とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ふぉーしーずん!シリーズSS EP04『1月 ~はじまり!~Ⅲ―ふたりのはじまり―』

※追記からどうぞ!


あれはもう、10年近く前の事――。

あの頃の私は、今よりも――というか比べるのがバカらしくなるくらい人見知りが激しくて
他人に話しかけられても、いつもおどおどビクビクしているような、内気な性格だった。
そんな私に、友達らしい友達なんて出来るはずもなくて、いつも一人で本を読んで過ごしてた。
周りの子達は、みんな一緒に楽しそうに遊んでいたのに、私だけ一人で…
別に、本を読むのは大好きだったし、友達がいない事を寂しい事だとは思っていなかった。

いや――思い込もうとしてた、かな…。

本当の本当は、私もみんなの輪の中に入って、一緒に遊びたかった。
そして何より…“友達”と呼べる存在が、欲しかった。

きっと、ただ一言だけでよかった。
ただ一言、仲間に入れてって…私も一緒にって…それだけ言えれば、私はきっと、あの輪の中に入る事が出来たんだ。
でも、そんな簡単な事すら、その頃の私には出来なかった。
自分の気持ちを素直に出せない…それが、ひどく惨めに思えた。

しかしそんな私を他所に、私の人生を大きく変えた出来事が、ある日突然起こる。
他の人から見れば、ほんの些細な事かもしれないけど
それでも私にとっては、それだけ大きな意味を持つ、人生の分岐点だったんだ――



それは、私が小学3年生に上がって、すぐの頃だった。


『うっわ~♪ 綺麗な髪だねー!』


ある日私は、とある少女に自分の髪を褒められた。
しかし私は、髪を褒められたことよりも、私に話しかけてくるような子がまだいるって事の方に驚いた。
以前にも好奇心から私に話しかけてくれた子は何人かいたんだけど、結局それは最初だけで、それからは全然…
理由は多分、話しかけられてびくびくしてた私が、相手に返事を返さなかったから。
きっと、私と話しても会話にならないとか、つまらないと思われてしまったんだと思う。
しかしだからと言って、嫌われたというわけでもなかった。たんに私に対する興味が無くなっただけ。
小学3年生というこの時期、この位の年の子は、興味が有るか無いかが行動原理なのだ。


話が逸れたけど
そんな私に久しぶりに声をかけてくれたのが「田井中 律」という名前の少女だったのだ。
もちろんクラスメイトだったから名前だけは知ってたけど、面と向かうのはこれが初めてだった。

その子は、カチューシャで前髪を上げた笑顔の似合う活発そうな女の子。
きっと私なんかと違い、友達も一杯いて、私に無いものを沢山持っているんだろう。
そんな彼女の事を見ていると、自分の事をひどく惨めに思う反面、自分の気持ちを素直に出せる彼女のことがすごく羨ましかった。
そしてそれ以上に、もしかしたら私は、この子となら友達になれるんじゃないかって思ってしまった。
これが、神様がくれた最後のチャンスなんじゃないかって…そう思ってしまった。


でも結局、それは私の幻想でしかなかった。


『ぁ…ぁぅ…ぅぅ…』


久しぶりに話しかけられて内心ドキドキMAXだった私は、いつも以上の人見知りを発揮し、頭を抱えて縮こまってしまったんだ。
どうしたらいいかも分からずにふるふると震えながら、ただ目をギュッと瞑って…。
そして目を開けた次の瞬間には、彼女はもう私の前からいなくなっていた。

私はただ絶望した。
ああ…やっぱり私に友達なんて出来っこないんだ。
有りもしない幻を想ったって、私の世界が変わる事なんてないんだ。
そんな事を考えながら、その日の夜は布団の中で泣いていた。

一人、声を押し殺して…




しかし次の日、奇跡は起きた――


『わ~みおちゃん左利きなんだ~すごーい!』


あの子だ――!
あのカチューシャの子が、また私に話しかけてきてくれたのだ。
もう絶対に話しかけてこないんじゃないかって思っていたのに、昨日と変わらない満面の笑顔で楽しそうに私の前に立っている。
正直、嬉しくて嬉しくて涙が出そうだった。それなのに相変わらず私はおどおどビクビクしてていつもと変わらない。
しかしそんな私に、その子は待った無しで追い討ちをかけてくる。


