とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆいあず!!シリーズSS EP02 『桜華狂咲 #5 ~至高の料理とは入念な下準備があってこそ生まれる~』

※追記からどうぞ!


花見の場所取りもそこそこに――。

適当な場所でレジャーシートを敷いてスタンバっていた和ちゃんとさわ子先生の手招きのもと。
私達はようやく重い腰を下ろすことができた。
私はそんな事もなかったけど、中には足がパンパンに張っている者もいて。
到着した途端に大の字になって寝転がる人もいた。
まぁ、そんな事をするのは唯ちゃんとりっちゃんだと言うことは今更ですが。
あまりの豪快さに少しおかしくなって笑ってしまった。

長い徒歩移動、本当にご苦労様――。

みんなに労いの言葉を掛けておくことを忘れずに。
とりあえず私は溜息を一つついて辺りを見回す。
360度四方、どこを見ても桃色に埋め尽くされている。


(よく考えたら、場所選びなんてしなくても良かったのよね)


ふと、そんな事を思ってしまったがとりあえず言わないでおく。
言ってしまったら、せっかく場所を選んでくれた二人に申し訳ないもの。

今日この日、桜並木が延々と立ち並ぶこの場所は私たちの貸切状態で。
私がそうして欲しいと頼んだのだから、まかり間違っても他の人間がいるはずがない。
言うなれば、この敷地内全てが私たちの範囲、場所。
地面に広がる雄大な草原こそが私達のレジャーシートといってもいい。
つまり、独占というわけ。

なんて贅沢なんだと、さすがの私も思わずにはいられなかった。
VIP御用達のこの場所を、私も含め、一介の女子高生らが独占なんて正直考えられない状況なんだけど。
まぁそれでも。多少の無理を通して、今こうしてお花見の席を設けているわけだ。
みんなとの思い出作りのためなら、無茶を通すのもやぶさかじゃないのがこの私、琴吹紬。
無理を通して道理をぶっ壊す。それが幼少の頃から教え込まれた精神で。
それこそが琴吹家そのものと言ってもいい。
その教えのもと、今私はこうしてここにいる。
みんなと一緒に。


私はみんなの顔色を伺った。
先ほどまでのお疲れムードもなんのその、今ではすっかりお花見の準備に花を咲かせている。
現金なものだといいたいが、私もその一人なので大きなことは言えなかったし言うつもりもない。

それぞれ荷物を降ろし、思い思いに行動する一同。
唯ちゃんは梓ちゃんと。りっちゃんは澪ちゃんと。憂ちゃんは純ちゃんと。和ちゃんはさわ子先生と。
それぞれコンビになって準備を進める。そこで気付いた。

あれ?もしかして私ぼっち?

ここで寂しいと思うのが普通なのかもしれないが、生憎と私はそんなしおらしい精神は持ち合わせていない。
なぜなら私は生粋の傍観者。逆にチャンスなのだ。だって写真取り放題だもの。
というわけで、少し観察してみましょう。

まずは唯ちゃんと梓ちゃん。
二人はそれぞれのボストンバックからお菓子やらジュースなどを取り出していた。


「唯先輩ってばお菓子ばっかりじゃないですか!」
「えへへ♪ちゃんとあずにゃんにもあげるから楽しみにしててね!」
「まったくもう…。飲み物は私が用意して正解でしたね。唯先輩に任せてたら、お菓子だらけになってましたから」


溜息混じりに、自身の鞄からジュースの入ったペットボトルを数本取り出す梓ちゃん。
聞いても分かる通り、二人はおやつ関係の担当だった。
ちなみに憂ちゃんがお弁当担当。りっちゃんと澪ちゃんが娯楽担当だった。


「ああ~ん!あずにゃんのいけずぅ~」


唯ちゃんは恋人のつれない態度に体を使って猛烈アタック。
いつものようなスキンシップ。つまりはハグ。梓ちゃんの小さな体に抱きついたのだ。
抱きつかれた梓ちゃんと言えば、唯ちゃんの胸の中で必死にもがいて抵抗していた。
しかしあくまで抵抗は見せ掛けだと思う。

顔だけじゃなく耳まで真っ赤にしている梓ちゃんを見ていると


(離れる気まったくないんじゃないかしら?)


