とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆいあず!!シリーズSS EP02 『桜華狂咲 #4 ~桜を見に来たのか百合を見に来たのか、それが問題だ~』

※追記からどうぞ!


「そういえばあの二人はまだかしら?」


そろそろ移動しようと考えた私の頭によぎったのは、いまだに到着していない人物のことだった。
後ろを振り向いて階段のほうに目を向けるが、残念ながら待ち人は来ず。


「あの二人って…和さんとさわ子先生ですか?」
「ええ」
「もうそろそろ来るとおもいますけど…って、あっ!来ましたよ」


憂ちゃんが指差した先に、見慣れた顔が階段からひょっこりと顔を出す。
和ちゃんだった。和ちゃんの上半身だけが階段から見えていた。


「ほら先生、あと少しですから頑張ってください」
「ひ~ん…私みたいな年寄りにはこんな階段は辛いのよ~。って誰が年寄りだってー!私はまだ若いわよ!ぜんぜんイケルわよ!」


声はするけど姿は見えず。
さわ子先生は相変わらず階段を上るのに苦戦しているらしい。
和ちゃんはそんな先生に付き添っていた。
さすがに一人置いていくのはかわいそうだからって。


「はぁぁ~…」


和ちゃんはさわ子先生のノリ突っ込みに、盛大な溜息をつく。
それから「やれやれ…」と頭を押さえて首を振る。


「…自分で言って自分で突っ込まないでくださいよ…ほら、クーラーボックス持って上げますから貸してください」
「あ、ありがとう和ちゃん。さすが生徒会長ね!」
「生徒会長はあんまり関係ないと思いますけど…って、重っ…な、なんでこんなに重いんですかこれっ…!」


さわ子先生から大きなクーラーボックスを受け取った和ちゃんは、その重さに耐え切れず、体勢を崩す。


「うふふ、それは大人の秘密よ和ちゃん!」


手ぶらになったさわ子先生は今までの疲れを感じさせないような足取りで階段を駆け上がり、階段を上り終えた。
ていうか、さわ子先生が遅れていた原因は主にそのクーラーボックスのせいだったようだ。
一体何が入ってるんだろうか…。


「…いや、まぁ何が入ってるかは大体想像つきますけどね…」


どうやら和ちゃんは中身が何なのか分かってしまったようだ。すごい。
透視能力でも持ってるんだろうか?

和ちゃんは、はぁ…と溜息を一つついてクーラーボックスを肩に担いだ。
和ちゃんもさわ子先生の後に続くように残り数段の階段を上り終え。
それから私達が集まっている所まで歩いてくると、みんなと同じように足を止めた。
当然他のメンバー同様、目の前の景色に圧倒され微動だにできなくなる。
これで全員が同じ反応を示したわけだ。


「な、何よこれ…すごい所ね…」
「本当…って、あれ? 確かここって――」


その時、和ちゃんが何かに気付き声をあげた。
和ちゃんのその様子に私はハっとした。


「和ちゃん!」


当然私は、和ちゃんが何に気付いたのか分かってしまったので、少し大きな声で和ちゃんに呼びかける。
それからチョイチョイっと手招きすると、不思議そうな顔で私の方に寄ってくる。
後ろを向いて、お互いの顔を寄せ合って、みんなには聞こえないようにボソボソと話す。


「どうしたのムギ? って、それよりこの場所って――」
「あはは、やっぱり和ちゃんは知ってるのね」
「そりゃそうよ。すごく有名なところじゃない。見た感じ、みんなは気付いてないみたいだけど」


和ちゃんは、相変わらず景色に圧倒されっぱなしのみんなを一瞥するとそう言う。


「うん。だからみんなには言わないでおいて。気を使わせちゃうとあれだし」
「そう…分かったわ」


私の心情を察してくれたのか、和ちゃんは微笑みながら頷く。
やっぱり和ちゃんは大人だなぁと思わずにはいられなかった。


とりあえず、これで全員揃ったわけだ。
私は次の行動を起こそうと、みんなに目を向けて手を叩く。
パンパンっという軽快な音が春風と共に消えていく。
それでもみんなには効果があったようで
それぞれ正気に戻り、現実の世界へと戻ってくる。

全員の視線が私に集中した。
私を除いた16個の目玉が一斉に私を貫く。
一瞬言葉が詰まりそうになるが、一度コホンと咳払いをして。
それからみんなの顔を見回し、ニッコリと優しく微笑みかける。


「ここでじっとしてるのも時間が勿体無いし、お花見の準備しちゃいましょう! ちょうどお昼だし、憂ちゃん御手製のお弁当が待ってるわよ♪」


そう言って憂ちゃんから預かっていた5段重ねの重箱を見せ付けると――。


「憂ちゃんの…」
「お弁当…」


りっちゃんと唯ちゃんを筆頭に、みな一斉にゴクリっと喉を鳴らした。
中には今にも涎を垂らしそうなものもいるくらいだ。
おまけに目がらんらんと輝いている。
みんな予想通りの反応で何より。
私は思わずおかしくなって笑ってしまった。

