とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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ふぉーしーずん !シリーズSS EP02『12月 ~おおみそか!~』

※追記からどうぞ!


こんばんは、中野梓です。

12月31日大晦日――あのクリスマス会から1週間後の今日。
私達放課後ティータイム+αは性懲りもなく宴会を開催していました。

あの日あれだけバカ騒ぎしたというのに、この短い期間に2度目の宴会です。
言い出しっぺは相変わらず律先輩。
本当に宴会とか騒がしい事が好きな人です。
と言ってもムギ先輩をはじめ、唯先輩や澪先輩も結構乗り気だったので文句なんて一つもでませんでしたが…。
かく言う私も楽しみにしていた一人なのです。

さて、今回は年末年始パーティーということで、大晦日の夜から、これももう当たり前になりつつある唯先輩の家に総勢9名という大人数が集合しました。

…みなさん付き合い良すぎです。

あ、もうお気づきかもしれないですが、実は前回のパーティーに参加した8人に今回は1人追加されています。
その子が誰なのか――それは言わずもがな、このSS作者の最近のお気に入り“鈴木純”なのです。
このアホ作者、最近では何かにつけては純をだしたがるので困りものです。

少し話しが逸れましたが、その集まった9名が今現在、コタツに入って思い思いに目の前の鍋をつっついています。
鍋の中身は全身が火照りそうなキムチ鍋。
具材は白菜などの野菜や肉、豆腐などで構成されたオーソドックスなもので、作ったのはもちろん憂です。


「うん、ホントに美味しいわ…、さすが憂ね」

「そんな事ないですよー、鍋なんて誰にでも作れますって…、でもありがとうございます和さん」

「うんうん♪ ホント美味しいわ~、これならいつでもお嫁に行けるわね憂ちゃん!」

「お、お嫁っ!? そ、そんな大げさな…変な事言わないでくださいよー先生」


憂の作った鍋は、和先輩やさわ子先生にも大絶賛でした。
確かに美味しいし、それに何より、やっぱり寒い日にはこれに限ります。
最近は極寒と言ってもいいくらいの寒い日が続き、唯先輩なんて5枚も服を重ね着して、まん丸体系になってしまったくらいですから。

…もちろん比喩表現で本当に太ったわけじゃないですよ?



さて、そんな楽くも騒がしい宴会の中、私にとってちょっと面白くない事があったんです。



「あ、あの…唯先輩、これどうぞ…!」

「わ~♪ ありがとー純ちゃん♪」


鍋の中身を、具が偏らないように上手に受け皿に取り分けた純は、おずおずとお皿を差し出す。
そしてそれを嬉しそうに受け取る唯先輩。

純は唯先輩の隣に座っていた。
ちなみに唯先輩の隣はムギ先輩で私はムギ先輩の隣だった。
別に純が唯先輩の隣に座ること自体は何も問題ないのだけど、問題なのは純が発している雰囲気だった。

いつもの強気な姿は見る影も無く、まるで少女漫画に出てくる様な、しおらしい乙女のような雰囲気だった。
もちろん最初からそうだったわけじゃなく、唯先輩の隣に座ってからこうなり始めたんです。


…そしてお皿を差し出した時の純の頬がポッと赤く染まっているのが気に入らない。


(なんでいちいち顔赤くするの!…ていうかちょっと近寄りすぎだよ純!)


声に出していえない私をヘタレと思うなかれ。
それにしても純の奴、さっきまで10cmほど離れていた距離が今では1cmにも満たない、触れるか触れないかの距離にいた。
その距離感に明らかな感情が見え隠れしているのを私は見逃さない。


(純…もしかして唯先輩を狙ってる…?)


そもそも純の唯先輩を見る目が変わったのは、文化祭の頃からだった気がする。


(…ライブで歌う唯先輩に惚れちゃった…とか?)


