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とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

唯梓SS 『”好き”の形(唯side)』

※追記からどうぞ!





「はぁ~、今日も授業つかれたなぁ・・・・」


長い授業も終わり、今は放課後――。
今日のお菓子の事を考えながら、私はいつものように音楽室の扉を開け中に入った。


「さぁ~て、今日のお菓子はなにかなぁ~って…………あれ?」


音楽室の中には誰もいなかった。


「……おかしいなぁ、まだ誰も来てないや」


ほんとにめずらしい、いつもなら誰か先に来てるのに…。
みんな用事でもあるのかな?


そんなことを考えていると、ふと、長椅子に誰か座っているのに気づいた。


あれ…あずにゃん?


「……」
「やっほー、あずにゃん!」
「……」


――?


返事がない、ただの屍のようだ…。


「って、違う違う」


私はそ~っとあずにゃんに近づき顔を覗き込む。
すると――


「・・・・うぅん・・・・・すぅ」
「……………寝てる」


あずにゃんは気持ちよさそうにすぅすぅと眠っていた。


「うーん、疲れてるのかな…?」


あずにゃんを起こさないようにゆっくりと隣に腰をおろし、あずにゃんの寝顔を眺める。
ただじーっと。触れる事無く。


「………やっぱり可愛いな」


いつも思っていることだけど、こうしてまじまじ見てみるとあずにゃんはやっぱり可愛い。


「・・・・・・はぁ」


私にとって――その、あずにゃんは大切な人…。
けど、いつからそんな風に思い始めたかは確かじゃない。
合宿の夜いっしょに練習した時?
それとも学園祭で熱をだしたときにあずにゃんが一番心配してくれていたと知った時?


――。


もしかしたら、一目会ったときから――かもしれない。
私は昔から直感で物事を決めていた気がするから。
あずにゃんとはじめて会ったとき、何か感じるものがあったのかも。

一体この気持ちは何なんだろう…。
もちろんあずにゃんのことは“大好き”なんだけど。
澪ちゃん、りっちゃん、ムギちゃん、憂、和ちゃん、その誰にも感じたことのない気持ち…。

――初めて感じるこの気持ちは・・・何?


下心…ってわけじゃないけど
あずにゃんに触れていたいって思うんだ。


今こうして私の目の前で眠るあずにゃんは、そんな事知らないだろうし…。


――。


いや、知ってても困るけどね?

そしてそんなあずにゃんは、目の前で気持ちよさそうに眠っている。
私はそーっとあずにゃんの髪に触れる。
起きちゃうかもとは思ったけど、何故か触れずにはいられなかった。

ツインテールにされた綺麗な髪…。
ちょっとだけ開かれた艶のある瑞々しい唇…。
そのどれもが、私の心をざわつかせる。

そんな気持ちが作用したのか、私は引き寄せられるように髪に口付けを落とした。
その瞬間、あずにゃんの髪からシャンプーの香りがしてドキッとした。


「あずにゃ・・・・・・・・・・・・あずさ」


私は試しにあずにゃんを呼び捨てで呼んでみる。
そういえば、誰かを呼び捨てで呼んだのは憂以外では初めてかもしれない。

そのまま髪を撫で続けると、さらりと髪が流れ落ち、白い首筋が現れる。


「…………………」


そんな首筋を軽く撫でる。


「んっ…ぁン………」


抵抗は無い。
まぁ寝てるから当たり前なんだけど。
ただ、甘く切ない声が梓から漏れる。

そして私は、無意識の内に唇をその首筋に強く押し当てていた。
唇を押し当てた場所を軽く吸って舌で軽く撫でると、白く綺麗な首筋のそこには赤いアザが残った。
それも中々消えなさそうな。

どうしてこんな事をしたんだろう?
いつもの私なら抱きつくくらいのことはあっても、ここまでのことはしないのに――

梓の首筋にある赤いアザ…


「ふふ、“大好き”だよ・・・あずさ」


その赤いアザを指でなぞりながら、私はふふっと静かに笑った。






「うぅん・・・」


それからしばらくして、梓は目を覚ました。


「・・・あれ?わたし・・・眠って・・・って、唯先輩?」


どうやら少し寝ぼけてるみたいで、目を擦りながら辺りをキョロキョロ見渡し、ようやく隣に座っていた私に気づいた。



「あ、おはよう、あずs・・・・・・・・あ、あずにゃん」


あぶない、あぶない・・・。
呼び捨てで呼んじゃうとこだったよ。


「ご、ごめんなさい。わ、わたし寝ちゃってたみたいで・・・」
「ううん、いいよぉ。疲れてたんでしょ?」
「ええと、昨日遅くまでギターの練習してたからかも・・・」


あいかわらず練習熱心だなぁ、あずにゃんは…。
私もがんばらないとね。


「そ、それで唯先輩は何してたんですか?」


そう言ったあずにゃんの顔は何故か赤く染まって見えた。
気のせいかな?


「えへへ、あずにゃんの寝顔眺めてた♪」
「っ!」


あれれ、さらに顔が赤くなった?
なんで?


「そそ、それにしても他のみなさん遅いですね?」
「うん、そうなんだよ。もしかしたらみんな用事があって今日は来れないのかも。・・・二人だけじゃあれだし今日は帰ろっか?」
「そ、そうですね!じゃ、じゃあ私、帰る準備しますので先に帰っててください。」


なんだろう?
なんかあずにゃん、妙にそわそわしてるような・・・。


「え~、折角だし途中までいっしょに帰ろうよぉ~」
「そ、そうですか?じゃあ・・・昇降口で待っててください。すぐ行きますので。」


赤くなった顔を隠すように私から顔を逸らすあずにゃん。
ちょっと不思議に思ったけど――


「うん♪ わかったよ!じゃあ待ってるからね、あずにゃん?」
「は、はい」


あんまり気にしていても仕方なったから
あずにゃんの言うとおり昇降口で待つ事にした。






「・・・・・・・・・。」


唯が音楽室出て行ったあと。


「・・・・・・・・・・・今度は・・・・・・・・・・」


残された梓は一人呟く――


「今度は・・・・・・わたしが起きているときに・・・・・・“あずさ”って呼んでくださいね・・・・」


頬を赤く染めながら――唯の唇が触れていた首筋をやさしく撫でた。


「・・・“大好き”ですよ・・・唯先輩・・・」



END




【あとがき】
というわけで最初のSSです
最後まで読んでくださってありがとうございます!
一応某スレに投下したものを加筆修正したものなのでこっちの方が読みやすいかも
まあ・・・自己満足なんですけどね

そういえばこのSSが人生初めてのSSだった・・・
[ 2009/09/01 22:27 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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