とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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唯梓SS 『私は私の道を逝く! byあずにゃん』

※拍手お礼SS15

※追記からどうぞ!


「さぁ~ギー太ぁ、今日も綺麗にしてあげるからねぇ~」


唯先輩はギー太が大好きである。
いや、愛していると言っても過言じゃない。
添い寝をしたり、服を着せたりなどなど。
大事にするベクトルは違うけど、ギー太にありったけの愛情を向けているのは確かだ。

まさに「ギー太にくびったけ」である。

しかもここ最近では、前にも増してギー太にご執心で、それはもう周りが羨むほどの熱愛ぶり。
もしギー太が人間だったら間違いなく恋人だったかもしれない。
いや、今のままでもすっかり恋人気分だ。
やれやれ…困った人です。


「拭~き拭き拭き~♪」


そんな唯先輩は今、ギー太に話しかけながら、鼻歌混じりにその輝かしいボディをきゅっきゅっという音を立てて磨いてる。
拭くたびに「おおー綺麗だね~」とか「どこか痒いところはありませんか~」なんて事を延々と喋り続けている。
傍目から見てたら、絶対おかしな人だ。
何が痒いところですか。ギターに痒いところがあってたまりますか。
まったく、唯先輩の感性は相変わらず理解できない。


「唯は相変わらずだなー」


ティータイム真っ最中だった律先輩は、そんな唯先輩を見て「やれやれ」と言った感じで、呆れ顔で呟く。
でもその表情はどこか優しくて、まるで娘を見守るお父さんのような顔だった。


「まぁいいんじゃないか? 楽器を大切にするのはいい事だと思うぞ」

「そうね~、私たちも見習わないと!」


律先輩の言葉に反応したのは澪先輩とムギ先輩だった。
こちらもティータイム真っ最中で、優雅に紅茶なんぞを啜っている。
この二人もギー太を大切にする唯先輩に好意的な眼差しを送っていた。
澪先輩はまるで姉が妹に向けるような視線で。ムギ先輩に至ってはお母さんみたいだ。


「ま、そうなんだけどな」


律先輩は二人の言葉に同意すると、ニカっと、まるで向日葵が咲いたような笑顔で笑う。
ギー太を大切にする唯先輩の事を、一家勢ぞろいで、和やかムードで見守っている。

だがしかし。

そんな和やかなムードの中、ただ一人、私だけは無表情で唯先輩の様子を伺っていた。
チラッと横目で唯先輩を見ると、先輩は相変わらずギー太に夢中。
私の方なんて見向きもしない。


(ま、いーんですけどね…)


実際、澪先輩の言うとおり、楽器を大切にすることはいい事だと思う。
それに、唯先輩がギー太に夢中なのは、私にとっても喜ばしいことだった。
何故なら、そのおかげで私へのスキンシップが減っているのだから。

ここ最近では、唯先輩のぬくもりの“ぬ”の字も感じていない。
えーと、最後にスキンシップされたのは…確か二日前だっけ?
そう、時間にして48時間近くも唯先輩に触れられていないのだ。
おかげで私の中の唯先輩分は枯渇状態です。


(うん、いい傾向だよね。正直、鬱陶しいと思ってたところだし)


今までは、毎日のように、それこそ練習中以外はずっと私にべったりだったのに。
ギー太にうつつを抜かしていると、私の方など見向きもしないから。
ホント、ありがたい。
これを期に、どんどん頻度が減ってもらえると助かるかな。
あ。でも一応、唯先輩にこれだけは言っておかないと…。


「あの~唯先輩。ギターを大事にするのはいいんですけど、そこまで楽しそうに話しかけなくても…」


おっと!
この言葉の意味するところを勘違いしてもらっては困りますよ。
別に唯先輩の気を惹きたいと思っているわけじゃないのであしからず。
たんに、いい加減耳障りだと思っただけ。だからヤキモチとかじゃ断じてないのだ。
ギターをお手入れするのに、いちいち話しかける必要なんてないじゃないですか。

どうせ話しかけるなら私に…って…げふんっげふんっ!
いえ…別に何でもないです。今のは聞き逃してください。

唯先輩は私の言葉に反応すると、私の方を向いた。


「え~、別にいいじゃん。自分のギター可愛がっちゃいけないのー?」


そう言って、ブーたれながら私に反論する。
そんな事言われてしまうと、私としても何も言えなくなってしまう。
別に無理に先輩からギー太を引き離そうと思ってるわけじゃないから。
仕方ない…ここは私が我慢するしかないみたい。
私は唯先輩と違って大人ですからね、ここは唯先輩に花を持たせましょう。