確かな理由は分からない。
けど目の前で仲良さげな2人を見ているのは正直辛い…。
そしてその光景を見ていられなくなった私は、逃げるように2人から視線を外した。

その時、何故か胸が締め付けられるように苦しくなった。


(…なんで、苦しいんだろ…?)


いや…苦しい理由なんて一つしかない。
1週間前以前の私なら分からなかっただろけど、今の私にはギターを弾くより簡単に分かってしまう。


――私は純に嫉妬してるんだ。


そんな事を思っていると、偶然にも壁にかかったコートと一緒に置かれたマフラーに目がいった。
それは1週間前、唯先輩にクリスマスプレゼントとして頂いた物だ。


(…私だけの…マフラー…)


それを見ていると、1週間前のあの夜の出来事を思い出す。

先輩は恥ずかしそうに照れながら、私にマフラーをくれた。
私の、私だけの特別なプレゼントとして…。
初めは戸惑ったけど、マフラーのあったかさと唯先輩の優しい笑顔に最初に感じた戸惑いなんていつの間にか消えていた。

そう言えば1つのマフラーを二人で巻いたりもしたっけ…。
好きって言葉にしたわけでも、されたわけでもないけど、あの時は何だか心が繋がった気がしたんだ、唯先輩と。
しかもそれを嬉しいと感じている自分がいた。


その時わかった


私は――


(…唯先輩の事が…)



声に出していえたらどれだけ楽になれるんだろうね。
その気持ちを口に出していえない自分の臆病さに嫌気がさす。


(このまま…純にとられちゃうのかな…)


「梓ちゃん。ちょっといいかしら?」


考えが暗い方向に行きかけた私を引き戻したのは隣に座っていたムギ先輩でした。


「あ…は、はい。何ですか」


ムギ先輩はニッコリと微笑むと私の耳に口を近づけ、誰にも聞こえない様に小さな声で囁く。


(このままじゃ純ちゃんに唯ちゃんをとられちゃうわよ?)

(ぶっ!? な、何を…)


大声を上げそうになったけど、何とか抑えて、ムギ先輩と同じように小さな声で話す。
コソコソと話している私達は、はたから見てたらおかしく映っているだろうけど、他のみなさんは鍋に夢中で全然気が付いていませんでした。


(ふふ♪ ごまかしてもダメよ。私は全てお見通しなの。梓ちゃん…唯ちゃんの事好きなんでしょ?)

(なっ!…そっ!…)


言葉にならなかった。
何でムギ先輩が私の気持ちを知っているんだろうか。
もしかして、これもムギ先輩の特殊能力――百合電波の力なんだろうか?


(あ、あのムギ先輩…)

(みなまで言わないで!…大丈夫!私に任せて!)


自信満々のムギ先輩を前に、何となく一抹の不安を感じてしまうけど、このまま何もしないよりはマシだと思ったので任せる事にした。


ムギ先輩はコタツから出てすっくと立ち上がると――


「あの~私、ちょっとお花を摘みに行ってきますね~」


と言いながら、そそくさと部屋から出て行こうとした。
そして出て行く寸前、ちらっと私の方を見てGOサインを出しました。

一体何を…と一瞬頭を捻りましたが、考えて数秒でムギ先輩の伝えたかったことがわかった。
なんとムギ先輩が立ったことによって唯先輩の隣ががら空きだ。

これはチャンス――
道が開けた今、私を止めるものは何もないのです。


(ムギ先輩…ありがとうございます!)


心の中でお礼を言って、私はコタツに入ったまま唯先輩との距離を一気に詰める。
勢いが付きすぎて唯先輩にぶつかってしまったが気になどしていられない。


「わっ!…ど、どーしたの、あずにゃん?」


急にぶつかられた唯先輩はといえば、ちょっとおろおろしてたけど…。


(さ、さて…と?)


さっそく唯先輩にアクションを起こそうと思ったんだけど――
ここで問題が発生…。
せっかく隣同士になったというのに何をしていいのか分からなくなってしまったんです。
いや、そもそも隣になって何をするかまではまったく考えていませんでした。


「あ、あの、ですね…唯先輩…」


どうしよう。
どうしたらいい?

