※追記からどうぞ!
「暑いですね・・・」
「うん・・・あいす食べたい・・・」
「アイスですか・・・食べたいですね・・・」
まだまだ暑い日が続く夏の日、私と唯先輩は二人、先輩の部屋で熔けていた。
折角、唯先輩に誘われたから遊びに来たっていうのに、あまりの暑さに何もやる気がおきなかった。
今日の最高気温は今年最高の暑さなんだそうだ。
今朝テレビの天気予報で言ってたから間違いない。
はっきり言って今の先輩の部屋はサウナ風呂と言ってもいい状態だ。
はぁ
せっかく一緒にギターの練習でもしようと思ってたのに。
それに他にもいろいろと…。
茹る頭でそんな事を考えていると――
「あずにゃ~ん・・・あいす持ってきて~、冷蔵庫に入ってるから~・・・」
唯先輩のお願いが飛んできた。
「ええっ・・・い、嫌ですよ・・・そんな」
自分の家ならまだしも、人の家の冷蔵庫を勝手に空けるのは抵抗がある。
「お~ね~が~い~、あ~い~す~」
唯先輩は駄々をこねながら、床を転がり始める。
(うう・・・か、可愛い・・・って言うかパンツ見えてますよ、唯先輩!)
この暑さのせいか唯先輩の格好は薄いTシャツ一枚にミニスカートという超薄着なのだ。
そんな格好で転がったらスカートだってめくれ上がってしまう。
(ぴんく・・・ごくりっ)
別の意味で頭が沸騰しそうだった。
暑さのせいか理性が熔けていくのもいつもより早くて
けどさすがに真昼間から唯先輩を襲ってしまうわけにはいかない。
(は、初めてくらいはもっと雰囲気を――って、べ、別に唯先輩とはそんな関係じゃっ!)
いけない事を想像しそうになる頭をブンブンとふって私はバッと立ち上がる。
「わ、わかりました。あ、アイスとってきますから転がるの止めてください!」
「わ~い♪ ありがとー、あずにゃん!」
少し頭冷やさないとね。
うん。
でもって5分後!
アイスを持ってきた私は唯先輩と一緒にアイスを食べていた。
アイスの冷たいのが火照った頭にちょうどいいです。
さっきの状態では何をしでかしていたか分かりませんからね。
どうやら唯先輩もアイスを食べて元気が出てきたみたいです。
「う~ん♪ 冷たくておいしーよー」
「そうですね・・・あ、唯先輩アイス溶けてますよ」
「え?・・・・あ、ホントだ!」
唯先輩のアイスはすでに溶け始め、ポタポタとTシャツを濡らしていた。
「わ、シャツに付いちゃったよ! あずにゃ~ん・・・」
唯先輩は目をウルウルさせながら私を見つめてくる。
「ほ、ほら早く拭かないと・・・」
私はティッシュを2、3枚取ると、唯先輩の胸の所に手を当てた。
ふにゅっという柔らかい感触が私の手のひらに伝わる。
「あんっ!」
(って、私は何をやって・・・)
いきなり胸を触られたからか甲高い声を上げる先輩。
て言うか私はそれどころじゃい。
唯先輩の胸の感触にさっきようやく冷めてきた頭が再沸騰を始めていたのだ。
ふにふに
「ひゃっ・・・ん・・・あ、あずにゃん・・・だ、だめだよう」
(はっ!わ、私は一体何を!?)
どうやら意識が飛んでいたようだ。
自分でも気付かない内に先輩の胸を揉んでしまっていた。
「ご、ごごご、ごめんなさい! 唯先輩、こ、これは・・・その・・・」
慌てて手を離して唯先輩に謝る。
「も、もう・・・あずにゃんのえっち」
唯先輩は真っ赤な顔をしながら俯いてしまった。
(それにしても・・・唯先輩のおっぱい、柔らかかったな・・・)
大きいわけじゃないし、だからといって小さすぎるわけでもない。
手のひらサイズっていうのはああいうのを言うのかな?
私はさっきの感触を思い出し、手をわきわき動かしながらそんなことを考えていると――
「あぅ・・・あずにゃん、またあいす零しちゃった・・・」
「え・・・?」
イケナイ妄想に浸っていた私は、唯先輩の言葉で我に帰る。
そして先輩に目を向けると、そこにはさっきみたいに胸の所にアイスを零した唯先輩が何かを期待するような瞳で私を見つめていた。
――目をウルウルさせて、顔は茹蛸のように真っ赤っか。
(あの・・・それって・・・つまり)
「あの・・・あずにゃん・・・・拭いて?」
「え、ええぇ!?」
唯先輩は恥ずかしそうにお願いする。
一瞬私の中の何かが切れそうになったけど、なけなしの理性でなんとか持ちこたえる。
「ああ、あのっ・・・そのっ・・・あ、そ、そうだ・・・わ、私ちょっとトイレいってきますね?」
「え?」
「そ、それじゃいってきます! 唯先輩も早くアイス拭いてくださいね! そ、それじゃっ!」
私はそれだけ言い残すと逃げ出すように部屋を後にした。
あのまま部屋にいたら、間違いなく今度こそ唯先輩を――
「あっ・・・・・・もう・・・あずにゃんのいくじなし・・・」
部屋を出る前そんな唯先輩の言葉が聞こえたような気がしたけど、気のせいだよね?
おしまい
【あとがき】
久々の短編です。
SS整理してたら、実はまだ某掲示板に投下した短編が残ってたので上げます。・・・もしかしたら探せばまだでてくるかも。