とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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唯梓SS 『LOVE GAME―後編―』

※追記からどうぞ!





さて、まず先手を飾るのは律先輩と澪先輩だ。
律先輩はポッキーを咥えて仁王立ちしていて、その反対側には澪先輩がそわそわと落ち着きなく立っている。
律先輩とペアだと決まってからというもの、その瞬間が迫ってくると徐々に顔の赤みが増していき、今ではすっかり真っ赤である。


「はやふひろ~ひお~…ひょほはほへふ~」


たぶん、「早くしろ澪、チョコが溶ける」と言っているんだろう。
言うとおり、律先輩はチョコ側の方を咥えている。
もごもごと口を動かしているところを見ると、すでにチョコは溶け出し、咥え込んだ場所はすでにチョコが無くなっているのかもしれない。


「わ、分ったから…そんなに急かすな…」
「んー…」


ついに澪先輩がおずおずと律先輩の方に歩み寄って行く。
澪先輩の顔は赤いだけじゃなく、強張っていた。
緊張しているというか、戸惑っているというか、そんな感じ。
いつものカッコいい澪先輩なんて欠片も感じさせない。


「んっ…」


澪先輩の唇がついにポッキーに食らい付いた。そこでゲームスタートである。

先に動いたのは律先輩で、サクサクとポッキーを食べていく。
すると澪先輩はそれに驚いてビクンと体を震わせる。
それでポッキーが折れてしまうかとも思ったけど、そうはならなかった。
今もポッキーは健在で、ビクともしていない。


「かぷっ…」


交互でポッキーを食べていくルールなので、今度は澪先輩から噛みつき返した。
すでに澪先輩の顔は赤いを通り越して茹っている。茹蛸もビックリだ。
頭から煙を上げながらも、頑張って少しずつ先に進んでいる。


「サクサク…」
「サク…」


4回、5回と繰り返していくと、二人の距離は残り僅か5cm弱。
唯先輩から「きゃーきゃー」と黄色い悲鳴が聞こえる。
ムギ先輩に限っては、その手に最新のハンディカムを構えながら「むふー!むふー!」と鼻息を荒くしている。
撮影係の仕事をきっちりとこなしているようだ。


さて、律先輩と澪先輩は以外と身長差があるのは周知の事実である。
律先輩の方が小さくて、澪先輩の方が大きいのだ。
顔が近づくにつれて律先輩の首が上向きになっていく。
澪先輩も同じように、ポッキーを折らないように顎を下にさげる。
その様子はどう見ても、これからキスをしようとしているようにしか見えない。


「わっわっ…こ、これホントにしちゃうんじゃ…」
「黙ってて唯ちゃん! 今いいとこなんだから! むふー!」
「ムギ先輩…怖いですよ…」


でも、唯先輩の言うとおり、この二人、本当にポッキーを折る気があるんだろうか?
まったく折る気が感じられない。それくらい、いい雰囲気を醸し出している。

残り2cm弱というところで、澪先輩の両手が律先輩の肩に乗った。
それにピクンと反応した律先輩の頬が少し赤くなる。


(あれ? この二人もしかしてやる気満々?)


その様子に、ついに唯先輩も黙り込み、顔を赤くしてそわそわし出す。
ムギ先輩の鼻息も「ふんすっふんすっ!」と限界を通り越しそうだった。


(ちょ、ホントに? ホントにしちゃうの? え? え? マジで?)


