とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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唯梓SS 『中野ぉー、先生の授業がそんなに面白いのか?ん? by先生』

※拍手お礼SS19
※追記からどうぞ!


だいすきな君の笑顔。
たとえそれが私に向けられなくても。
見られるだけで幸せだった。



「はい、トンちゃん。餌あげるね」


それはありふれた毎日から切り取られた放課後のひとコマ。
あずにゃんがトンちゃんに餌をあげて、そんな餌にトンちゃんが食らいつく。
トンちゃんが軽音部に来て以来、すでに日常となりつつある光景だった。
そんな光景を黙って見つめる二つの目玉。私、平沢唯のそれです。
ソファからひょっこりと顔を出しながら、トンちゃんと戯れるあずにゃんを眺める私。
まだ他のみんなは来ていないので眺め放題。
目の保養にもなるのでやめられない。


「えと、これくらいかな…」


餌の入った箱から、指で一つまみ。
パラパラッと、まるでご飯にふりかけをかけるみたいに水槽の中に餌を撒く。
水槽に餌が撒かれたことに気付いたトンちゃんはすぐさま水面へとふよ~っと浮き上がる。
小さな餌をロックオンしてパクンと食らいつく。


「ふふ♪ そんなに慌てなくても大丈夫だよトンちゃん」


クスクスと楽しそうに笑う君の横顔が、私には眩しく映る。
いつも見ている笑顔のはずなのに。
どうしても慣れることがないその笑顔。
見るたびに、心臓が優しいビートを刻む。
心が震えた。


「トーンちゃん♪」


名前を呼びながら、トントンと水槽を指でノックすると。
それに呼応するように、8の字を描くように軽やかに泳ぎだすトンちゃん。
それはまるでダンスみたいで、「餌ありがとー」ってお礼を言ってるみたいにも見えた。


「クスっ…可愛いなぁ」


また笑顔になる。でも。
さっきの楽しそうな笑顔とはちょっと違うように感じた。
そう思えるのは、私がいつもあずにゃんを見つめているからだろうか。
優しさに溢れてるっていうか、嬉しさで胸がいっぱいっていうか。
とにかくそんな感じの笑顔。

いいなぁ…トンちゃん。
私も――。

思わず心で告いだセリフに私はハッとして頭を勢いよく振った。
徐々に顔が火照っていく。
両手で頬に手を当てると、沸騰しているみたいに熱い。


(何、照れてるんだろ…私)


柄でもない、そう思った。
でも、それでもやっぱり少しだけトンちゃんが羨ましかった。
あずにゃんに沢山の笑顔を向けてもらえるトンちゃんが。
楽しさに溢れた笑顔。
優しさに溢れた笑顔。
嬉しさに溢れた笑顔。
少しでいいから、私にも向けて欲しいって思っちゃう。
もちろん日頃からまったく無いってわけじゃないけど…。
あずにゃんが私に向ける顔は呆れ顔だったり怒った顔だったりが多いから。
だからちょっとね…。

やっぱりいいなぁ…トンちゃん。

またもそんな風に思ってしまう。
どうやら私、トンちゃんに嫉妬してるみたいです。


(嫉妬かぁ…)


ちょっと感慨深くなる。
生まれてこの方、私は嫉妬なんてしたことなかったから。
あずにゃんと出会って、初めて嫉妬って感情を覚えたらしい。
トンちゃんだけに限らず、あずにゃんが他の誰かと楽しそうにしてるだけで、胸がキュってなっちゃう。
これって嫉妬ってことだよね?


(もしかして私、あずにゃんのこと好きなのかな?)


プルプルと頭を振った。
またも照れてしまう。
自分で考えたことなのに。

あずにゃんは相変わらず、楽しそうに笑ってる。
いいないいなって思いながら。
ブレザーのポケットから携帯を取り出して、カメラ機能を開いた。

写真に収めておこうと思った。
あずにゃんのその笑顔、その全てを。
私の宝物にしちゃおうなんて考えちゃいました。
写真に撮っておけば、いつでもあずにゃんの笑顔を堪能できるもんね。
おはようからおやすみまであずにゃんの笑顔と一緒。
幸せでどうにかなってしまいそうです。

私はあずにゃんに気付かれないように携帯を握る手に力を込めた。
あずにゃんはトンちゃんに夢中でこちらに気付く様子はない。


(たーげっとろっく…)


汗ばむ手を、震える手を必死に固定しながら、狙いを定める。
携帯のディスプレイに写ったあずにゃんの笑顔はとても可愛い。
今がチャンスだと思った。ふんすっと胸の中で気合を入れてシャッターを押した。

ぴろり~ん♪

そんなシャッター音を響かせながら、任務完了です。
携帯のディスプレイに写るのは私の大好きな笑顔。
これはすぐにでも待ち受けに設定するしかない。
やらいでか!

