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とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

ゆいあず!!シリーズSS EP02 『桜華狂咲 #7 ~いま、あなたの目には何が見えていますか?~』

※追記からどうぞ!



我、すり替えに成功せり――。

とまあそんなわけで。
全員のコップをお酒入りコップに摩り替えた私は、桜を見るふりをして、ただひたすら息を潜めていた。
一応みんな、お酒入りを口にしても多少不思議に思うだけでそれがお酒だとは気付いていなくて。
一番危惧していた和ちゃんですら気付かなかったから、もう何の問題もないはずだと勝利を確信していた。

お酒を当たり前のように飲んでいくみんなを見つめながら、私はゴクリと唾を飲み込んだ。
今のところ特にみんなに変化はない。何事もなくジュースと称したお酒を飲んでいた。
が、正直に言ってしまうと、そんな風に平然と飲まれるとさすがにちょっと不安になってくる。


(うーん…やっぱり無理なのかしら…?)


様子を見ていると、さすがにコップ一杯分のお酒で酔わせるのは無理があったのだろうか、なんて少し考える。
みんなが酔うとどうなるのか――。
その飽くなき好奇心から欲望まかせで始めたことだったけど…。
誰一人として変化がないとなると、流石の私も拍子抜け。

私はこのまま何事もなく時間だけが過ぎ去るのかと思いかけていた。
しかしその矢先、異変は起こったのだ――。


「…ぁ…ん…」
「ん…? どうしたの、憂?」


突然、憂ちゃんがふらりと純ちゃんの肩にもたれ掛かったのだ。
ただそれだけの事なのに「キタッ!」と眉をキラリと光らせた自分が実に情けない。
どうやら私の欲望は止まる事を知らないようだ。

だけどまだ安心は出来ない。
別に酔ったと決まったわけじゃないのだから。
ただ単にふらついただけかもしれないし、もしかしたら眠くなったという可能性だってある。

他のみんなは特に憂ちゃん達を気にした様子はなくお喋りやお花見に夢中。
そんな中、私だけは息を潜めて二人の様子を伺っていた。


「憂、どうしたの?」


不思議そうな顔で憂ちゃんの顔を覗き込む純ちゃん。
純ちゃんの顔は少し赤らんでいた。
それが憂ちゃんに寄り掛かられてドキドキしているからなのか。それとも。
お酒のアルコールが多少なり純ちゃんに影響を与えているのかは、今の様子からは何とも言えない。
しかし私としてはそのどちらもあって欲しいと思っている。出来ればそうあって欲しい。
その方が百合的にはおいしい展開になりそうだから。


「ねぇ憂ってば。大丈夫?」
「ん…」


純ちゃんの呼びかけには反応しているが、特に何も言わずに俯いている憂ちゃん。
そのせいか彼女の表情を読むことができない。
だから今、彼女の体にどんな変化が訪れているのか知りようがなかった。


「ねぇ…純ちゃん…」


憂ちゃんが俯いたままゆっくりと口を開き、名前を呼んだ。
その唇はどこか震えているように見えた。


「うん、どした?」
「…何だかね、ちょっと寒いの…」


憂ちゃんはそう言うと、腕を体に回しながらブルリと体を震わせる。


「え、寒い?そうかな…そんなことないと思うけど…」


純ちゃんは怪訝そうにそう言うと、空を見上げて目を細める。

彼女の言うとおりだった。
確かに今日は雲ひとつない快晴。日差しだって眩しいくらいで。
気温も肌寒さを感じるほどではないし、4月にしては逆に暑いくらいである。


「ううん…やっぱり寒い…」


しかしそれでも憂ちゃんは体を震わせながら寒いと言う。
純ちゃんに寄り掛かったまま腕をさすっていた。
風邪でも引いたんじゃないかと少し不安になる。


「えと、じゃあ上着かそうか?」


そう提案して上着を脱ごうとする純ちゃんに憂ちゃんは「ううん、いらないよ…」と言って首を横に振った。
どうしてだろうと私は不思議に思った。
寒いというのなら借りた方が断然温かいはずなのに。