「はぁ…分かりましたよ、もう勝手にしてください」

「わーい♪ じゃーギー太ぁ、続きだよ~」


まったく、何が可愛くて可愛くて仕方ないですか…。
それじゃあ、もう私は可愛くないってことですか?
私が猫耳つけるの嫌がるから、先輩…私に飽きちゃったのかな…。
じゃあ、私が猫耳つけたら、唯先輩私の事見て――


(って、何考えてんの! 別に唯先輩に見てもらえなくってもいいもん! 唯先輩の事なんてどうだっていいもん!)


長いツインテールを振り乱しながら、私は頭を振る。

ダメだ…これ以上考えてると頭がおかしくなりそう。
これ以上考えたら私は私じゃなくなる気がする。
何も考えるな、考えたら負けだ。
こういう時は、何か別の事に気を回していた方がいいかもしれない。
そうなると、私がするべきことは…。


「さ、さーて、私もギターのお手入れでもしますかねー」


そう、ここはやっぱり唯先輩と同じく楽器のお手入れしかない。
お茶飲んでると、逆に落ち着きすぎて色々考えちゃうもんね。
こういう時は無我夢中に身体を動かしていた方がいいはずだ。

私は自分のギターであるムスタングこと、むったんのお手入れをするべく席から立ち上がった。


「私のギターはぁ~、ふふふ~ん♪」


鼻歌交じりに楽器をケースから取り出す私。
ケースの中から現れたのは、まごうことなき私のギター。
おお…さすが私の相棒。この燃えるような真っ赤なボディは相変わらず美しい。
今、もっともっと綺麗にしてあげるからね。


「さてと…」


私は拭くもの片手にむったんに手を伸ばしていく。
しかしその時――


「ん~綺麗になったねぇ~。ご褒美にギュってしてあげるよ~」


唯先輩の方から聞き捨てならない会話が聞こえてきた。
先輩はそう言うと、その柔らかいおっぱいの谷間にギー太のネックをぎゅむっと挟み込み頬擦りし始めた。


(っ…!!)


ちょ、ちょっと何やってんですか、唯先輩。
ギー太なんかよりも抱きしめなきゃいけない人がいるじゃないですか!
あなたにギュってされるのを今か今かと待ち望んでいる誰かさんがいるんですよ!…誰とは言いませんが。
それに、その柔らかおっぱいはギー太なんかにはまだ早すぎます!

あーもう!!

いつまでギー太なんぞにうつつを抜かしてんですか!
いい加減にしないと、どっかのネコが噛み付きますよ!


(って、いけないいけない…。落ち着け私…。唯先輩が何に抱きつこうがどうだっていいことです…)


これはダメですね…。
さっきから考えが変な方向にばかり行ってしまってる。
落ち着け私。クールになるのよ梓。平常心平常心…。


(どうだっていい。どうだっていい。唯先輩の事なんてどうだっていい)


私は目を閉じて念仏のように唱えた。
それに今は、むったんのお手入れの最中だったはずです。
唯先輩じゃなくて、むったんだけ見てればいいんです。


「拭き拭き…。おお、さすが私のギターです。この白と黒の妖精さんが、見る見るうちに光沢を取り戻していきます」


まるで買ったときの状態に戻ったみたい。さすが私。お手入れのプロフェッショナルです。
これでこの76人の妖精さんを弾いたら、どんな素敵な音色を奏でてくれるんでしょうか。
これは演奏が楽しみですね。


「あ、あの…梓ちゃん?」

「はい? 何ですか、ムギ先輩?」


私は今、むったんのお手入れで忙しいんです。
話ならお手入れが終わってからにしてください。


「あのね…それむったんじゃなくて、私のキーボードなんだけど…」

「え?」


見ると、ムギ先輩の言うとおり、私はむったんではなくムギ先輩のキーボードを拭いていた。
私のお手入れのおかげか、76個の鍵盤が美しい輝きを放ち、その存在をこれでもかってくらい主張している。


「♪せぶんてぃしっくすきーす ななじゅうろくにんの~ようせい~♪」

「それは私のキャラソンよ、梓ちゃん」


おっと、そうでした。私はじゃじゃ馬でしたね。


「ていうか、待ってくださいムギ先輩。私はいつの間にムギ先輩のキーボードを拭いてたんですか。

 私はむったんを拭いていたはずです。あ、もしかしてムギ先輩、私に魔法でも使ったんですか? 
 
