とある百合好きの駄文置場。二次創作SSやアニメ・漫画等の雑記中心。ゆいあずLOVE!

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唯梓SS 『風邪を引いた日』

※追記からどうぞ!

それはとある朝の寝起きのこと。


「…ん………にゃ…?」


なにやら身体に違和感を感じる。
声を出そうとしたが、喉がイガイガして上手く声が出ない。
それに身体がだるくて頭もふわふわしている。
なにこれ…?どういうこと…?


「こほっ…こほっ…」


自分の意思とは関係なしに咳がでる。
徐々に冴えてきた頭が、ようやく自分の置かれた状況を飲み込んだ。
咳、のどの痛み、頭痛。これらのことをかんがみるに。
つまり私は…。


「完全に風邪だよね、これ…? うぅ…頭痛い…」


激しい頭痛に襲われ思わず頭を両手で押さえ顔をしかめる。
これははもう学校休むしかないかもしれない。どう考えても完全に風邪だこれは。


(…無理して行っても、他のみんなに迷惑かけるだけだし…)


風邪なんて引くのは本当に久しぶりだったけど、
あとから考えてみれば風邪を引くのもそんなに悪くないかなって思えた。
なんでかって? だって…貴女の温もりを一杯感じられたんだもん。
私の大好きな貴女のぬくもりを――。



 **



「ぅ…んん……ん?」


額に生暖かい違和感を感じて私は目を覚ました。


(…ぬるい…濡れタオル?……ああ、私、風邪引いたんだった……)


あれから私は、軽い朝食の後、薬を飲んですぐに眠ってしまった。
どうやら朝にくらべると自分の状態も良くなっているようだ。
喉もあまり痛くないし、頭痛も朝に比べれば治まっている。


「ふぅ……これなら、明日は大丈夫かな……そういえば、今何時だろ?」


時計を確認しようとして壁にかかった時計に目をやると、それと同時に、コンコン、っと部屋をノックする音が部屋に響く。


(……誰だろう? 親は仕事に行ってるし、家には誰もいないはずだし……)


もしかすると、私を心配に思った親が帰って来たのかもしれない。
朝仕事に行く際も、私の身を案じて仕事を休もうとしていた母の姿を思い浮かべた。
さすがにそこまでしてもらってはこっちの方が悪いので、一人で大丈夫だと笑ってみせ、母を送り出したわけだが。


「は、はぁーい」


とりあえず黙っているのも変に思われると思って鼻声で返事を返す。
ガチャっと開かれた扉。中に入ってきたのは親――、


「おじゃましま~す…あ、おはようあずにゃん、身体はもう平気なの?」


ではなく、見間違うはずもない計音部の先輩、唯先輩だった。


「ゆ、唯先輩? どうしてここに?…っていうか学校は?」


疑問に思って先輩に問いかける。


「ふふ、何いってるのぉ、あずにゃん? もう放課後だよ」
「え……ええぇぇ!?」


急いで時計を確認する。そういえばさっきは時計を確認出来てなかった。
時計の示す針はすでに放課後の時間帯で、どうやら朝から今までぐっすりだったことがわかる。


「ほ、ホントだ………あ、そ、それで、唯先輩は、どうしてここに?」
「ふっふっふ、なんでだと思う?」


唯先輩は胸を張って悪戯っぽい笑顔を浮かべて私に聞いてくる。
質問を質問で返すのはいただけないが、唯先輩の考えてることくらいは手に取るようにわかった。
が、それでも私は分からない振りをして先輩に聞き返す。


「わ、わからないです……何でですか?」
「ぶぅー、お見舞いだよ!お見舞い!……あずにゃんのお母さんがいてよかったよ! いなかったらどうやって家に忍び込もうか迷っちゃってたとこだったよ!」
「やっぱり……って、お母さん帰ってきてたんだ…」
「うん。あずにゃんが心配で帰ってきたんだって」