『ねーみんな見てーみおちゃんすごいよー♪』


なんて一言のせいで、興味を持った他のクラスメイトまで回りに集まってきて
前後左右どこに目をやっても、見渡す限り人だらけ
さらに追加で「すごーい!」という言葉の嵐まで吹き荒れる。
私はといえば、さすがにこんな大勢の人を一気に相手にした経験なんてなかったから、どうしていいか分からなかった。

本当、心臓が止まるかと思ったよ、あの時は…。
しかし幸か不幸か、半ばパニック状態でビクビクする事すら忘れていた私は、褒めてくれるみんなに「あ、ありがとう…」って返事を返す事ができたんだ。
よく考えたら、これがまともに返事を返せた、初めての日だったな。
ま、虫も泣くような小さな声だったけどな。
それでも、私にとっては大きな一歩で、自信に繋がった事だけは確かだ。


それからも律は、事あるごとに私に話しかけてきてくれた。
それこそ毎日のように。まるでそれが自然な事だと言わんばかりに。
そのおかげで、律はもちろんの事、律を通して他の子と会話する機会もだんだん増えて、少しずつだけど人と会話する事にも慣れていった。
4年生に上がった頃には、人見知りの方も人並み程度になってた。1年前の自分が見たら、きっと驚く位にな。
それでも人見知りが直ったわけじゃないから、知らない人が相手だと相変わらず口篭ったりしちゃったな。
けどそんな時は決まって律が傍にいてくれたんだ。
言葉には出さなかったけど、何となく、がんばれって…言われているような気がして
そんな律が見守ってくれているって分かったから――


(…私は頑張れた。強くなる事ができたんだ…)


たくさんの出来事を共有し、今でこそアイツとは“親友”と呼べる位の関係になっている。
ありもしないifを想像したってどうしようもないのは分かっているけど、それでも時々考えてしまう。
もし私がアイツと出会わなかったらどうなっていたんだろう、と。
いや、こんな事は考えるだけ無駄だな。答えは決まってる。


きっと、アイツと出会う前の私のままで、今を生きていたはずだ。


律が私の世界を変えてくれたから、今の私がある。
音楽に出会ったのも、軽音部に誘ってくれたのも、唯やムギ、梓たちに出会えたのも全部、全部――


(律…お前がいてくれたからだよな…)


私にとってそれは運命の出会いだった。
もう、律のいない世界なんて考えられない。絶対に考えたくない。
もしお前が私の前からいなくなってしまったら、きっと私は私じゃなくなってしまうから。
依存していると言われても仕方のない事だけど、それでも構わない。
律の傍にずっといたい。これから先の未来も律とずっと、ずっと一緒に――


「澪先輩?」

「はぅっ!?」


隣を歩いていた梓に急に声をかけられてビクンと身体が跳ねる。
何だか前にも――というか数分前にも同じ事があったような、そんなデジャヴを感じてしまう。


(…って…、さっき和と歩いてた時と同じじゃないか!)


ボーっとしながら考え事をするのが癖になってしまったんだろうか。
しかも歩きながら長々と考え事とは、随分と器用な事をしているなと、自分でも思ってしまう。


「あ、あの? 大丈夫ですか澪先輩?」

「へ? あ、ああ…大丈夫大丈夫! 何でもないよ」


心配そうに私の顔を見上げる梓に、あははっと笑顔で誤魔化す。
和同様、梓まで心配させてしまうとは、この癖?は早く直した方がいいかもしれない…。

それに何より――


(さすがに、律の事考えてました~なんて言えるわけないもんな…)


そんな恥ずかしい事、言えるはずない。
四六時中とまではいかないまでも、これでも結構な頻度でアイツの事を思い出してしまうのだ。
授業中や家にいる時、部活中にも…暇さえあれば律の事を考えてしまっている。
理由は自分でも分かってる。それは私が、律に親友以上の感情を抱いてしまっているから。

そうさ…私は律に恋してるんだ。

もちろん女同士だって事は理解してる。でも止められないんだ。
いつからこんな風に思い始めたのかは分からない。
もしかしたら出会ったその瞬間からだったのかもしれないけど、今となってはそれも分からない。
ただ一つ言える事は、今の私が律に恋愛感情を抱いているってこと。
もちろんこれは、誰も知らない。誰にも言ってないからな。当然律だって知らないのだ。


