とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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憂純SS 『君の代わりなんていないから 前編 』

※アニメ2期 5話ネタ

※追記からどうぞ!



「…知らない天井だ…」


草木も眠る丑三つ時、私は何となく目を覚ました。
薄暗い部屋の中、見上げる天井はいつも見てる自室のものとは違っていて。


「ふぅ…」


息を付いて、一度目を閉じ、すぐにまた開ける。
それだけの事で、私の頭がすぅーっと覚醒していく。


「そっか、ここ憂の部屋か…そういえば、憂んち泊まったんだっけ…」


小さな声でボソッと呟き、昨日の事を思い出す。
修学旅行でいないお姉ちゃんの代わりに、憂が寂しくならないようにと、私と梓が憂の家に泊まったんだ。

お姉ちゃんがいない事に気付かなかったんだもんね。
憂ったら泣きそうになるんだもん。驚いたよ、さすがに。
あんな顔されたら、放っておけるはずなんてない。
とっさに「泊まりに行ってあげる~」って言っちゃった。
しっかりしてるようで、どこか抜けてる憂。
そんな憂が、どこか可愛くて、何故か愛しく思えた。


「…ん…」


寝返りを打って、憂と梓が寝ているであろう方向を見つめた。
よく考えたら私はベッドで眠ってた。
憂達とお喋りしてたところまでは覚えてるけど、後は…記憶がない。
いつの間にか眠ってたのかもしれない。
いや、しれない、じゃなくて間違いなくそうだ。
ていうか、部屋の主である憂を差し置いてベッドで眠るってどうよ? ありえなくない?
まあ憂はそんな細かいこと気にしないから大丈夫だよね――と、自分に言い聞かせる。


「はは…」


心の中で苦笑いの私。たぶん、大丈夫。憂、優しいし。
とりあえず憂たちの寝顔を見ようと、床を見た。


「って、あれ?」


見ると、眠っているはずの二人のうち、一人が足りなかった。
そこで眠っていたのは梓だけで、憂がいない。
梓はすぅすぅ、と寝息を立てて眠ってるけど、その隣はもぬけの殻。


「…トイレかな?」


一番最初に考えたのはトイレに行ったのかもしれないって事だった。
ていうか、深夜に起きて行くところなんて、トイレか、台所くらいしかない様な気がする。
ちなみに台所は、夜食を食べたり、飲み物を飲んだりするときだ。
私もトイレで起きたときなんかは、ついつい冷蔵庫を開けて、食べ物つまんじゃうんだよね。


「あー、よく考えたら太りそうだな…」


そう呟いたその時――

キィーっという静かな音を立てて、部屋のドアが開かれる。
案の定、入ってきたのは憂だった。
憂は私が起きてることに気付くと大きく目を見開く。
そして。


「あ、ごめん純ちゃん。もしかして起こしちゃった?」


申し訳なさそうな顔で、謝ってきた。


「ううん、起きたのは偶然だし。憂がいないのに気付いたのも今だしね」


この言葉に嘘はない。
別に、物音で起きたとかじゃないし。


「そう、よかった…」


私の言葉に、憂はホッとした顔を見せる。


「どこ行ってたの?」

「うん。ちょっとトイレにね」

「そっか」


私達は小声で話す。
眠っている梓を起こすわけにもいかないしね。

憂は私の返事を聞くと、ふふっと優しく微笑んだ。
薄暗い部屋の中でもはっきりと分かるその笑顔に、何故か私の心臓は、トクンと優しく跳ねる。
闇夜に映る憂の、その神秘的な雰囲気がそうさせたのかも。


「あ、な…えと…その」

「ん?…どうかした純ちゃん?」」

「へ?…あ、ううん。なんでもないよ」


落ち着かない胸を手で抑え付けながら、私は憂から目を逸らす。
これ以上憂を見てると、心臓が変になりそうだったから。


「ねぇ純ちゃん、ちょっとお話しない?」


憂は布団の上に膝を付きながら、私に言った。
きっと目が冴えてしまったから、眠くなるまで相手をして欲しいってことなんだろう。
かくいう私も、憂のせいか、おかげか、完全に目が冴えてしまった。


「うん、いいけど…」

「よかった…。じゃ、純ちゃん、こっちおいでよ」

「へ?」


憂はそう言うと、布団の中に入って、その横を空けた。
それはまるで、隣に入っておいでよって言ってるみたいで…。
って、ええっ! な、なに!? どういう事!!


