とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ゆいあず!!シリーズSS EP02 『桜華狂咲 #2 ~桜の樹の下には死体が埋まってると誰かが言った~』

※追記からどうぞ!



「そうだ、お花見しよう」


りっちゃんのアンパン面に笑い転げていたのはついさっきまでの話。
みんな笑い疲れたのか、今ではいつもどおり静かなティータイムを各々満喫していたのだが。
そんな中、チョコケーキを頬張り、もぐもぐと美味しそうに食していたりっちゃんが突然そんな事を言い出した。

それは何の前触れもなく発せられた言葉で、まるで今思いついたと言わんばかりに唐突だった。
しかもりっちゃんの場合、たぶん本当に今思いついたことなんだろう。
りっちゃんのそれは、まさに一瞬の閃きである。


「は? 何だって?」


りっちゃんと長い付き合いであるはずの澪ちゃんですら、その刹那の閃きにはついていけない。
何を言っているのか分からないといった感じで、怪訝そうな顔をする。
もちろんそれは澪ちゃんだけでなく、唯ちゃんや梓ちゃん、それに私も同じだった。
それぞれりっちゃんの顔を不思議そうな顔で見つめていた。


「だーかーら! お花見しようぜ! お花見!」


大事なことだから2回言ったといわんばかりに得意げのりっちゃん。


「…あの、そんな京都行こうみたいに突然言われても…」


そんなりっちゃんに対して、ようやく言葉の意味を理解したのか、梓ちゃんが呆れ顔でやれやれと溜息をついた。
澪ちゃんも梓ちゃんに同意見なのか、納得の表情でうんうんと首を縦に振っている。


「なんだよお前ら! お花見したくないのか?」
「いや、別にしたくないとは言ってないけど…」
「それによく考えたら私ら、お花見って一回もやったことないじゃん!」
「…えーと…そういえば…確かにそうね」


私は目を閉じ、うーんと唸りながら記憶の糸を辿った。
確かによくよく思い出してみると、この2年間、一度もお花見というものをやっていなかった気がする。
気がする…じゃなくて間違いなくしていない。私の記憶力がそう告げている。
1年前に梓ちゃんの歓迎会をしたけど、あれはピクニックであってお花見とはまた違うし…。

さてどうしたものかと、各々考え込んでいると――。
さっきまで会話に参加していなかった唯ちゃんが、突然ビシッと元気よく挙手した。


「私はいいと思いますりっちゃん隊員! お花見しようよお花見!」


声を荒げて、りっちゃんの言葉に賛成の意を唱えた。
そのくりっとしたつぶらな瞳には無数の星が飛び散り、きらきらと光輝いている。
お花見したくて堪りませんって感じがよく出ている。


「おおっ!さすが唯! 我が同士よ!」
「りっちゃん!」
「唯!」


そうして目と目でお互いの気持ちを確認し合った二人は、喜びを分かち合うためひしっと抱き合う。
体をこれでもかってくらい密着させ、上下に擦りあっている。何だか1年前の合宿を思い出した。
あの時も二人は無人島ごっこで抱き合っていた気がする。

まるでコントみたいなやり取りではあるが、これを黙って見ていない人間がいるのも当然と言えば当然である。
1年前の合宿の時期ならいざ知らず、昔と現在では状況がまるで違う。
それは唯ちゃんと梓ちゃんが恋人同士だったか否かの違いだ。

唯ちゃんとりっちゃんを睨みつける目玉が二つ存在していた。

それは言わずもがな唯ちゃんの嫁、梓ちゃんの目玉である。
梓ちゃんは額に青筋を立てて、負のオーラを漂わせていた。
その不吉オーラにいち早く敏感に感じ取ったの澪ちゃんだった。
当たり前のように「ひっ!」と悲鳴を上げると、ぶるぶると体を震わせる。
それどころか恐怖のあまり顔が真っ青になって「ミエナイミエナイ…」と念仏のように唱え始める。
恒例といえば恒例だけど、あまり澪ちゃんを怖がらせないで欲しいと私は思う。
とは言え、何だかんだで私も澪ちゃんを怖がらせている一人なので人の事は言えないんだけど…。