しかしみんなの反応は至極正常と言える。
ちょうどお昼ご飯の時間帯というのもあるけど、今の今まで長い道のりを歩き、絶壁とも言える階段を上ってきたのだからお腹だって空いて当然だった。
もちろんそれだけじゃなく、それを可能にするのが憂ちゃん御手製と言う名の質量兵器。
それほどまでに憂ちゃんの料理というのはみんなを虜にしてやまないのだ。
一度食したことのあるものなら誰もが分かってる。
もちろん私もその一人。
食べたら間違いなくほっぺが落ちること必至。

家のコックにも是非とも見習わせたいくらいなのだが…。
もちろん私は、料理というものが一朝一夕でどうにかなるものじゃないことを理解している。
料理とは1に愛情、2に愛情、3,4も愛情、5に愛情。
まさに愛情の塊。
腕や技術よりもまずは愛情だ。
それこそが料理の真髄にして本質。
憂ちゃんはきっと、料理をしながら食べる人の笑顔のためにありったけの愛情を注いでいるのだろう。
しかも憂ちゃんの場合、愛情だけじゃなく料理の腕も超一流。
これでは美味しくなって当たり前だろう。
そんな料理を毎日当たり前のように食べている唯ちゃんは、実はこの世で一番幸せものなんじゃないだろうかと私は思ってしまう。
羨ましくて仕方がありませんね。

憂ちゃんは「あはは…」と苦笑気味でポリポリと頬をかいていた。
照れた表情なのがまたベリーキュート!可愛いですね。

お弁当の重箱をじーっと見つめる面々。
一番先に行動を起こしたのはりっちゃんだった。
零れ落ちる涎を服の裾でゴシゴシと拭うと「よし!」と気合を入れる。


「いつまでもボーっとしてないでみんな準備しようぜ!」


その言葉にうんうんと頷く澪ちゃん。


「そうだよな。憂ちゃんのお弁当早く食べたいし。早く準備しちゃおう」


桜の景色に一番圧倒されていたというのに、今はまったくそれを感じさせない。
桜の感動よりも、今はお弁当を食べたいという欲望の方が勝ってしまったのかもしれない。



「うむ! さすが澪、軽音部一の食いしん坊だな!」
「そうそう――って、誰が食いしん坊だ!!」


りっちゃんの不用意な一言に、一瞬笑顔で頷きそうになるも、途端にハッとして激昂する澪ちゃん。
間髪いれずにりっちゃんの頭に拳骨が飛んだ。

ゴツンっ!


「あいた!」


鈍い音が響き渡り、それに合わせてぷくーっと膨らんだタンコブが実に痛そうだった。


「な、何も殴らなくてもいいじゃんかよー! 澪のおたんこなす!」


タンコブをさすさすと撫でながら、涙目で言い返すりっちゃん。


「自業自得だ。失礼なこと言うからだよ。それに食いしん坊なのはどっちかっていうと律の方だろ?」
「にゃ、にゃにおー!」


今にも取っ組み合いになりそうな二人を他所に置いてけぼりの私達。
でもいつもの光景と言えばいつもの事なので誰もそれを止めようとはしなかった。
それどころか、どこか温かい眼差しでそれを見つめる目玉が14個。
ケンカするほど仲がいいっていうのは、この二人のためにあるような言葉だった。

私はポケットからデジカメを取り出した。


(ハイ、チーズ!)


心の中でそう言って、ギャーギャーと言い争いをしている二人の様子をカメラに収めるべくシャッターをきる。


パシャっ!


撮った写真を見つめながら私は、今日はいい日になりそうだなぁとクスっと笑みを浮かべた。
桜のお花見もよかったが、私としてはこっちのお花見も捨てがたかった。
もちろん百合の花という意味で。

そんな風にりつみおコンビを生暖かい目で見つめていると、私の乙女アンテナが強力な百合電波をキャッチした。
それはもちろん、百合の筆頭にして世界の中心。
ゆいあずコンビである。


「憂のお弁当楽しみだね!あずにゃん」
「そうですね、いっぱい歩いたからお腹ぺこぺこです。憂のお弁当凄く美味しいですから早く食べたいです」
「うん! でも私的にはあずにゃんのお弁当も最高だよ~」
「っ…も、もう…おだてたって何もありませんからね」
「えへへ~別に何もいらないよぉ。ただ言いたかっただけ~」
「…ばか…でもすごく嬉しいですよ…」


ケンカに夢中のりつみおとは逆に、ゆいあずの方は相変わらずラブラブだった。
唯ちゃんの何気ない褒め言葉に梓ちゃんが顔を赤くするっていうお決まりのパターンが目の前で繰り広げられている。
本当、いつもの光景すぎてニヤニヤが止まりません。

とりあえず私はカメラを構えた。


パシャっ!