私はキョロキョロと辺りを見渡す。


(何か…何か小道具はないの!?)


必死になってこの状況を打開できる小道具を探すが、半ばパニックを起こしている今の私には正常な判断はできなかった。

このままじゃまた唯先輩が純にとられちゃう。
そればかりが頭の中を霞め、焦りが心を支配する。


――しかしそんな私を神は見捨てなかった。


偶然にも反対側に座っていた律先輩&澪先輩が視界に入ったのだ。


「ほーらみお、あーん♪」

「ば、ばかっ…恥ずかしいからやめろよ…」


律先輩はお皿からお肉を一つまみすると、澪先輩のお口にもっていき、恋人同士なら一度はしてみたいトップ5に入るであろう“あ~ん”をやってのけたのである。

そう、2人は人目もはばからずイチャイチャしていたのだ。

しかしながら律先輩にとってそれはイチャイチャしているとは思っていないのだろう。
幼馴染という関係上、律先輩にとってそれはごく自然な行為なのだ。
しかし第3者から見れば2人は恋人同士なんじゃないかと勘違いしてしまうかも。
澪先輩もそれを意識してか顔を赤く染めている。


「なんだ熱いのがだめなのか?…よーし、だったらふーふーしてやるからな!」


恥ずかしいと言っている澪先輩の話しをまったく聞いていない。
しかも、お肉の熱を冷ますべく、ふーふーと自分の息を吹きかけ始めたのだ。

さすがは律先輩です。
“あーん”だけでなく“ふーふー”までやってのけるとは…。


「ちょっ…り、りつぅ…」


さすがの澪先輩もこの2大コンボの前にはたじたじのようです。


「ほれ、あ~ん」


律先輩はニカッとした無邪気な笑顔を見せると、再度澪先輩のお口の前にお肉を差し出す。
澪先輩もこの笑顔にはノックアウトでした。


「うぅ…あ、あ~ん…」


ついにその固く閉ざしたお口を開いた澪先輩は、差し出されたお肉をパクッと口にする。


「どうだ? うまいだろ?」

「もぐもぐ…ばかりつ……おいしいに決まってるだろ…」


もぐもぐと食べながら真っ赤な顔で俯いてしまった澪先輩だったが、最後の「…ばかりつ…」の所に確かなラブを感じたのは気のせいではないと思います。









(これだ!!)


2人の一部始終をこの目に焼き付けた私は、自分も同じ事を唯先輩にしてあげようと決意した。


「ゆ、唯先輩っ!」

「な、なあにあずにゃん?」


ちょっと大きな声で名前を呼んだせいか、怒鳴り声みたいになってしまった。
唯先輩もビクッとして驚いてしまっている。
ちょっと失敗ですね。
でも負けてはいられません!

私は自分の受け皿からお肉を一つまみすると、唯先輩の可愛らしいお口の前に差し出し、魔法の言葉を口にする。


「は、はい唯先輩…あ、あ~ん…してください」


はっきり言ってちょー恥ずかしい…。
やってみてわかったけど、これは結構精神力を要する行為だ。
こんな事を平然とやってのける律先輩って、結構大物なのかもしれない。


「あ、あずにゃんっ!?」

「あ、梓っ!?」


さすがの唯先輩(+純)も突然の“あ~ん”攻撃に驚きを隠せないみたい。


「ほ、ほら…早くあけてください…、恥ずかしいんですから…」


唯先輩の目をじっと見つめ、早く食べてと訴えかける。
恥ずかしいなら最初からやるなよと言いたくなるが一度出した茶碗は引っ込められないのがこの世界の理だ。


「う、うん…わかったよあずにゃん…、あ、あ~ん…」


唯先輩は目を閉じると、おずおずとお口を開き、私を迎え入れる体勢をとります。
その光景は、まるで親鳥が雛に餌をやるような、そんな構図でした。
ただ食べさせてあげるだけの行為なのに、顔を真っ赤にして身体をぷるぷると震わせる唯先輩が堪らなく可愛くて、ぎゅっと抱きしめたくなります。
しかしこんな所で理性をなくして先輩を襲ってしまうのは、理に反していますからグッと堪えました。