最高の宝物ができて、気分は上々だった。
正直、今すぐ踊りだしたい。踊ろっかな?
そんな浮かれ気分を必死に抑えている私を他所に
シャッター音に気付いたあずにゃんが「ん?」と反応する。


「な、何してんですか唯先輩?」


あずにゃんはトンちゃんから目を離して、私に顔を向けた。
その目に映るのは私の顔と、手に持った携帯電話。
私の顔と携帯を交互に見つめながら、徐々に不思議そう顔に。
最終的には怪訝そうな顔に変わっていく。

内心ちょっとがっかりして、心の中で大きな溜息をつく。


(どうせ見つめてくれるならさっきの笑顔を見せてよぅ)


なんて言えたら、一番なんだけど。
もちろん恥ずかしいから内緒です。
ヘタレとか言わないでね?


「んーん。別に何でもないよ。ただあずにゃんの顔写真に撮っただけ」
「む、それ盗撮じゃないですか」
「えぇ!?」


わぁお。ひどい言われようだ。
さすがにそれはないんじゃない?


「違うよぉ。ちゃんと撮るよーって言ったよ? あずにゃんってばトンちゃんに夢中で聞こえなかったんじゃない?」
「え、ホントに? 言ったんですか?」
「うん。言ったよ心の中で」
「言ってないじゃないですかっ!」


プンプンと、頬をぷくーっと膨らませながら憤慨するあずにゃんに、あははっと苦笑い。


(うーん…それにしても)


あずにゃんは怒った顔もやっぱり可愛かった。
この子はもしかしたら全てが「可愛い」で構成されているのかも。
猫耳付けて笑顔なんて見せられた日には心臓止まっちゃうかもしれないよ。


(あずにゃん恐るべし!)


機会があれば、是非とも怒った顔も写真に撮っておきたい。
そう思ったけど、今日のところはやめておく。あくまで今度、機会があればだ。
とは言え、あずにゃんの怒り顔は日頃からしょっちゅう見てるから。
すぐに機会が回ってきそうだけど。
何だか、本当にしょっちゅうすぎて悲しくなってきたよ。
ぐすんっ。

まぁ、今日のところはあずにゃん笑顔を撮れただけで十分です。

それじゃあ早速って思って、写真を待ち受けに設定しようと携帯を弄ると。
あずにゃんがいつの間にか私の背後に回り込み、携帯を覗き込んでいた。
ディスプレイに写った自分の写真を見て、ギョッとしたかと思うと、途端にポっと頬を朱に染める。
やば!それ可愛いよあずにゃん!


「け、消してくださいよそんな写真!」


半ば予想通りのセリフが飛んできた。
もちろん私が返す言葉なんて決まってる。


「やです」


ごめんよあずにゃん。
こればっかりはあずにゃんの言うことでも聞けないのだよ。
この写真を消すくらいなら死んだ方がマシです。フンスっ!


「け、消して!」
「死んでもいやです」
「そ、そこまで!?」


さすがのあずにゃんも、まったく聞く耳を持たない私に驚愕する。
パクパクと金魚みたいに口を開けながら、唖然とした表情で私を見つめる。

死して屍拾うものなし。
この写真を失ったら、私は生ける屍と化します。
返事がない、ただの屍のようだ。


「そ、そんなに…その写真が大事なんですか…?」
「いえすうぃーきゃん!」
「やれば出来るって…意味分かりませんけど…。まぁ何となく言いたいことは分かります」


さすがあずにゃん!
以心伝心だね私達!


「分かってくれて嬉しいよ! まいすいーとはにー!」
「誰がハニーですか!!」
「え…いやなの?」
「そ、そりゃあ…い、いや……です」


あれ?あれれ?
その間は一体何ですかあずにゃんさん?