すかさず二人のイチャイチャをカメラに収めておく。
収めずにはいられないのがこの二人であるからして。


(ふぅ…憂ちゃんのお弁当を食べる前にお腹いっぱいになっちゃいそうですね…これじゃ)


でも大丈夫ですよね。
憂ちゃんの料理は別腹っていいますし――と、思ったまさにその時
もう無いと思っていた百合電波をビビビッとキャッチする。
ギュンっという音を立てて電波の発生源に首を向けると、そこには憂純の二人。
やれやれ、休む暇がありませんね。
何だか、私ばかりお花見を楽しんでるみたいで気が引けます。

でも後に引けないのが私の生き甲斐だった。


「ねぇねぇ憂! お弁当に玉子焼き入ってる?」
「うん。もちろん入ってるよ」
「やっりー♪」
「そんなに食べたかったの?」
「まぁね。憂の玉子焼き、私好きなんだよね。ホント美味しいもん。毎日でも食べたいくらいだよ」
「そ、それはさすがに言いすぎな気がするけど…でも凄く嬉しいよ。そ、その…じゅ、純ちゃんさえよければ…まいにちでも…」
「え? 何?」
「う、ううん…な、何でも…」


さすが期待のホープ。
憂純も中々のラブラブッぷりで、私も鼻の下を伸ばさずにはいられません。
もしかして純ちゃん、遠まわしにプロポーズしてます? 私のために毎日玉子焼きを作ってくれ、みたいな?
しかも憂ちゃんも満更でもないご様子…。もじもじしながら頬を染めるその姿は破壊力満点です。
さすが唯ちゃんの妹と思った私はとりあえず――。


(もう結婚しちゃえよおまいら!)


と、自前の沢庵を輝かせながら心の中で叫んでおいた。
それともう一つ忘れちゃいけないのが写真撮影。
ピントを二人に合わせて、シャッターをきる。


パシャっ!


今日から観察対象になったこの若いカップルもカメラに収めておかないと死んでも死にきれません。
まだゆいあずの様な熟年夫婦には程遠いけど、この二人も新婚ホヤホヤな感じが出ていてグッジョブです。
つまりニヤニヤが止まらないってことですわーwww


「ムギ…あんたさっきから何ニヤニヤしてるのよ? 正直そのニヤケ面怖いわよ?」


ごめんなさい和ちゃん。
たとえ女を捨ててでも、引くに引けない戦いというものがあるのよ。


「何を言ってるのか全然分からないわ…それより、シートはどこに敷いたらいいかしら」
「え? そうね…うーん…どこに敷いてもお花見には問題ないけど…」
「確かに…これだけ桜の木が立ってればどこに敷いてもいっしょよね…。じゃあ適当でいいわよね?」
「うん。お願いね和ちゃん」
「まかせて」


和ちゃんはフっと笑みを浮かべると、荷物の中から大き目のレジャーシートを取り出して桜並木に向かって歩き出した。
だが、和ちゃんは何かを思い出したように「あ…」と声を上げると突然ピタっと立ち止まって振り向いた。
その視線の先にはさわ子先生。


「さわ子先生も暇なら手伝ってください」


そう言いながらニコッと微笑む和ちゃん。
その笑顔は何故か黒く感じた。
さわ子先生の方も何でか分からないけど、ぷくーっとほっぺを膨らませる。


「暇ならって…何だか和ちゃん、生徒会長になってから毒舌になったわね…」
「あ、そんな事言っていいんですか? 今すぐこのクーラーボックス放り捨てますよ?」
「ぎゃー!それだけはやめてー!」
「ならいいですね?」
「わ、分かったわよ。この私に頼むからには泥舟に乗ったつもりでどーんと任せなさい!」


そう言って胸を張りながら仁王立ちのさわ子先生。


「…やっぱりいいです…」


和ちゃんはハァっと溜息を一つついて、前を向いてスタスタと歩き始めた。


「なんでよー!」


涙目になりながら和ちゃんの後を追うさわ子先生。
二人のやり取りは、なんて言うかコント見たいだなと私は思った。
以外にいいコンビなのかも、と思っていた私を他所に二人は一足先に桜並木に消えていった。


「それじゃ私たちもそろそろ行きましょうか」


その言葉に返事を返したみんなは、それぞれ荷物を手に持って。
風に舞う桜吹雪を楽しみながらゆっくりと歩き始めた。

今日は一生の思い出に残るようなお花見にできたらいいなと私は思う。
何せ今年最後、いや高校生活最後のお花見となるのだから――。



―続く―



【あとがき】
途中までですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
後編は長さ的に無理だったので、やっぱり#で分けることにしました。
前中後で終わるはずだったんですが…書き始めると思いのほか長くなるのはいつものことですね。
というわけで相変わらずの焦らしプレイですが、もうしばしお待ちくださいませ。
たぶん、次で終わるとおもいますが、今までの状況から大丈夫だと言い切れない私がいます…。

さて次は当然、前編…というか今は#1ですが、冒頭の意味深なアレの理由がわかるわけです。
では次回にまた!

[ 2010/09/13 23:55 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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