 それは女の子なら誰でも使えるオリジナルの魔法なんですか? それで私を操って自分のキーボードを拭かせたんですね? 

 まったく、お手入れなら自分でしてくださいよ」

「あ、あの…な、何を言ってるのか分からないわ、梓ちゃん」

「…ま、そんな事はどうでもいいんですけどね」

「い、いいのね…ぐすん」


そのぞんざいな扱いに、ムギ先輩がよよよっと泣き崩れる。とりあえず、放置です。
それによく考えたら、そんな事は些細な問題ですよね。
とりあえず、ムギ先輩のキーボードが綺麗になったのでよしとしましょう。
それに、今度こそむったんの出番ですから。


「さ、次こそ。…お、ソファでお寝んねですか。いつの間にソファに置いたんでしたっけ?」


おかしいですね…ソファに置いた記憶がないんですが…。
ま、どうでもいいですかそんな事は。
それよりも早速お手入れです。


「♪ただ~ひとりきりじゃしることなかったぐる~ぶへ~じゃじゃ馬~つれ~て~♪」


機嫌良く持ち歌を歌いながら、私はむったんに手を伸ばしました。
しかし、あとちょっとでむったんに触れようって時に、またもや唯先輩の方からぶつぶつと話し声が聞こえてきたのです。
はぁ、まったく。今度は一体何なんですか?


「あれ~ギー太、弦錆びてるとこあるね。よーし、じゃあ今交換してあげるからね!」


どうやらギー太の弦に錆びを発見したらしく、これから交換するようだ。


「じゃーちょっと我慢だよーギー太。ちゅっ♪」

(――ッッ!?)


唯先輩は、ギー太を床に置くまえに、その光沢を放つギー太のボディに口付けしやがりました。
その途端、唯先輩の柔らかそうな唇がむにゅっと潰れる。
その潰れ具合から、その唇の柔らかさが伝わってくるようです。
まるでゼリー、いやプリンだろうか。
食べたらきっとほっぺが落ちるほどおいしいんだろう。


「ていうか唯先輩! きき、キスなんてはしたないですよ!」

「え? そうかなー。いっつもしてるよ~?」

「なっ!」


なん…だと…?
い、いつも…している…?

ギー太ェ…。

そのプリンの如き柔らかな唇を、ギー太ごときに口付けるなんて…。
なんて羨ま――じゃなくて。
なんて羨――だからそうじゃなく!
けしからんですッ!!


「そ、それはちょっとやりすぎですよ、唯先輩」

「えーそんな事ないよねーギー太ぁ?」


まるでギー太に問いかけるように、優しい笑顔をギー太に向ける唯先輩。
でも、こんな事くらいじゃ私はめげないもん!


「それにキスなら私が――!」


って! 私は何を言おうとしてるんですかッ!!
別に私は唯先輩にちゅーして欲しいなんて考えてないもん!
バッカじゃないですか! アホですよ! アホ!


「ほぇ? どうしたのあずにゃん?」


途中で言葉を切った私に、唯先輩が不思議そうな顔で問いかけてくる。
これはもう、お手上げですね…。正直、言葉が続きません。
何を言おうとしていたか、すっかり忘れてしまいました…。


「いぇ…何でもないです。弦の張り替え頑張ってくださいね…」

「え? うん…」


私はそう言って、唯先輩から目を逸らした。
唯先輩は一瞬、心配そうな顔を向けたけど、私はそれを見逃してしまった。

それから私は、目を閉じて胸に手を置き、深呼吸した。

――すぅ~はぁ~すぅ~はぁ…。

落ち着け、落ち着くんだ私…。
無心だ、無心になれ…。
無我の境地に辿り着け…。
明鏡止水の心だ…。


「あっ」


そう言えば、唯先輩にばかり気が行って、むったんのお手入れをすっかり忘れていました。
早くお手入れしてあげないと。ギー太に負けないくらいピカピカにしてあげるからね。


