とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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唯梓SS 『梅雨と雨と相合傘 ―中編― 』

※追記からどうぞ!




「そーいえば…お母さんにはよく怒られてたなぁ。いっぱい泥だらけになっちゃったしね」


唯先輩はそう言うと、えへへっと笑った。


「ダメじゃないですか…」
「あずにゃんは子供の頃、そんなことしなかったの?」
「私はしませんでしたね。もともとアウトドアな性格じゃなかったんで。ていうか、雨の日に外で遊ぶ人なんて普通いないと思いますよ?」
「え? ここにいるじゃん」

先輩は自分を指差して、きょとんとしてる。

ええ…そうでしたね。分かってますよ、もちろん。
言葉のあやってやつですから心配しないでください。
先輩は間違いなく特殊な人間です。もちろん律先輩も。


「私は雨の日はもっぱらギターの練習とかでしたね」
「へ~、そうなんだ」
「ええ、私は小学校からギターやってたんで」


そう考えると、あまり外で遊んだっていう記憶はなかったかもしれない。
もちろんまったく無かったわけじゃないけど、それでもギターを弾く方が楽しかったし。
それにあの頃は覚えたてで、コード弾けるようになっただけでも大喜びしてた記憶がある。
ホント、懐かしいなぁ。


「私も、もっと早くに音楽に出会いたかったなぁ…」
「それは仕方ないですよ。唯先輩が音楽始めたのって高校に入ってからですよね?」
「うん、まあね。軽音部に入ってなかったら、きっとそのままダラダラ過ごしてたかも」
「ならいいじゃないですか。軽音部に入って音楽に出会えたことに感謝しましょうよ。それに、今はしっかりとその手にギー太を掴んでるんだからいいじゃないですか」
「うん、そうだね。それに…」
「…それに?」
「あずにゃんとも出会えたしね」
「っっ!」


唯先輩はそう言って、優しく微笑んだ。
その微笑みが、その言葉が、私の心臓をドキドキと高鳴らせる。
そして何故か、私の背後から「まぁっ!」という歓喜の声が聞こえてきた。
とりあえず、その声の主については無視することにする。
きっと沢庵みたいな眉毛をぴくぴくさせながら、目を爛々と輝かせてるんだろう。
見なくても、想像できる。


(何てこと言うんですかっ…この人はっ…!)


恥ずかしいセリフを平然と、当たり前のように言ってのけた唯先輩に、私はただ驚くしかなかった。
心臓はドキドキと不自然なくらい高鳴ってるし、顔は熱くて、まるで火が点いたみたいに火照ってる。
私はその顔を見られたくなくて、咄嗟に唯先輩に背を向けた。


「な、何言ってんですか…は、恥ずかしいこと言わないでくださいよ…」
「えー恥ずかしくないもん。私、あずにゃんと出会えて本当によかったもん。あずにゃんは私と出会えて嬉しくないの?」


唯先輩は、そう言いながら背後から私をギュッと抱きしめてきた。
ビックリした私は、思わず「にゃっ」とネコみたいな鳴き声を上げてしまった。

抱きしめられた途端に感じる、唯先輩の温かなぬくもり。
思わず身を委ねたくなるような優しいぬくもり。
私の大好きな――。

そこまで考えて、私はハっとする。


(な、何考えてんの、私っ!)


別に私は唯先輩の事なんてなんとも思ってないです。
ただの気の迷いなんです。
それ以外考えられません。
ええ、そうですとも。

…でもですよ?

ここで大人気なく「そんな事ありません」なんて言うほど、私は子供じゃない。
たまには先輩を立てるということもしないと、後輩としては二流だと思うわけだ。
だから私は、なるべく平静を装いながら、先輩に好意的な返事を返すべく口を開いた。


「ま、まぁ…嬉しいって言えば…嬉しいですけど…」


全然、平静を装えなかった。
思いっきり声が裏返り、ずいぶんと締まりのない返事になってしまう。
もうちょっとはっきり言えればよかったけど、でも、私としてはこれが限界。
よく頑張ったほうだ。

私の言葉を聞いた唯先輩は、嬉しそうな笑顔を見せる。


「えへへ~、ありがとーあずにゃん♪」


そうお礼を言って、私を抱く腕に力を込めた。
背中に感じる二つの膨らみが、ぎゅむぎゅむと押し付けられる。
何だかテーブルの方から「はぁはぁ…」と荒い息が聞こえてくるけど、それは無視だ。