澪先輩が首を少し横に傾けた。
律先輩も同じように反対側に首を傾ける。
その姿はマジでキスする5秒前。

残り1cmというところで律先輩の手が澪先輩の腰に回される。
しかし、それがいけなかったのか、それに驚いた澪先輩の体がビクンと揺れる。


――パキっ


その反動で、ポッキーが折れてしまった。


「「んむっ…」」


「「「……」」」


時間が停止する。
律先輩も澪先輩も、折れたポッキーを口に咥えたまま目をパチクリさせている。
律先輩は残ったポッキーをサクサクと噛み砕き、ゴクンと飲み込んだ。


「あー…折れちまった。澪があそこで動くからだぞー。ま、先に折ったのは澪だから、この勝負私の勝ちだな!」
「……」


律先輩の言葉に澪先輩は反応しない。
ただ呆然と立ち尽くしている。


「澪?」
「っ!!」


律先輩が顔を覗きこむと、澪先輩の顔がボフンっと爆発した。
途端にわたわたと手を振り、顔を振り、モジモジし始める澪先輩。


「べ、べべべ、別に、きき、キスしようとしたとか、そんなんじゃないんだからなっ!!」
「へ? 澪お前何言って…」
「ッッッ!! な、なな何でもない! 気にするなっ! 忘れろっ!!」
「忘れろってお前…」
「ギロっ!!」
「はい忘れさせていただきます!大佐殿!」


澪先輩の睨みに、律先輩は敬礼して言った。蛇に睨まれた蛙状態だ。
これ以上聞いたら、たぶん拳骨が飛んでいただろう。
律先輩も中々賢くなってきたらしい。


「は~…すごかったね~。見てるこっちがドキドキしちゃったよ…」


唯先輩が胸に手を当てて言った。
きっと胸がドキドキいってるんだろう。

ていうか、何で唯先輩が顔赤くしてんですか。唯先輩が照れたって仕方ないのに。
まぁ確かに、あれはどう見てもキスシーンにしか見えませんでしたけど。


「いい絵が撮れたわ~。出来れば最後までイってくれればよかったけど。でもこれはこれで中々…」


ムギ先輩は一人、撮っていた映像をニヤニヤしながら確認している。


(ホント逞しい人だな…この人…)


そんな風にムギ先輩を見つめながら、私は大きな溜息を付いた。







「さーて、んじゃ次は唯と梓の番だな」



さて、ここからが正念場。お次は私と唯先輩の出番である。
本当はやりたくなかったけど、くじで決まってしまっては仕方がない。
それに、決まったら絶対にやらなきゃいけないと念を押されていたのだ。
逃げることなんて、できるはずもない。

ここは覚悟を決めてやってやるです!


「いきますよ、唯先輩」
「あ、うん…」


覚悟を決めた私とは反対に、唯先輩の様子が少しおかしかった。
顔を赤らめ、そわそわと落ち着きが無く、「あーうー…」と小動物みたいな鳴き声を上げている。


(もしかして、照れてる?)


いざ自分の番になって恥ずかしくなってしまったのかもしれない。
それにさっきの二人のキス未遂も恥ずかしくなっている原因の一つだろう。

とりあえず私は、ポッキーを口に咥えて唯先輩の対応を待った。
すると唯先輩の体がビクンと揺れる。
私の唇に咥えられたポッキーを見つめながら顔をポッと赤らめる。


(もう! そんな顔しないでくださいよ…私まで照れるじゃないですか…ていうか早くしてくださいよ先輩)


その願いが通じたのか、唯先輩がのろのろと私に近づいてくる。
ようやく覚悟を決めたのか、その表情には決意のようなものが見て取れる。

先輩が私の目の前に立った。

ところで、私と唯先輩の身長差は6cmある。
私が150cm、唯先輩が156cm。
当然、私は唯先輩を見上げる形でポッキーを上に向ける。
先輩もそれに合わせるように、顎を下げる。

そしてついに、唯先輩はポッキーにぱくっと食らい付いた。

その途端、ふと甘い香りがした。
唯先輩の匂いだ。私に抱きついてくるときに感じるものと同じ匂いが私の鼻腔をくすぐる。
これにはさすがの私も頭がクラっときた。
そこで私は、もしかして…と、あることに気付く。
ポッキーゲームを続ける限り、この甘い香りを常に感じていなければならないということだ。
正直、それはつらい。つらすぎる。
何故なら私は、この匂いを長時間嗅いでいると、頭の芯まで蕩けそうになってしまうのだ。
だから私は、先輩に抱きつかれるたびに、早く離れて欲しいと先輩を突き放す。
そうしなければ、自分が自分じゃなくなってしまうから。