…初めては雰囲気というものを大切にしたいですからね。


そもそも恋人同士ですらないと言うのに、飛躍しすぎな妄想を頭の中に思い描く私。
そんな桃色思考でも、ちゃんと“あ~ん”を成功させた自分に拍手を贈りたくなる。


「ど、どうですか? 美味しいですか先輩…」


先ほどまで何度も口にした味なので美味しいのはわかっているのですが、何故か聞かずにはいられません。
そして口に残ったお肉をごくんと飲み込んだ唯先輩は――


「うん、とっても美味しいよ…あずにゃん…」


そう言いながら、はにかんだような笑顔を見せる。


「そ、そうですか…良かったです」


その笑顔を見れただけで、何だかとっても温かい気持ちになります。


「…あ、あのねっ!あずにゃん」

「は、はい…何ですか?」


唯先輩は真っ赤な顔で俯くと、胸の前で手をもじもじと動かし始める。
その愛らしい仕草は私の胸をドキドキと高鳴らせ、理性を溶かしていく。
先輩はどうしてこんなにも私を夢中にさせるのだろうか。


「その…ね…?」


ドキドキしながら先輩の言葉を待つ。
待っている時間なんて、ものの数秒なんだけど、私には1分にも5分にも長く感じた。



「……もう一回…だ、ダメかな…?」


ドッキューーーーン!!!!!

その一言は私の心臓をピンポイントで打ち抜きました。
頬を赤く染め、瞳をうるうるさせながらの上目遣い。
このトリプルパンチから逃れるすべなど今の私は持ち合わせていないのです。

頭に血がのぼって顔が火照ってくる。
こんな状態では冷静さを保てないのだが、何故か身体は自然と動いてしまっていた。

私はふらふら~と危ない手付きで受け皿とお箸を手に取る。
そしてもう一度、今度はお野菜を箸でとり唯先輩のお口の前に差し出しました。


「…ど、どうぞ…あ~んです先輩」

「う、うん…あ、あ~ん…」


…。

それから私達は、何度も何度も――それこそ鍋の中身が無くなるまで、ずっと飽きもせずに“あ~ん”を続けました。


もう数時間後には年が明ける。
そんな状況の中、私はふと思います。

――私は唯先輩が好き――

今はまだ、心の中で思うことしかできないけど…
来年こそは必ず、唯先輩にこの気持ちを伝えられるようにがんばろう、と――




一方、蚊帳の外では――


「えーと…ざ、残念だったね、純ちゃん…」

「うぅ…別にくやしくないもん!」


唯を奪われ、いじけ虫になってしまった純を憂が慰めていましたとさ…。



おしまい



【あとがき】
最後まで読んでいただきありがとうございます。
予告どおり、今更ながらの年末ssでした。
年始ssも考えてはいるのですが、とりあえず年末から
一応、前回のクリスマスssの続きとなっていますが、
前回は唯視点だったので今回はあずにゃんですw
[ 2010/01/11 00:46 ] 未分類 | TB(0) | CM(3)
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[ 2010/01/11 13:29 ] [ 編集 ]
すごいです!!
よかったです
これからも頑張ってください☆
[ 2010/01/11 22:14 ] [ 編集 ]
面白かったですw
金たろうさん、今回も前回から引き続き読ませていただきましたw。

クリスマスは、唯視点でしたが、今回の梓視点のお話も凄く読み応えありました。純ちゃんに嫉妬する梓とか凄くかわいかったですw。純ちゃん、確かに存在感ありますよね^^。私も3巻以降すごく好きなキャラになりましたw。

また、遊びに来ますので、よろしくお願いしますねw。
[ 2010/01/13 00:22 ] [ 編集 ]
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