只ならぬ妖気を感じ取った唯ちゃんとりっちゃんは、鬼太郎ばりにビビっと不吉電波をその身でキャッチすると
恐る恐る、梓ちゃんの方に顔を向けた。ギギギっとまるでブリキのおもちゃみたいに軋んだ音を立てながら…。

その視線の先には、まごうことなき魔王が存在した。

逆立ったツインテールが鬼の角にしかみえないのはこれいかに。
魔王というより鬼神と言えなくもないが、どちらも恐怖の象徴と言う意味ではあまり変わらない。
管理局の白い魔王ならぬ軽音部の黒い魔王とは彼女のことです…なーんて言ってみたりして♪
と、冗談はこれくらいにして。

その魔王の顔を見た二人は、その鬼のような形相に恐怖した。
あまり余ってビクッと体を震わせると、顔を引きつらせる。
額には汗が滲み、頬を伝ってダラダラと流れていた。


「あ、あの…梓さん?」
「あ、あずにゃんさん?」


相変わらず抱き合ったままの二人。
恐怖に顔を引きつらせながらも、恐る恐る梓ちゃんに声をかける。
それが死刑執行へのカウントダウンだとも知らずに…。


「律先輩…」


梓ちゃんはドスの効いた声でりっちゃんに声をかける。


「は、はひっ…なんでございましょう…! 中野様!」
「…なに人の女にちょっかいかけてるんですか? 唯に抱きついていいのは私だけなんですよ? もちろん分かってますよね?」
「も、もちのろんです!」
「で、分かっているならいつになったら離れるんでしょうねぇ…。あぁ、もしかして私に見せつけてるんですか? そんなに私に頭を噛み砕かれたいんですか?」


梓ちゃんは凄みのある顔でりっちゃんに迫っていく。
今すぐにでも離れないと、その光り輝くオデコを血で染めると言わんばかりに、狂気に染まった笑みを浮かべる。
正直言って、怖い。この私ですら恐怖を覚えます。何という殺気でしょうか。
これが噂に聞くアレですね。不吉を届けに来るブラックキャットというやつなんですね。

りっちゃんは梓ちゃんの一言にハッとして「やべっ!」と今更ながらに自分の失態に気付いた。
その瞬間、残像すらも見えるような超スピードで一瞬にして唯ちゃんから身を引いた。
それによって、ようやく梓ちゃんの負のオーラが弱まった…ような気がしたが…。
しかし当然それで終わるなら苦労はしない。今度はその矛先を嫁である唯ちゃんに向けた。
梓ちゃんは首だけぐるりっと回して唯ちゃんを見ると、ニッコリと穏やかな笑顔を向ける。
でも、笑っているはずなのに全然笑っていないと思ったのは私だけだろうか…。


「唯?」
「は、はい! 何でございましょうかあずにゃん様!」
「私以外に抱きついた罰として、3日間エッチ禁止です」
「が、がーん! そ、そんなぁ~。許してよあずにゃ~ん…」
「知りません!」


唯ちゃんは慌てて懇願するが、梓ちゃんは聞く耳持たずといった感じでプイッと顔を逸らした。

さすが梓ちゃんですね。1週間や1ヶ月と言わずに3日間の短期とは…。
たぶん、自分のことも視野にいれての期間なんでしょう。
梓ちゃん自身、3日間が限界ということですか。
なるほど納得です。


(ていうか、ちょっと待ってください!!)


今、確かに梓ちゃんはエッチと。エッチと言いやがりましたよね?
エッチってつまりアレですよね? いわゆる一つのSEIKOUIってヤツですよね?