しかしそう思ったのも束の間、その理由はすぐに判明した。
そしてそれは開戦の狼煙でもあったのだ。


「寒いんじゃないの?」
「うん…寒い…」
「じゃ、じゃあ…」
「…上着よりも…」
「え?」
「上着よりも…純ちゃんがギュってしてくれた方があったかいと思うの…」


とんでもない事をのたまいやがった憂ちゃん。


「は、はぁっ!?…って、ちょ、わ、憂っ!」


当然驚く純ちゃんだったけど、憂ちゃんは驚く暇すら与えなかった。
肩に寄り掛かっていた頭をそのまま胸の方に移動させて
ポスンという音を立てて、純ちゃんの胸の中にすっぽりと納まったのだ。
さらに追加で、その柔らかな双丘に頬をすりすりと擦り付け始める。
まるでご主人様に懐く犬猫みたいに。
見えない尻尾をこれでもかと言うくらい振り乱して。


「ちょ、ちょっと…う、憂…く、くすぐったいよっ…!」
「んー…」


純ちゃんはくすぐったそうに身を捩るが、憂ちゃんは決して離そうとしない。
さらに憂ちゃんは純ちゃんの首筋に鼻先を押し付けて。
純ちゃんが驚いて「きゃっ」と黄色い声を上げるのを無視して、すんすんと鼻を鳴らし始めた。
つまりそれは、純ちゃんの甘い匂いを肺一杯に吸い込んでいるってこと。


(な、なんてことなの…!)


憂ちゃんの物言い。そしてその行動。
その一連の流れをこの耳と目でしっかりと焼き付けた私は、心の中で歓喜する。
内心「キマシタワー!」の嵐だった。胸が高揚してドキドキが抑えられない。
つまりこれが――と私は確信する。

そう、つまりはこれこそが憂ちゃんの酔った姿なのだ。

普段の彼女なら、まずいいそうにないセリフ、そして行動。
平然とそれらをしているあたり、まず間違いない。
どうやら憂ちゃんは酔うと甘えん坊になるらしい。


「あああ、あのっ…! う、憂っ…!」


さすがの純ちゃんも大慌てだった。
しどろもどろになりつつ、憂ちゃんの成すがままになっていた。
この中で一番憂ちゃんと長い付き合いであるはずの純ちゃん。
聞いた話では中学時代からの親友だそうだ。
何となくりっちゃんと澪ちゃんの関係に似ている気がするがこの際それは置いといて。
彼女でもこんな甘えん坊な憂ちゃんの姿は今まで一度も見たことがないのだろう。
しっかり者の完璧超人を貫く憂ちゃんだから仕方がないと言えば仕方がないと思うけど。


「……純、ちゃん…?」


ついに憂ちゃんはその顔を上げて。ジッと純ちゃんの顔を見つめた。


「うぁ…」


その時の憂ちゃんの顔を見た純ちゃんの驚きようったらない。
ゴクリっと唾を飲み込んだかと思ったら、一瞬で顔を真っ赤にして。
それから口を金魚みたいにパクパクと開いて。

だけど、純ちゃんの気持ちが私にはよく分かった。
この私ですら息を飲み、声を出すことすら出来ないでいたのだから。


「えへへ…純ちゃん♪」


無邪気な悪戯っ子みたいな笑みを浮かべる憂ちゃん。
それはまさしく兵器だった。
潤んだ瞳、上気した頬、半開きの唇から零れ落ちる熱い吐息。
それらは相乗効果を発揮し、彼女を少女から女へと変えていた。
色っぽい。
なんて色っぽいんだろうか。
彼女は間違いなく純ちゃんを誘っている。
つまりは寒い云々を抜きにして、ギュッと抱きしめてほしいってことだ。


(なんて甘え上手――!!)