「もしかして…、律先輩の事でも考えてたんですか?」

「ぶふっ!?!?」


そんな私の思いとは裏腹に、梓は図星をついてくる。


「な、なんでっ!?」

「あ、やっぱりそうなんですね。そうじゃないかと思ったんですよ」


驚きのあまり、私の声は裏返ってしまった。そんな私を前に、梓はうんうんと納得の表情で頷いていた。


「ど、どうして分かったんだ? 私が律の事考えてるって…」


あまりにも自然に梓が言ってくるので、反論することも忘れてしまった私は、梓に問いかける。


「え? ああ…だって澪先輩、何だかすっごく優しい顔してたんです」

「え…?」

「その表情が、いつも律先輩を見てる表情にそっくりだったんで、きっとそうなんじゃないかな~って…」


優しい顔?
律を見てる時、私ってそんな顔してるのか?


(そ、そうなんだ…知らなかった…)


まあ実際、自分の顔なんて自分じゃ確認できないからな。分かるわけも無い。
きっと律を見てるときだって、無意識の内に出てる表情なんだろうし…。


「あの…澪先輩…」

「な、なんだ…?」


梓がちょっと頬を赤くして、しかももじもじしながら問いかけてくる。
今度は一体なんだろうか…。ここは少し気を引き締めてかからないと、また盛大に吹いてしまいそうだ。


「…その…澪先輩って――」


私を見つめるその瞳には、何となく期待の色が見えた。


(何だかちょっと嫌な予感が…)


結果から言えば、それは予感的中


「――律先輩の事、好きなんですよね?」


もちろんLOVEの意味で――と梓は続けた。


「…」


は?


(…)


今、梓は何て言った? 


(私が…律の事…す…)


もちろんLOVEの意味で――LOVEの意味で――LOVE――愛――


「…ぅ」

「え? み、澪せ…」

「うわぁぁぁぁぁぁーーーーー!?!?」


私は、ここが廊下だって事も忘れて絶叫した。
頭を抱え、左右に頭を振って、長い髪をぶんぶんと揺らす。
はたから見てたら可笑しい人――というか怖い人に見えるかもしれない。
しかし、そんな事なんて気にしていられないのが今の私だ。


(何で!? どうしてっ!?)


疑問符ばかりが頭の中を駆け巡った。
絶対にバレてないと思ってた。それなのに、こうもあっさりバレてしまうなんて――!!


「ちょっ! み、澪先輩、こ、声が大きいですよ!」

「え・・・?」


梓の指摘に、私は顔を上げ辺りを見回す。
すると数人の生徒たちがこちら向いてヒソヒソと話していた。
何を話しているかは…あまり考えたくない。あまりいい事ではなさそうだったから…。

そしてそんな状況に居たたまれなくなった私は、両手で頭をかかえ、人の迷惑も考えずにダッと廊下を駆け出した。
まあ、簡単に言えば逃げ出したってこと。それくらい今の私はパニック状態だったのだ。


「あっ! ちょ、ちょっと澪先輩待ってくださいよー!」


そう言いながら梓も、私の後を追うように廊下を駆け出した。
こんな所を先生に見られたら、間違いなくお叱りものだ。廊下を走るなー!ってな。
よいこのみんなは、廊下を走っちゃいけないぞ!




それから、音楽室前の階段までノンストップで走り続けた私達は、階段の手すりに身体を預け、荒い息を吐いていた。


「はぁ…はぁ…つ、疲れた…」

「ほ、ホントです…はぁ…はぁ…」


まったく、体育でもないのに何でこんなに疲れなきゃいけないだろう。
とはいえ、最初に走り出したのは私なのであまり大きなことは言えない。


(あ…そ、そうだ…)


そんな事よりも、私には気になった事があった。
それは、どうして梓が私の気持ちに気付いたかって事だ。
梓は私に、律の事を優しい目で見ていたといったけど、それだけでそこまでの答えに行き着くとは思えない。
という事は、梓には何か確信があったんだ。

心身ともに、だいぶ落ち着きを取り戻してきた私は、梓にその理由を尋ねる事にした。
律に恋してるって気付いた確かな理由を――


「な、なあ梓…」

「はい?」

「何で分かったんだ…? 私が律の事…その…」

「…」


私の問いに梓は何も答えない。けど何かを考えるように目を閉じ、ふぅっと一息ついた。
そして意を決したように瞳を開くと、私の目をしっかりと見つめ、優しく微笑む。


「分かりますよ…、だって…私も一緒だから…」


そう言って、梓は自分の首に巻かれたマフラーに手を置く。
そして、その雪のように白く、少しだけ長いマフラーを優しく撫で始めた。
そのマフラーを見つめる梓の瞳には、優しさ以上に愛しさのようなものが見て取れる。
その瞳が、その表情が、マフラーを贈った人物の事を心の底から想っている事を物語っていた。