そんな風に勘ぐってしまう。
果たして抵抗する気があるのかないのか。
それは神のみぞ…いや、梓ちゃんだけが知る。


(つまりこれがツンデレの真骨頂なんでしょうか…?)


私もまだまだ修行中の身。
萌え要素についてはそこまで詳しくはないけど、そういう風な考えしか思いつかない。

ただの準備のはずなのに、イチャイチャしているようにしか見えないのはこれいかに。
この二人の行動は全てイチャイチャで構成されていると言っても誰も驚かないんじゃなかろうか?
私としては嬉しい限りだが、鼻の辺りが熱を持って疼きまくるので少し自重してもらいたい。
…とはもちろん思わない。思うはずがない。もっとやれ。いや、やってくださいお願いします。

ここに誰も居なかったら、私は間違いなく二人に土下座して頼み込んでいただろう。

そんな気持ちを胸にして、今度は澪ちゃんとりっちゃんの方に目を向けてみた。
二人は、宴会には欠かせないカラオケマイクの調整なんかを行っていた。
他にもバドミントンのラケットやらシャトルも鞄からはみ出ている。


「せっかく持ってきたんだから澪もちゃんと歌えよー?」


カラオケマイク片手に澪ちゃんにも歌うよう促すりっちゃん。


「ええっ!? や、やだよそんなっ!」
「なんでだよ?」
「そ、そんなだって…は、恥ずかしいし…」


対して澪ちゃんは、当たり前と言えば当たり前のいつも通りの反応を示していた。
相変わらずの恥ずかしがりモードに移行したかと思うと、自分の歌う姿でも想像したのか、顔を真っ赤にしていた。
その様子にりっちゃんは大きな溜息をついて、やれやれと首を振る。


「いいじゃん別に。今日は知ってるヤツしかいないんだしさぁ」


確かにりっちゃんの言うとおり。
学園祭みたいにステージに立って全校生徒の前で歌えというわけじゃない。
気の知れた仲間達の間でならさすがの澪ちゃんも大丈夫だと思うんだけど…。


「そ、それはまぁ…そうだけど…でも」


それでもなお人前で歌うことに抵抗があるのか、渋い顔をしている。
でも渋っているってことは、あともう一息。
何か決め手となるものがあれば簡単に落ちそうな感じだった。

当然、りっちゃんもそれを悟ったらしく、好機を逃すまいと止めの一言を放つ。


「あーあ!! 澪の綺麗な歌声聞きたいなァ~」
「っ…!?」


さすがりっちゃんだと思わずにはいられない。
幼馴染として。恋人(予定)として。夫婦(予定)として。
澪ちゃんの扱い方を熟知しているのはりっちゃん以外ありえない。
愛しのりっちゃんにそんな事を言われてしまっては、動かざるを得ないのが澪ちゃんと言う名のウサギさん。
恥ずかしがりモードなんてりっちゃんの話術の前には無いにも等しいのです。


「わ、わかったよ…。り、りつがそこまで言うなら…歌ってやらないことも…ぶつぶつ…」


澪ちゃんついに陥落。
りっちゃんはニヤリと口の端を歪めていた。
計画通りに事が進むのってやっぱり嬉しいですからね。
私にもその気持ちがすごく分かります。


私は、ふぅっと一息ついた。
ゆいあずもりつみおも最初から飛ばしすぎで、少しお疲れ気味の私です。
準備の段階からこんなラブラブな展開を見せつけられるとは思わなかったけど…。
でもそれはそれ。これはこれ。私としては楽しくなってきたと思わざるを得ない。
これでお花見が始まったらどうなってしまうのかしら?
なんて、期待に胸を膨らませる私。

早く準備終わらないかな、なんて思ったけど


(ん? いや…でも待って…)


少し思うところがあって、手を顎に添えて「うーん…」と考え込む。
下準備を怠らないからこそ最高の味を引き出す至高の料理。
つまり最高のメインディッシュを迎えたいなら、準備の段階から気を抜くなということか。


(よし!)