(それに…)


それに問題は匂いだけじゃなかった。

目の前でポッキーを咥えている唯先輩の顔がヤバ過ぎる。
可愛らしく愛らしい顔が、震える瞼が、唇が、まるでキスを求めているようにしか見えなかったから。
本当にポッキーを咥えているかどうかも分らなくなってくる。


(……)


私は、唯先輩の肩に手を置いた。
別に手を置かなくても、ポッキーゲームにはなんら支障はないのだが、置かずにはいられなかった。
何故、と聞かれても答えようがない。自分でも無意識からの行動だったから。
もし答えろと言われたら「ただ置きたかったから」としか答えられない。

肩に手を置くと、唯先輩の頬が赤く染まった。
それから私の手を受け入れるように肩に置かれた手に自分の手を重ねた。

ドキンと心臓が跳ねる。
たったそれだけの行為だというのに、私の心臓はバクバクと鳴りだす。
背中が振るえ、視界が揺れる。狙いが定まらない。

ふいに唯先輩がポッキーを噛みつけた。


「んっ…サク…」


小さく、唯先輩が声を漏らす。
少しずつ近づいてくる唯先輩の顔を見つめながら、私は自分の顔に熱が篭っていくのを感じていた。
視覚はすでに唯先輩の顔以外映っていない。
先輩の吐息を、甘い香りを感じながら、私も同じようにポッキーを噛み付けて行く。


「サク…サク…」


ゆっくりと、本当にゆっくりと進んでいく。
進めば進むほど、先輩の顔の赤みは増していき、さらには鼻息も荒くなっていく。
その荒くなっていく鼻息を感じながら、私は確かに感じていた。


(私…興奮してる…)


先輩の愛らしい顔を見つめ、香りと吐息を感じ、私の体は確かに興奮していた。
体が熱い。熱くて、熱くて、溶けてしまいそう。


「サク…んっ…サク…」


私が止まると、唯先輩も自ら唇を前へと進ませる。


私達の隣から「むふふー!!むふふー!!」と鼻息が聞こえた。
ムギ先輩の鼻息もすでにリミットブレイクしている。
きっと目を爛々と輝かせながら、ビデオ片手に興奮していることだろう。
律先輩もごくりと唾を飲み込みながら私達のゲームを見つめている。
澪先輩にいたっては「きゃっ!」やら「す、すごっ…!」やら驚きの声を上げている。

何ていうか…すごく恥ずかしい。
出来ることならすぐにでも逃げ出したい。
でも、何故かそれが出来なかった。

サクサクと減っていくポッキー。
すでにその距離は2cmを切っていた。
絶体絶命。あとほんのちょっと動くだけでキスできる距離だ。
先輩の顔はすでに真っ赤っか。目をギュッと瞑って、瞼を震わせている。
それでもなお、唇は止まらない。
私が食らいつけば、唯先輩も同じように先に進む。

何故だろう、本当なら、今ここでポッキーを折ってしまってもいいはずなのに。
それなのにどうしてそれが出来ないんだろう。考えても、考えても、全然分からない。
ただ一つ言えることは、私がこの状況をイヤだと思っていないってことだ。


「んっ…サク…」
「サク…」


当たり前のように私と先輩の唇は近づいていく。
先輩の息が私の顔にかかり、それと同じく私の息が先輩の顔にかかる。

残り1cm弱。


「…っ」
「…」

ふいに、唯先輩が目を開けた。
潤んだ瞳が私の瞳をロックする。
吸い寄せられるような綺麗な瞳だった。
目の端には涙を溜め、顔を真っ赤に染めた唯先輩。
素直に、綺麗だと思った。


