギ先輩は私の話を右から左へ聞き流して、どこぞから取り出したメジャーをシャーッと引っ張った。


(一体どこから取り出したんだろ…?)


もしかして未来からやってきた猫型ロボットばりに四次元ポケットでも常備しているのだろうか。
やっぱり不思議で謎の多い人だなと私はしみじみ思った。

唯先輩は「了解であります!」と元気よく敬礼するといそいそとブレザーを脱ぎ始める。
夏場にしか見ることの出来ないブラウス姿の唯先輩。
ブラが薄っすらと透けているのが気になって胸元から目を逸らすことが出来ない。

さらに唯先輩はごそごそと背中を弄り、プツンとブラのホックを外し、胸元から取り出した。
姿を現したのは唯先輩のように穢れを知らない純白のブラジャー。
そして私の目玉はある一点、ブラを外された胸部、その先端部分に釘付けに。
二つのポッチが浮き上がって見えるのは気のせいじゃない。


「ふー!ふー!!」


否が応にも鼻息が荒くなる。鼻息のフルバーストだった。


「あ、あずにゃん…そんなにまじまじ見られると恥ずかしいよぉ」


唯先輩は頬を朱に染めながらそう言うと、両腕で胸元を隠してしまった。


「え、別に見てませんよ? 気のせいじゃないですか?」
「そ、そうかなぁ…」


唯先輩の指摘に平静を装いながら否定する。
いけないいけない…。ちょっと露骨に見すぎたかもしれない。
唯先輩にすら気付かれるようではまだまだ修行が足りないぞ私。
ここは横目でチラ見するのが基本だって学んだじゃないですか。


「よく言うぜガン見してたくせに。目なんか血走ってたぜ?」
「あームギ先輩? 早く測っちゃってください」
「はいはい♪ そんなに慌てなくても唯ちゃんのおっぱいは逃げないわよ?」
「う、うるさいです!」


それじゃあ早速と、ムギ先輩は唯先輩の背後に回りこみメジャーを前に通した。
唯先輩は腕を上げて、フンスっと胸を張って「よさこい!」と気合十分。


「みおー…」
「言いたいことは分かるからとりあえず泣くな…」


何だか律先輩は啜り泣きしながら澪先輩にすがってますがとりあえず無視です。
気にしてる暇も余裕も今の私には皆無ですから。
唯先輩のおっぱいがどれだけ育ったのか、それを確認しなくては死んでも死にきれない。


「えーと…唯ちゃんのスリーサイズは…」


手際よくサイズを測っていくムギ先輩。
バストから始まり、ウエスト、そしてヒップも測っていく。
胸だけなのだからバストだけでいいのではと思うがここは気にするところじゃない。


「ところで梓ちゃん。唯ちゃんの以前のスリーサイズは?」
「上から80、57、84のBカップです」
「あ、あの…あずにゃん? どうして知ってるのかな?」
「そこは気にしちゃいけないです」
「う、うん…」


唯先輩は納得の言っていない顔をしていたがそれ以上は何も聞いてこなかった。
ちょうどその時、ムギ先輩が採寸を終えてメジャーをシャっと戻した。


「よし、と…それじゃあ結果発表よ♪」
「ゴクリっ!」
「ゴキュっ!」


私と唯先輩は唾を飲み込み、身を乗り出しながらムギ先輩の言葉を待った。
唯先輩はいったいどれだけの成長を遂げたのかワクワクで胸が躍る。


「唯ちゃんのスリーサイズは…」
「「す、スリーサイズは…?」」


私と唯先輩の言葉が重なった。


「上から83、57、86。バストはトップとアンダーの差が約13cmだから、BカップからCカップに1カップUPね。良かったわね唯ちゃん、梓ちゃん」
「わ、私がCカップ!? す、すごいびっくり!」
「っしぃ!」


思わずグッとガッツポーズを決めてしまった私を誰が攻められよう。
仕方ないのだ。唯先輩のおっぱいにはそれだけの夢や希望が詰まっているのだから。
しかもお尻まで私好みにムッチリ育っているとは素晴らしいの一言だ。


「ちなみに私は上から86、59、86のDカップよ」
「でぃ、でぃー…さすがムギちゃんだね…」
「た、確かに…」


私には一生縁の無さそうなカップだ。もちろん律先輩も。
私なんてギリギリAカップだと言うのに、何だこの化け物集団は。

ちなみに説明しておくとカップはトップバストとアンダーバストの差で決まる。
10cm未満でAカップ、そこから2.5cm上がるごとにBカップ、Cカップと上がっていくわけだ。
それと言いたくはないがAカップより下、AAカップというのも存在する。
AAカップはトップとアンダーの差が7.5cm以下の時に発生する不名誉である。
私はぎりぎり7.6cm。つまりAカップというわけだ。
決してAAなどではない。決してない。