桃色パラダイスな妄想に耽っていると、途端に私の鼻からつつーっと血が垂れるのを感じた。
しかし先の事もあるので、確認の意味を込めてチラッとりっちゃんと澪ちゃんの顔を見た。
お互いバツの悪そうな顔で頬を朱に染めているところを見ると、さっきのセリフは聞き間違いではないようです。

それは恋人同士の知られざる実態が明らかになった瞬間だった。
まぁ、知られざると言っても、そう言うことをしていることは周知の事実だったりしますけど。
特に澪ちゃんは、その瞬間を肉眼で確認してますしね。うらやましい限りです。


「とっ、とりあえずそれはいいとして! お花見だよお花見! お花見のこと決めよーぜ!」
「そ、そうだな! お花見だったよな! え、えーと…」


さすがりっちゃんと澪ちゃん。息もぴったりで、強引に話を変えていった。
私としては、もう少し二人の性活について知りたかったのですが…。
まあ仕方ありません。どうせICレコーダーを持ってきていないので録音は出来ないですし。


「どこかお花見できる場所ないかなー。澪は知ってるか?」
「うーん…。少しは知ってるけど…でも今はどこもかしこもお花見客で一杯だろうし、空いてなさそうだ…」
「そうだよなー…そろそろ桜も散る頃だろうし…」


うーんと腕を組みながら考え込むりっちゃんと澪ちゃん。どうやらいい案は浮かばないようです。
二人の言うとおり、今のこの時期はどこのお花見スポットもお花見客で賑わっているだろう。
それに窓の外から見える桜が散り始めているところを見ると、見頃はよくて今週中。
来週の初めから半ばくらいには完全に桜も散ってしまうだろう。
そうなると、お花見ができるのは今週末、土曜日か日曜日のお休みだけということになる。
その日を逃せば、今年中にお花見をするのは無理になってしまう可能性が高い。


「やっぱ無理かなぁ…したかったなぁーお花見…」
「律…」


しょぼーんと落ち込むりっちゃんを見ているのが忍びなくて、自分も何かいい案はないかと考えてみる。
ようはお花見を出来ればいいのだ。
他のお花見スポットが人で一杯になっているのなら、人がいないスポットにいけばいい。
今の時期、人がいないお花見スポットなどあるのかと問いたくなるが――。


「あっ!」
「ん? ムギどうした?」


思わず声を上げてしまった私に、澪ちゃんが不思議そうな顔で声をかけてくる。
私はコホンと咳払いして、りっちゃんと澪ちゃんの顔を見やりながら口を開く。


「そのね、もしかしたらお花見できる場所、確保できるかもしれないの」
「え!ほ、ホントか!」


思いがけない言葉に、りっちゃんの目がくわっと開かれた。
そんなりっちゃんに「ええ」っと笑顔で返した。


「実は琴吹の私有地に要人御用達のお花見スポットがあるの。そこを使わせてもらえれば何とかなるはずよ」
「おおーっ! さっすが生粋のお嬢様だな。そんなとこがあるのか!」
「ええ。私も子供のころは何度かそこでお花見したことがあるから」
「で、でもいいのか? 要人ってことは偉い人専用ってことだろ? そ、それにその場所だって使われてるんじゃ…」


ノリノリのりっちゃんとは違い、少し遠慮がちの澪ちゃん。


「ふふ、そこは問題ないわ。私が言えば二つ返事でOK貰えるはずだから。これでも私は琴吹の人間だし。それに1週間くらい前にそこで大きなお花見の宴会が行われたって聞いたから、たぶんもう誰も使わないはずよ。使うって話も聞いてないし」
「で、でも…」


それでもなお、澪ちゃんは納得のいかない顔をしていた。


「澪ちゃん…私だって最後の高校生活にみんなとお花見できたらいいなって思うの。きっと最高の思い出になるわ。だから気にしなくていいのよ? それにみんなとお花見するの夢だったし」
「う…そんな風に言われたら断れないじゃないか…」
「うふふっ♪ それじゃあ決まりね」


なんとか澪ちゃんを説得することに成功した。
そうと決まればと思って、ブレザーのポケットから携帯を取り出した。
一応、その場所が使用可能か確認しなくちゃいけないから。