そんな風に思ったけど、何となく分かる気がした。
こう言ってはなんだけど、憂ちゃんのお姉ちゃんは“あの”唯ちゃんなのだ。
つまり憂ちゃんは必然的に「しっかり者」になること余儀なくされたわけで。
初めて出会ったときから、よく気が利いてしっかり者だった憂ちゃん。
いつも甘えられない立場にいる分、もしかするとこれが憂ちゃんの本当の姿なのかもしれない。

彼女の変化は著しかった。
普段の彼女を知るものなら、何事かとまず言葉を失うだろう。
私としては、このメンバーの中で一番お酒に強そうだと踏んでいたのだがまったくの予想外だった。
予想外の展開がまさかこんな結果を生むなんて、人生というのはやはり何が起こるか分からない。

純ちゃんの方は見た目あまり変化がないが、やはりこちらもお酒が効いているのだろう。
アルコールによる思考能力の低下が、正常な判断を狂わせている。
そうでなければ、すぐにでも憂ちゃんを離しその身を案じるだろう。
成すがままになっている彼女は、すでにお酒に――。
いや、憂ちゃんに酔っているのかもしれない。

純ちゃんは、憂ちゃんから目を逸らせないでいた。
まるで金縛りにあったみたいに「ぁ、あぅ…」と言葉にならない声を上げて。
顔はすっかり茹蛸みたいに真っ赤っか。


「うふ…♪」


憂ちゃんはそんな純ちゃんの様子にクスっと妖しい笑みを浮かべて。
純ちゃんの首に腕を回し、熱い吐息が掛かるくらいまで顔を近づけた。
そして。


「ねぇ…お願い、ギュって…シテ?」


それが止めの一言だった。それはまさに言葉の核兵器。
わざと熱い吐息が掛かるように甘く蕩けるような声で誘う。
瞳はうるうると潤んでいた。頬は朱色に染まっていた。唇はもの欲しげに半開き。
そんな逃れようのないトリプルコンボをおまけとして置いていく。
憂ちゃんに死角はなかった。
こんな所でその完璧さをアピールしなくてもいいのにと少し思ったが、それはそれでいい。
私としては何の問題もない。つまりはもっとやって欲しいってことだ。

その日、彼女は間違いなく世界を震撼させた。
純ちゃんの世界を。
そして私の世界を。


(な、なんていう破壊力――!!!)


私は心の中で吼えた。吼えざるを得なかった。
彼女はさすが唯ちゃんの妹だと思わずにはいられない。
いや、妹属性がある分もしかしたら唯ちゃんをも超えるポテンシャルを秘めているんじゃなかろうか。
まさに「私の妹がこんなに可愛いわけがない!」ってやつだ。

憂ちゃんのコンボ攻撃はN2爆雷にも匹敵するほどの破壊力を秘めていて。
当然、それから逃れる術が人間にあるはずもなく、当たれば間違いなく一撃必殺。効果は抜群だ。
それが憂ちゃんのことを想っている純ちゃんなら尚更きっと即死レベル。
遠目で眺めていた私ですら落ちそうになったんだもの。
そんな兵器を純ちゃんは至近距離からくらってしまったのだ。
下手をしたら心臓が止まってしまったんじゃなかと不安がよぎる。
純ちゃんの安否が気になって仕方がない。


(じゅ、純ちゃんは…)