そんな気合のもと。見目麗しい二組のカップルから目を外した。名残惜しかったが仕方がない。
こうやって眺めているのも幸せだったが、今はまだ…ね。
これからやってくる(予定)メインディッシュのためにも、私自身やらなきゃいけないことがある。
やらいでか!

では早速――と、気分も新たにしたその時だった。


「紬さん」
「うん?」


憂ちゃんに声を掛けられ足を止める。いきなり出鼻を挫かれた。


「荷物持って頂いてありがとうございました。あとは私が準備しますから」
「あら? ありがとう憂ちゃん。それじゃあよろしくね」
「はい!まかせてください」


すっかり忘れてたけど、私の手にはまだお弁当、つまりは重箱が握られていた。
完全に返すの忘れてましたね。それもこれもゆいあず&りつみおコンビの(ry
とりあえず私は、預かっていた重箱を元の持ち主である憂ちゃんに返す。


「憂、私も手伝うよ」


憂ちゃんとセット扱いの純ちゃん。当然お手伝いに名乗りを上げた。


「ありがとう純ちゃん。それじゃあお皿用意してくれる? 鞄に紙皿入ってるから」
「おっけー!」


そんな感じで、二人仲良くお弁当の準備に取り掛かっていくのだった。


(ホント、二人とも仲良しね。にやにやが止まらないわ♪)


仲良きことは素晴らしきかな。
そんな風に二人のやり取りに笑みを浮かべながら。
さて私も――と、今度こそ下準備に掛かろうとした矢先――。


「やっぱりお酒だったんですね…」
「な、なんでそんなに呆れた顔してるのよぅ…」


ふいに、和ちゃんとさわ子先生の会話が耳に入り込んでくる。
準備をしたいのはやまやまだが、実況を怠ることができないのが傍観者のつらいところ。
私は仕方なしに二人に目を向け、耳を傾ける。


「わ、私は大人なんだからお酒飲んだって文句ないでしょ」


二人の会話を聞く限り、どうやら少し揉めているご様子。
どうやら、さわ子先生が持ってきたクーラーボックスにはお酒が入っていたようだ。
重い重いと言って運んでいたクーラーボックスを開いて、溜息混じりの和ちゃん。
呆れてものも言えないって感じで、やれやれと首を横に振っている。


「はぁ…」


さわ子先生の物言いに溜息一つ。
あんまり溜息ばかりついてると、幸せが逃げちゃうんじゃないだろうか。
ただでさえ生徒会長に任命されて気苦労も多いだろうに…。


「ぶぅー!なによー。ダメなのぉ?」


対するさわ子先生は、和ちゃんの反応に唇をタコみたいに尖らせブーブー言っている。
ここでダメだと言い返されたら、どうするつもりだろうか? と少し思ったけど。
なんとかそれは杞憂に終わったようだ。


「別にダメなんて言ってません。未成年ってわけじゃないですし。単に予想通りすぎて呆れてただけですよ」
「あら? 意外ね。てっきりダメだって言われるかと思ったのに」


さわ子先生としてはダメだしを食らう覚悟があったらしく、驚きに目を見開いている。
その様子に、クスっと楽しそうな笑顔を浮かべる和ちゃん。
めずらしく見るその笑顔に、どうして写真に収めておかなかったのかと、あとあと悔いが残った。


「車で来てるなら迷わず止めましたけどね。でも今日は電車ですし、いいんじゃないですか」
「さ、さすが和ちゃん…私は今猛烈に感動しているわ!」


感動の余り、さわ子先生の笑顔には後光が差し込んでいた。パァーっと輝かしい。
これで心置きなくお酒を飲めるかと思うと、面白くて仕方がないのだろう。
よく父も言っていた。お花見のような宴会の席にはお酒がセットなのだと。


「何なら和ちゃんも飲んでみる?」


いや、さわ子先生?
私達まだ未成年ですからそれはさすがにどうかと思うんですけど…。


「結構です。ていうか、仮にも先生なんですから生徒にお酒を勧めないでくださいよ」


当然といえば当然だけど。断る和ちゃん。


「か、仮にって…。わ、私は仮じゃなくても先生です!」


そう言ってぶーたれるさわ子先生と「なら先生らしくしてください」と続ける和ちゃん。
私はただ苦笑するしかなかった。何だかんだ言って、やっぱりこの二人は結構いいコンビなのかもしれない。




(っと、いけないいけない…。私も早く準備しないと!)