夏服になって薄着になっているせいか、その感触はブレザーを着ているときよりもはっきりと分かる。
小さいわけでもないし大きいわけでもないけど、それでもその感触は私の心を掴んで離さない。
正直、堪らない。顔に血が上る。鼻血出そう。


「あの…そろそろ離れてくれませんか?」
「えーなんで?」
「なんでって…」

「唯先輩のおっぱいが背中に当たって興奮してきたんです」

…なんて、口が裂けても言えないし、言うつもりもない。
それじゃまるで変態じゃないか。
私は同性のおっぱいの柔らさを感じて悦に浸る変態ではない。

ていうかムギ先輩、何が「ドントコイデス!」なんですか?
意味が分かりません。


「そ、そうなんだ…ごめんねあずにゃん」
「へ? どうして謝るですか?」


横目でチラッと先輩の顔を見ると、先輩は頬を赤く染めてそわそわしている。
腕の力も抜いて、今にも離してしまいそうだった。
現に、おっぱいはすでに離れてしまっている。
ちょっと残ね(ry


「え? だってあずにゃん、私のおっぱい背中に当たって興奮してきたんでしょ?」
「はぁっっ!? な、何言って! わ、私そんな事――!」
「さっき言ってたよ。口に出して」
「なっ!?」


う、嘘…。


「嘘ですそんなのっ!」
「いや、普通に言ってたぞ。なぁ澪。澪も聞いてたよな?」
「あ、ああ…」
「えぇっ!?」


律先輩と澪先輩も聞いてたってことは、ほ、ホントに…?


「いやーまさか梓がおっぱい魔人だとは思わなかったぜ。こりゃー澪のおっぱいは私が守ってやらんといつ毒牙にかかるか分かんないなー。安心しろ澪! 澪のおっぱいは私が責任を持って守ってやるからな!」
「んなっ!? な、何言ってんだよバカ律!!」
「えーだって、澪のおっぱいは私んだろー?」
「んなわけあるかっ!」


――ゴンッ!


「あいだっ!」


澪先輩の鉄拳制裁が律先輩の頭に炸裂した。
とても軽快な音が音楽室に鳴り響く。


「な、何も殴らなくたって…ぐすっ」
「お前が変な事言うからだ!」

「……」


あのですね律先輩…。
言っておきますけど、私は澪先輩のおっぱいには興味ありません。
私が興味あるのは唯先輩の(ry


(ていうかあんな恥ずかしいセリフ…先輩に聞かれちゃったの?)


うわああああ!!何て恥ずかしい!!
ていうかアレを喋ってたなんて、全然気付かなかった。
うぅ…穴があったら入りたい…。ていうか死にたい…。


「あの…あずにゃん?」
「は、はい…な、何ですか?」
「私のおっぱい触りたいの?」
「っっっ!!」


な、何言ってるんだこの人。
そんなの決まってるじゃないですか。


「触りたいに決まってます!」


ここで触りたいなんていうバカがどこにいるっていうんですか!
そんなこと私が変態だと肯定しているようなものじゃないですか!
まったくもう!おかしな事言わないでくださいよね!

ていうかムギ先輩がついに鼻血を垂らしはじめたんですが、いったいどうしたんでしょう。貧血ですかね?
しかも律先輩と澪先輩も何故か顔を赤くして、「おい…言い切ったぞ。梓は勇者だな…」とか「キコエナイキコエナイ…」とか言っている。
本当に、皆さんどうしたんですかね?


「そ、そっか…触りたいんだ……でも…うーん…恥ずかしいし…」


唯先輩は何故か顔を真っ赤に染めて、ついに私から腕を離してしまった。
今度は唯先輩が後ろを向く番だった。
後ろを向きながら、何やらぶつぶつ言ってる。
何言ってるかは聞こえなかったけど。
何やら切羽詰っているようだ。
見れば、唯先輩は耳まで真っ赤で、頭から煙を噴いていた。
何か恥ずかしいことでもあったのかな?