「サク…」


先輩がさらに距離を縮める。
それが最後だった。距離はもう1cmもない。
次に私が先に進めば、今度こそ本当に唇同士が触れてしまうだろう。

あとは私に掛かってる。
ポッキーを折るのも、そのままキスしてしまうのも。
私の選択一つで決まってしまう。


「…」
「…」


さてどうしようか、と思った矢先
ふいに、先輩が目を閉じた。


「――!」


私は思わず息を詰まらせる。
それが唯先輩の答えだと確信した。
その意味が何なのかなんて、さすがの私にだって分かる。
そこまで私は鈍感じゃないから。

私は、先輩の腰に手を回して抱き寄せる。
抱きすくめられた途端、唯先輩の体がビクンと震えるが、ポッキーは折れない。
これは先輩が望んだことだ。先輩は私とこうなることを望んでいる。
なら、私がすることは決まっている。
動揺したり考えたりする必要なんてない。
成すべき事を成すだけ。

首を傾けると、唯先輩も同じように首を傾けた。
先輩の唇が僅かに開き、ポッキーが零れ落ちそうになった瞬間――


私は、その距離をゼロにした。







その日の帰り道、私はいつものように唯先輩と並んで歩いていた。
律澪先輩とムギ先輩とはすでにいつもの所で別れている。


(やれやれ…あの後は色々大変だった…)


そんなことを思いながら、内心大きな溜息をついた。

律先輩に「ひゅーひゅー♪」と冷やかされるだけならいざ知らず。
ムギ先輩の鼻血の処理はさせられるし、何故か部屋の隅でいじけていた澪先輩のことも慰めた。
唯先輩は唯先輩で、そのときの感触でも思い出していたのか、真っ赤な顔で唇を指でなぞっていた。
その唯先輩の恋する乙女のような仕草が私をさらにドキドキさせたのは言うまでもない。


「はぁ…」
「あずにゃん?」


思わず溜息を付いた私に、唯先輩が「どうしたの?」と不安げな顔で見つめてくる。


「別に、何でもないですよ」
「そっか…。ねぇ、あずにゃん」
「何ですか?」

「手、繋がない?」
「――!」


先輩はそう言うと、顔を赤らめて、私に手を差し出してくる。
私は正面からそれを見据え、その手を見つめながら、何の疑問も動揺も感じることなく手を伸ばした。
触れた手はとても温かくて、柔らかくて、とても気持ちがいい。
もっとそれを感じたくて、私は指を絡めるように先輩と手を繋いだ。

俗にいう、恋人繋ぎってやつ。


「えへへ…ちょっと恥ずかしいね」
「…は、恥ずかしいなら、最初からやらないでください…」


二人して顔を真っ赤にしながら、歩き出す。

その日、私達の関係は少し変わった。
その変化がポッキーゲームによるものだってのがちょっと複雑だけど…でも。


私はチラッと先輩の横顔を見つめる。
幸せそうな先輩の顔。
その顔を見てるだけで、私の心はほっこり温かくなる。
手を通して、先輩の気持ちが流れ込んでくるのが分かる。
先輩の気持ちと、私の気持ちが一つになるのを感じた。

私は今、とっても幸せだった。


(やれやれ…律先輩には感謝しないといけないですね…)


そんなことを考えながら、私はフっと笑う。
唯先輩の手を強く握ると、先輩も同じように握り返してくれた。




おしまい。




【あとがき】
嘘発見器ネタに続き、一度はやって見たかったネタの一つ、ポッキーゲームでした。
いたるところで書かれているようなネタですが、楽しんでいただければ幸いです!
いいですよねーポッキーゲーム。書きながら妄想してニヤニヤが止まりませんでしたw

ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
[ 2010/07/04 19:39 ] 未分類 | TB(0) | CM(4)
ヽ(≧▽≦)/キャーッ
[ 2010/07/04 22:08 ] [ 編集 ]
やっぱポッキーゲームいいね!
いろんなやつを読んでみたが、どれも良作です

タイトルもGJ!
[ 2010/07/05 00:15 ] [ 編集 ]
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2010/07/05 08:37 ] [ 編集 ]
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[ 2010/07/05 17:04 ] [ 編集 ]
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