「あ、あの…憂さん? それってどういう…」


私が恐る恐る聞くと、憂はまたニッコリと笑った。


「せっかくだし、一緒に寝ながらお話しようよ」

「ちょっ」


やっぱり私の思ったとおりだった。
よく恥ずかしげもなく、そんな事言えるな。
長いこと親友やってるけど、こんなの初めてだよ。


「いや?」


憂のくりっとした瞳が私の心臓を打ちぬいた。
少しだけ瞳が潤んでいるのも効果が高い。
私の胸は、またもやドキドキと高鳴り始める。


「い、いやじゃないよ、うん」


顔が火照る。胸が高鳴る。
私はいったいどうしてしまったんだろう。
そんな事を考えながら、私はベッドから降りて、憂の隣に寝転んだ。
憂は私に布団を被せ、私の方にピトっとくっついてくる。


「あ、う、憂…」

「ん? どうかしたの?」


憂としては、くっついてるって気はないんだろう。
私の心を察しているわけでもないし、すごく不思議そうな顔で私を見つめている。
ていうか、どう考えたって私の考えすぎだ。


「な、なんでもないから…気にしないで、あはは…」


私は、心の内を悟られないよう、誤魔化すように笑った。
そんな私を見て、憂の頭にはさらにクエスチョンマークが増える。


「えと…うん」


でも、その誤魔化し笑いが効いたのか、憂はそれ以上何も聞いてこなかった。


それから。


私と憂は、狭い布団の中で寄り添うように横になっていた。
目と鼻の先には憂の顔がある。
その距離はあまりにも近い。
綺麗な瞳。
小さな鼻。
そして。
ぷっくりとした、可愛らしい唇。
私はその柔らかそうな唇に目をやった。
薄暗い部屋の中でも分かるくらい、憂の唇はつやつやと煌いていた。
思わず口付けてしまいそうな…。


(って! わ、私いったい何考えてんのっ!)


憂の唇を見てたら、いつの間にかそんな衝動に駆られていた。
同じ女の子に見惚れるなんて、私はどこかおかしいんだろうか?
でも、そんな事を考えてしまうくらい、憂の顔は綺麗だと思った。


「あの、ね…」


そんな私の心情を他所に、憂がポツポツと話し始める。
私も瞬時に頭を切り替えて、憂の言葉に耳を傾けた。


「う、うん…どうしたの?」

「今日は、ありがとうね。私のために泊まってくれて…」


それは憂の感謝の言葉だった。


「い、いいよ別に、気にしなくて。憂の寂しそうな顔、見たくなかったし」

「…えへへ。ありがと、純ちゃん」

「ぁ…」


そう言って笑った憂の笑顔は、どこか唯先輩に似ていた。
どこか子供っぽい無邪気な笑顔。
やっぱり姉妹だなって思うけど。
でも私にとって、憂のそれは、唯先輩以上に可愛く見えた。


「ふふ、憂ったら急に泣き出すんだもんね。びっくりしちゃったよ」

「うぅ…思い出させないでよぉ」

「あはは、ホント憂って可愛いよね」

「え…? か、可愛い?」

「うん。しっかりしてるようで、どっか抜けてるし」

「う」

「それに、お姉ちゃんの事話してるときの憂の顔、すごく可愛いよ。とっても優しい笑顔してるから。私は好きだな」

「え!…す、好き?」

「うん」


私は頷いて、ニコッと笑った。

そう、好きだよ。
憂の笑ってる顔。
本当に優しい笑顔。
それをお姉ちゃんにしか向けないっていうのが、ちょっと妬けるけど。
でも、その笑顔が見れるだけで、私は幸せな気持ちになれるから。
だから、それでいい。