どうやら私の予想は半分当たっていたようだ。


「っていうか、忍び込まないでくださいよ! でも、わざわざありがとうございます、唯先輩」
「ううん、いいんだよ!……それにね? 今日一日あずにゃんの事が心配で心配で仕方なかったんだよ?」


不安そうな、それでいて優しい瞳で私を見つめてくる唯先輩に、思わずドキッっとしてしまう。
いつもそう。私の知らない唯先輩の顔を知るたびに、私の胸はドキドキしてしまうんだ。
たぶん、きっと私は唯先輩のことが好き…なんだと思う。
自覚してしまうとどうにも顔が火照ってしかたがないんだけど。

もう…そんな嬉しいこと、そんな顔して言わないでくださいよ。
ほんと唯先輩ってずるい…卑怯だよ…。


「あれ? あずにゃん、顔赤いよ、まだ熱下がってないんじゃない?」


そういって私の額に自分の額をくっつけてくる唯先輩。
私はいきなりの事に心臓が止まりそうだった。だって唯先輩の顔が私のすぐ目の前にあるだもの。
しかも私は先輩の小さくて柔らかそうな唇に釘付けで、もう何が何やら。


「な、な、なな…あぅ」


あとちょっと顔を近づければキスできるかも…。
とか考えちゃった私は不健全なんだろうか…。


「ぁ……ぅ……」
「う~ん? まだ少し熱いみたいだねぇ」
「ぅぅ…」
「あれ? あずにゃん、さっきより顔赤いよ? ホントに大丈夫?」
「うう…ゆ、唯先輩のせいですよっ!!」
「え、えぇぇ、なんでぇ~」


おろおろして涙目になっている唯先輩。本当に何故だか分かっていないらしい。
本当に鈍感で朴念仁なんだから。でもそんな唯先輩を見ていると私も自然と笑顔になってしまう。


「……あ、そ、そういえば今日は部活はどうしたんですか?」
「ん? 今日の部活はお休みだよ。みんなであずにゃんのお見舞い行こうってことになってね、あ、みんなはもう少ししたら来るよ。お見舞いに何か買って行くって」
「え? そ、そうなんですか…なんかごめんなさい、いろいろと」
「いいんだよ! みんなも心配してたからね…」


でもね?と続けた唯先輩の瞳に妖しい雰囲気が漂う。
その妖艶な雰囲気にドキリとして思わず息をのみゴクリと唾を飲み込んだ。
そして、何も言えない私を無視して耳元に顔を近づけた唯先輩は囁くように小さな声で言った。


「あずにゃんを“一番”心配してたのは……私だからね」
「っ!!?」


その言葉に、ドキンっと一際大きく心臓が跳ね上がる。


(ど、どういう意味…?)


唯先輩のことだから深い意味はないんだろうけど…でも。


「あ、そうだそうだ、私、オレンジジュース買ってきたんだよ。あずにゃん、ジュース飲む?」
「………」
「あずにゃん?」
「ふぇ?……は、はは、はい、なな、なんですか?」
「だから、ジュース飲まない?」


意味深な言葉の真意を考えていたせいかボーっとしていた私。
唯先輩に声をかけられ動揺してしまう。


「あ、は、はい。いただきます」


ベッドから軽く身体を起こすと唯先輩がそれを制した。


「あぁ、寝てていいよ。私が飲ませてあげるから!」
「え、でもどうやって…?」


そんな当たり前の疑問の中、唯先輩はジュースの入ったペットボトルに口をつけ、口に含んでいく。
な、なにをやっているんだろうか。私に飲ませるのに自分で飲んでは意味ないのではないだろうか?
も、もしかしてボケてしまったとか? さすがにまだボケるには早くないですか?