私は電話帳から執事である斉藤を選び、電話をかけた。
2、3コールの後、相手が電話に出る。当然相手は斉藤だ。


「あ、斉藤? 実はお願いがあるの。ええ、それで――」


私は執事の斉藤にかくかくしかじかと用件を的確に伝えていく。
その様子をりっちゃんと澪ちゃんは緊張した面持ちで見つめていた。
それからほどなくして――。


「――そう、分かったわ。ありがとう。お父様には私から話しておくから。それじゃあ日程は今伝えた通りでお願いね」


通話が終わり、ピっと電源ボタンを押した。


「…ど、どうだった…?」


電話が終わって早々、りっちゃんが恐る恐る聞いて来る。
その隣で、澪ちゃんが瞳を揺らしながらゴクリと息を飲んだ。
そんな二人に、私はニッコリと笑顔を見せた。


「OKよ♪ ゴミの片付けをしっかりしてくれれば全然問題ないって」
「おおーやったぁ! さすがムギ、頼りになるぜ!」
「よ、よかった…」


それを聞いたりっちゃんはグッとガッツポーズ。
澪ちゃんはハァっと安心したように溜息をついた。


「それにしても…ムギって本当にお嬢様なんだなぁ。改めて思い知ったよ。本当にありがとなムギ、いつもいつも…」
「そうだな、合宿のときの別荘といい。ホント、感謝してもしきれないぜ」
「そ、そんな…」


澪ちゃんの言葉に、りっちゃんも納得の表情で頷いている。
なんだかそんな風に改まってお礼を言われると無性に恥ずかしくなってしまう。
私はただ、みんなに楽しんでもらえたらって思っているだけだし。

とりあえずいつまでも照れているわけにもいかないので、コホンと咳払い。
それからまだ伝えていなかったことを二人に説明する。


「えーと。お花見の日程は今週末の日曜日ってことにしておいたから。みんな大丈夫よね?」
「おぅ、もちろん大丈夫だぜ」
「私も全然大丈夫だよ」
「そう、よかった。あとは唯ちゃんと梓ちゃんなんだけど…」


二人にもお花見の日程が決定した旨を伝えようとした。
しかし――。


「いいですか唯! 貴女はいっつも無防備すぎるんです! もう少しは危機感というものを持ってください!」
「は、はいぃ…しゅみましぇん…」
「そんなにふらふらしてると、いつか私も愛想尽かしちゃうかもしれませんよ!」
「そ、そんな!? それだけはご勘弁を~」


視線の先には、プンプンとお怒りモードの梓ちゃんと、しょんぼり落ち込んでいる唯ちゃん。
唯ちゃんは正座して、仁王立ちの梓ちゃんのお説教を一身に受けていた。


「ていうか、まだ続いてたのかよ…」
「よくやるなぁ…。ホント…昔の梓が懐かしいよ…」
「あらあら…」


りっちゃんも澪ちゃんもさすがに呆れ顔でハァっと大きな溜息をついていた。

それからすぐさま澪ちゃんが止めに入って、ようやく梓ちゃんも正気に戻ったわけで。
やっと解放されたとホッとしていた唯ちゃんは、澪ちゃんを命の恩人を見るようなキラキラした眼差しで見つめていた。
その唯ちゃんの様子から少し嫌な予感がして、たらりと冷や汗が頬を伝ったのも束の間。
結果から言えばその嫌な予感は見事に的中。
喜びを体でしか表現できない唯ちゃんは、当たり前のように澪ちゃんに抱き付き、その豊満な胸に頬擦りしたのです。
その先がどうなったかなんて、火を見るより明らかですよね…。

唯ちゃんには、ぜひともKYという言葉を覚えて欲しい…そう願わずにはいられなかった今日この頃。



とにもかくにも、軽音部によるお花見が開催されることになったわけですが…
その日が私にとって運命の日になることなど、今の私には知る由もない――。




―続く―





【あとがき】
まずは後編じゃなくてごめんなさいと謝っておきます、ペコリ。
文章量が多すぎて後編だけにすると20kオーバー確実なので、どうすることも出来なかったのです。
とりあえず、切りのいいところまでです。本当に切りがいいところなのでw
後編は当然、軽音部によるお花見が開催されます。けいおんオールスターズ登場です…もち純ちゃんもw
では後編で!

[ 2010/08/30 23:50 ] 未分類 | TB(0) | CM(1)
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[ 2010/09/01 02:20 ] [ 編集 ]
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