「私なんかより澪ちゃんの方がすごいわよ♪ 澪ちゃんはいくつだったかしら?」


ムギ先輩の視線が澪先輩を貫いた。
突然話を振られた澪先輩はしどろもどろになって何も言えなくなっている。
何も言えないが、言いたくないと言わんばかりに涙目になりながらプルプルと首を横に振っている。
まぁ普通スリーサイズなんて人に話すことじゃないだろうし。
澪先輩の性格なら尚更教えようとはしないだろう。
しかし。


「上から88、59、87のEカップだろ?」
「ばっ!な、なんで言うんだよ!っていうかなんで知ってるんだよ!」


空気も読むことを知らない律先輩が包み隠さずばらしてしまった。
ちゃっかり澪先輩のスリーサイズを把握しているあたり律先輩も人の事言えないじゃないかと思う。


「い、いー…す、すごいね澪ちゃん…やっぱりボインなんだ…」
「Eなんて来世でも縁が無さそうな気がします…」


澪先輩がEカップ、ムギ先輩がDカップ、唯先輩がCカップ。
随分と綺麗に並んだ。こうなるとBカップだけが今のところ欠番というわけか。


「おい梓、今私の胸をAと決め付けただろ!」
「大丈夫!諦めなければ大きくなりますって!」
「ニヤニヤしながら激励されてもムカつくだけだっつーの!」


果たして私と律先輩どちらが先にBカップに辿り着くのか、それは神のみぞ知るってヤツです。
先に辿り着いた方が名誉を手にし、辿り着けなければ永遠のAという不名誉を手にするわけです。
まぁ先にBに辿り着くのは私の胸に決まってますがね。
律先輩は一人で「ひんにゅーはステータスだー希少価値だー!」とか言ってればいいんです。


「それにしてもいきなり3cmアップなんて随分と成長したよな、唯の胸」


私と律先輩が言い争いを繰り広げていると、ふいに澪先輩がそんな事を言った。


「それはだって…ねぇ。胸は揉むと大きくなるっていうし」
「ん?ああ…なるほどなぁ。どっかの誰かさんが揉みまくったおかげってかぁ?」


ムギ先輩と律先輩がニヤニヤと私の方を見る。


「な、何ですかその目は!私が唯先輩の胸を大きくしたとでも言いたいんですか!」
「うふふふふ♪」
「いやいやーそんな事は言ってませんよぉ~」
「唯先輩の胸なんて一度だって揉んだことないですよ!私は関係ないです!」


そう言って聞かせてもムギ先輩と律先輩の顔からニヤケ面が消えることはなかった。
はらわたが煮えくり返りそうだった。


「あずにゃん…」
「唯先輩もいい加減そのうっとりした顔はやめてください!あなたのおっぱいなんてこれっぽっちも興味ないんですから!」


そう言うと他の先輩達から憐れむような視線と言葉が飛んできた。
「よく言うわね…」とか
「抱きつかれるたびに胸揉んでるくせに…」とか
「ミエナイキコエナイ…」とか
ヒソヒソヒソヒソ聞こえてくる。


「もう!言いたい事があるならはっきり言ってください!」


影で言われるくらいなら面と向かって言われた方が百倍マシです。
さあどんとこいです!全部受け止めますから!


「ねぇみんな、今日の部活はここまでにして唯ちゃんの下着を買いに行きましょう!」


いい案を思いついたとばかりに提案するムギ先輩。


「そうだな。サイズの合ってない下着つけてると体にも良くないし」


胸の事に関しては人一倍経験豊富な澪先輩はうんうんと首を縦に振って賛成の意見を述べる。


「よーし!んじゃ唯の下着買いに早速デパートに出発だー!」
「「「おー!」」」


そして最後に律先輩の掛け声に合わせて一同元気よく声を張り上げた。



「人の話を聞けー!!!」



そんなわけで私達はデパートへ行くことになったのです。
もちろん唯先輩の新しい下着を買うために。






おまけ~♪



とあるデパートのランジェリーショップにやってきた私達軽音部。
どこもかしこも女性客で賑わい、男子なんて髪の毛一本すら存在しないその場所は色とりどりの鮮やかな下着で埋め尽くされていた。