「あ、あの? 唯先輩? 何やっ………んんっ!?」


唯先輩の行動が理解できず理由を聞こうとした瞬間、ふいに唇にやわらかい感触。
私の唇が何かで塞がれていた。これはなんだ?と気づくまでにそう時間はかからない。
目の前にはドアップで映る唯先輩の綺麗な顔がある。
つまりはそう。私の唇を塞いでいる柔らかな感触の正体は――唯先輩の唇だったわけだ。

そう頭で認識した瞬間、思考が停止した。

先輩の体温でちょっとだけぬるくなったジュースが私の中に流れ込んでくる。
なんで?どうして?と思うだけの思考力が働かない。
唯先輩の唇の柔らかさと暖かさに、そんな細かい事はもう、どうでもよくなっていた。
私はただ唇を伝ってくるジュースをゆっくりじっくり飲み干し、喉を鳴らしてく。


「んふっ…んくっ…ちゅ……んっ」
「んんっ……ちゅっ……はぁ」


甘い吐息をこぼして、唯先輩の唇が名残惜しげに離れた。


「えへへ……もっと飲む? あずにゃん?」
「………」


少し頬を上気させて尋ねてくる唯先輩。私は無言でボーっとする頭で、無意識に小さく頷いてしまった。
唯先輩はふっと笑みをこぼすと、先ほどと同じようにジュースを含み、再び唇を重ねてくる。
柔らかな感触を確かめながらコクコクとジュースを飲み干していく。
すると突然、唯先輩の舌が私の口内に侵入してきた。私の舌に触れ、くちゅっと水音を立てる。
ビクッとしたのは一瞬。私も先輩の舌に自分のそれを絡ませていく。

ぴちゃぴちゃ、という卑猥な水音が部屋の中に響く。
もうすでにジュースはなくなっていたけれど、私たちは飽きることなく互いの舌を貪り合っていた。
そう、私たちは口移しという名のキスに夢中になっていたせいで大事なことを忘れていたんだ。

他の先輩たちがお見舞いにくるということを――。
ふいにガチャっと扉が開かれる音がして、ぞろぞろと数人の足音が鼓膜をつく。


「お~っす。梓~元気になったかぁ~って…はぁっ!?」
「おい律!ノックくらいしてから入れよ!…ひゃっ!?」
「あらあら♪……はぅっ!?」

「「んんっ!!?」」


次々に部屋に入ってくる先輩たちに驚く私達。
先輩たちも私たちを驚きの目で見ている。
それはそうだ。なぜなら私たちの唇はまだ重なったままだったのだから。
急だったせいで、完全に唇を離すタイミングを失ってしまった。


「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」
「「・・・・・・・・・・・・・・」」


時が停止した――が、実はムギ先輩の思考回路はフル回転していたことを私は知らない。
さすがは百合の伝道師、琴吹紬である。


さすがにこのままではダメだと思った唯先輩。
ゆっくりと唇を離すがしかし、それでも私たちは繋がっていた。
きらきらと光る唾液の糸で――。

それを見た律先輩と澪先輩。顔を茹蛸のように赤くして。
それにムギ先輩は、鼻血を垂れ流し、今まで見たことも無いような笑顔でうっとりしてる。


「「ごっ・・・・・・・」」


律澪コンビが小さな声で呟く。


「(あぁっ、カメラかビデオを持ってくるんでしたわっ!! 斉藤っ!斉藤はどこっ!!あぁっ、もうっ!こんな大事な時に役に立たない執事ねっ!!)」


ムギ先輩は――もういいです…。とりあえず鼻血拭いてください。


「「ごゆっくりぃぃぃぃぃ~~~~!!!」


WAWAWA?


「あらあらまあまあ……うふふふふふふふ……(斉藤…帰ったらお仕置きよ…)」


律澪コンビは絶叫し、ムギ先輩は不気味な笑みを浮かべ部屋から飛び出していった。


「「・・・・・・・・」」


3人が飛び出していったあと、私と唯先輩を残した部屋は静寂に包まれた。




 **




「あはは、どうしよっか♪」
「もう!笑い事じゃないですよっ!」


あれから少し落ち着いた私たちは、さっきの出来事について考えていた。
あんな状態を見られてしまってはもう誤解も何もあったものじゃない。
それに唯先輩は見られたこともなんのその、まったく気にしていないのか、いつもの調子だ。