大丈夫かしらと、冷や汗を流しながら様子を伺う。

純ちゃんは憂ちゃんの怒涛の攻撃にくらくらと頭をふらつかせていた。
ふらふらと、まるで風邪でも引いたんじゃないかと思うほどに頭が揺れていた。

そして純ちゃんにも、ついに我慢の限界が訪れる。


「憂っ――!!」
「あっ…!」


純ちゃんは憂ちゃんの体をギュッと包み込むように抱きしめた。
それはとても情熱的なハグで、見ているこっちも体が火照ってきそう。
胸がドキドキして落ち着かない。


「こ、これで…いいの?」


純ちゃんが上ずった声で問いかける。
憂ちゃんはふるふると力なく首を横に振った。


「もっと…もっと強くぅ…」


その甘えるような声色に、純ちゃんは間髪入れずにありったけの力で憂ちゃんを抱きしめる。


「こ、これで、いい?」
「うん…純ちゃんあったかい…♪」
「もう…憂ったら甘えん坊なんだから…」
「えへへ…♪ でも純ちゃんだけだよ…こんなことするの」


とっても幸せそうな顔で純ちゃんの背中に腕を回す憂ちゃん。
純ちゃんはそれに合わせるように自分の頬を憂ちゃんのそれに重ね合わせ頬擦りして。
おまけに頭を優しく撫でていた。
憂ちゃんも気持ちよさそうに、まるで猫みたいにゴロゴロしてる。

もう、完全に二人の世界だった。


(こ、ここ、これはシャッターチャンスですっ…これを取り逃したら死んでも死に切れないっ…!!)


フンスッフンスッと鼻息が荒くなる中、私は震える手でカメラを構えた。
3方向からのビデオ撮影はもちろん完璧だが、やはり動画と写真ではまた違った趣きがあるので撮らずにはいられない。


(落ち着いてっ…落ち着くのよ紬っ…!!)


焦る気持ちから手が震えているせいか、中々カメラのピントが合わない。
合わせたと思った矢先に手がぶれて、位置取りからやり直し。
そんな事を何度か繰り返していた。


(早く二人のっ…! 憂ちゃんと純ちゃんのっ…!!)


若い恋人達の幸せそうな姿を写真に収めておかなきゃ――!!

そう思いながら必死に自分を奮い立たせる。
そんな願いが通じたのか、有難いことにピントを合わせても震えがこなくなった。
これならと思って急いでシャッターを切ろうとしたその時――。




――神様は残酷にも私にその動作をさせてはくれなかった。




「な、なぁ…いーだろ、りつ? わらひっ…もうがまんれきないんら…!」
「な、何がいいんだよ? ぜんぜんよくないよ! ていうかどうしちまったんだよ澪! お前ちょっとおかしいぞ!」


左方より敵勢を確認!!
私の耳に澪ちゃんとりっちゃんの会話が雪崩れのように流れ込んできた。
現金なもので、その意味深な会話を耳にした瞬間、首が勝手に二人の方に向いてしまったのだ。
シャッターを押すことすら忘れ、りっちゃんと澪ちゃんの様子に釘付けになってしまう。


「なっ!?」


私は思わず声を上げてしまうほど盛大に驚いた。
何故なら――。


「おかひくないっ…れんれんおかひくないよ~。わらひはいらってへいしょーれす!」
「いや!どう考えてもおかしーし!」
「おかひくねぇーしぃー!あはははは♪」


りっちゃんを押し倒して、今にもちゅっちゅしてしまいそうな澪ちゃんがいた。

澪ちゃんの言葉は呂律が回っていなかった。正直なんて言っているか分からない。
目は据わってるし。完全に酔っ払い状態、その典型的な姿だった。
どうやら私が憂ちゃん達に気をとられている隙にいつの間にかこんな事態になっていたらしい。

澪ちゃんの顔は真っ赤で、目はトロンと蕩けてて。
おまけに唇はタコみたいに突き出されてる。
「んーんー♪」と、まるで早くチューしたいって感じに見える。
みたいじゃなくて間違いなくそうだ。それ以外何がある。
キスしたいって気持ちが前面に押し出されている。


(これはっ…なんてことなの…!)