も、もしかして……。

なーんて考えるほど私は自惚れちゃいませんよ。
まさかあずにゃんが私のこと…なんて、そんなことあるわけないもんね。


(はぁ…自分で言ってて悲しくなってくるよ)


惚れてくれとは言わないけど。
せめて好意のコの字くらい見せてくれてもいいと思う。
それをこの気まぐれなツンデレ猫に求めるのは間違いなのかもしれないけど。


「はぁ…」


あずにゃんがやれやれって感じで溜息をついた。


「わ、分かりました。しょうがないから写真は消さなくてもいいです。特別ですよ?」
「おおっ!」


あずにゃん太っ腹だね。ちょっと驚き。いや、かなり驚きかな。
もし力ずくで消しにかかられたらどうしようかと思ってたけど、そうならなくて一安心。
あずにゃんにしてはめずらしく寛容だ。どういう心境の変化だろ?


「で、でも一つだけ条件があります!」
「なあに?」


何だろう?
もしかしてお茶ばかりしてないでちゃんと練習しろとか?
ありえる…。あずにゃんったら真面目っ子さんだもん。
最近ではそれも薄れてる傾向にあるけど、あずにゃんは基本、根が真面目だもんね。

とは思ったけど
結局その考えはかすりもしなかった。


「その…私にも写真撮らせてください。唯先輩の…」
「え…」


あまりにも予想外の展開に私の頭がついていかない。
あずにゃんは自分の言葉に照れているのか顔が真っ赤っか。


「…」
「…」


たっぷり1分ほど沈黙が続く。
だというのに、私はいまだにあずにゃんの言葉の意味が理解できていなかった。
あずにゃんはそわそわしながら言葉を待っているが、
やがて眉間に皺がより、体がプルプルと小刻みに震えだす。
そして。


「いいんですか!よくないんですか!はっきりしてください!」


音楽室全体が振動しそうなくらい大きな声でそう言い放った。
放心状態の私に痺れをきらしたようで、赤い顔で捲くし立てる。
その声の大きさに驚き、ビクンっと体を震わせ正気に戻った私。
「い、いいよ!」と思わず口にしてしまっていた。


「でもどうして私の写真なんか…あずにゃんも私の写真が欲しいの?」


それでも少し気になったから聞いてみた。もしそうならすごく嬉しいし。
ちょっと照れるけどね。いや、ものすごく照れます。


「ち、ちがいます!勘違いしないでください!ただその…しゃ、写真には写真でっていうかっ…と、とにかくそういうことなんですっ!」
「な、何がそういうことなのか全然分からないんだけど…」
「き、気にしちゃだめですー!」


ブンブンと腕を振り回しながら大慌てのあずにゃん。相変わらず顔は真っ赤だった。
私はそれがおかしくて。あははっと声に出して笑ってしまった。

まぁ写真を撮るくらい何でもないから全然かまわないんだけどね。
それに、それだけであずにゃんの写真を持ってても構わないってことなんだから破格の条件だと思う。
隠して持ってるより、本人公認の方が胸を張っていられるもんね。


「もういいです!勝手に撮りますから!」


プイッとそっぽを向いたあずにゃんは、そう言うとポケットから携帯を取り出した。
勢いよく開いたスライド式の携帯がカコっという軽快な音を立てた。
どうやらあずにゃんの選択肢に、私を撮らないという選択肢はないようだ。
どうしても私を写真に撮りたいらしい。
プンプン怒りながらも写真を撮ることをやめようとしないところを見ると、まず間違いないと思う。


(なんか嬉しいかも♪)


それほどまでに私の写真を撮りたいと思ってくれてるあずにゃんが何だかすごく愛しく思えた。


「いきますよっ!」


携帯を構えて今まさに私を撮ろうとしているあずにゃん。


「あ、そうだあずにゃん」


そんなあずにゃんを私は思わず呼び止めてしまった。


「な、なんですか。この期に及んで無しとか言わないでくださいよ?」
「そんな事言わないよー。私の写真でよかったらじゃんじゃん撮ってくれたまへ」
「じゃ、じゃあ何ですか?」
「うん…あのね」


どうせ写真を撮るなら――。


「一緒に写らない?」
「っ…え、えーと…それはつまり、ツーショットってことですか?」
「うん!折角だし」


「ダメ…?」と、首をちょこっと傾けて上目遣いで見つめてみる。
その途端、あずにゃんはボっと火を噴いたみたいに顔を真っ赤に染めた。
それから俯いて、何やらぶつぶつと呟いている。
「ずるい…」だとか、「反則だよ…」だとか、そんなセリフが耳をついた。
一体、何がずるくて何が反則なんだろ?
全然分かんないや。