観察に夢中ですっかり忘れていたが、未だに私自身の荷物は肩からぶら下がったままだった。
大きめのボストンバックがいやでもその存在を主張している。何が主張って。まずはその重さ。
正直言って、私の荷物に比べたら重箱なんて物の数にも入らないほど軽かった。
軽く見積もっても、私の荷物はお弁当の2倍近くはあった。あったけど――。
私にとっては別に苦にはならない重さ。
これならまだ軽音部で使っているアンプの方がまだ重い。


(えーと…場所はどこがいいかしら?)


キョロキョロとあたりを見回して、地盤のチェックを行う。
なるたけ平らなところが望ましかったので、それらしいところに目星をつけてその場を一旦離れた。
肩から提げられたボストンバックをよいしょっと担ぎ直して歩き出す。
離れると言っても、距離的にはみんなから5mも離れてはいない。

バックを肩から下ろし、チャックを開く。
中から機材を取り出し足りないものがないかチェックする。


「完璧ね」


あまりの完璧さに、思わず「ふっ…」と、不敵な笑みを浮かべる。
来る前に事前にチェックしていたのだから問題があるはずがないのは言うに及ばず。
バックの中から取り出されたのは、ビデオカメラと固定するためのスタンドだった。
数は3台ほど。1台ではさすがに足りないんじゃないかと思って多めに持ってきたのだ。
何をするために持ってきたかって? そんなの決まっている。火を見るより明らかだ。
そう、それはお花見ならぬ百合見を一瞬たりとも撮り逃さないため。それ以外に理由はない。
何せ今日は9人という大所帯。何があってもおかしくないのだ。

備えあれば憂いなしとは、きっとこういうことを言う。
いつだって何があるか分からないのが百合と言うものだし。
準備しておくことにこしたことはない。
しかも今日は憂純という新たなカップリングに出会えた最良の日。
きっと何か素敵な事が起こってくれるに違いないと、私は今からドキがむねむねです!

手になじむビデオカメラをその手に。
それは百合と言う名の生き甲斐を見つけ、約半年間の青春を共に駆け抜けてきた私の分身。
これからも共に歩んでいくであろう我が友にして永遠の同志。
私の人生において必要不可欠のアイテムなのです。


「ここをこうして…」


まず、スタンドを開き地面に設置した。
それからカメラをスタンドに固定して準備は万端。
これでどんな些細なリリィも取り逃さない。


「1カメよし。あとは2カメと3カメですね」


よいアングルで――というのはカメラマンにとって永遠のテーマだろう。
私もカメラマンの端くれ。妥協は一切許されない。

とりあえず私は、レジャーシートを中心にトライアングルを描くようにカメラを設置した。
設置し終わると同時にりっちゃんがこちらに寄ってきて。


「おいムギ、なんでビデオカメラなんか設置してんだ?」


どうやら不思議に思われたようでそんな事を聞かれた。
私はコホンと咳払いをして、得意げな顔を作る。
今日の私は一段と輝いていた。


「うふふ♪ 折角のお花見だもの。思い出に残しておかないとね」
「おーなるほど!さすがムギ!いつか大人になったときに見て懐かしもうってことか?」
「そうそう!さすがりっちゃん。分かってるわ~」
「いや~そんなに褒めんなよぉ~。照れるぜ!」


あははっと軽快に笑いあう私とりっちゃんを余所に。


「なんだか…話が噛み合ってるようで噛み合ってないと思うのは私だけか?」


怪訝そうな顔で私達をジーッと見つめていた澪ちゃんがそんなことをボソッと呟いていた。
残念ながらその呟きは春風とともに掻き消され、私達の耳には届いていなかった。


私としては聞かなかったことにしたとも言いますけどね。うふふ♪




―次へ―
[ 2010/09/25 22:53 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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