いつものカッコよくて凛々しい澪ちゃんの姿など、欠片も見つけることはできなかった。
ファンクラブの子たちが見たら、間違いなく卒倒する。
私も少し、悲しくなって。
「ごめんなさい澪ちゃん、私のせいで…」
と、心の中で謝っておいた。


「な、なんだこれ…おかしいだろさすがにっ…! 憂ちゃん達もなんかおかしーしっ…まるで酔っ払ってるみたいな――ってまさか!」


迫りくる澪ちゃんを必死に抑えながら、りっちゃんは何かに気付いたように声を荒げる。
どうやらりっちゃんは澪ちゃんと違い、コップ一杯程度の量では酔わなかったようで。
しかも今まで飲んでいたのがお酒だと気付いたみたい。

りっちゃんは澪ちゃんに組み敷かれながら、私の顔を見た。
しかも目に涙を溜めながら無言で。
まるで何かを訴えるような目だった。
もちろん何を言いたいかは分かってる。

とりあえず私は笑顔でグッと親指を立てておいた。
幸運を祈る!!


「ムギっ!お前やりやがっ――!!」
「りちゅぅうううう♪」
「ひにゃっ!?」


りっちゃんの絶叫寸前の言葉は、澪ちゃんによってかき消されてしまった。
それと同時にりっちゃんの口から漏れるのは、甲高い喘ぎ声。
何故りっちゃんがそんな声を上げてしまったのか、その理由は。

私は目を疑った。だってあの澪ちゃんが――。


「わっ、ば、バカっ…やめろみおっ! ひゃっ…!」
「ちゅっ♪ちゅっ♪ん~~~ちゅっ!」
「にゃにすんっ…ひゃあっ」


りっちゃんのオデコに口付けて、音を立てながらちゅーちゅー吸っていたのだから。
正直言って目を覆いたくなる光景が目の前に広がっていた。
それでも目を離すことが出来ない私は、なんて欲深い人間なんだろう。
目を血走らせながら、ふしゅー!ふしゅー!と鼻息を荒立たせた。


「ぺろぺろっ…ちゅっ…れろっ…!」
「やめっ…ちょっ…んぁっ…!」


さらに澪ちゃんのオデコへの愛撫はヒートアップしていく。
キスだけだったはずが、今ではその濡れた舌を使ってペロペロと嘗め回しているのだ。
りっちゃんのオデコはすっかり澪ちゃんの唾液まみれで、テカテカに輝いている。


(澪ちゃんすごいっ…!)


いつもの澪ちゃんならまずあり得ない行動。
まかり間違っても、死んでもやらないだろう。
澪ちゃんがここまでお酒に弱いことにも驚いたが、お酒の力を借りて理性がぶっ飛んだ澪ちゃんはそれ以上に驚いた。
もしかすると澪ちゃんは、今までずっと心の内に溜め込んでいたのかもしれない。
ずっと、りっちゃんのオデコに劣情を抱いていたのかもしれない。
何故オデコ?と聞きたくもなるが、きっとそれが澪ちゃんの性癖なのだ。
性癖なんて人それぞれだもの。


「オデコ萌えってやつですね」


世の中色々な萌え要素があって勉強になります。


「オデコ萌えじゃねーーー!!」
「あ、あら? 聞こえてたのりっちゃん?」


てっきり執拗なオデコ攻めで蕩けてたかと思ったのに。


「ムギぃっ! お前あとで覚えてろよっ!」
「むぎ? ひがうらろぉーっ…りちゅのおれこはわらひらけのものらっ! ちゅぅっ…ちゅっちゅっ!…れろっ!」
「お、おいっみお!ホントにやめっ…ちょっ…やめっ、んぁあっ! ひゃっ!?」


ごめんねりっちゃん。罰はあとで必ず受けるから。いくらでも。
だから今は、素直な気持ちで澪ちゃんの愛撫を受けるのよ。
そして感じて!感じまくって!!

二人の痴態を前にして限界まで鼻息を荒くした私は、カメラのシャッターを押そうと構える。
だいぶこの状況にも慣れてきたのか、体の震えはほぼなくなっていた。
今度こそ撮り逃すことはないと、そう確信していた。


確信していたのだが…。


その時の私は気付いていなかった。いや、忘れていたのだ。
一番忘れてはいけないあの二人のことを――。




―次へ―

[ 2010/09/29 22:59 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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