その下着売り場で私と律先輩は論争を繰り広げていた。


「ちょっと律先輩!唯先輩に何てもの履かせようとしてるんですか!!」


唯先輩に付けてもらう下着を選ぶべく物色を始めた私だったけど
律先輩が面白半分に選んだ下着を見て私は怒りに身を震わせ、持ち前のツインテールを逆立て腕を振り回した。


「何って、Tバックだけど? 放課後ティータイムだけにTバックってな!」
「誰が上手いこと言えって言いましたか!そんなことより唯先輩にそんなふしだらなパンツ履かせないでください!」


だってTバックだよ!?
唯先輩みたいな天使にTバックなんて悪魔的なパンツまかり間違っても履かせられない。
天使にはホワイトオブホワイト、純白と相場が決まってるんです!


「あ、あのー…下着なら自分で選ぶから大丈夫だよー?ていうかパンツじゃなくてブラ買いに来たんだけど…」
「唯先輩は黙ってください!」
「は、はい…」


そりゃあ私だって唯先輩がTバック履いてるとこ見たくないと言えば嘘になる。
ていうか見たい!!


「唯ちゃん、この下着付けてみて♪きっと似合うわよ~♪」
「む、ムギちゃん!こ、こんな大人っぽいの私には無理だよ~!」
「大丈夫よ!それを付けたらきっと梓ちゃんもイチコロよ!」
「い、イチコロ…よ、よーし!」


でもTバック姿なんて見たら自分を抑えられる自身がないし…。


「な、なぁいいのかムギ…あんな下着…」
「クスっ…澪ちゃんも履いてみたら?」
「む、無理だよ!あんなの!」


で、でも…少し見たい。いや…物凄く見たい。
お尻に食い込む一本の紐…柔らかそうな桃尻…

や、やばっ…鼻血が…


「ムギちゃんできたよー…でもやっぱり恥ずかしいなぁ…」
「どれどれ~…わっ、唯ちゃんったら見かけによらず色気ムンムンね!」
「うぅ…何だか私まで恥ずかしくなってきた…」
「澪ちゃんったら相変わらずねぇ~♪」


おっとあぶないあぶない…。
こんなとこで鼻血なんて出したらおかしな人だと思われるよ。


「梓ちゃ~ん♪」
「は、はい…何ですか?」


ふいにムギ先輩に呼ばれた私は、声のした方に顔を向けた。
そして。


「ぁ…な…」


そこで目にした天使とも悪魔ともつかない存在に私は言葉を失った。


「ど、どうかな…あずにゃん…」


試着室の一室。そこにいたのは、まぎれもなく唯先輩。
真新しい下着に身を包み、恥じらいからもじもじと頬を染める姿はまさしく私の知っている天使そのもの。
しかしでも明らかに、その天使には似つかわしくない悪魔の創造物が装備されていた。
ドラクエ風に言えば”エッチな下着”ってヤツだった。


「天使と…悪魔の…夢の…こらぼ…れー……しょ……ん…」



それが私が意識を失う前に口にした最後の言葉である。




「うーん…Tバックと純白の間を取ってスケスケの黒い下着にしてみたんだけど…刺激が強すぎたみたいね。ガーターベルトに萌えたのかしら?」
「あずにゃん喜んでくれたのかな…」
「あの幸せそうな顔見れば分かるだろ? 鼻血垂らして気絶してるぜ?」
「やれやれ…」




おしまい!



【あとがき】
普通のSSでも最近では微妙に変態地味ているあずにゃんですが
こう露骨に変態なあずにゃんはずいぶんと久しぶりですw
今回はおっぱいと下着のお話。女の子ならありそうな話題じゃないかとw
楽しいで頂ければ幸いです。それでは最後まで読んでいただきありがとうございます!

[ 2010/10/24 09:24 ] 未分類 | TB(0) | CM(5)
あーーーずーーーーーーにゃーーーーーーーーーーーん
恋人の胸が成長してあずにゃん大喜びですね
しかし抱きつかれるたびに胸をもんでたとは……
つか師匠……なぜ純白とTバックの間がすけすけ黒下着のガーターベルトなんですか……
あずにゃんが倒れるのも無理ないですね
[ 2010/10/24 11:51 ] [ 編集 ]
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2010/10/24 12:42 ] [ 編集 ]
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[ 2010/10/25 03:14 ] [ 編集 ]
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[ 2010/10/25 21:39 ] [ 編集 ]
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[ 2010/10/25 23:45 ] [ 編集 ]
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