(ああ…私がおっぱいで興奮したとか言ったから照れてるのか…)


何だか、物凄く恥ずかしいこと言っちゃったはずなのに、こんなしおらしい先輩を見ていると少し気が晴れる。
先輩のことだから、満面の笑顔で「じゃー触っていいよ~」とか平気でおっぱい差し出してきそうなのに…。
唯先輩でも人並みの羞恥心は持ち合わせているのか。ちょっと驚き。


(ふふ…可愛いな、先輩)


そんな事を思いながら、私は先輩から視線を外し、窓の外に目を向ける。
未だに雨は降り続いているけど、さっきよりは雨脚が弱まっていた。
ザーザーと打ち付けられていた雨が、今ではすっかり静かになっている。
帰るなら、今のうちかもしれない。


「あの、唯先輩…」
「ぬっふぇっ!?」


急に声を掛けられてビクンと身体を震わせ驚く唯先輩。
ていうかぬっふぇって何? どういう驚き方なのそれ?


「そ、そんなに驚かないでくださいよ…」
「あはは…ごめんごめん。それでなぁに?」


相変わらず顔が赤いのが気になるけど、まぁいいや。
気にしてたって仕方がない。
おっぱいの話はもう終わりだ。
終わりにしないと先に進まない。


「雨弱くなってきたんで、そろそろ帰ったほうがいいんじゃないですかね?」
「へ…あーそういえば」


先輩はそっと立ち上がり、窓の傍まで行った。


「ずいぶん音静かになったね。これならあんまり濡れずに帰れるかも」
「ええ」
「ねーりっちゃん。雨弱くなってきたからそろそろ帰らない?」


私の意見に賛成の唯先輩は、律先輩たちの方を向いてそう言った。


「んー?」


その言葉に律先輩も同じように窓の外を見た。


「あーホントだ。こりゃー今のうちに帰ったほうがいいかもなー。どうだ澪?」
「そうだな。あんまり濡れたくないし…。ムギもいいか?」
「私は大丈夫よ」


どうやら他の先輩たちも賛成のようだ。
それとムギ先輩。あなたは全然大丈夫じゃありません。
とりあえず、鼻血拭いてください。
いつものおっとりぽわぽわ笑顔で鼻血垂らしてると、正直怖いです。


「よーし! んじゃ今日はここまでにするか。それでは諸君、片付け開始!」
「りょーかいです。りっちゃん隊員」


部長から言い渡された部活終了の言葉。
何故、いちいち元気いっぱいなのだろうか。
まぁ元気がないよりはマシだけど。
唯先輩なんて敬礼までしてるし…。


「やれやれ」


私の心を代弁するように、澪先輩は呆れたように首を横に振った。


それから私たちは、それぞれ帰り支度を始めた。


「唯先輩はギター用のレインコート持ってきましたか?」
「ふふ~もちのろんだよ!」


唯先輩はそう言うと、得意げに胸を張った。
その柔らかそうな膨らみを見ていると、さっきまでの感触が蘇り顔を熱くさせる。
とりあえず、頭を振って、おかしな考えを放り出す。
だからおっぱいの話はもう終わりだって。


「本当ですか? またただビニール撒いただけとかいうオチじゃありませんよね?」
「ぶー違うよー。あずにゃんみたいなしっかりしたヤツだよー」


先輩は、ほっぺをぷくーっと膨らませながら言い返すと、鞄を開いてごそごそと何かを漁り始めた。


「じゃーん♪」


そんな掛け声とともに取り出したのは、青色のビニール材。
それを私に見えるようにバっと広げた。
どうやらちゃんと持ってきたらしい。
それはまごうことなきギター用のレインコートだった。

唯先輩は以前、レインコートの存在を知らず、傘で守りながら持ってきていたのは記憶に新しい。
そのたびに、自分の体を濡らして苦労していたのだが、ようやくちゃんとしたものを買ったらしい。
これで雨は防げるし、ギー太も錆やカビの心配はないだろう。


「それなら大丈夫ですね」
「うん!」


唯先輩はギターをケースに仕舞い込み、レインコートを被せていく。
私もいつまでも唯先輩のこと見てないで片付けしないとね。


「あ、そうだ…ね、ねえあずにゃん…」
「なんです?」


私も唯先輩と同じように、ギターケースにレインコートを被せていると、先輩が声を掛けてきた。
先輩は何かを思い出したように、ポっと顔を赤らめるともじもじしながら私に言った。


「その…いつかちゃんとおっぱい触らしてあげるからそれまで待っててね? まだその…ちょっと恥ずかしいから…」
「……」


何を言っているんでしょうね、この人は。
とりあえず、そのネタはもういいです。




―次へ―
[ 2010/06/25 21:54 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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