「そ、そっか…好き、なんだ…」


憂は何故かキョロキョロと目を泳がせながら、私から目を逸らす。
頬は暗闇でも分かるくらい、赤みが差している。
ていうか、だんだん目が暗いのに慣れてきたせいか、はっきりと分かった。


「もしかして、照れてる?」 

「へっ…いや、その…」


私が聞くと、憂はパッと目を見開いて、慌て始める。
その様子が面白くて、可愛くて、私は思わずぷっと吹き出した。


「あはは♪ 可愛いなぁもう。そんなに可愛いと襲っちゃうぞ!っと」

「きゃっ!」


私はそう言って、勢いよく憂の胸に飛び込んだ。
そんな私の行動に、憂は驚いて、悲鳴を上げる。


「憂、し~。梓起きちゃうよ?」

「だ、だって…純ちゃんが…」

「まぁまぁ、抱きついてるだけなんだし、気にしない気にしない♪」


憂をギュッと抱きしめて、その柔らかな胸に顔を埋める。
私が頬擦りする度に、その柔らかな双丘がぐにぐにと形を変えている。
私には無いその大きさが、膨らみが、ちょっと羨ましい。


「ん、あふ…ちょ、ちょっと純ちゃん…はぅ…ダメだよぅ…」

「んー。やっぱり憂の胸って私よりおっきいよねぇ…ずるい」

「そ、そんな事…」

「あるじゃん」

「そ、それは…」


あ、言い返さないって事は、実は憂もそう思ってるなぁ~。
はぁ…いいな。私も憂までとはいかなくても、もう少し欲しいよ。
でも梓には勝ってるよね、たぶん。

その梓は、今も変わらず一定のリズムで寝息を立てている。
結構大きな声で話してるけど、中々起きないものだね。
一度寝たら、起きないタイプなのかもしれない。


それからしばらくの間、私は憂に抱きついたままじっとしていた。
そんな中、少しだけ変化が起こっていた。それは。


(あれ…?)


耳に心地いい憂の心音が、だんだんと高鳴り始めていた。
明らかに平常とは違う、その胸の高鳴り。
それを聞いているうちに、私の心臓も同じように高鳴り始める。
何故だかは分からない。
もしかしたら、憂のが移っちゃったのかもしれない。


「ねぇ憂」

「な、なに?」

「お姉ちゃんいなくて、寂しい?」


何気ない質問だった。
別に、胸がドキドキするのを誤魔化したかったわけじゃない。
ただ、何となく、聞いてみたくなっただけ。


「…寂しい、かな」


はは…正直だね。
憂らしいって言えばらしいかも。


「…そっか」

「でもね、今は全然寂しくないよ。梓ちゃんがいるし。それに、純ちゃんもいてくれるし…」


うん。分かってるよ。
でもさ、それは結局、お姉ちゃんの代わりでしかないって事だよね?
別に、いいけどさ。
でもなんか、すこし寂しいっていうか、悲しいって言うか、ちょっと悔しいかな。


「ねぇ憂、私、お姉ちゃんの代わりになれてるかな?」

「え…?」


もし代わりになれるなら、憂も私に――。



「…お姉ちゃんの代わりなんて、いないよ」

「っ!?」


その言葉に過剰に反応した私は、ビクンと身体を震わせる。
それからパッと憂の顔を見上げた。

憂は、優しい瞳で私を見つめていた。

そして。


「お姉ちゃんの代わりはいないよ」


もう一度、はっきりと言った。




―後編へ続く―

[ 2010/06/04 00:43 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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