「ん、あれ?」


よく見るとむったんの弦にも錆びを発見です。
ふむ。ここは唯先輩に習って、弦の交換でもしますかね。


「えーと、換えの弦は…と、あったあった」


私はケースから弦とニッパーを取り出す。
これで準備万端。私はさっそくニッパーを装備します。
それから4本の弦に狙いを定め…。


「うおーーーい、梓!! それ梓のギターじゃない、ギターじゃないから! それ私のエリザ――じゃなくてベースだからッ!!」

「…はい?」


澪先輩が何やら大声で言ってきたので、手元を見てみると、確かにそれは私のむったんではなく。

澪先輩のベース――通称エリザベスだった。

私はエリザベスの弦にニッパーを当てて、今まさに力を入れようとしている瞬間でした。
あ、危なかったです…。


「あれ? ていうかどうして澪先輩のベースが…。澪先輩、私のむったん知りませんか?」

「お前のギターならずっと最初っからソファーの上だっ!」

「ん? あ、ホントです」


ソファに目を向けると、私の相棒がさっきと変わらぬ姿で横たわっていた。

おかしいな…私は確かにむったんを持ったはずなのに…。
これは一体、誰の陰謀ですか…?
一体誰が私を陥れようとしてるんですか…?


「むー…」


はぁ…もういいです。もうお手入れはやめにしましょう。
これ以上やってても、無駄のような気がしてきました。
どうせ次は律先輩のドラムとか言うオチになるに決まってます。

それに、今の私にはお手入れよりまずしなければいけない事がありますから。


「えーと、私の――」


そう呟きながら、鞄をごそごそ漁ると、すぐに目当てのものを見つけた。
それを取り出し、すばやい動きで頭に装着する。
すちゃっと。


「お、おい梓…、お前なんでいきなりネコ耳なんてつけてんだよ…?」

「はい? 何言ってんですか、律先輩?」


私はもともとこの耳ですよ?
これは私の標準装備なんですから。


「いや、さすがにそれはねーし」


さーて、唯先輩は…と。


「無視かよ…」


律先輩からすすり泣くような声が聞こえましたが、あえて無視です。
そんな事気にしてる時間など皆無ですから。


「よし!ギー太、完璧だね!」


どうやら、唯先輩もギー太のお手入れが終わったようだ。
なら話は早い。後はもうギー太の出番はありません。
唯先輩専用はギー太だけじゃないんですから。
それを今から教えてやるです。

唯先輩の目にギー太しか入らないって言うんなら…


まずはそのふざけた幻想をぶち殺します。



「唯先輩、唯先輩…。こっち見てください」

「んーなぁに、あずにゃん? ってあずにゃんそれ――!」


唯先輩が私の頭を見て、驚きの声を上げます。
しかし私はそれを無視して、招き猫の如くポーズを作る。

うぇるかむねこまねきぃ~♪

それは私にしか使えないオリジナルの魔法。
ムギ先輩が使うチャチな魔法とは訳が違います。
その魔法は目の前の幻想を打ち砕くリーサルウェポン。

それを放てば、唯先輩はいつもどおりの唯先輩に戻ります。



「にゃあぁー♪」



いい夢は見れましたか、唯先輩…?
でも、もう起きる時間ですよ。









「昔の梓はもういない…」

「あらあらまぁまぁ♪」

「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイ…」



「ん~あずにゃん可愛い~♪」

「ふにゃあぁあ♪」


ご主人様の膝の上でネコみたいな声を上げ続ける子猫が一匹。
黒タイツに包まれた膝にすりすりと頬擦りして、夢心地に浸ります。
ご主人様の膝の上は温かくて、柔らかくて、とってもいい匂い。
まるでお日様みたいです。


「あずにゃん、んー♪」


ふいに、ご主人様が私に唇を差し出してきました。
だから私もそれに応えるべく、唇を差し出します。


「んー」

――ちゅっ♪


優しく触れたご主人様の唇は、とっても甘くて、まるでお菓子みたい。
私は我慢できなくて、思わずその唇をペロペロと舐めちゃいました。


「ひゃっ、ちゅ…あ、あずにゃん…くすぐったいよぉ…」


ああ…私、今とっても幸せです。
幸せすぎてどうにかなってしまいそうです。


え?

ご主人様の事なんて、どうでもよかったんじゃなかったのかって?
あれ、私そんな事言いましたっけ? 
全然覚えてませんね…空耳じゃないですか?



おしまい
[ 2010/08/21 15:34 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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