「ダメかな、あずにゃん?」
「ダメ…なんて言えるわけないです」


顔を上げたあずにゃんは、赤い顔を隠そうともせずにそう告げた。
私は嬉しくて、あずにゃんを抱きしめたい衝動に駆られる。
それでも必死に我慢して。
ちょいちょいとあずにゃんに手招きする。


「じゃあこっちおいであずにゃん」
「は、はい」


緊張しているのか、私の横に座ったあずにゃんの背筋がピンっと伸びていた。
そんなあずにゃんがおかしくて、ぷっと吹き出して笑ってしまった。


「ほらほら、もっとくっつかないと収まんないよぉ~」


私はあずにゃんの肩を優しく抱いて、ぐいっと引き寄せた。


「にゃっ!」


突然のことに驚いたあずにゃんは小さく声を上げた。
身を強張らせたのも一瞬のことで、すぐに身を預けてくる。

あずにゃんの柔らかい体。
触れ合った肩がとても熱くて、焼けてしまいそう。
胸はドキドキと落ち着かない。顔はどんどん火照っていく。
それでも今更やめることなんて出来ないし。
それに、この優しくて温かい体温をもっと感じていたいって気持ちの方が勝ってるから。


「それじゃいくよ~」
「ど、どうぞ!って、唯先輩の携帯で撮るんですか?」
「ふふ、大丈夫だよ。心配しないで。ちゃんと送ってあげるから」
「べ、別に心配なんて…」


私は手を伸ばして、携帯を構える。
ちゃんと二人写るように狙いを定め固定した。
あとはシャッターを押すだけ。でも。


「――っ!」


ディスプレイに写ったあずにゃんの顔を見た瞬間、私の心臓がドクンと跳ねた。
照れているような、はにかんでいるような、そんな笑顔を浮かべるあずにゃん。
初めて見るその笑顔に、私の心が震えだす。
熱い何かが心の奥底から溢れてくる。


「ど、どうしたんですか唯先輩?」
「あ、ううん。な、なんでも…」


あずにゃんの声に正気に戻され、私はやっとカメラのシャッターを押した。

ぴろり~ん♪


撮った写真をそのままメールに添付して、あずにゃんへ送る。
それからほどなくしてあずにゃんの携帯にメールが届く。

届いた写真をじっと見つめるあずにゃん。
照れているような、はにかんでいるような。
とっても可愛くて、思わず抱きしめたくなるような笑顔。

もしかしたら、今まで見たどの笑顔よりも可愛いかもしれない。


「せっかくだし、こっちの写真待ち受けにしちゃおうかな。せっかくあずにゃんと撮ったんだし」


さっき撮ったあずにゃんの笑顔もいいけど。
でも今撮ったあずにゃんの方が何倍も魅力的に見えてしまうから。


「じゃ、じゃあ私もこれを待ち受けにします」
「えと、別に無理してしなくてもいいよ?」
「む、無理じゃないもん!唯先輩のバカ!鈍感!とうへんぼく!」
「えぇっ!?」


私としては良かれと思って言ったことなのに。
涙目になってまさかのトリプルコンボを決めてくるあずにゃんに、私は内心「なんで!?」の嵐でした。
とりあえず携帯の待ち受け画面は、無事に二人ともツーショット写真に変えてめでたしめでたし。

だったんだけど…。

それ以来、あずにゃんは携帯を開くたびにニヤニヤしているそうです。
それをたびたび目撃するようになった親友二人が証言してるのだから間違いないようで。
二人ともあずにゃんが頭でも打っておかしくなったんじゃないかと心配で仕方ないみたい。
ホントにどうしちゃったんだろう…。いったい何を見てニヤニヤしてるのかな?
私、バカだから全然分かんないや。



おしまい

[ 2010/10/04 21:42 ] 未分類 | TB(0) | CM(1)
恋する鈍感な唯先輩とツンデレのあずにゃんの組み合わせが一番いいですね
やっぱりあずにゃんはツンデレが一番いいです
ゲームで忙しいのに更新お疲れさまですo(_ _*)o
[ 2010/10/04 22:11 ] [ 編集 ]
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