(…ああ、そっか…そういう事か…)


そこでようやく私は理解した。何故梓が私の気持ちに気付いたのかを。
同じ境遇にある私だったからこそ気付けたんだ。梓も同じ悩みを抱え、その気持ちを持て余しているから。


(…梓も…恋してるんだな…)


その相手が誰かなんて聞くだけ野暮だな。
そのマフラーは確か、クリスマスの時に唯から貰ったものだと、以前梓は言っていた。
ならその相手は火を見るより明らかだ。


「そうか…、梓も唯の事…」

「…えと…は、はい…」


ちょっとだけ顔を赤くして、でも優しく微笑む梓。
その綺麗な微笑みは、唯の事を誰よりも、何よりも愛しているということが伝わってくる。
誰にでも出来る表情じゃない。相手を想い、愛する気持ちを持つものだけができる表情なのだ。


(こんな顔を、私はできているんだろうか…)


できてたらいいなと思う。
私だって、律を想う気持ちに嘘は無いし、誰にも負けるつもりはないから――


「なぁ梓…、伝わるといいな、その気持ち…」

「はい! その…澪先輩も頑張ってください!」

「ああ!」


私達はお互いに激励の言葉を贈りあい、顔を見合わせ、ふふっと笑いあった。


「それじゃ、そろそろ行こうか」

「はい!」


私の言葉に、梓は元気良く返事を返した。

音楽室への階段を1歩1歩ゆっくりとのぼりながら、私は考えていた。
今はまだ幼馴染で親友の関係だけど、いつか必ず、近いうちにこの気持ちを伝えようと…。
必要なのはちょっとの勇気。そのための勇気の持ち方は、今まで何度も、律が教えてくれたから。
だったら後は、この気持ちを口に出すだけだ。


(何て、言ったらいいかな…)


やっぱり簡潔に“好きです”かな…?
うーん、それじゃ何だか在り来たりだな。
ここはもっとインパクトが強い方がいいだろうか?


(お前のオデコを一生見ていたい!…みたいな?)


いやいや!
なんだよ、そのオデコを見ていたいって…


(それに一生って…まるでプロポーズみたいじゃないか!)


プロポーズ…その甘美な響きに、私の顔が火照りだす。
自分で考えておきながら照れるとは、私もいよいよ可笑しくなってきたらしい。

そんな事を考えている内に、いつの間にか階段をのぼりきっていて、見慣れた音楽室の扉の前まで来ていた。
私はいつもの様に扉に手をかけ、ゆっくりと開いていく。




そして…




目の前に広がった光景に、目を奪われた。
隣の梓も、ただ唖然とその光景を見守っている。

私達の視線の先には、唯と律がいて…
そして、唯の顔が律の顔に重なっていた。

それはまるで――


「…キス…」


その言葉は誰が言ったものだったのか。
私か、梓か、…それとも2人同時だったのか、それは分からない。分かりたくもなかった。


「「え…?」」


2人がその一言に反応し、こちらに振り向いた。
その顔は、何が起こったか分からない、そんな表情だった。
しかし、今の私には2人の表情の意図を察する余裕なんてなかった。


「あ、あずにゃん…?」
「澪…?」


2人が恐る恐るといった感じで声をかけてくるが、私達はただ唖然と2人を見つめるだけ。
息が出来なくて…胸が苦しくて…思考が必死になって目の前の光景を否定する。
これは何かの間違いだ。悪い夢でも見てるんだって…。


(あれ…?)


そういえば私…さっきまで律にどんな言葉を伝えようとしてたんだろう?


(どう…して…?)


それがどんな言葉だったのか、どんな気持ちだったのか…

今の私にはもう――

思い出せなかった――





To Be Continued...





【あとがき】
最後まで読んでいただいてありがとうございます!
ようやく最初においつきました。本当はここまでが2つ目だったんです。
もう少し要領よく書ければいいんですが、これが中々上手く行きません…
とりあえず完成したので良しとします。

次回は修羅場!…かもしれない


[ 2010/02/02 20:22 ] 未分類 | TB(0) | CM(1)
すごくいいです(ウットリ)
[ 2010/02/02 22:15 ] [ 編集 ]
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