「うーん、でもでも、あずにゃんも気持ちよさそうにちゅーしてたよ?…目なんかトロンとなってて、顔なんか真っ赤かで、すごく可愛かったし…」
「んなっ!? な、なにいってるんですか!? でたらめ言わないでください! 唯先輩のバカ、もう知りません!…ほんと人の気も知らないで…唯先輩なんて嫌いです!!」


キスされたのは嬉しかった。先輩たちに見られたのもまあ百歩譲ってよしとしよう。
でも、どうしてそんなにへらへらしていられるのだろうか。
私とキスするのは何でも無いことなの? そう考えると涙が出そうになった。
結局唯先輩にとって、私なんて何でもないただの後輩でしかないんだ、と卑屈な事を考えてしまう。


「………」


しかし私の何気ない言葉に唯先輩の表情から笑顔が消える。


「……ねぇ、梓……」
「っ!?」


今…名前で…。


「な、なんですか?」


名前で呼ばれた事にも驚いたけど、そんなことよりも唯先輩の低い声にかなり動揺してしまう。
それにいつもは見せない真剣な瞳で見つめられ、息が詰まる。


「私のこと、嫌いなの?」
「…え…?」


先輩は私の身体を起こして、素早く抱き寄せ耳元で囁く。


「ゆ、唯先輩っ!?」
「嫌いなの?」
「ぅ…あ…」


驚いて身を固くする私をぎゅっと抱きしめ、私の答えを待っている。
誤魔化せない、そう思った。今の唯先輩には誤魔化しの言葉なんて通用しない。
すべてを見透かすようなその声色に、私の本能は突き動かされる。


「うぅ……す」
「す?」
「………ほ、ホントは…す、好き…です…」


いつもと違う唯先輩の雰囲気に圧された私は素直な気持ちを吐露してしまう。
唯先輩はその言葉に満足し、さっきよりも強く私を抱きしめ、耳元にふぅっと息を吹きかけてくる。


「やぁっ…」
「えへへっ、私もあずにゃんのこと大好きだよ……最初にも言ったでしょ”一番”だって、それに好きじゃないのにキスなんてできないよ?」


私からゆっくりと離れた唯先輩は、いつものニッコリとした笑顔を向けてくれた。
そうして気付く。気付かされた。さっきの言葉の意味はそういうことだったんだ、と。


「ねぇあずにゃん?」
「なんですか…」
「また、キスしてもいいかな?……今度はジュースなしでね?」
「……」


答える代わりに唯先輩に向かってゆっくりと目を閉じる。
唯先輩は私を優しく抱きしめ、ゆっくりとベッドに押し倒していった。
もう誰にも止められない。止まらない。押し付けられた唇は相変わらずプリンみたいに柔らかい。
3度目のキス。それは今までで一番長く、甘く、脳を蕩けさすようなキスだった。

でも――。

結局キスだけじゃ終わらなかったんだよね。
うーん…こんな事してて、風邪、治るのかな?




END




【あとがき】
最後まで読んでいただきありがとうございます!
風邪を引いたあずにゃん、そしてちょっとイケメン唯でした
あずにゃんはたまに見せるイケメンな姿に翻弄され続ければいいと思う

感想等あると尻尾を振って喜びます^^
[ 2009/09/04 20:38 ] 未分類 | TB(0) | CM(3)
GJです!流石完成度の高い作品ばかりですね〜^^;
自分の精進せねば・・・。
[ 2009/09/04 22:36 ] [ 編集 ]
すべてにおいて完成度が高い!
新作期待してます^^
[ 2009/09/04 23:24 ] [ 編集 ]
ちょっと褒め過ぎです!(笑
自分としてはもっと文才とか表現力が欲しいです(涙
もっと書きたい事があるんですが、頭に浮かばないと言うか何と言うかですね・・・

でも喜んで頂けて嬉しいです。これからも精進してがんばります。
[ 2009/09/05 19:39 ] [ 編集 ]
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